『模様』の意味とは?類語&対義語・使い方も徹底解説!
『模様』という言葉はよく見聞きしますが、その意味についてはどれほど知っていますか?『模様』はいくつかの意味があり、意味によって使い方も異なってきます。ここでは『模様』の意味だけでなく類語や対義語なども紹介していきます。ぜひ知識を深めていきましょう!
『模様』の意味とは?
『模様』は「もよう」と読み、日常でもよく見聞きする言葉ですが、その意味を正しく理解し、正しい使い方ができていますか?実は『模様』にはいくつかの意味があり、使い方によって全く違う意味を持ちます。
織物・染め物・工芸品などに装飾として施す種々の絵や形
最初の『模様』の意味は、「装飾として施す絵や形」です。織物や染め物などの布の『模様』、工芸品や絵画などの『模様』、いろいろな『模様』があります。私たちが一番最初にイメージする『模様』の意味ではないでしょうか。織物や工芸品などにも様々な模様がありますが、「水玉模様」、「幾何学模様」などの使い方がこの意味に該当しますね。
物事の有様
『模様』は「物事の有様、状況」といった意味も持っています。具体的な使い方で言うと、テレビアナウンサーが「現場から事件の模様をお伝えします。」と言っているのがそうです。また天気の「空模様」、「雨模様」などといった使い方もこの意味に該当します。
手本や模範
「手本や模範」も『模様』の意味のひとつです。『模様』を「手本や模範」の意味で使うのはあまり馴染みがないかもしれませんが、昔の書物などには『模様』を「手本や模範」の意味で使っている文章があります。「去来抄」という俳諧についての書物に、「俳諧の集の模様は、やはり俳諧の集の内にて作すべし」という一文があり、「手本や模範」の意味です。
身振りや所作
『模様』の最後の意味は「身振りや所作」です。「身振りや所作」としての使い方も現代においては、あまりピンと来ないかもしれませんね。ただ、『模様』の意味である「物事の様子」を人に置き換えると、「人の様子や有様」となることから、「身振りや所作」の意味につながっていくのも理解できそうです。こちらも昔の書物に、「茶をたつる模様(お茶をたてる身振り)」という使い方をされている文章があります。
『模様』の語源は?
『模様』の語源は、もともと漢語の「模様」から来ていて、本来の語形は「モヤウ」とのことです。語源である漢語での用法は「図柄や様子」を表します。「雨模様」や「雪になる模様です」といった使い方は、『模様』の「物事の有様や様子」という意味から派生した日本語的な用法だそうです。本来の語源からすると、『模様』の意味は、「装飾としての絵や形」という意味だけだったのですね。
『模様』の類語は?3つ紹介!
『模様』の意味や語源について知ったところで、次は類語を見ていきましょう。ここでは『模様』の類語を3つ紹介します。意味によって類語が違っているので面白いですよ
デザイン(芸術方面で使う場合)
デザインとしての意味で使う『模様』であれば、類語は「絵様・絵柄・装飾」などです。外来語での類語を挙げるならば、「パターン・デザイン」という類語になります。織物の柄なども「模様」ではなく「デザイン」という言い方をすることがありますね。
飾りつけ(美しくするために使う場合)
飾りつけとして美しくするという意味の『模様』の場合は、「外装・飾り・修飾・化粧」などが類語になります。外来語だと、「デコレーション・オーナメント」なども類語です。
有様(物事の状態に使う場合)
『模様』を物事の有様・状態という意味で使う場合は、「様子・実態・事実・事情」などが類語です。漠然と感じられる物事の有様の場合は、「気配・雰囲気」なども『模様』の類語になります。
『模様』を英語で言うと?
意味や語源、類語など『模様』について少しずつ知識が深まってきたところで、『模様』の英語での言い方を見ていきます。『模様』の英語は、使い方・意味によって英語での言い方が異なります。
図案や飾りなどの意味
『模様』を図案や飾りなどの意味で使う場合は、「a pattern」や「a design」という英語になります。類語としても出てきた「パターン」と「デザイン」ですね。『模様』の英語での言い方が、そのまま日本語英語として使われているようです。
有様や様子などの意味
『模様』を物事の有様や様子などの意味で使う場合は、「a look」や「signs」といった英語になります。こちらは直訳すると、「様子」、「兆候」という意味です。
『模様』の対義語は?
語源や類語など『模様』の意味への理解が高まりましたか?さらに知識を深めるには「対義語」を知ることも大切です。対義語がわかると、『模様』の意味についてより納得がいくこともあります。ただし『模様』には明確な対義語というのはありません。類語などからそれぞれの使い方によって対義語を挙げるとすれば以下のようになります。
飾りなどの意味で使う場合
『模様』を織物や工芸品など、絵や形といった飾りの意味で使う場合は、「無地」などが対義語になるでしょう。ただし純粋に対になっているわけではなく、あくまでも意味を考えた時に反対の部類に入る言葉として理解しましょう
様子などの意味で使う場合
『模様』を物事の有様や様子の意味で使う場合は、「内容、中身」などが対義語として挙げられるでしょう。ただしこちらも純粋な対義語というわけではなく、あえて言うならば、というところです。
『模様』の使い方と例文10選!
最後に『模様』の使い方と例文を見ていきましょう。意味の違いによって使い方も選ばなくてはいけません。それぞれのシーンや意味にあった『模様』の例文を10パターンお届けします。
①模様替えをしよう
「模様替え」は私たちの耳にも聞きなれた言葉ですよね。よく「部屋の模様替えをしよう」という言い方で使われます。この場合は「部屋の装飾を替える」という意味になるので、『模様』が「装飾、飾り付け」という意味で使われています。また「部屋の様子を替える」というニュアンスも含まれていて、こちらは『模様』の「物事の有様、様子」という意味になります。
②雨模様の天気だ
「雨模様」は最初の『模様』の意味でも紹介したように、「物事の有様」の意味で使われています。この場合は「空の有様、様子」に該当しますね。ちなみに本来は雨がまだ降っていない「これから振りそうな様子」を表す言葉でしたが、最近では「現に雨が降っている様子」の意味でも使われるようになっています。
③綺麗な模様の生地ですね
この場合の『模様』はずばり「装飾」の意味ですね。織物など絵や形が装飾されていることを意味しています。織物を褒める時に使える例文ですね。日本には本当に綺麗な模様の織物や染め物が多いのは誇りにしたいところです。
④自分で髪の毛を染めたら、まだら模様になった
「まだら模様」というのも「装飾」の意味で使われているパターンです。ちなみに「まだら模様」というのは、「異なる色や同色の濃淡が入り混じった模様」のことです。この例文は、自分で髪の毛を染めたら色にむらができてしまって失敗してしまったという意味ですね。
⑤今の恋模様はピンク色である
「恋模様」は「恋愛の様子や動向」を意味する言い方です。また恋人同士の駆け引きや迷いなど、人間関係の複雑さも意味合いとして込められています。つまり『模様』が「物事の様子」の意味で使われています。この例文の場合は「恋模様がピンク色」ですから、恋愛が上手くいっているということですね。
⑥急に空の模様が変わった
「空の模様」も先ほどの「雨模様」と同じ意味での使い方です。「空の様子が変わった」とも言い換えられますね。晴天から雨天に変わった時、またその逆、いろいろなシーンで使うことのできる例文です。
⑦幾何学模様のパターン
「幾何学模様」も先ほどの「まだら模様」と同じ意味での『模様』の使い方です。ちなみに「幾何学模様」とは、「多角形や円、直線などの単純な図形を連続して組み合わせ、その配列を展開した模様」の意味です。文字で見ると難しそうですが、実際には皆さんもよく見たことのある模様です。
⑧模様の種類がどれくらいか調べる
この例文の『模様』は主に「装飾」という意味で使われていますが、「手本や模範」もしくは「身振りや所作」という意味で読んでもおかしくはないですね。「手本や模範」、「身振りや所作」という意味での『模様』は現在ではあまり使われていませんが、知識として知っていると周りから尊敬されるかもしれませんよ。
⑨明日は荒れ模様のようだ
「荒れ模様」は主に「天候の状態が悪くなりそうな気配」という意味で、先ほどの「雨模様」や「空の模様」と同じ意味の『模様』です。ただし、もう一つ「人の機嫌や場の雰囲気が悪そう、または悪くなってきそうな様子」という意味も持っています。この例文の場合は前者の意味での使い方ですが、「明日は荒れ模様になりそうだ」という文ならば後者の意味でも通じますね。
⑩会議は予定通りにされている模様だ
この例文の『模様』は「物事の有様、様子」の意味ですね。もう少し詳しく言うと、「物事の動向を推測する場合」の使い方です。「~らしい様子」という意味がしっくりきます。日本語の微妙なニュアンスは難しいですが奥が深くて面白いですね。
『模様』の意味を知って、知識を増やそう!
さて、ここまで『模様』について、「意味・語源・類語・英語・対義語」など、詳しくご紹介してきましたが、知識は深まりましたか?意味によって使い方が違ったり、「手本」や「身振り」など使い慣れない意味があったり、上手に使い分けることが難しいかもしれませんが、日本人として正しい日本語を使っていきたいですね。これからもどんどん知識を増やして、教養を高めていきましょう!