ウマバエ(ヒトヒフバエ)が日本に!?人間に寄生する幼虫の生息地などまとめ

ウマバエをご存知でしょうか。ウマバエは世界各地に生息地を持つ、動物に寄生するハエの仲間で、日本にもいくつかの種類が生息しています。ウマバエの寄生方法や生息地、日本での寄生例についてまとめました。ウジの画像・動画がありますのでご注意ください。

ウマバエ(ヒトヒフバエ)が日本に!?人間に寄生する幼虫の生息地などまとめのイメージ

目次

  1. 1ウマバエとは
  2. 2馬に寄生するウマバエとは
  3. 3ヒトヒフバエの方のウマバエとは
  4. 4その他のウマバエとは
  5. 5ウマバエ(ヒトヒフバエ)の生態
  6. 6ウマバエ(ヒトヒフバエ)の生息地
  7. 7日本人のウマバエ(ヒトヒフバエ)の寄生例
  8. 8ウマバエ(ヒトヒフバエ)に寄生されたら?
  9. 9ウマバエの関連動画
  10. 10まとめ

ウマバエとは

ウマバエとは、生物学的にはヒツジバエ科に属する、馬に寄生するハエのことなのですが、他の寄生バエもウマバエと呼ばれる場合があるようです。

出典: http://www.taringa.net

馬に寄生するウマバエとは

ウマバエとは、馬の内臓に寄生する寄生虫です。
日本にはウマバエ、アカウマバエ、ムネアカウマバエ、アトアカウマバエの4種が生息しているようです。

ムネアカウマバエの幼虫

出典: http://gigazine.net

馬の十二指腸に寄生していたムネアカウマバエの幼虫の標本です。

ウマバエの寄生方法

ウマバエは馬の体に卵を産み付けます。
馬が毛づくろいのために体を舐めたときに、卵に唾液が付くことで孵化し、幼虫が馬の体内に侵入します。

出典: http://muvetmed.agr.iwate-u.ac.jp


体内に侵入したウマバエの幼虫はまず歯ぐきに寄生します。
その後脱皮を行って2齢幼虫となり、今度は胃に寄生します。
胃で成長したウマバエの2齢幼虫は再び脱皮を行って3齢幼虫となり、直腸に移ります。
十分に成長すると直腸から糞とともに排出され、地中に潜って蛹になり、羽化してまた馬に卵を産み付けます。

ウマバエに寄生された馬はどうなる?

馬がウマバエに寄生されると、胃や腸に潰瘍ができ、最悪の場合は胃が破裂して死んでしまうこともあるようです。

ウマバエが人間に寄生すると?

人間はウマバエの宿主ではありませんが、馬に産み付けられた卵に触れて、口などに怪我をしている場合はその傷口から体内に入り込んでしまうことがあるようです。
ウマバエが体内に入り込んでしまった場合は幼虫移行症と呼ばれる症状が起こります。
動物の体内に寄生する種類ですので、もしかすると脳に入り込まれてしまうこともあるのかもしれません。

ヒトヒフバエの方のウマバエとは

ヒトヒフバエの方のウマバエとは、動物の皮膚から体内に侵入し、皮下組織を食べる寄生虫です。
正式名称はヒトヒフバエですが、犬や猿などの、人間以外の動物にも寄生します。
とは言え、人間は他の動物と比べると毛が少ないので、ウマバエ(ヒトヒフバエ)にとっては寄生しやすい宿主なのかもしれません。

出典: http://hirousu.bbs.fc2.com

ウマバエ(ヒトヒフバエ)に寄生された犬

出典: http://janeiro-emmy.blogspot.jp

ブラジルの慈善団体に保護されたこの犬は、70匹以上のウマバエ(ヒトヒフバエ)の幼虫に寄生されていたということです。

出典: http://janeiro-emmy.blogspot.jp

ウマバエ(ヒトヒフバエ)に寄生された猿

ホエザルの子供です。首の部分にふくらみがあり、穴が開いていますが、この中にウマバエ(ヒトヒフバエ)の幼虫が寄生しています。

出典: https://www.eurekalert.org

こちらの猿も、首筋に大量に寄生されています。

出典: http://biogeodb.stri.si.edu

その他のウマバエとは


上に挙げた2種類以外にも、ウマバエと呼ばれる寄生バエがいます。
この場合のウマバエとは、
・英語で「wolf worm」や「Cuterebrinae」と呼ばれる、アメリカに生息するウサギヒフバエの1種
・アフリカに生息するヒトクイバエ
などのことです。


「ウマバエ」という言葉は、幼虫が動物に寄生して体の一部を食べる寄生バエ全般を表すようになっているようです。

wolf wormに寄生されたリス

出典:https://en.wikipedia.org/wiki/Cuterebrinae

Cuterebrinaeの幼虫がwolf wormと呼ばれるようです。

主にリスやウサギなどのげっ歯類に寄生しますが、ネコなどのペットも被害に遭うことがあるようです。

wolf wormに寄生されていた猫

耳の付け根に穴があります。

出典: http://www.georgiaspca.org

また、ヒトクイバエは人間以外では犬などにも寄生します。
アフリカではヒトクイバエの被害について、ハエによるものではなく風土病だという誤解がされているところもあるようです。

ヒトクイバエの幼虫

出典: http://blog.livedoor.jp

ウマバエ(ヒトヒフバエ)の生態

ウマバエ(ヒトヒフバエ)の寄生の仕方


ウマバエ(ヒトヒフバエ)は変わった方法で宿主に寄生します。
ウマバエ(ヒトヒフバエ)は、宿主に直接卵を産みつけるのではなく、蚊やサシバエ(吸血性のハエの一種)といった吸血性の昆虫を媒介します。主に蚊やサシバエが媒体となります。

卵を産み付けられた蚊やサシバエに吸血されたときに、その傷口を通して寄生されます。寄生に成功したウマバエ(ヒトヒフバエ)は、宿主の体温を感知して卵から幼虫(ウジ)に孵化します。

侵入したウジは宿主の体組織を食べ、1~3ヶ月をかけて成長します。

出典: http://peru-travel.club

サシバエ

尖った口吻で動物を刺し、吸血します。

出典: http://www.hegurinosato.sakura.ne.jp

ウマバエ(ヒトヒフバエ)の幼虫の成長の過程

左から1齢幼虫、2齢幼虫、3齢幼虫、後期の3齢幼虫です。

出典: http://entnemdept.ufl.edu

摘出されるウマバエ(ヒトヒフバエ)の幼虫

頭に寄生していた幼虫です。

摘出されるウマバエ(ヒトヒフバエ)の幼虫

寄生生活を終えたウマバエ(ヒトヒフバエ)はどうなる?

十分に成長したウマバエ(ヒトヒフバエ)の幼虫は、体内に侵入したときの穴から出て行きます。
その後地中に潜って蛹になり、羽化して成虫になります。
成虫には口が無く(口のない蛾はいますが、ハエでは珍しいことです)、何も食べずに交尾と産卵を済ませるとその短い一生を終えます。

センチニクバエ

顔の下に延びている黒いものが口にあたる部分です。

出典: http://gokiburi.dandyism.biz

ヒトヒフバエの成虫の標本

上の画像と比較すると、口が存在しないことがわかります。

出典: https://en.wikipedia.org/wiki/Dermatobia_hominis

ウマバエ(ヒトヒフバエ)の生息地

恐ろしいウマバエ(ヒトヒフバエ)ですが、どこに生息しているのでしょうか。

出典: http://kikenkiken.blog.jp

ウマバエ(ヒトヒフバエ)の主な生息地は中南米


ウマバエ(ヒトヒフバエ)は主に中南米の、いわゆる新熱帯区と呼ばれる地域に生息しています。

具体的にはメキシコやブラジル、ペルー、チリとアルゼンチンの北部などです。

出典:https://en.wikipedia.org/wiki/Dermatobia_hominis

日本にウマバエ(ヒトヒフバエ)の生息地は存在する?

ヒトヒフバエは、日本での生息は確認されていないようです。
熱帯の昆虫なので冬の寒さに対応できるとは考えにくく、日本に入ってくることがあっても定着はしないのではないでしょうか。

出典: http://photograph.pro

ウマバエ(ヒトヒフバエ)の生息地へ行くときの注意点


ウマバエ(ヒトヒフバエ)は、蚊やサシバエなどを使って幼虫を人間に寄生させる昆虫ですので、ハエだけでなく蚊にも注意を払う必要があることになります。
肌の露出の少ない服装をすることや、サンダルではなく靴を履くことなどが重要です。

出典: http://inu-bag.net

蚊はジカ熱やデング熱を媒介するので、その点でも要注意です。

出典: http://eedu.jp

日本を生息地とするウマバエの仲間

ヒトヒフバエは日本に生息していませんが、先にあげたウマバエ、アカウマバエ、ムネアカウマバエ、アトアカウマバエの4種のほか、牛に寄生するウシバエとキスジウシバエ、北海道には外来種のヒツジバエが生息しています。
ヒツジバエは北海道の注意するべき外来種についてまとめられている「北海道ブルーリスト」に掲載されており、ウマバエの仲間も農林水産省の届出病原体に指定されるなど、いずれも警戒の対象となっています。

その他のウマバエの仲間の生息地

アフリカには、ヒトクイバエ以外にmango flyと呼ばれる寄生バエの仲間が生息しており、こちらも人間をはじめ、犬や猿などの生きた動物に寄生します。

mango flyと思われるハエの成虫

出典: http://www.health24.com

日本人のウマバエ(ヒトヒフバエ)の寄生例

日本人が寄生される場合、中南米を旅行中に寄生され、帰国後、幼虫がある程度の大きさになってから気づく、ということが多いようです。
1995年までに12件、2007年までに34件の寄生が確認されています。
1995年から2007年の間の12年間で、それまでの倍近くの寄生があったことになりますが、これは旅行者数の大幅な増加が原因ではないかと考えられています。

出典: http://lunapig.hatenablog.jp

日本に住んでいてもウマバエ(ヒトヒフバエ)に寄生される!?

ウマバエ(ヒトヒフバエ)は日本には生息していないはずなのですが、寄生された例があります。

私は日本の大都会にずっといたはずなのに、どうやらウマバエ(ヒトヒフバエ、学名: Dermatobia hominis)さんの幼虫に寄生されたみたいで、先日皮膚科で取り出してもらいました。たった一月のお付き合いでしたが、名残惜しくも何ともありませんが、写真を撮らなかったのが残念です。 ネットで調べたところ、日本ではちょっとあり得ないことのようです。思わず、(中)南米か!という感じです。


上の記事は2013年7月に書かれたもので、その後ウマバエ(ヒトヒフバエ)に寄生されたという情報はないようです。
ウマバエ(ヒトヒフバエ)か、卵を産み付けられた蚊やハエがたまたま紛れ込んだということになるのでしょうか。

ウマバエ(ヒトヒフバエ)を自分の体で育てた日本人昆虫学者

自分の体に寄生したウマバエ(ヒトヒフバエ)を、駆除せずにそのまま育てた昆虫学者がいます。
「探検昆虫学者」の西田賢司さんです。

出典: http://10beee.com


西田さんは、コスタリカの国立公園で調査をした際に虫に刺され、左手首と腹の2カ所にウマバエ(ヒトヒフバエ)の卵が産み付けられていたということです。
ウマバエ(ヒトヒフバエ)は基本的に人間の前に姿を現さないためコスタリカ大学には標本がなく、西田さんは自分の体でウマバエ(ヒトヒフバエ)を飼育することを決めました。

手首の方のウマバエの幼虫は、餌(つまりは西田さんの手首の肉です)が足りなかったのか1ヶ月ほどで死んでしまい、腹の方は大きく育ち、2ヶ月ほどで西田さんの体から出てきたものの、蛹化に失敗し、やはり成虫にはならずに死んでしまったということです。
この件は、西田さんの著作「わっ!ヘンな虫」で詳しく紹介されています。

手のひらから摘出されるウマバエ(ヒトヒフバエ)の幼虫

他にも、手のひらで飼育した昆虫学者の方がいたようです。

出典: http://umafan.blog72.fc2.com

ウマバエ(ヒトヒフバエ)に寄生されたら?

重要なのは、うかつに引き抜こうとしないことです。
ウマバエ(ヒトヒフバエ)のウジは体が曲がっており、表面にトゲがあるので引き抜くことが難しく、途中で千切れてしまう可能性があります。
また、傷口を絞るのも、ウジを潰してしまうことがあるのでよくありません。

単に気持ち悪いというだけでなく、このウジの体液にはアナフィラキシーショックを起こす物質が含まれているためです。

医療機関で傷口を切開して取り出すのが、最も安全です。

出典: http://www.jomf.or.jp

ウマバエ(ヒトヒフバエ)には腐肉を食べる性質はなく、宿主の肉を腐らせないように食べます。

ですので、潰しさえしなければ傷口の感染症は起こしにくい種類だと言えます。
自分で駆除する場合、傷口にワセリンなどを塗ることでウジの気門を塞ぎ、体から追い出したり、奥に入り込んだウジを表面近くまで引き出すことができます。

日本でウマバエ(ヒトヒフバエ)の寄生に気づいたらどこに行くべき?


ウマバエ(ヒトヒフバエ)は皮下組織に寄生するので、皮膚科か、寄生された部位を切開できる外科のある病院がよいのではないでしょうか。

ウマバエ(ヒトヒフバエ)は脳に寄生する?

人間に寄生するウマバエ(ヒトヒフバエ)の場合、人間の皮下組織に寄生します。
皮下組織と脳の間には頑丈な頭蓋骨があり、ウマバエ(ヒトヒフバエ)が頭蓋骨を突破して脳に侵入する、という方法には無理があります。

目や耳を通じて侵入しようとすれば、宿主の人間にまず気づかれることになりますので、ウマバエ(ヒトヒフバエ)が人間の脳に寄生する、ということはまずないのではないでしょうか。

出典: http://www.nissin-dental.jp

なお、猫の場合、ウサギヒフバエの幼虫が移行症を起こして脳に達する場合があり、猫虚血性脳障害という病気の原因になっているということです。

猫の脳内のウサギヒフバエ

出典: http://www.konekono-heya.com

ウマバエの関連動画

人間にとってウマバエ(ヒトヒフバエ)は大きな被害にならなくても、猿やリスなどの小動物にとってはこの種の寄生バエは命に関わる危険な寄生虫であることが伺えます。

まとめ

いかがだったでしょうか。
1件、寄生例があるということですが、日本にヒトヒフバエやヒトクイバエの仲間が生息していなくて本当によかったと思います。
海外旅行の際はぜひお気をつけください。

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