2021年08月30日公開
2021年08月30日更新
神隠しの実話・事件のその後・解決された事件|一宮/日本
神隠しは人がいなくなる現象のことです。日本では、原因がわからない失踪事件のことを神隠し事件と言われたり、謎の多い言葉でもあります。日本で神隠しと言われた事件や、神隠しの意味などをご紹介します。また、神隠しに関する小説や体験などもご紹介いたします。
神隠しの意味・由来
神隠し(かみかくし・かみがくし)とは人間が何の前ぶれもなく忽然と消える現象のことをいいます。神の領域である山や森、神社や里から忽然と失踪する事を神様の仕業とされて、神隠しと呼ばれるようになりました。地域や地方によっては天狗隠しや鬼隠しとも呼ばれています。
神隠しの別の意味としては、喪中に神棚を白い紙や布で覆う慣わしのことも神隠しといわれています。今回は人間が忽然と消えた時に使われる神隠しについてをご紹介します。
神隠しについての実話
日本では実際に神隠しではないかと言われている事件などが無数に存在します。古くから言い伝えられている物や有名な神隠し事件などさまざまです。その中からいくつかの神隠し事件をご紹介します。
一宮失踪事件
愛知県一宮市で2001年11月12日に、一宮市荻原町に住む小学校4年生で当時10歳の佐野由香利ちゃんが忽然と姿を消して行方不明となる事件がありました。
佐野由香利ちゃんは11月12日の午後4時30分頃に学校から帰ってきた後「友達の家に遊びに行ってくる」と言って出かけて行きました。その後午後5時30分頃に自宅まで300メートルほどの路上で、自宅方面に向かう佐野由香利ちゃんの姿を近所の主婦が目撃をしたのを最後に行方不明になりました。
その後佐野由香利ちゃんの捜索願いが出され、約1万5400人の捜査員が現場周辺を徹底的に捜索しましたが発見される事はありませんでした。事件から17年経った今でも事件解決にはいたってません。自宅から数メートルしか離れていない場所で、忽然と姿を消してその後行方不明なので一部では神隠しではないかとも言われています。
日本に伝わる神隠し
日本での古来から伝わる神隠しはいくつかあります。各地方で伝説になっている言い伝えや実際にあったといわれている話をご紹介いたします。
きつねによる神隠し
ある日突然村の娘が姿を消しました。父親は毎日消えた娘を探し周りましたが見つかりませんでした。しばらくして何度も探したはずの場所で発見されました。発見された時にはすでに息絶えていました。
ですが、行方不明か何日も経っているにも関わらず、肌つやのよいまるで眠ってるかのような姿だったといわれています。その娘がとても可愛くってきつねがさらったのではと言い伝えられています。
移動した少女
大正時代に東京に住む男性が山道で迷子の少女を発見しました。話しかけるも泣いてばかりで何も答えてくれません。少女の身なりや方言から東北地方の子ではないかと推測され、前日に盛岡で行方不明になった少女である事が分かりました。一夜にして大移動をしてるので天狗の仕業ではと言い伝えられています。
神隠し事件とその後
日本の警察の発表では、行方不明や失踪者は年間で8万人を超えているといわれています。その中には神隠しではないかと噂されている不可解な失踪や事件も数多く存在しています。それだけ神隠しは私たちの身近に潜んでいるのではないかと考えられています。ここからは、神隠しと噂された事件とその後をご紹介します。
松岡伸也君失踪事件
1989年に徳島県貞光町で幼児の失踪事件が起きました。当時4歳だった松岡伸也君は家族と一緒に親戚宅を訪れていました。翌日の朝、松岡伸也君の父親が伸也君と当時2歳の弟と従兄弟の子供と4人で散歩に行きました。
散歩から帰った時点で父親は玄関先にいる伸也君を確認しています。弟を預けるために父親は一旦家の中に戻りました。父親が目を離していたのはわずか1分足らず。玄関に戻った時にはすでに伸也君の姿はありませんでした。すぐに周辺を探しましたが見つかりません。まるで神隠しのように。
■事件のその後
警察官200人による捜索が3か月間行われましたが伸也君が見つかることはありませんでした。失踪場所の近隣に民家はなく、人の出入りも滅多にない場所です。不信人物や車の目撃情報もありません。30年近く経つ今も未解決のままです。
広島県一家失踪事件
2001年に広島県世羅町で、ある一家がペットの犬も一緒に忽然と失踪するという不可解な事件が起きました。この一家は会社員の夫とその妻、夫の母親の3人暮らしで、愛犬もいました。小学校の先生をしていた長女は近くにアパートを借りてひとり暮らしでした。どこにでもいる普通の家族です。失踪したのは別々に暮らしていた長女もでした。
事件が発覚した経緯は、妻が参加する予定だった社員旅行の集合時間になっても現れず、同僚が自宅を訪ねた所、誰もいない一家宅の異変に気付きました。親戚が捜索願いをだしたので警察がヘリコプターや警官を動員して捜索しましたが見つかりません。事件発覚時の自宅の様子ですが、玄関は施錠されていて勝手口のみ開いていました。
荒らされた跡などは無く強盗や拉致の可能性は低いとされました。失踪時、家族全員パジャマとサンダル履きだったと推測されました。翌朝用の朝食が用意され貴重品もそのままでした。
事件から一年後
状況からするとかなり不自然な事件で、家族全員特にトラブルも無く、妻は翌日の社員旅行も楽しみにしていたとのことで、事件の不可解さから神隠しではないかと噂されました。
しかも長女は婚約もしていて、お付き合いも順風満帆だったので、そもそもの失踪する理由がわからなかったといわれています。そして、失踪から一年後の2002年、世羅町にあるダムの底で車が横転しているのが発見されます。
また、一家が失踪した時には車も無くなっていました。その後の調べで発見された車は、失踪した一家の物と判明しました。さらに車内からは失踪した一家4人と愛犬の遺体がありました。車が転落したとみられる場所は転落防止の柵もあり、本来は車が転落する事はありません。遺体に外傷も無く状況からみて無理心中と判断されました。
しかし、失踪時の状況などが不可解なので、本当に無理心中なのかどうかの真相はいまだに解明されていないのが現状です。
赤城神社主婦失踪事件
1998年5月3日千葉県在住の志塚法子さんが家族と赤城神社を参拝中、忽然と姿を消すという事件が起きました。夫、娘、孫、叔父、叔母、義母の6人で神社を訪れましたがその日はあいにくの土砂降りでした。仕方がないので夫と叔父だけが参拝に行き、あとの家族は車に残ります。
ですが法子さんもしばらくして自分も参拝に行くと言ってお賽銭用の101円だけをもって一人で車を降りました。最後に法子さんを目撃したのは娘さんで、境内とは別の方向に法子さんは佇んでいました。娘さんは何をしているのだろうと不思議に思いました。娘さんが目を離した数秒間に法子さんは居なくなりました。
法子さんの失踪時の衣服はピンク色のシャツに赤の傘とすごく目立つ服装だったそうです。法子さんが戻る様子がなかったので家族が神社内を探しましたが見つからず、警察に通報し失踪事件となりました。
事件のその後
事件当日はゴールデンウィークという事もあり、赤城神社にはたくさんの観光客が参拝に来ていました。ですが不審人物を見た人もおらず、20件ほどの情報提供がありましたがどれも有力な手掛かりになるものはありませんでした。法子さんが失踪後、自宅に数回の無言電話がありましたが法子さん失踪との関連性は分かりません。
失踪から7か月後、法子さんの親族はテレビ出演をして情報提供を呼びかけました。失踪当日に神社の様子を撮影していた観光客からホームビデオの提供があり、画面右下に写った赤色の傘が法子さんが持っていた傘に色がよく似ていました。
ですが、それ以上の情報提供はありません。事件から20年経ちますが、いまだに法子さんの行方は分かりません。2012年に赤城山で人間の頭蓋骨が発見されましたが司法解剖の結果、20代~30代の女性と判明し法子さんである可能性は低そうです。
神隠しの解決された事件
続いては、日本で実際に起こった神隠しと噂されてはいたものの、さらに詳しい捜査の結果から事件の解決になった事件をご紹介します。
群馬県女児失踪事件
当時1990年に群馬県に住む小学5年生だった女の子が父親に女の子の友人の家の近くまで送ってもらったのを最後に行方不明となった事件です。しかし、女の子は友人の家には行っていないことが判明します。
一週間の捜査の中で女の子友人の家の近くの雑木林にて女の子の遺体が発見されました。当時は神隠しではないかと噂されていましたが、遺体が見つかったことから殺人事件として扱われ、翌日犯人が逮捕されました。この事件の犯人は、驚くことに女の子の父親だったと判明しました。父親は、保険金目的で自分の娘を殺害してしまったと語っています。
茂原女子高生神社神隠し事件
2013年には千葉県に住んでいる当時高校生だった女の子が突然行方不明となる事件が起きました。しかし、警察の捜査では全く女の子の足取りはつかめず、神隠し事件として未解決になってしまう予定でした。
ところが、捜査開始から2ヶ月半のある日、とある神社でその女子高生は、衰弱し、泥だらけの状態で発見されました。女子高生がいなくなった理由は、家庭の状況に嫌気がさし、悩んだすえに家出をしたとのことです。
神隠しに関する小説
神隠しを題材とした小説も多く出版されています。この項目では、神隠しを題材にしたおすすめの小説をいくつかご紹介いたしましょう。
マアジナル
ある日突然、消えた一人の少女が誘拐なのか神隠しなのかを科学的、哲学的、そして人類学の観点からみていく少し変わった小説です。ストーリーとしては6人の学生がUFOを呼び、そのうちの一人の少女が神隠しにあうという物語です。
デンデラ
日本でも有名な話である『姥捨て山』のその後を題材とした小説です。とある村では70歳を過ぎた人を山へ捨てなければならないという掟がありました。しかし、捨てられてきた数々の老人たちは『デンデラ』という共同体を築いていたというストーリーになっています。
神隠しにあう海域
海でも神隠しにあうと言い伝えられている海域があります。神隠しにあうといわれている海域とはどんな場所なのでしょうか。神隠しにあうと有名な海域をご紹介いたします。
バミューダ・トライアングル
世界的に神隠しの海域として有名なのが『バミューダ・トライアングル』です。バミューダ・トライアングルは、フロリダ半島とプエルトリコ、バミューダ諸島を結んだところにある海域のことです。この3つの島を線で結ぶと三角形になることからトライアングルの名がつけられました。
バミューダ・トライアングルは、昔から船や飛行機、または乗組員が神隠しで消えてしまうという伝説があります。その原因はいまだに完全解明されておらず、一説では海底にメタンガスが発生していて船や飛行機の行く先を阻んでいるのではないかと考えられています。
ドラゴン・トライアングル
実は日本近くの海域にもバミューダ・トライアングルと同じ、神隠しにあう海域があるといわれています。それが『ドラゴン・トライアングル』と呼ばれる海域です。
ドラゴン・トライアングルは、千葉県にある野島崎と東京の小笠原諸島、そしてグアムの3つをつなげると三角形になります。この三角形の部分が、バミューダ・トライアングルと同じ神隠しが起きると言い伝えられています。ドラゴン・トライアングルも科学的な根拠が存在せずにいまだに解明されていない海域です。
神隠しの体験談
神隠しは現実に起こりうることなのでしょうか。ここからは、実際に神隠しにあってしまったという方の体験談をいくつかご紹介いたします。
神隠しにあった人の体験談
当時中学生であった体験者の方は、友人と一緒に近所の稲荷祭りへ出かけたと語っています。体験者の人はお祭りの終わる夜9時までいました。そして、体験者の方は近所の友人らと後片付けの手伝いをして、手伝ったあとにお好み焼き屋で残った生地のお好み焼きをもらいました。
そして体験者の方は、お稲荷さまにお好み焼きをおすそ分けし、食べていると自分と友人を呼ぶおじさんの声が聞こえたそうです。体験者の方と友人は返事をするのですが、おじさんは気づきません。不思議に思った体験者の方は、大きめの声で返事をしながら手をおじさんへ向けて振ったのですが、まったく気づきませんでした。
体験者の方と友人は誰でも見えるところにいるのに、近所のおじさんやおばさんはそのまま自分たちを探し始めてしまいました。
14日も失踪していたことになっていた
体験者の方と友人は家に電話をしたり、道行く人に自分の存在を知らせていましたが、相手には見えないのか聞こえないのか3日間も無視され続ける状態にありました。
体験者の方は3日目の夜に橋で友人と座っていたところ、警察官が自分たちのほうへ向かってきてくれ、そして声をかけてくれて保護されたとのことです。体験者の方は、祭り後3日くらいの感覚だったはずが、周りでは14日も失踪していたということになっていました。
どうやら私は神隠しにあったようだ『数日間自分のことに気づいてもらえなかった話』 | 不思議.net
神隠しは謎の多い現象
いかがでしたでしょうか。今回は、神隠しの実話や実際にあった神隠し事件など、さまざまな観点から神隠しについてご紹介してきました。神隠しは、いまだに謎の多い現象といわれており、人がいなくなる原因としては、迷子になったり誘拐されたりなどがあげられます。
しかし、迷子になる誘拐されるなどの行動がなかったとしても、人がいなくなる神隠しの事件は起こることもあります。それでも、事件には必ず原因があるため、未解決であってもいつかは解決されるでしょう。自分が神隠しのトラブルにあわないように日々気をつけて生活をおくることが大切です。