サザンカ(山茶花)の花言葉を色別に解説!困難に負けない強さの象徴?
冬の代表的な童謡のひとつ「たき火」の冒頭に出てくるサザンカ(山茶花)。「サザンカ、サザンカ咲いた道ー」と口ずさんだことがあっても、サザンカ(山茶花)がどんな花か知らない人もいるようです。今回は、サザンカ(山茶花)の特徴や花言葉、花言葉の由来など紹介します。
目次
まずはサザンカについて知ろう!
サザンカ(山茶花)は、古くから日本では庭木や生垣として親しまれている植物です。ツバキ科の植物の一種です。
サザンカの特徴とは?
サザンカ(山茶花)の木は、樹皮の色が灰褐色で表面がさらっとした感触です。葉は平坦で常緑広葉樹に、分類されます。2cm~5cm程度の長さの葉は、ふちがギザギザとしているのが特徴で互生(位置をずらしてさまざまな方向に生えること)します。
サザンカ(山茶花)の花は、原則として5枚の花びらの花を咲かせます。サザンカ(山茶花)は品種改良や自然交雑で約300種類もの品種が存在するといわれています。すなかには八重咲き(花びらが6枚以上)、千重咲き(花びらの数が10枚以上)、獅子咲き(花びらの数がかなり多い)の花を見せる品種もあり、咲き方はバラエティに富んでいます。
また、サザンカ(山茶花)の散り方は花びらが一枚ずつはらりはらりと落ちるのが特徴のひとつです。花が散った後に実をつける被子植物です。
また、サザンカ(山茶花)の散り方は、花びらが一枚ずつはらりはらり、と落ちることが多く、その後に実をつける被子植物です。
濃いピンクや赤色の花である印象が強いですが、これは園芸用に改良された種類のようです。自生するサザンカ(山茶花)の花は淡いピンクや白であることが多いでしょう。
香りはややくどい、きついといわれる種類も少なくありませんが、なかにはさわやかな梅のような香りを持つ品種や、薔薇の香りに似ているといわれる品種もあります。
サザンカの開花時期や見頃はいつ?
多くの種類のサザンカ(山茶花)は、秋の終わりから初冬、毎年10月~12月頃、開花します。冬の代表的な花のひとつで、真冬に花を咲かす種類もありますが、実は、本来は寒気に弱く、日本でも温暖な気候の地域で育つ植物でした。真冬に咲くサザンカ(山茶花)は園芸品種として交配された品種であることが多く、寒気にさらされると花を落とす品種も存在します。
そのため、品種によってばらつきはあるものの、11月~1月頃が見頃だといえるでしょう。
サザンカの名前の由来を紹介
サザンカ(山茶花)の漢字表記「山茶花」はもともと中国語で、ツバキ類全体をさす言葉です。日本語の「サザンカ」は、本来の読み方の「サンサカ」が訛ったものであるといわれています。
今では正式な学名にも日本名の「サザンカ」が使われています。
サザンカの花言葉の由来は?
サザンカと聞くと、SEKAI NO OWARIがNHKの平壌オリンピック公式テーマソングとして発表した名曲「サザンカ」を思い浮かべる人も少なくないでしょう。冬季オリンピックのアスリートたちに送る、この曲にはサザンカ(山茶花)の持つ花言葉が込められているように感じられます。
サザンカ(山茶花)の花言葉は『困難に打ち克つ』『ひたむきさ』。
花を咲かす植物が少ない寒い季節に、美しい花を咲かせるサザンカ(山茶花)の姿に由来する花言葉といえるでしょう。
サザンカの花言葉を『色別』に紹介!
サザンカ(山茶花)は品種によって、赤や白、ピンクなどさまざまな色の花を咲かせます。サザンカ(山茶花)の花言葉は『困難に打ち克つ』『ひたむきさ』ですが、サザンカ(山茶花)は花の色によって、他にも花言葉があります。色別の花言葉を見ていきましょう。
赤いサザンカの花言葉は?
赤いサザンカ(山茶花)の花言葉は『謙譲』『あなたがもっとも美しい』です。
この花言葉は、色の少ない冬の景色の中に、赤色の花を咲かす、赤いサザンカ(山茶花)の美しく、はかない姿に目をひかれる情景をよく表しているようです。
白いサザンカの花言葉は?
白いサザンカ(山茶花)の花言葉は『あなたは私の愛を退ける』『愛嬌』です。白いサザンカ(山茶花)には、ふたつの相反する印象の花言葉がつけられています。
冬景色の中の白いサザンカ(山茶花)は、うっかり見落としてしまいそうなほど、ささやかで神秘的。そんな姿が「あなたは私の愛を退ける」という花言葉の由来になっているのではないでしょうか。
いっぽう、「愛嬌」という花言葉は、冬景色の中、白いサザンカ(山茶花)に気づいた時の喜びや驚きが込められた花言葉ともいえるでしょう。
ピンクのサザンカの花言葉は?
ピンクのサザンカ(山茶花)には、『永遠の愛』という花言葉が付けられています。
実は、サザンカ(山茶花)全般の花言葉には『理想の愛』という花言葉も存在します。
同じくピンクのサザンカ(山茶花)の花言葉、「永遠の愛」同様、植物のほとんどが花をつけない寒い季節に美しい姿を見せる姿に、どんなに困難な状況にあっても強く美しい、理想の愛・永遠の愛を見出したのではないでしょうか。
全体としてサザンカ(山茶花)の花言葉には、困難な状況や恋愛に身を置きながらも、一途に自分の信じる目標や愛に向かって突き進む孤高の女性が思い浮かべられるでしょう。まさに冬に花を咲かせるサザンカ(山茶花)にぴったりの花言葉ばかりですね。
サザンカの種類や品種を紹介!
サザンカには さまざまな園芸品種があります。一般的に開花時期や花の形などで、大きく3つの園芸種群に分類されます。
サザンカ群
開花時期が10月~11月と早咲きであることが特徴です。花は一重咲きや半八重咲きが多く見られます。
有名な品種として
・『桜月夜』ピンクの半八重咲きの花
・『七福神』花は濃いピンク色の半八重咲き。大輪を咲かせることで知られている。主に関東に分布
・『丁子ぐるま』赤色をぼかしたような小輪の花。一重唐咲き。主に関西より西に多く分布
などが知られています。
カンツバキ群
八重咲き~獅子咲き(一般的な八重咲きより花びらの数がかなり多い)で中輪の花を咲かせる品種が多いでしょう。開花時期は11月頃が一般的です。
主な品種として
・『富士の峰』咲き方は千重咲きで色は白。開花時期が11月~1月と長めで、長期間楽しめる品種
・『朝倉』八重咲き~獅子咲きの花。花の色は白っぽいが、よくみると花びらの外側にうっすらと赤色の線が入っている
などが有名です。
ハルサザンカ群
サザンカとツバキの自然交配種が由来すると推測される種類です。開花時期が12月~春頃と遅咲きの品種が多いでしょう。ハルサザンカ群の品種は一重咲きで小輪が多いこともよく知られています。
主な品種は
・『鎌倉絞』一重咲きで小輪の品種。白地に濃いピンクが入った花びらであることが多い。
・『梅ヶ香』その名の通り、梅のような香りを持つ花。白地にピンクがほんのり入った花であることが多い
・『三段花』ハルサザンカ群には珍しい多弁の品種で、花びらが段になって咲く、二段咲きが特徴の品種。花中心部のおしべも開花後に花びらへと変化する。目をひくピンクであることが多い。
などです。
サザンカを贈るのはこんな人がおすすめ!
サザンカ(山茶花)は、花言葉に象徴されるように、理想の愛、永遠の愛を求める人に贈るのがよいかもしれません。謙虚でありつつも自分を信じ、困難に立ち向かう姿は誰の目にも美しく映ることでしょう。
また、スポーツや資格試験の勉強など、果敢に困難にチャレンジしている人に贈るのもよいかもしれません。サザンカ(山茶花)は被子植物で、花びらが散った後に、実をつける植物です。困難に打ち勝ち、実を結んで欲しい、と願う相手に、サザンカ(山茶花)の特徴の解説や花言葉の由来とともに、贈ってはいかがでしょうか。
【番外編】サザンカはツバキに似てる!見分け方は?
サザンカ(山茶花)は、ツバキ科に属する植物で開花時期も近しいため、たびたび椿と混同されます。主な見分け方は次の通りです。
葉で見分ける
椿の葉は、サザンカ(山茶花)の葉と一見似ていますが、サザンカ(山茶花)の葉のふちがギザギザしているのに対して、つばき(椿)の葉のふちは、なめらかな曲線であることが特徴です。
花の形で見分ける
種類にもよりますが、ツバキ(椿)の花は、サザンカ(山茶花)の花にくらべて少し大きめであることが多いようです。また、サザンカ(山茶花)の花びらのほうが、ツバキ(椿)に比べて細長いという点も見分けるポイントとなりそうです。
花が咲いている時期で見分ける
品種にもよりますが、ツバキ(椿)の開花時期は、12月~4月です。
一般的にツバキ(椿)より、サザンカ(山茶花)の方が、開花時期が早いといわれていますが、品種によっても開花時期は異なるので、あまりあてにはできないかもしれません。
花の散り方で見分ける
ツバキ(椿)とサザンカ(山茶花)の見分け方で、最も簡単なのはその散り方によって見分けることです。サザンカ(山茶花)は、花びらが1枚ずつ、はらりはらりと散っていくのに対して、ツバキ(椿)は花ごとポトリと落ちます。ツバキ(椿)はその散り方から縁起が悪いとされることもあり、人に贈る時は気をつけたいポイントです。
【番外編】サザンカを観察するときには手袋をしよう!
サザンカ(山茶花)は、チャドクガ(茶毒蛾)のつきやすい植物として知られています。庭木や生け垣として住宅街や公園などにもよく植えられている花なので、チャドクガ(茶毒蛾)の発生時期には注意が必要です。チャドクガ(茶毒蛾)の発生時期は主に4月~5月、8月~9月といわれています。サザンカ(山茶花)は品種時期によって、ちょうどチャドクガ(茶毒蛾)’の発生時期に重なるものもあるため、もし手に取って観察したいときには手袋を着用しましょう。
チャドクガ(茶毒蛾)がついた葉は虫食いになっている、といわれていますが、チャドクガ(茶毒蛾)は卵でも湿疹やかゆみ、発熱などの症状を引き起こします。注意深く観察してから手を触れることが大切です。チャドクガ(茶毒蛾)は熱に弱いので、心配な場合は観察のときに着た衣類は65度以上のお湯につけてから洗濯するようにしましょう。
サザンカは困難に負けない強さの象徴!
サザンカ(山茶花)は、古くから日本で親しまれてきた植物です。主な品種が冬に花を咲かすことから、困難に負けない強さの象徴であるといわれています。ツバキ(椿)に一見似ていますが、葉の形や、被子植物であるため花びらだけがハラハラと落ちる散り方などで違いを見分けることができます。
開花時期や花が散った後に実を結ぶ姿が由来し、『困難に打ち克つ』『ひたむきさ』といった花言葉を持っています。そのため、何かに打ち込んでいる人に花言葉とともに贈ると喜ばれるかもしれません。またひたむきに誰かを愛している人にとっても、サザンカ(山茶花)の姿は自身を投影でき励みとなるかもしれません。