2021年05月10日公開
2021年05月10日更新
成功者ゼロ?「マネーの虎」に出演した社長たちの現在がヒドい…その後まとめ
「ノーマネーでフィニッシュです」。このセリフ、聞き覚えがないだろうか。そう、数々の成功者を輩出し一世を風靡した伝説のバラエティ番組「マネーの虎」の文言だ。社長や出演者のその後が気になるという方も多いことだろう。マネーの虎の成功者と社長のその後をまとめてみた。
目次
- 1マネーの虎とは
- 2マネーの虎でやらせ疑惑が浮上した理由
- 3マネーの虎の社長たち ~番組放送当時から現在まで~
- 4マネーの虎 社長①川原浩史
- 5マネーの虎 社長②堀之内九一郎
- 6マネーの虎 社長③高橋がなり
- 7マネーの虎 社長④加藤和也
- 8マネーの虎 社長⑤南原竜樹
- 9マネーの虎 社長⑥岩井良明
- 10マネーの虎 社長⑦吉川幸枝
- 11マネーの虎 社長⑧安田久
- 12マネーの虎 社長⑨小林敬
- 13マネーの虎 社長⑩文野直樹
- 14マネーの虎 社長⑪貞廣一鑑
- 15マネーの虎 社長⑫尾崎友俐
- 16マネーの虎 社長⑬樋口道也
- 17マネーの虎 社長⑭野口美佳
- 18マネーの虎 社長⑮上野健一
- 19マネーの虎 社長⑯臼井由妃
- 20マネーの虎の出演者 ~"マネー成立"からその後まで~
- 21マネーの虎の成功者①千代 敬司さん/ペット用品販売
- 22マネーの虎の成功者②黒澤文昭さん/出張型パソコンメンテナンス
- 23マネーの虎の成功者③メスット・シェネルさん/ケバブ屋
- 24マネーの虎の成功者④立花洋さん/イタリアンレストラン)
- 25マネーの虎の成功者⑤おにぎりの移動販売の女
- 26マネーの虎の成功者⑥菊野慶吾さん/ハンドメイド家具職人
- 27マネーの虎の成功者⑦キムさん/キムチの移動販売
- 28マネーの虎の成功者⑧長谷部文康さん/クレープの移動販売
- 29マネーの虎の成功者⑨遠藤健さん/ワンコイン屋台
- 30マネーの虎の成功者⑩井出らっきょさん/野球塾
- 31マネーの虎の成功者⑪DJ UTO(加藤和宏さん)/ダンスミュージックレーベル設立
- 32マネーの虎の成功者⑫辻康裕さん/モンゴルでタクシー会社設立
- 33マネーの虎の成功者⑬岡田耕児さん/幻のラーメン カオソーイ
- 34マネーの虎の成功者⑭薩摩宣永さん/ボクサー
- 35マネーの虎の成功者⑮揚田亜紀(あがりたあき)さん(元アイドル)/健康ドリンクバー
- 36まとめ ~「ノーマネーでフィニッシュです」と言われないために~
マネーの虎とは
マネーの虎は2001年~2004年まで日本テレビで放送されていた人気バラエティ番組。
一般人である志願者が虎と呼ばれる投資家達に向けて起業プランの具体的な提案などをプレゼンし、現金を出資してもらう企画で当時、一世を風靡した人気番組だった。
ほとんどの志願者は人間性に問題があったり計画が無謀すぎるあまり、投資家たちからは終始厳しい叱咤を受けたり罵声を浴びさせられてマネー成立には至らず、司会進行役の吉田栄作から「ノーマネーでフィニッシュです」のお決まりのセリフを投げかけられることがほとんどだったが、稀に投資家である社長たちの琴線に触れて現金を勝ち取ることもあった。
よくあるセリフ
マネーの虎でよくあるセリフのひとつに「ノーマネーでフィニッシュです」があるが、これは誰からも救いの手を差し伸べられなかった志願者に向けて吉田栄作が最後に言う番組の決まり文句である。
マネーの虎の放送当時は、毎週のように吉田栄作の「ノーマネーでフィニッシュです」を今か今かとテレビの前で待ち望んでいた視聴者も多かった。
コツとしては消え入るような声で残念そうに言うのがポイントである。
マネーの虎でやらせ疑惑が浮上した理由
マネーの虎放送当時は、そのやり取りはビジネスドラマ顔負けの生々しいやり取りが繰り広げられ、視聴者の間では「やらせ疑惑」が囁かれた。
無論、これらのやり取りはあくまでもガチであってやらせではないのだが、当時は色々な問題が複合的に絡み合い、マネーの虎においてもやらせ問題が浮上してしまった。
やらせ疑惑①過剰演出
当時は、人間性に極度に問題があったり、あまりにもずさんな事業計画を引っ提げてスタジオにやってくる志願者が後を絶たなかった。
そのため、社長たちも間違っている部分は強く指摘しなければ伝わらないというプレッシャーもある程度はあったようだ。
やらせ疑惑②マネー成立後に志願者がリタイア
マネー成立後も短いスパンで問題を起こしたり、道半ばで挫折してしまう志願者が多かったこともあり、これもやらせ疑惑に更なる拍車を掛けた。
やらせ疑惑③『ガチンコ』のやらせ問題とほぼ同時期
もうひとつ、同時期に「ガチンコファイトクラブ」が放送されており、こちらはあからさまにやらせの臭いが漂っていた(※その後、本格的にやらせが発覚し「ガチンコ」は終了)こともあり、これに煽りを受ける形でマネーの虎のやらせ疑惑に更なる拍車を掛けることとなった。
マネーの虎の社長たち ~番組放送当時から現在まで~
マネーの虎において出資者である社長達は人間性から考え方まで三者三様。
また、社長達の個性もそうだが、出演者に対して誰かが難色を示せば誰かが好感を持つという「捨てる神あれば拾う神あり」という展開もなかなかおもしろいのもマネーの虎の魅力のひとつであった。
ここでは、そんな一癖も二癖もあるマネーの虎の社長達を紹介するとともに現在の近況をまとめてみた。
マネーの虎 社長①川原浩史
マネーの虎出演当時の肩書は「株式会社なんでんかんでん・フーズ」社長。
「なんでんかんでん」は当時、環七通り沿いにあった超人気のとんこつラーメン屋でメディアでも頻繁に取材されていた。ピーク時の最高年商は5億円。
基本的には上から目線でのダメ出しが多い。
将来性のありそうな画期的なビジネスや、自信も飲食業を営んでいるためか飲食業で成功を目論む志願者に対しては温情を見せることもあるが、実態が不透明なビジネスに関しては難色を示す。
川原社長の現在
マネーの虎放送終了後、程なくして環七ラーメンブームは終焉を迎えることになる。
業績は低迷し、ピーク時には10店舗あった店舗は3店舗までに激減。
2012年には本店も閉鎖し、催眠術やマジック、結婚式の司会などで食いつなぐも2015年には
借金が2億あったが現在は減らし新しい店も出店予定という。
2016年にはクラウドファンディングを利用して資金を募るも集まらず、番組の名言でもある「ノーマネーでフィニッシュです」がブーメランとして見事に自身に炸裂。
もう終わりかと思いきや、2017年にしくじり先生(テレビ朝日)に出演。
虎に返り咲く日はそう遠くない?
マネーの虎 社長②堀之内九一郎
マネーの虎出演当時は株式会社生活創庫社長。
最盛期にはリサイクルチェーンの創庫生活館を全国に200店舗以上展開。
ホームレスから年商120億円の社長へとのし上がり逆転人生を遂げた。
番組内では「やらせ疑惑」が浮上するほど極度に出資を渋り、再三に渡り計画性のない志願者に向けて頭ごなしに上から目線での容赦ない駄目出しを繰り広げた。
極稀に志願者の可能性を見抜くや否や、即決で投資に踏み切る一幕もあった。
堀之内九一郎社長の現在
2013年5月に手形不渡りで経営破たん。負債額は15億円。
番組の決まり文句の「ノーマネーでフィニッシュです」が再三に渡り志願者に辛辣な言葉を浴びせてきた自分自身にそのまま跳ね返ってくるという結果に…。
マネーの虎 社長③高橋がなり
マネーの虎出演時の肩書はAVメーカー・ソフトオンデマンド株式会社の社長。
下積み時代はADとして、テリー伊藤の下で働いていた。
テリー伊藤からの資金提供により2つの会社を潰し借金を抱えるが3社目で成功を収め、その後10年で100億円企業にまで成長させる。
マネーの虎では場の空気に流されることなく自分の直感で出演者を見定める。
高橋がなり社長の現在
国立ファームを設立し農業を始める。
ビジネス自体は赤字のよう。
マネーの虎 社長④加藤和也
マネーの虎出演当時、株式会社ひばりプロダクション社長。藤和エンタープライズ取締役代表。
歌手の美空ひばりの長男(養子・血縁上は甥)でもある。
加藤和也社長の現在
現在も社長業を継続中。
加藤社長もまた「ノーマネーでフィニッシュ」とは程遠い社長の1人。
マネーの虎 社長⑤南原竜樹
マネーの虎出演当時の肩書はオートトレーティング「ルフトジャパン株式会社」社長。
大学在学中のヨーロッパ旅行がきっかけで並行輸入車販売を事業として起業。
計画の甘い出演者に対しては堀之内九一郎社長と同様、情け容赦ないダメ出しを繰り広げることもあるが、出演者に対する評価はイマイチでも光るものがあれば出資するときは出資する。番組内では「冷徹なる虎」とも呼称されていた。
南原竜樹社長の現在
2005年にイギリスMGローバーが経営破綻。
当時並行輸入車販売を行っていた南原社長はその影響で大量の不良在庫を抱えることになってしまう。
負債額50億円を抱えてしまい、一時期はホームレス生活へと転落。
しかしながらここで「ノーマネーでフィニッシュです」といかないのがこの社長の凄いところ。
その後、人材派遣業、レンタカー事業、本の出版などを橋頭堡にして2度目の成功をおさめる。
奇跡的な人生のV字回復を遂げた。
近年ではメディアへの露出も度々見られるようになってきている。
マネーの虎 社長⑥岩井良明
リクルート出身。愛知県内で学習塾を運営する(株)モノリスの代表取締役会長。
熱血漢で人情味に溢れ、鋭い洞察力を持つ。
未知の分野であっても出演者からしっかりとした計画性や情熱を感じ取れれば出資は惜しまない。
番組内でも岩井社長が投資した志願者の何人かはその後も成功している。
岩井良明社長の現在
2007年に社長を退任し会長に就任。
同時に(株)MONOLITH Japanを設立し、社長となる。
現在も(株)モノリスでは会長職継続中。
マネーの虎 社長⑦吉川幸枝
「歩く100億円」の異名を持つ女社長。
名古屋の高級住宅街に複数の飲食店やビルを持つ「株式会社吉川」を経営。
幼少期は家族でホームレス同然の貧しい日常を過ごしていた。
吉川幸枝社長の現在
マネーの虎の放送終了後、2007年に経営店舗で発生した食中毒により、売り上げが激減。
一時は負債が20億に。その後3年間でお客の信頼を取り戻し、現在は借金を完済。
「ノーマネーでフィニッシュです」の呪いを断ち切り、見事に返り咲いた。
マネーの虎 社長⑧安田久
監獄レストラン・アルカトラズを経営していた(株)エイチワイジャパンの元代表取締役。
アルカトラズは有名でメディアでも度々取り上げられていた。
2006年に(株)エイチワイシステムを設立。
安田久社長の現在
番組終了後は店舗の売り上げ落ち込みなどにより、2011年(株)エイチワイシステムが負債総額3億6,000万円で破産、(株)エイチワイジャパンが負債額2億5,000万で破産。
伝家の宝刀「ノーマネーでフィニッシュです」を見事に炸裂させる。
現在「株式会社 外食虎塾」の代表取締役として外食関係の講演会や飲食店志望者向けのセミナー等を行っている。
昔の誼で南原社長の南原ビジネスアカデミーにも講師として参加中。オフィシャルブログも更新中。
マネーの虎 社長⑨小林敬
元料理人から起業した㈱小林事務所代表取締役。
マネーの虎出演当時はフランチャイズビジネスに携わっており、その分野のスペシャリストであった。
当時の番組内で小林社長に罵声でぶちのめされた志願者は数多くいた。
小林敬社長の現在
2005年長崎のオランダ村跡地に『食』のテーマパーク「キャスビレッジ」を展開させたが過剰な設備投資が災いし、1年と経たずに破綻。
「ノーマネーでフィニッシュです」どころか個人としても約20億円の負債を背負い自己破産。その後は飲食系の企業に役員として就任するも、ほどなくして辞任。
自らは京都にイタリアンレストランを2店舗オープンさせるも1店舗は半年で撤退。
2013年に新会社の取締役に就任するも、翌年に辞任。
2016年には飲食店支援コンサルサント業務を開始。
2017年からは直伝の飲食店支援講座「独立編」「居酒屋建て直し編」をスタート。
今も再起を図るべく試行錯誤の日々を送っているようだ。
マネーの虎 社長⑩文野直樹
父親が経営していた「大阪王将」などを引き継ぐ株式会社イートアンドの代表取締役。
番組内では出演者にかなり厳しく接し、結局1度も投資することはなかった。
文野直樹社長の現在
ラーメンの「よってこや」なども展開し、2011年ジャスダックに上場。
2012年に東証2部、2013年には東証1部に。
2017年からは連結決算を採用し、売上高は263億円。株主優待もあり。
マネーの虎 社長⑪貞廣一鑑
元カリスマDJ。20歳の時に親からの資金1億円でディスコをオープンし起業。
その後、カフェや和食、ハウスウェディング、ヘアサロン事業などを手がける(株)商業藝術の代表取締役に就任。
マネーの虎の社長たちの中では出演者に対して物腰柔らかな語調で良心的な対応を見せるが、投資に関しては人一倍慎重になる局面もあった。
マネー成立後も出演者への手厚いアフターフォローを欠かさなかった。
貞廣一鑑社長の現在
「ノーマネーでフィニッシュです」とは程遠い貞廣社長。現在も事業を継続中。
マネーの虎 社長⑫尾崎友俐
株式会社オリエンタルの代表取締役。
世界一周旅行から帰国後、180万円を元手に焼き肉店を開業。
その後も飲食店を次々と立ち上げ、ピーク時は直営店舗12店まで展開。
他の社長にボコボコにされる志願者に対してもやさしくアドバイスをし、褒めるところは褒めるマネーの虎の社長達の中では女神的存在だった。
尾崎友俐社長の現在
沖縄に住み「株式会社 琉球オリエンタル」の社長として、集客・プロモーションプロデューサーとして自衛隊合コンなどを企画したり沖縄に焼肉店などを開業している模様。南原ビジネスアカデミー講師。
マネーの虎 社長⑬樋口道也
警察官、市役所勤務を経て書店を開業。
株式会社ドリームの代表取締役。
最盛期は店舗を国内外に30店舗運営していた。
樋口道也社長の現在
2014年に本社を長崎県佐世保市に移転し、現在も事業を継続中。
マネーの虎 社長⑭野口美佳
女性用下着通販「株式会社ピーチ・ジョン」の創業者。
芸能界に幅広い人脈がある。
野口美佳社長の現在
親交のあったタレントの刑事事件などでイメージダウン。
ピーチ・ジョンは現在はワコールの傘下に。2015年6月で取締役を退職。
マネーの虎 社長⑮上野健一
ノシアス理想都の元代表。不動産開発会社「株式会社ZKR(旧社名:全管連)」の元社長。
上野健一社長の現在
2013年ZKRが民事再生法適用で破たん。
グループでの負債総額は200億円以上。
また、未払いが確定となった高金利利回りのZKR預託金を巡り債権者からは非難の嵐。
ノーマネーでフィニッシュです。
マネーの虎 社長⑯臼井由妃
株式会社健康プラザコーワ代表取締役。マネーの虎には「銀座の女社長」として出演。
33歳の時に病気の夫に代わり、3億の負債を抱え経営者になる。
「パワーリングネオ」というヒット商品を生み出す。
臼井由妃社長のその後
現在は、起業プランナー、経営コンサルタント、発明家、エッセイスト、ビジネス作家として活動中。
マネーの虎の出演者 ~"マネー成立"からその後まで~
出資には至らないことがほとんどだったマネーの虎だが、稀に社長たちの琴線に触れて現金を勝ち取ることもあった。
ここでは、数少ないながらも出資に至った成功者たちのマネー成立までの経緯とその後をまとめてみた。
マネーの虎の成功者①千代 敬司さん/ペット用品販売
「ペットを健康にする水を販売したい」と出演。番組収録時は南原社長に「絶対無理」と2時間以上ダメ出しを受けたらしい。
しかし、実演も交えたプレゼンが功を奏し岩井社長の琴線に触れ370万円を獲得。マネー成立となり成功者となった。
千代敬司さんのその後
自身の会社のチヨペットは事業を拡大中。
会社情報のページではマネーの虎での体験談が掲載されている。
マネーの虎の成功者②黒澤文昭さん/出張型パソコンメンテナンス
パソコン修理に費用をかけられない個人客向けに安価でPCの修理・メンテナンスを行うサービスを展開したいと650万円の投資を希望。
修理サービスの出張費用を無料にして、ターゲットの自宅までワゴン車で向かうなど発想やコンセプトはユニークで面白いと番組中盤までは好評価を受ける。
ところが、現場までワゴン車で向かう際のガソリン代などの経費を希望の金額に含めていたため「自分でやれることはまず自分でやれ」と事業計画について堀之内九一郎社長などから次々とダメ出ししまう。
しかし、愚直なまでの事業への飽くなき熱意が岩井社長に伝わり、最終的に岩井社長と小林社長が半分ずつ折半する形で両社長から投資を獲得。マネー成立となった。
黒澤文昭さんのその後
マネー成立後、間もなく埼玉県に(株)バスターズ(パソコン救急バスターズ)を設立し、現在は全国複数か所に事業所を展開し成功者となっている。
マネーの虎の成功者③メスット・シェネルさん/ケバブ屋
世界3大料理の1つであるケバブを日本でも広めたいと1800万円を希望。
トルコでポピュラーな食べ物であるケバブを日本でも流行らせたい旨をプレゼン。
シェネルさん達は「ケバ丼」というご飯とケバブが一体となった斬新なメニューを提案する。
この回では収録開始10分で、滅多に投資をしない堀之内九一郎社長が先陣を切って300万円を投資。
続いて貞廣社長が500万円を投資すると堀之内九一郎社長は更に200万円、計500万円を投資。
その後、社長たちは番組内でシェネルの調理したケバブを実食。
シェネルさんのケバブは堀之内九一郎社長を以てして「パーフェクト」と言わしめた。
小林社長は「雑な部分がある」とコメントをしながらも、最終的に堀之内九一郎社長、貞廣一鑑社長、小林敬社長の三者で計600万円ずつ共同出資するという形でマネー成立となった。
このケバブの回は普段は投資を渋りがちだった堀之内九一郎社長がいともすんなりと出演者に投資した珍しい回となった。
メスット・シェネルさんのその後
渋谷センター街に「ミスターケバブ」を開店。他にも数店出店し成功者となった(店舗名「アイシェ」)。
2010年、31歳の若さで急性心不全で亡くなられたとの噂。
マネーの虎の成功者④立花洋さん/イタリアンレストラン)
『世界一のパスタとピザのレストランを開業したい』と意気込んだのは当時44歳無職の男。
“利益よりもお客様第一”というコンセプトに堀之内九一郎をはじめとする社長たちは半ば呆れる中、唯一加藤和也社長が好感触を示し単独で980万円を出資。マネー成立となった。
立花洋さんのその後
マネー成立後、(有)カルフォルニアピザスタジオを経営。現在も神奈川に4店舗(1店はカフェ)を展開中で成功者となりました。
マネーの虎の成功者⑤おにぎりの移動販売の女
実家の弁当屋の借金1億円を6年間で返済した女性。
高橋がなり社長が彼女の気概に賭けて860万円を出資。
おにぎりの移動販売の女のその後
マネー成立となったが、開店を目前に控え病気で入院。
その後「(人のお金だと)自分の意見を押し切れない」「病気でナイーブに」との理由で辞退してしまう。
なお300万円で購入した車は高橋社長に返却。
マネーの虎の成功者⑥菊野慶吾さん/ハンドメイド家具職人
「カフェスタイルの低価格家具店を作りたい」と500万円を志願。
番組では極度の緊張から喋れなくなる一幕もあった。後に実家の家具屋が借金1億円を抱えている事実が発覚する。
しかし、仕事に対する純粋なひた向きさが社長達に好印象を与え堀之内九一郎、貞廣一鑑、岩井良明の三者の社長間で志願者である菊野をトリプルブッキング。
番組は、志願者である出演者の側が出資者を選ぶという異例の展開へと発展する。
最終的に自身の手作り家具に興味を示した貞廣社長からの出資を希望。マネー成立となった。
菊野慶吾さんのその後
元々あった借金を無事完済。
現在では楽天市場に自身の手掛けたハンドメイド家具を出店している。最近はミニチュア家具やドールハウスなども販売し成功者となっています。
ツイッターではハンドメイド家具の最新情報を発信中!
マネーの虎の成功者⑦キムさん/キムチの移動販売
キムチの移動販売をするため360万円を希望。
出演者の人柄に可能性を感じた岩井社長が全額出資。
キムさんのその後
マネー成立後、自家製キムチの商品開発に奮闘。
完成したキムチを販売し、岩井社長たちが見守るなかで見事、初日の販売ノルマを達成。
番組放送当時は一連の奮闘ぶりを目の当たりにした岩井社長が感涙する一幕も見られた。
現在は「デリキムチ」という会社を立ち上げ従業員も雇用し成功者となっている。
マネーの虎の成功者⑧長谷部文康さん/クレープの移動販売
地元福島で行列を作っているという新感覚のクレープ「フランスロール」の移動販売を東京で行うために800万円の出資を志願した出演者の長谷部さん。
フランスロールは福島でかなりの売り上げがあり、東京でも必ずウケると自信を見せ社長達の興味を引きつける。
番組では移動販売で使っているシトロエンを持ち込み、スタジオ外で豪快な実演を披露。
多くの社長達が出演者の手掛けたフランスロールに舌鼓を打ち、南原社長400万、尾崎社長300万、岩井社長らが100万円で計800万円を共同出資。マネー成立となった。
長谷部文康さんのその後
店は大繁盛して全国展開。屋号をロマンドーロールに変更。
半年間で店を10店舗に拡大し年商3億円に。
その後フランスで本場のパティシエの下での修行を兼ね新メニューの開発などを経て年商20億円を突破。
しかし、その後生活が派手になり妻と離婚。2008年に脱税などの罪で実刑判決を受け、いったん経営を離れる。
復帰後、パティシエを再開。現在も福島をはじめ全国数ヶ所にある店舗は存続し成功者となっている。
マネーの虎の成功者⑨遠藤健さん/ワンコイン屋台
500円でインスタントラーメンとアルコールを提供するワンコイン屋台を提案。
小林敬社長などからは「プレゼンは上手いがプランの根拠が乏しく計算も甘い」と指摘されるも、同業種である飲食業を営む川原社長が遠藤の事業計画に興味を示し希望額の685万円を単独で投資。マネー成立となった。
遠藤健さんのその後
マネー成立後は、亀戸でワンコイン屋台のオープンを予定していた遠藤さんだったが、移動車のデザインが奇抜過ぎて保健所の許可が降りないなどの不運に見舞われる。
それでも何とか屋台をオープンさせるも番組内で川原社長と交わした1日の売上目標の15万円を達成できず苦戦を強いられ、冬場の寒さが本格化するにつれて客足も少しずつ遠のいていく。
その後も川原社長に鼓舞され接客のイロハを学び、一度は立ち直り成功者を目指した遠藤氏だったが運転資金の枯渇を理由に2003年2月を以て営業を終了。
マネーの虎の成功者⑩井出らっきょさん/野球塾
室内練習場など設備を完備した野球塾の開校資金として番組最高額の2270万円を希望。
スタジオでは元プロ野球選手による指導を実演し、小林社長が270万円、岩井社長と高橋社長がそれぞれ1000万円を共同出資しマネー成立となった。
井出らっきょさんのその後
マネー成立後、2005年5月に校長として熊本でPBA(プロフェッショナル・ベースボール・アカデミー)を開校し成功者となった。
2005年9月「有限会社 裸裸裸」を設立。ソフトバンクホークスの猪本健太郎選手を輩出。
現在の運営会社は(有)西日本物流サービスとなっている。
マネーの虎の成功者⑪DJ UTO(加藤和宏さん)/ダンスミュージックレーベル設立
曲の権利を買い取り自らの選曲でCDを発売するレコード会社を設立したいと志願。
南原社長や川原社長が難色を示す中、貞廣社長や加藤社長は好感を持って歩み寄る。
貞廣社長が半分の410万を投資すると「面白いことに首を突っ込むのは嫌いではない」と興味本位で川原社長が200万を投資、それまで事の一部始終を静観していた岩井社長が残りの210万円を出資。これが決め手となり希望額の計820万円に到達しマネー成立となった。
DJ UTOのその後
帰国後、クエイクホールディングス(株)を立ち上げる。
トップDJにもなった加藤氏だが、その後社名を何度か変えた後、2009年ポニーキャニオンが株式の50%を取得でグループ会社になり成功者となった。2014年には100%子会社化で退社。
マネーの虎の成功者⑫辻康裕さん/モンゴルでタクシー会社設立
モンゴルでタクシー会社を立ち上げたいという志願者の辻氏。
辻氏には貧富の差が貧しいモンゴルの貧困地域で新たな雇用を創出するという狙いがあった。
スタジオでは加藤社長が600万円、川原社長が600万円を投資。
「一度自分の目で現地を確認したい」という高橋社長は、後日モンゴルを訪れ視察。
移動手段も少なく教育や医療もままならない発展途上国の窮状を目に焼き付けた高橋社長は、売り上げの一部を寄付することを条件に現地で600万円を出資。
最終的に希望額の1752万円を上回る1800万円を獲得しマネー成立となった。
辻康裕さんのその後
マネー成立後、30人運転手が集まったところで営業許可が下りタクシー会社をスタート。
その後は、モンゴルの無銭タクシー会社「インペリアルタクシー」がブランド化し、月100万円を稼ぐ大企業へと成長させる。
100万円はモンゴルでは当時2000万円以上の価値があった。
その後も事業の拡大を狙ったが、モンゴル国内に競合の白タクの割合が90%以上と増えてしまい、経営的に苦戦を余儀なくされる。
その後、旅行会社や百貨店、飲食業など様々な業種でのビジネスに携わり200人を超える従業員を雇ったなどとも言われ成功者となっている。
2012年には日本に帰国し衆院選に出馬するも落選。
マネーの虎の社長達に勝るとも劣らないチャレンジ精神の持ち主のようだ。
マネーの虎の成功者⑬岡田耕児さん/幻のラーメン カオソーイ
出演当時、大学生だった志願者はタイで出会った郷土料理「カオソーイ」という麺料理に感銘を受けて起業を志す。
番組では開業資金404万円を希望。
この回は、普段は出演者に対して物腰柔らかな貞廣社長が、麺の調理前から試食を拒絶しドライな対応を見せる。
自身も飲食業に携わる川原社長は肯定的に捉えながらも「ブームにはならない」と出資には及び腰。
そんな中、出演者にどこか未知なる可能性を感じた安田社長が単独で全額出資に踏み切りマネー成立となった。
岡田耕児さんのその後
2003年6月南大沢で開いたチェンマイ風屋台ラーメンの移動販売車「サワディーCar」が大成功。毎日400食が完売で、404万円は3週間で返済。ところが南大沢での営業は契約により1か月程度だったため、次に屋台から店舗への転身を図り新宿店をオープン。ところがこちらは1か月もたずに挫折。その後約2か月間、タイへ渡りスープを研究する。
10月に「サワディー家」として八王子店を立ち上げるも翌2004年に閉店。
営業期間中に偶然タイでカオソーイを研究中だった起業家の舟橋謙一氏に「サワディ―Car」を譲り、こちらは愛知県名古屋市を中心に2016年現在も移動販売車で「カオソーイ」を手作り販売中。屋号は”サワディー家”。
冬季は岐阜県の鷲ヶ岳スキー場施設内で営業。
現在は通販サイトも設立され成功者となった。
マネーの虎の成功者⑭薩摩宣永さん/ボクサー
ノーガードスタイルを貫く西日本新人王ボクサーの志願者は、相手と対戦するためのファイトマネー300万円を希望。
絶対に当たらないというノーガードスタイルの真相を確かめるべく高橋社長がグラブを取るも、やはりパンチは当たらない。
志願者の持つ志に突き動かされた貞廣社長、高橋社長、堀之内社長、加藤社長が、それぞれ希望額の1/4にあたる75万円ずつ共同出資。マネー成立し300万円を獲得。
薩摩宣永さんのその後
日本人に2連戦し、2連勝を果たす。
その後、4人の社長たちが見守る中、世界ランク3位の強豪と戦うもKO負けを喫する。
敗戦後は成功者を目指して渡米し武者修行へ。
帰国後の詳細は不明だが、大企業に就職したとの噂。
マネーの虎の成功者⑮揚田亜紀(あがりたあき)さん(元アイドル)/健康ドリンクバー
バラエティアイドルとして活動していたが、太ってしまいアイドルとしての活動が継続困難になった出演者。
そこで、マネーの虎に出演し「美容と健康のためのバー」を開業するため1435万円を希望。
序盤は経営に対して楽観視する出演者を前に社長達の間でも不穏な空気が漂っていたが、出演者のプレゼン能力に光るものを感じた高橋社長が700万円を投資。
12年の歳月をかけて生み出した特製の健康ドリンクを社長たちに振る舞う。
ドリンクを試飲した南原社長は「溶けたわらび餅」と形容し岩井社長は「まずい」とキッパリ言い切るも、堀之内九一郎社長と高橋がなり社長は好感を示し、社長間でも賛否が分かれる。
それでもめげずに持ち前の明るいトーンでプレゼンを続けていくうちに、得体の知れない人を引き寄せるような魅力を直感的に感じ取った岩井社長が残り半額を出資。
マネー成立となった。
揚田亜紀さんのその後
マネー成立後、番組終了までに開業が間に合わずに資金は辞退。
その後、一度は開業を諦めかけるも、番組視聴者からの要望があり女性の健康に対するニーズを再確認し、自己資金で麻布十番に「健康ドリンクバー揚田.あき」をオープン。銀座に2号店もオープンし成功者となった。
その後、お店は閉店するもプライベートでは歯科医の男性と結婚。
2014年に茨城で歯科医院を開業。現在、本業の傍らでビジネスコミュニケーションやマーケティング講座なども行っているようだ。
まとめ ~「ノーマネーでフィニッシュです」と言われないために~
社長たちにせよ、志願者にせよ、過去のマネーの虎の出演者たちは一様に波乱万丈な人生を送っている。
その後の経緯も、挫折したまま消えていく者や、どん底から這い上がり再び返り咲く者など明暗分かれつつも三者三様の人生を送っている。
長い人生、紆余曲折あり、時には躓いたり大きな挫折を味わうこともあるだろう。
しかし、人生は何もしないにはあまりに長いが、何かをするにはあまりに短い。
最低限「ノーマネーでフィニッシュです」と言われないような人生を送りたいものである。