定期券で途中下車してもいい?定期の有効活用法を徹底解説!【路線別】
定期券は当たり前のように誰でも持っていますよね。通勤・通学にはもちろん欠かすことができませんよね。実は、定期券の区間であれば途中下車をすることができます。そこで、電車やバスの定期券の種類や途中下車する時に注意する点についてご紹介します。
目次
定期を使って途中下車するのはアリ?ナシ?
通学や通勤には定期券が欠かせません。地下鉄・新幹線・山手線などの在来線、またはバスなど複数の種類の定期券を持っている人もいるかもしれません。でも、その上手な使い方を知っていますか。最寄り駅から乗って学校や会社がある駅で降りるという通常の使い方はもちろん、実は途中下車をすることも可能なのです。そこで、途中下車をする際の注意点や差額の支払いの必要性についてご紹介します。
定期とは?一般的な定期券の種類6つ!
通勤定期券
定期券といっても使う人や路線によっていくつかの種類があります。まず、通勤定期券とは、名前の通りに通勤を目的として使う種類の定期券です。期間は1・3・6か月と3種類あります。6か月の定期券は1か月のものと比べて割引率が高くなります。また、購入する際に勤務先の証明書が必要ないため、通勤の目的以外の人でも購入することが可能です。
通勤定期券はみどりの窓口で購入できます。一部のJRまたは私鉄各社では新規・継続に関わらず、指定席券売機でも購入できるので購入前に確認しておきましょう。
通学定期券
通学定期券はその名の通りに通学が目的のための定期券です。通勤定期券と同じく1・3・6か月があります。さらに学生割引といった考え方に基づき、通勤定期券に比べて割引率が高く設定されています。また、鉄道会社によっては学校のスケジュールに合わせて、1・3・6か月ではなく、1・2・3学期と設定して販売されている場合もあります。
購入できる区間は、自宅の最寄駅から学校の最寄り駅となっています。さらに、購入する際に学校が発行した通学証明書が必要になります。そのため、新規・継続に関わらず券売機ではなく窓口でしか購入できないので注意が必要です。通勤定期券は証明書も必要なく誰でも購入することが可能ですが、通学定期券の場合は通学証明書が必要になるというところが通勤定期券と大きく違う特徴です。
特別車両定期券
特別車両定期券はグリーン定期券とも呼びます。1・3カ月の2種類が販売されています。この定期券には、グリーン車の料金も含まれています。区間内にグリーン車の設定がない路線が含まれていても、複数枚の定期券を持つことなくこの特別車両定期券を購入することができます。通勤定期券は指定席券売機でも購入できますが、その他の特殊定期券は窓口でしか購入できません。万が一、無人駅などの場合は最寄りの有人駅の窓口等で購入しましょう。
特殊均一定期乗車券
あまり知られていない定期券の中の1つに特殊均一定期乗車券があります。この定期券は山手線内均一定期券とも呼ばれています。JRでは山手線で、また地下鉄でも全線乗り放題として販売されています。この定期券を持っていると山手線区間内のどこの駅でも乗り降り可能です。また、山手線と並走している中央線の(東京)神田-代々木(新宿)区間と総武線の秋葉原-御茶ノ水区間も乗ることが可能です。
有効期限は1か月のみになるので注意が必要です。購入できる場所は山手線内各駅のみどりの窓口または定期券自動券売機です。
特急定期券
JR東海以外の5社で販売されている特急定期券は遠距離の通勤・通学の方に使われています。JR北海道は「かよエール」・JR東日本は「定期券用月間料金券」・JR西日本は「パスカル」・JR四国は「快て〜き」・JR九州は「エクセルパス」という名称で販売されています。この定期券は特急列車の自由席への乗車が可能です。
購入する際は、通常の定期券を提示して特急料金分の特急定期券を購入する方法と通常の乗車券に特急料金を加算した額の特急定期券を買う方法があります。また、名古屋鉄道の「μ(ミュー)定期券」やJR西日本の「マイシート」には特急列車の座席を1か月指定できるという種類の定期券もあります。
新幹線定期券
最近は新幹線で通勤している人もたくさんいます。そのため、新幹線が走っているJR北海道・JR東日本・JR東海・JR西日本・JR九州の各社では新幹線定期券も販売されています。
新幹線定期券の名称はJR九州を除く4社が新幹線の通勤用はFREX(フレックス)、通学用はFREXパル(フレックスパル)としています。この定期券はIC定期券として購入することができますが、これ以外のエリアではIC定期券を販売していません。また、JR九州は新幹線の通勤・通学用として新幹線エクセルパスという名称を定期券につけています。
これらの定期券は新幹線の自由席に乗ることができます。その中でも8時台の東海道新幹線上りの新横浜~東京間を走るひかりとのぞみは指定席空席に乗ることができます。
また、在来線の定期券と違って200Kmまでが主な販売区間という決まりがあります。そのため、東海道新幹線の東京発の定期は最長で浜松までになります。東京から豊橋、東京から名古屋といった区間で新幹線定期券を買うことはできません。
【状況別】定期券の途中下車は可能?
在来線の場合はほとんどの場面で可能
いろいろな種類の定期券をご紹介しましたが、実は電車もバスもどの種類の定期券もほとんどの場合は途中下車が可能です。たとえば、通勤で使っている定期券で、自宅と会社の区間の中にある駅にクライアントがいる場合は、会社に出社する前にクライアントの最寄り駅で途中下車することが可能です。
いつもは快速電車で通勤・通学をしている人は定期券の区間内で普通電車に乗り換えてみませんか。通過していたいろいろな駅に思わぬ発見があったり、途中下車することで気持ちに余裕もできそうですね。
バスは一部を除いてほぼ可能
バスも山手線を始めとする電車と同じように、定期券を持っていれば途中下車が可能です。たとえば、電車とバスを乗り継いで通勤・通学をしている場合は、途中下車をする場所が増えます。いつもは学校や会社まで途中下車どころかまわりの景色を楽しむ余裕もない、という人も休日や帰り道で電車やバスを途中下車をしてみると新たな発見ができるかもしれませんね。
新幹線は自由席であれば可能
新幹線定期券を持っている場合は、自由席であれば途中下車が可能です。さらに、新幹線の定期券があると新幹線と並行して走っている在来線に乗ることもできます。たとえば、東京から熱海までの新幹線の定期券を持っている場合、東海道線に乗ることが可能です。そして、横浜や大船で途中下車することもできますね。
定期券での途中下車の注意点
定期区間を超える時は差額を払えばOK
定期券を持っていれば、その区間内を何度も途中下車することが可能です。ところが注意する点もあります。それは定期区間外で降りる場合です。もちろん定期区間を外れてしまったらその差額の料金を支払う必要があります。その際に便利なのがICカードです。定期券をSuicaなどのICカードで購入し、金額をチャージしておきます。もし定期区間外で下車した場合もその差額はチャージした金額から差し引かれます。
新幹線の指定席利用は定期が無効になる
新幹線定期券は自由席だけが対象になります。そのため、指定席を利用した場合は定期券が無効になるので注意が必要です。もし新幹線の指定席に座る場合は、その差額だけではなく新幹線の乗車券・特急券など指定席に必要な料金すべてを支払う必要があります。
自由席が満席の場合や車掌の状況判断によっては、指定席と自由席の差額料金を払って指定席に移動できることもあるようです。ところがこれは公に認められていることではないので、断られる可能性もあります。
【番外編】山手線のような環状線はどうなる?
基本的には最短経路で購入
山手線の定期券を買う場合は、最短経路で購入します。内回りと外回りがありますが、わざわざ遠回りをして通勤・通学はしませんよね。そのため、どちらか近い方の料金計算になります。
差額は料金が少ないパターンで計算
山手線の定期券を持っていても定期区間外で下車する場合の料金計算も最短経路で考えます。たとえば、渋谷から有楽町までの定期券を持っている人が渋谷から御徒町まで乗車した場合は、有楽町から御徒町までの差額を払うことになります。最短経路で計算するため、内回りで差額を計算します。外回りの渋谷から御徒町の料金は支払いません。
定期券は途中下車をプライベートのお出かけに役立てよう!
平日は時間に縛られて自由に電車を降りることはできないかもしれません。そこでプライベートのお出かけでいつも使っている電車やバスを途中下車してみませんか。定期券を使うことで注意する点はありますが、いつもとは違う駅で降りることで新たな発見があるかもしれません。ぜひ途中下車して気分をリフレッシュしてみましょう。