『しんどい』って方言なの?地域ごとの意味や使い方も紹介!
気軽に使っている『しんどい』の意味、あなたは本当に知っていますか?実は地域ごとに意味が違う『しんどい』を分かりやすく解説!たったの4文字で応用が利く便利な言葉だからこそ、より知っておきたいワードです。どう使うの?と気になる使い方も、例文と一緒にご紹介します!
目次
『しんどい』の意味と由来とは?
疲れや面倒さを感じた時に『しんどい』という言葉で、その感覚を表現することはありませんか?しかし、あなたはその『しんどい』という言葉の意味を考えたことはあるでしょうか。
『しんどい』という言葉を辞書的に説明すると、意味は2つあります。一つは「疲れた」「辛い」という体の状態を表す意味です。2つ目は、何かをする時、それを「大変だ」「面倒くさい」と感じている心の状態を表す意味を持っています。
それでは、なぜ『しんどい』という言葉が、こうした意味を持つことになったのか?「疲れた」「くたびれた」「面倒で大変である」ということを表す言葉に、「しんど」という名詞があります。この名詞「しんど」が形容詞に変わったものが『しんどい』とされています。『しんどい』は広く使われている言葉ですが、方言として存在している『しんどい』もあります。続いて、方言としての『しんどい』の語源をご紹介します。
方言『しんどい』の語源は?
『しんどい』の意味・由来を知ったところで、その“語源”はどこにあるのかも押さえておきたいポイントです。辞書で『しんどい』を引いてみると、そこには『しんどい』は関西地方の方言であり、心労(しんろう)という言葉が転じたものだということが分かります。
“心労”も「あれやこれやと思い悩む」という意味や「心が疲れた状態にある」といった意味を持つ言葉です。つまり、あれこれ考えて思い悩んだ結果、心が疲れてしまって『しんどい』という意味になるということです。こう考えてみると、分かりやすいのではないでしょうか?
語源を知ってみると、より『しんどい』という言葉に意味を込めやすくなります。意味と由来を知り、さらに“心労”という言葉が転じて『しんどい』になった、という語源の情報も頭に入れておくと「なるほど!そういう意味なら、こう使えばいいんだ」とすんなり納得がいきますね。
『しんどい』は、普段は意識せずに使っている言葉の一つでしょう。日本語は一つの言葉に多くの意味を持っていますから、言葉の意味もたった一つきりとは言えません。その由来や語源を知ることで、自分が伝えたい意味を込めて使えるようになります。
関西の方言『しんどい』の使い方を例文付きで紹介!
意味や由来・語源が分かったら、今度は使ってみたい!と思いませんか?しかし、あなたが『しんどい』を使いたい相手にとってはどう意味になるのかを知っておいたほうがいいでしょう。その人に馴染みのある使い方ではないと、あなたが意図したようには伝わらないかもしれません。それは、それぞれの地域により、方言が存在しているからです。
あなたが思うように捉えてもらえなければ、話が噛み合わなくなってしまったりする可能性もあります。そこで、実際に『しんどい』を会話の中で使うにはどうしたらいいのか?ここでは、関西の方言としての『しんどい』の意味、実際の使い方をご紹介します。分かりやすい例文もあるので、参考にしてみてください。
大阪の方言『しんどい』の使い方と例文
関西というと、まず大坂を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。その大阪で使われる方言としての『しんどい』の使い方は「疲れた」という状態を表す時です。なお、『しんどい』の“い”は省略されることもあります。
例文「あの人いちびりやからしんどいねん」
意味「あの人はお調子者だから疲れるんだよね」
京都の方言『しんどい』の使い方と例文
大阪と同様に、こちらも関西の代表県・京都で使われる方言としての『しんどい』の使い方は「疲れた」という状態を表す時です。
例文「明日(あす)は予定がぎょうさんあるから、今からしんどいわ」
意味「明日は予定がたくさんあるから、今から疲れちゃう」
兵庫県の方言『しんどい』の使い方と例文
兵庫県で使われる方言としての『しんどい』の使い方は「疲れた」という状態を表す時です。
例文「さっちもない話ばっかで、ばりしんどかったわ〜」
意味「つまんない話ばっかりで、すごい疲れちゃったよ〜」
奈良県の方言『しんどい』の使い方と例文
奈良県で使われる方言としての『しんどい』の使い方は「体調が悪い」という状態を表す時です。
例文「風邪ひいてん。ごっつーしんどいねん。」
意味「風邪ひいちゃって。すごい体調悪いの」
関西地方で使用される『しんどい』の意味をご紹介しました。続いて、関西以外の地域も知っていきましょう。
地域別!『しんどい』を意味する言葉と使い方
関西における『しんどい』以外に、その他の地域でそれぞれに使われる『しんどい』があります。ここでは地域別で『しんどい』に代わる方言のの上手な使い方を例文と共にご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
北海道『しんどい』を意味する言葉と使い方
北海道で使われる『しんどい』状態を表す言葉は「こわい」です。
例文「しばれるね〜。雪なげはこわいなぁ」
意味「寒いね〜。雪かきは疲れるなぁ」
九州『しんどい』を意味する言葉と使い方
九州で使われる『しんどい』状態を表す言葉は「きつい」です。
例文「今日は寝とらんけん、きつか〜!」
意味「今日は寝てないから、しんどい〜!」
沖縄『しんどい』を意味する言葉と使い方
沖縄で使われる方言は、かなり特殊ですよね。ここでは、その独特の言葉でご紹介します。沖縄の方言で『しんどい』状態を表すには、いくつかのパターンがあります。
2つ取り上げてみると、一つは「体調が悪い」という意味の「あんまさん」という言葉です。もう一つは「面倒くさい」という時に使う「にりー」が『しんどい』の意味に当てはまる言葉です。
あんまさんの例文「でーじちぶるやむん。ちゅーやあんまさん」
意味「すごく頭が痛い。今日は体調が悪いな」
にりーの例文「にりーやっさー」
意味「面倒くさいなぁ」
岡山県『しんどい』を意味する言葉と使い方
岡山県で使われる『しんどい』状態を指す言葉は「えらい」です。
例文「おえん……。ぼっけーえらい……」
意味「だめだ……。すごくしんどい……」
関東地方『しんどい』を意味する言葉と使い方
関東地方で使われる『しんどい』状態を表す言葉は、多くが「疲れた」や「辛い」です。
例文「歩き回ったから体がしんどい」
意味「歩き回ったから体が疲れちゃった」
地域によって『しんどい』も様々ですね。あなたが『しんどい』を使う時に、相手がどう捉えるのか?というのを知っておくと、上手な人間関係を築くための手助けになるかもしれません。
若者やオタクが使う『しんどい』の意味とは?
ここまでは、地域における方言としての『しんどい』の使い方をご紹介しました。地域により、使い方や意味はそれぞれ違う、ということも分かりましたよね。しかし、実はちょっと特殊な『しんどい』も存在しています。それが、若者たちが使う『しんどい』と、オタクたちが使う『しんどい』です。
今度は、このちょっと特殊な『しんどい』の意味・使い方をご紹介します。もしかしたら、これらが一番『しんどい』意味・使い方をしているかもしれません。それでは早速、若者たちの『しんどい』とオタクたちの『しんどい』を知っていきましょう。
若者の『しんどい』使い方と意味
新しい言葉を生み出すことが得意な世代といえば、常に時代の波に乗ることができるアンテナの持ち主たち――つまり若者たちです。若者が使う「しんどい」には「辛い」や「面倒くさい」という意味があるようです。使い方としては「今日学校行くのやだな〜。めっちゃしんどい」や「え〜、こんなことしなきゃいけないの?しんど〜」という感じです。
常に新鮮さを求め、大人たちが思いつかないような発想をする若者たちによって生み出される新語は、かなり多様性があるものが多いですよね。「ヤバイ」や「ガチ」など、短くシンプルな言葉に多くの意味を持たせています。『しんどい』もそれらと同様です。
もしかすると、若者たちが使う『しんどい』は、まだまだ進化していく可能性を秘めているかもしれません。
オタクの『しんどい』使い方と意味
『しんどい』は若者たちだけでなく、独自の表現が上手なオタクたちにも浸透している言葉です。オタクが使う『しんどい』は、「あまりも魅力的」「かっこよすぎて辛い」というような意味が込められています。たとえば、お気に入りのキャラクターや俳優・アイドルなどの魅力にとことんハマっている時などに使用するようです。
使い方として例文を挙げるなら「あ〜〇〇くんほんとカッコイイ!笑顔がしんどい」といった感じです。若者たちと同様に、オタクの言葉もどんどん新しいものが増えていきます。オタク界でも『しんどい』は広く使える言葉であるからこそ、更なる進化があるかもしれません。
方言『しんどい』の使い方をマスターしよう!
何気なく使っていた『しんどい』も、その意味はもちろん、語源や地域ごとに違う方言を知ってみると、とっても奥深いものでしたね。同じ言葉であるはずが、一つで「面倒くさい」「辛い」「疲れた」など、意味をたくさん持っています。
使い方も例文たっぷりでご紹介しましたので、方言の『しんどい』も、新語の『しんどい』もこれでバッチリです!それぞれの使い方をマスターすることで、コミュニケーションを盛り上げることもできるかもしれません。