2021年05月20日公開
2021年05月20日更新
マダニに刺されたら取り方に注意!症状や正しい対処法【写真】
あなたはマダニに刺された時の恐ろしさを知ってますか? 万が一刺されたときのためにマダニの取り方を知っておくべきです。 この記事では、マダニに刺されても適切な対応ができるよう、マダニの特徴や取り方、未然に防ぐ方法などをご紹介します。
目次
あなたはマダニに刺されたことはありますか?
あなたはマダニに刺された経験がありますか?
そもそも「ダニなんてこの目で見たことない」なんて人も多いのではないでしょうか?
マダニと縁のない生活が一番ですが、万が一マダニに刺された時にあなたは対処できますか?
最悪の場合、マダニに刺されると死に至ります。
そうならないためにも、マダニに刺されたときの取り方などの対処法を身につけておきましょう。
そもそもマダニってどんな生き物?
マダニとイエダニは全く違う
イエダニは体長が1㎜前後の小さなダニで、名前の通り家の中に生息していることが多いです。
イエダニであれば、刺されてもかゆくなるだけです。
これに対しマダニは3mm~1cmとかなり大きめ。
昆虫で言うとテントウムシくらいの大きさがあるので、肉眼ではっきり見ることができます。
幸い、室内に生息することはありませんが、日本全国の森林や草地に生息しています。
葉の裏側などで動物が通りかかるのを待ち伏せしています。
そのため都心部ではマダニと遭遇する可能性が低いため、マダニを知らない人も多くいます。
マダニの特徴
マダニはクモののような節足動物の仲間です。
写真を見ての通り、体の構造的にはクモと大差ありません。
ですが、吸血後には体長1㎝を超えることもあります。
とてもダニとは思えない大きさです。
マダニのライフサイクル
マダニは植物の葉っぱなどで、動物が触れるのを待機しています。
運良く動物に乗り移ると、1週間以上に渡る吸血を開始します。
吸血が終わるとマダニは一度離れ、成長と脱皮を行います。
この期間を休眠期間と呼びます。
マダニはこの吸血と休眠を3回ほど繰り返します。
こうして成熟したマダニは交尾を行います。
メスは一度に数百から数千個の卵を産むそうです。
産卵を終えたマダニは死に、産み付けられた卵は1,2か月ほどで孵化し、すぐに吸血を行おうとします。
マダニの行動が活発なのは冬を除く比較的暖かい季節です。
だからといって、冬場に全てのマダニが活動しない訳ではないので注意しましょう。
マダニは別名「殺人ダニ」
マダニに刺されると、死に至る可能性もあります。
それは、マダニが感染症のウイルスを媒介するからです。
特にSFTSウイルスはマダニに刺されることで人間に感染すると30%の確率で死亡するといわれています。
死に至らなかったとしても、下痢や嘔吐などの症状が現れます。
このため、マダニは別名「殺人」とも呼ばれます。
マダニに刺されたら早急に皮膚科へ行き治療を受けてください。
最も怖いマダニの感染症「SFTS」とは
症状と潜伏期間
SFTSウイルスとは、「重症熱性血小板減少症候群ウイルス」のことで、これに感染すると38度以上の発熱や消化器系への症状(吐き気、嘔吐、腹痛、下痢)が現れます。
人間の場合、致死率は最大30%にもなります。
潜伏期間は6日~14日程度のようです。
現状、治療は対症療法のみで、有効な治療薬はないとのことです。
感染を未然に防ぐには、マダニに刺されないようにするしかないでしょう。
ウイルスを持ったマダニに刺されたら死に至る場合も
実際に日本でマダニに刺されたことによる死亡例があります。
感染例だけで言えば2015年3月11日時点で100例以上にもなります。
マダニは日本全国に生息しているので刺されないように注意しましょう。
マダニには犬も要注意
マダニが吸血する対象はもちろん人間だけではありません。
犬や猫などにも寄生します。
写真の犬は耳のあたりにマダニに刺されてしまっています。
犬や猫にもSFTS感染の恐れはありますので、犬猫を飼っている方々は十分に注意しましょう。
犬への感染を予防するには、動物病院で適切な駆除薬を投与してもらい定期投与を行う方法があります。
これらの対処をマダニに刺される前に行えば、マダニに刺されても48時間以内にほとんど死んでしまうそうです。
残念ながら、マダニに刺されるのを予防することはできません。
また、犬や猫からSFTSが人間に感染する可能性はゼロではありません。
犬や猫などのペットの飼い主の方は気を付けてください。
マダニに刺されたらどうなる?
刺された皮膚が皮膚が腫れ上がる
マダニは皮膚の柔らかそうなところを探してそこにノコギリのような口を差し込みます。
この時に出てくる血を吸い続けます。
これにより、マダニに刺された箇所の周辺は写真のように赤く腫れあがります。
マダニに噛まれた跡は、蚊に刺されたとき以上に腫れあがります。
ですが、刺されてもすぐにかゆみは感じられないようなので、マダニに刺されたことに気づくのが遅くなる恐れがありますので注意しましょう。
マダニに刺されたときの対処法
刺されたら無理にマダニを取らず皮膚科を受診
マダニに刺されているのを見つけたらすぐに取ってしまいたくなるのはわかるのですが、安易に取ると刺された跡にマダニの口が残ってしまいます。
一度吸われた血や体液の逆流により感染症のリスクが高まる恐れがあるので、取ってしまおうと思わず、刺されたら症状が悪化する前にそのまま皮膚科を受診して治療を受けてください。
刺されたからといって無理やり取ってしまうと跡にマダニの口が残る
写真は、実際に人間がマダニに刺されたものです。
この状態のまま皮膚科へ行って治療を受けることを推奨します。
この写真は先ほどのマダニを拡大したものです。
この時、マダニは唾液をセメントのように固めて、宿主である人間からなかなか離れないようにします。
そのため、むやみにマダニを取ってしまうと、写真のように吸血していた跡に口が残ってしまうので取り方には注意しましょう。
もし口が残ってしまったら、その大きさは1㎜程度しかないので取るのは困難です。
口が残ることで症状が悪化する恐れもあるので、自力でマダニを取ってしまいたい場合は口が残らないよう慎重に行いましょう。
早急に皮膚科を受診して治療を受けましょう。
場合によっては皮膚を切開して治療することも考えられます。
マダニに刺されたときにすぐ取りたいときの取り方
取り方①:殺虫剤を使った取り方
マダニに刺されたときにどうしても皮膚科に行く前にマダニを取ってしまいたい場合の対処法です。
一つ目の取り方は、殺虫剤を綿棒などにしみこませて、それをマダニに塗る方法です。
殺虫効果によりマダニが外れるそうなのですが、外れる前に死滅したら結局外れないような気がするのですが大丈夫なんですかね?
もし外れずに死滅してしまったら、そのまま皮膚科へ行くか、別の取り方を試すか、ピンセットなどでマダニの頭の方をはさんで、口が残らないよう一定の力で抜いてみてください。
取り方②:アルコールや虫よけプレーを使った取り方
皮膚科に行かずにマダニを取ってしまう対処法としてはこれが一番良さそうに思います。
2つ目の取り方は脱脂綿などにアルコールや虫よけスプレーをつけて、マダニにかぶせます。
こうすればマダニは苦しくなるので、自ら口を外して何処かへ行こうとします。
自ら動いてくれれば、口が残る心配もいりません。
マダニが外れたら皮膚科へ行きましょう。
取り方③:ワセリンを使った取り方
3つ目の取り方ですが、ワセリンが手元にあるのであれば、ワセリンをマダニに塗るのも効果的です。
写真のように塗ればマダニも苦しくなって動き出すはずです。
取り方も大事ですが、やはり皮膚科で受診することを最優先に!
もちろん皮膚科へ行くのが最優先なのですが、何らかの理由により刺されてもすぐに皮膚科へ行けない状況でしたら自ら取ってしまう方が良いかもしれません。
そのため、マダニの取り方もぜひ覚えておいてください。
早く取ってしまった方が刺された跡の腫れも抑えられるはずです。
とは言え、マダニに刺された以上は皮膚科へ行って治療を受けてください。
マダニと遭遇しないためには?
できるだけ草むらに入らない
マダニは植物の葉などで宿主となる人間や犬、猫などの動物が通るのを待ち伏せをしています。
そのため、草むらにさえ入らなければほぼ確実にマダニと遭遇しなくて済むと考えられます。
服装に気を付ける
どうしても草むらに入らなければいけない場合は、肌の露出が少ない服装をしましょう。
首や手首、足首も隙間ができないようにして、マダニが入る隙間を無くしましょう。
外出前に虫よけスプレーをかける
服装も大事ですが、さらに虫よけスプレーをかけておけば服に付着する可能性を減らせます。
念のためにかけておきましょう。
帰宅時は刺されていないか確認を
帰宅したら身体にマダニが付着していないか確認しましょう。
もしマダニに刺されていたら早期発見が大事です。
早く見つけて早く対処すれば、マダニに刺された跡もあまり大きくならずに済むでしょう。
マダニを発見したら、焦って取ろうとするとマダニの口が跡に残って大変なことになりかねません。
マダニの取り方には注意しましょう。
発見しても落ち着いて対処しましょう。
小さい子供は特に注意
特に小さい子は気づかないうちにマダニに刺されていたりするので、刺されたところが腫れてかゆくなるといった症状が出てようやく気付くこともあり得ます。
また、気づいてもすぐにマダニを取ろうとして、刺された跡に口が残ってしまうことを考えられます。
小さい子に「マダニに刺されても取らない」ことを教えても理解してくれる保証はないので、周りにいる大人が気を付けましょう。
最後に
いかがでしたか?
マダニは人間を含む動物に寄生して長期間にわたり血を吸います。
しかも、感染症のウイルスを持っていたり、むやみに取ろうとすると刺された跡に口が残ってしまうというとても厄介な生き物です。刺されたら、症状があまり出ていないうちに早く皮膚科へ行くことをおすすめします。
できるだけ草むらなどに近づかないなど、普段からマダニに遭遇しないよう気を付けましょう。
そして、万が一に備えて、マダニの取り方も覚えておきましょう。