2021年05月10日公開
2021年05月10日更新
指名手配犯「おい、小池！」が死亡！逮捕まで11年間の逃亡生活とは？
徳島・淡路父子殺害事件の指名手配犯・小池俊一。「おい、小池！」のポスターで長年捜査された末に死亡した状態で発見されました。指名手配から逮捕までの11年間の逃亡生活とは、そして小池俊一が発見された理由とは？「おい、小池！」のポスターの余波も交えてご紹介します。
目次
- 1「おい、小池！」ポスターの指名手配犯・小池俊一の起こした事件とは
- 2「おい、小池！」ポスターの指名手配犯・小池俊一のプロフィール
- 3「おい、小池！」ポスターの指名手配犯・小池俊一と被害者の接点と犯行の目的
- 4「おい、小池！」ポスターの指名手配犯・小池俊一はここまで探しても見つからなかった
- 5「おい、小池！」ポスターの指名手配犯・小池俊一の捜査で有名なリーゼント刑事とは
- 6「おい、小池！」ポスターの指名手配犯・小池俊一の11年の逃亡生活とは？
- 7なぜ指名手配犯・小池俊一は11年間も見つからなかったのか？
- 8指名手配犯・小池俊一が見つかった意外な理由とは
- 9「おい、小池！」のポスターが飛び火した人物
- 10まとめ：容疑者死亡で事件は終了するも、「おい、小池！」ポスターの影響は続く
「おい、小池！」ポスターの指名手配犯・小池俊一の起こした事件とは
指名手配犯・小池俊一の「おい、小池！」ポスター
「おい、小池！」の威圧的なキャッチコピーのポスターで全国で有名となった徳島父子連続殺人・放火事件の指名手配犯、小池俊一（こいけ としかず）。
2001年に知人の親子を殺害して放火し逃亡。その後懸命の捜査にも拘わらず、小池俊一容疑者は事件発生から11年後の2012年に死亡した状態で発見され、ついに生前逮捕には至りませんでした。
この卑劣な事件についてすでにお忘れの方もいると思いますので、まずは事件の概要からおさらいしていきます。
徳島・父子殺害事件が発覚するまでの経緯
事件の起きた徳島県徳島市
被害者2人のうち父親が亡くなった場所です。
事件の起きた兵庫県洲本市五色町
もう一方の息子さんが亡くなった場所です。
2001年4月20日未明、徳島県徳島市内に住む松田優さん（当時66歳）の自宅で火災が発生し、焼け跡から遺体として発見されました。
その翌日の4月21日深夜には兵庫県淡路島五色町の造成地でも火災が発生し、父親と同居していた長男・松田浩二さん（当時38歳）が焼死体で発見されています。
その後の検死の結果、この2人の父子の死因は火災によるものではなく、鈍器で頭を殴られた後に絞殺され、放火されていたことが判明しています。
父子殺害事件は指名手配犯・小池俊一の死亡で幕を閉じる
パチンコ店の防犯カメラに映った小池俊一容疑者
詳しくは後述しますが、この事件の結末を先に述べると、病院で死亡した身元不明の男が指名手配犯・小池俊一だと偶然に判明し、事件は容疑者死亡のまま書類送検され幕を閉じました。
「おい、小池！」のポスターが全国に貼られ、テレビでも捜査特集が放送されたりと大々的な捜査網を敷いた努力にもかかわらず、死ぬまで逮捕されることがなかった小池俊一容疑者。
遺体の人相は「おい、小池！」のポスターとはまるで別人だったそうですが、その11年間に及ぶ逃亡生活とはどのようなものだったのでしょうか。
次に詳細を見ていきましょう。
「おい、小池！」ポスターの指名手配犯・小池俊一のプロフィール
「おい、小池！」の小池俊一容疑者
徳島・淡路父子放火殺人事件の指名手配犯、小池俊一はどのような人物であったか、まずは「おい、小池！」ポスターにも書かれていたプロフィールをご覧ください。
■生年月日：1960年8月3日
■出身地：北海道（本籍は兵庫県）
■身長：174cm
■利き腕：字は右（ボール投げは左）
■特徴：前歯が4本ない（入れ歯？マスク？）、右のこめかみ付近にほくろ、盲腸の手術痕あり、箸の使い方が下手（握り箸）、薄く細い毛にパーマ、など
「おい、小池！」ポスターの指名手配犯・小池俊一と被害者の接点と犯行の目的
指名手配犯・小池俊一はどこで被害者の松田さん親子と接点を持ち、そしてどういった目的で犯行に及んだのでしょうか。
小池俊一容疑者の犯行内容と、11年に及ぶ逃亡生活の始まりまでを説明します。
「おい、小池！」の小池俊一容疑者と被害者親子との接点はパチンコ
小池俊一容疑者は事件前、淡路島内の会社に勤務していたが金銭トラブルが原因で退職。その後、徳島県徳島市に引っ越して仕事にも就かずにギャンブル漬けの毎日を送っていました。
被害者の松田優さんは妻が亡くなった寂しさを紛らわすために、息子・浩二さんと二人でパチンコ店『吉野本町ミリオン』に通い始め、そこで小池容疑者と知り合いになったそうです。
松田優さんは障害を持つ息子の浩史さんのために夫婦で貯蓄をしており、それを知った小池俊一は度々松田さんに金を借りていましたが、松田さんも息子に友達ができたと喜び、金を貸していたとのこと。
息子・浩史さんも「小池さんが困っているから貸してあげて」と小池を信じていたようです。
「おい、小池！」の小池容疑者の犯行内容とその目的
そんな中、小池は次第に借金が膨らんでいき首が回らなくなった末に失踪し、慌てた松田さんは小池を探したそうですが行方はつかめなかったといいます。
そして間もなく小池容疑者によって殺害・放火され、貯金していた総額4,000万円の入った4冊の通帳も盗まれました。
借金で窮地に陥った小池が、松田さんの金銭を狙った殺害を企て犯行に及んだとみて間違いはありませんでした。
ここから、指名手配犯・小池俊一の長い逃亡生活が始まったのです。
「おい、小池！」ポスターの指名手配犯・小池俊一はここまで探しても見つからなかった
「おい、小池！そろそろだ！」のポスター
警察庁は報奨金を300万円まで増額し、小池を追い込みにかかりました。
事件後すぐに小池らしき男が市役所を訪れ、松田さん親子の転出届けを申請をしていたことが分かり、事件発覚を遅らせるための工作までしていたとみられます。
その後、兵庫県淡路町の岩屋港付近に乗り捨てられていた小池の車を発見。
残されていた衣類から松田浩史さんの血痕が発見されたため、徳島・兵庫両県警は事件の翌5月に小池を全国指名手配しました。
徳島県警は手配ポスターを2004年からこれまでに108万枚作製し、全国のパチンコ店を中心に張り出しました。
また被害者遺族らが報奨金として上限200万円の私的懸賞金を設けて呼びかけました。
しかし小池容疑者は一向に見つからなかったため、2010年11月には警察庁が捜査特別報奨金として上限300万円へと増額し追い詰めにかかります。
他にも徳島県警は経年後の人相予測から、５２歳になった小池容疑者の似顔絵を１２パターンも作成し、肉声も併せて公開しました。
それでも小池は全く見つかることはなかったのです。
「おい、小池！」ポスターの指名手配犯・小池俊一の捜査で有名なリーゼント刑事とは
徳島警察の”リーゼント刑事”、秋山博康警部
徳島県警は“小池ハンター”と評される専従捜査員、通称「リーゼント刑事」こと秋山博康警部を筆頭に操作を加速させます。
リーゼント刑事・秋山警部の話によると、事件後1、2年したころには情報提供が激減し、操作に行き詰まりかけていたそうです。そこでこのままでは逮捕できないと考え、大学の美術関係の先生に相談して『おい、小池！』のフレーズを考案したそうです。
この「おい、小池！」という言葉は非常にインパクトがあり、全国で注目を集めました。
リーゼント刑事・秋山警部によると、このポスターの効果として年間200件以上増えたとも述べています。
またリーゼント刑事・秋山警部は、度々「警察密着24時」などのテレビ番組に出演し、その目立つ呼び名と容姿でもって小池容疑者の逮捕に力を入れてきました。
「おい、小池！」と叫ぶ秋山警部
「おい、小池！」ポスターの指名手配犯・小池俊一の11年の逃亡生活とは？
小池容疑者は死亡して見つかるまでの11年半、どのような逃亡生活を送っていたのでしょうか。
小池容疑者の潜伏先は岡山市北区のワンルームマンションで、2005年頃から女性（67）と同居生活を送っていたのです。
その潜伏先はなんと、歩いて数分のところに交番、岡山県警から西に約５００メートルの距離だったそうで、まさに灯台下暗しでした。
小池容疑者は無職のままで、同居女性から小遣い月2万をもらって生活し、変装して普通に買い物にも出かけていたようです。
隣人の証言によると、隣からは生活音が聞こえ『年の割には、お盛んだな』と思ったそうで、『老けて見えたから夫婦』とも見ていたようです。
大島てるにも小池俊一の潜伏先が登録されている
なぜ指名手配犯・小池俊一は11年間も見つからなかったのか？
小池容疑者が逃げおおせていた理由は大きく3つあるようです。
1つは、小池容疑者が同居先のマンションでほぼ引きこもり、出かける際もニット帽にメガネ、ヒゲなどで変装していたこと。
2つ目は、逃亡生活の心労からかポスターの顔より老け込んでハゲていたこと、もっとぽっちゃりしていたことです。
3つ目は、同居女性が小池俊一と知らずに「小笠原準一」と呼んでいて、巡回警察官には一人暮らしだと告げていたことです。
指名手配犯・小池俊一が見つかった意外な理由とは
事件が進展したのは2012年10月。
19日午後9時5分ごろ、小池容疑者がトイレでうずくまっていたのを同居女性が発見し119番通報し病院に搬送されます。
そして午後10時15分ごろに病院で心臓疾患のため死亡と診断され、警察も事件性はないとして指紋照合が行われず、小池俊一の発見には至りませんでした。
ところが翌日20日、同居女性が葬儀を依頼した葬儀会社が「名前が違うのではないか」と不審に思い県警に相談し、指紋を照合した結果、小池容疑者と判明したのです。
その後徳島県警は記者会見で、病院で死亡した時点で小池容疑者の発見に至らなかったことを陳謝し、結局被疑者死亡のまま書類送検で幕を閉じることとなりました。
事件の全容は以上になります。
「おい、小池！」のポスターが飛び火した人物
「おい、小池！」やリーゼント刑事のインパクトが強かったためか、「小池」という苗字の人へポスター風にツッコミが入れられているようです。
その中でも東京都知事・小池百合子氏と参議院議員・小池晃氏のポスターをご紹介します。
「おい、小池！百合子」のパロディポスター
希望の党の立ち上げ時に民進党員らを引き込みましたが、数十億円という政党金も移動したのでしょうか。
他にも「おい、小池！百合子」のポスターが
築地・豊洲市場移転問題も未解決のまま、2020年東京オリンピック・パラリンピックの道路整備も間に合わない見通しです。
公約の「12のゼロ」も本当に実現されると良いのですが。
日本共産党の小池晃参議院議員の「おい、小池！」パロディポスター
ネット上でも「おい、小池！」と連呼される現象が起きました。
まとめ：容疑者死亡で事件は終了するも、「おい、小池！」ポスターの影響は続く
「おい、小池！」で有名となった徳島・淡路父子放火殺人事件の指名手配犯、小池俊一。
容疑者死亡のため事件の真相は迷宮入りしましたが、借金に困り4000万円もの預金通帳を被害者から盗み出していたことから金銭目的の犯行であることは間違いなさそうです。
徳島県警やリーゼント刑事ことの秋山警部の懸命の捜査にもかかわらず11年もの逃亡生活を送り、最後は逮捕されることなく死亡した小池容疑者。
被害者の松田優・浩二親子、そしてご遺族は生きたまま逮捕して欲しかっただろうと思います。
また「おい、小池！」というフレーズのインパクトで全国の小池さんも迷惑を被っているかと思いますし、なんとも後味の悪い事件でした。