カビは熱湯で死滅するの?簡単な掃除方法も紹介【温度・時間】
最近話題のカビの熱湯退治ですが、本当に効果はあるのでしょうか?熱湯で簡単にカビを落とす適切な方法をご紹介します。お風呂・衣類別の熱湯消毒方法や、デメリット、適切に行うための注意点も合わせてご覧ください。家のカビ退治・予防は熱湯一本でしっかりできます。
目次
カビが熱湯で死滅するって本当?
ジメジメする梅雨や、結露が激しい冬の季節など、世界でも有数の湿気大国である日本で、家掃除の最強の敵と言っても過言ではないカビ、皆さんはどう退治していますか?
毎日の水回り掃除って大変ですよね。最近、そんなグッズを買わなくとも、シャワーさえあれば簡単にカビが死滅するという噂があります。熱湯でカビが退治できるなんて、と思いましたが、実は本当なんです。ぜひ毎日のお掃除に取り入れて、少しでも家事を楽にしたいですね。
ほとんどのカビは熱に弱い!
赤カビ・青カビ・黒カビ・白カビなど、カビにも色々な種類があります。ただ、すべてのカビは生き物なので、やはり高温の熱には弱いのです。そのため、熱湯をかけるだけで充分な死滅効果が期待できます。お風呂場やシンク周りでよく見られる黒カビも、この熱湯に弱いタイプのカビになります。
耐熱性のカビは退治できない
ただしカビの中には熱湯の効かない、耐熱性のカビというのも存在します。耐熱性のカビという定義は、75℃で30分以上加熱しても死滅しないカビのことを言います。身近なもので言うと、例えばペットボトルで売られている酸性飲料には、耐熱性のカビが発生することが知られています。
家で発生するカビには、耐熱性のカビはまず見られませんので、熱湯だけで家じゅう掃除することができますよ。
カビが熱湯で死滅するメカニズムとは?
カビも生物であると言いましたが、そんなカビは細胞の中にたんぱく質を持っています。このたんぱく質は熱を与えると結合し変性する特徴があります。細胞の中にあるたんぱく質が変質することにより、カビを死滅させることができるのが、カビが熱湯で死滅するメカニズムです。水分を何より好むカビですが、乾きと熱にはとても弱い生き物なのです。
カビを熱湯で退治する時に最適な温度と時間を紹介!
カビを熱湯で退治する際、大切なのは最適な温度と時間を知っておくことです。40℃のお湯を10秒当てても、カビは死滅しません。また、温度が高ければよいという話でもないようです。
カビが死滅する温度は40℃~50℃!
カビのたんぱく質を変質させられる温度は、40~50℃です。特に、50℃以上になるとカビは生きていくことができず、確実に死滅させることができます。熱湯が高い温度であればあるほどカビ掃除の効果が期待できます。
ただし、100℃などあまりに高温すぎると風呂場などの素材を傷めかねないので注意が必要です。そのため、50℃前後の熱湯が適切でしょう。
10秒程度熱湯をかけて退治しよう!
発生したカビの中には、奥深くまで根を張っているカビもあります。特にゴムパッキンなどの黒カビは、表面だけでなくその奥深くにもカビの根が生えているケースがほとんどです。そうした頑固なカビにも、熱湯を10秒ほどかけると根元までしっかりと熱が伝わり、死滅効果が期待できます。
熱湯を当てる時は一か所に集中して、50℃ほどの温度で10秒しっかりと熱湯を当て続けましょう。とても深く根を張ったカビでも、表面から1ミリ以内になります。1ミリ奥まで50℃の温度に上げようとすると、ゴムやタイルの目地だと90秒当て続ける必要があるという検証結果があります。とても頑固なカビの場合は、温度を上げるのではなくかける時間を延ばすことで調整しましょう。
カビの熱湯を使った掃除方法を紹介!【お風呂編】
タイルの目地やゴムパッキンなど、お風呂はカビの温床になりやすい場所ですよね。熱湯を当てるだけの簡単なカビ掃除の方法です。
①まずは、表面の汚れをスポンジなどで洗い流しましょう。初めに全体を綺麗にしておくことで、空気中に浮遊している見えないカビの胞子を退治しておくことができます。
②死滅させる前に、カビが生えている箇所の周辺に熱湯をかけて、温めます。そうしておくと、熱湯の温度が下がりにくくなるため、より効果的です。
③周辺が十分に温まったら、直接カビに触れるタイミングでの温度を考え、60℃前後の熱湯を10秒当てましょう。
④ブラシなどを使って一度カビをかき出し、もう一度熱湯を5秒ほどかけて奥のカビを洗い流します。
⑤最後に、水滴をタオルで拭きあげる、もしくは十分に換気をして湿気を飛ばし、カビの再発予防をしておきましょう。
カビの熱湯を使った掃除方法を紹介!【衣類編】
タオルや衣類にカビが生えてしまった時は、シャワーなどで熱湯を当てるよりも、大量の熱湯を使った煮洗いが簡単でおすすめです。必要な道具は、お湯と大きなお鍋だけです。
①衣類が入り切る大きなお鍋を用意し、たっぷりとお湯を沸かします。一度沸騰させましょう。
②カビが生えた衣類を入れ、5~10分煮ます。ときどきかきまぜてください。
③熱湯が冷めるまで待ったあと、衣類を綺麗にすすぎ、乾かして死滅完了です。
煮る時に、選択洗剤や漂白剤を一緒に入れると、熱湯のみよりも高い効果が期待できます。また、熱湯をかけるだけでは黒いカビの色素は取れませんが、漂白することでカビの色も落とすことができます。
お風呂のカビ掃除でも換気・水気をとることが大切ですが、衣類もなるべく早く乾かすほどカビ予防につながります。5時間を目安に乾かし切りましょう。
カビを熱湯で退治する時に注意する点は?
簡単で地球にも優しい熱湯のカビ掃除の方法ですが、知っておきたい注意点も存在します。間違った方法で行わないためにも、しっかりと知識を頭に入れておきましょう。
殺菌はできても滅菌はできない
熱湯をかけたカビは殺菌、死滅させることはできても、家の空間にいるすべてのカビを滅菌することは残念ながらできません。ですので、一度熱湯で掃除しただけでは再びカビが発生してしまいます。これは、空気中や目に見えない箇所など家じゅう至る所にカビの胞子が飛んでいるためです。そのため、定期的な掃除が必要になります。
カビの色素までは落とせない
カビが発生すると色素が染みついてしまう黒カビは、熱湯によって死滅することはできますが、色素までは落とし切ることができません。カビは死滅できていますので清潔ではありますが、色素が残ったままだとどうしても綺麗になった気持ちになれませんよね。
衣類などで見た目が気になるようであれば、熱湯でカビを死滅させた後に漂白剤などを使って色素を落とす必要があります。
定期的な掃除が必要になる
滅菌はできませんので、新たにカビの胞子が付着して成長する1週間~10日を目安に、定期的に熱湯で掃除を行う必要があります。ただ、熱湯をかけるだけなので、そこまで重労働ではありませんよね。キリの良い1週間を目安に、週末にいつもの掃除ついでにやるなど、掃除のルーティンにとりいれると良いかもしれませんね。定期的に行うことで、カビ予防につながっていきます。
火傷に注意!
50℃の熱湯は肌に当たると火傷になってもおかしくない熱さです。風呂でシャワーを使う時は特に、足元などによく注意して熱湯を出すようにしましょう。肌にかかってしまった場合は、すぐに冷たい流水に当ててください。
【番外編】カビを熱湯で退治する場合にはデメリットも!
カビの熱湯退治は特別な道具も要らず、簡単で素晴らしい方法のように思います。ですが、熱湯でカビを退治するのにはデメリットもあります。知らないうちに大切な家を壊さないためにも、デメリットをしっかりと押さえておきましょう。
パッキンなどのゴム製品は高温に弱い
よくカビが発生するパッキンなどのゴム製品は、実は熱に弱いものがほとんどです。頻繁に熱湯を当てていると、劣化が早まってしまうデメリットがあります。50℃なら大丈夫そうに思いますが、実際には50℃でも定期的に当て続けると、やはり通常使用よりも傷みやすいです。熱湯を使う時は、あまり高い温度の熱湯を当てないように注意が必要です。
熱による膨張で浴槽やタイルが傷みやすい場合もある
物は全て、熱を当てると膨張したり縮んだりするのはご存知でしょうか。カビ退治のために熱湯を当てる際も、カビだけでなくタイルやゴムなど様々な物質に熱湯がかかることになりますよね。そうすると、素材によって膨張率が変わってくるので、素材の間に隙間ができ、歪んだり傷んでしまうデメリットがあります。これも、高い温度であるほど傷みやすくなるので注意しましょう。
ガス代や水道代が高くなるデメリットもある
最後に、熱湯を10秒当て続ける必要があるため、ガス代や水道代が高くなってしまうデメリットにも注意しておきましょう。長い目で見ると、カビキラーなどを使用した方が経済的な場合もあるでしょう。
熱湯を使えばカビを簡単に退治できる!定期的に掃除してカビの繁殖を防ごう!
熱湯をかけるだけなら、お風呂上りの前やいつもの掃除のついでにできそうで、デメリットを踏まえても良い方法ですよね。お湯なので自然にも優しく、人にも優しいところも嬉しいポイントです。熱湯でのカビ退治は注意点をしっかりと押さえて、賢く毎日の掃除に活用していきましょう。