40年以上燃え続ける「地獄の門(ダルヴァザ)」まとめ【トルクメニスタン】

中央アジアの国トルクメニスタンのダルヴァザにある火の穴は「地獄の門」と呼ばれ、40年以上も燃え続けるという驚異の光景を見ることができます。トルクメニスタン・ダルヴァザの広大な砂漠にぽっかりと開いた地獄の門。今回は地獄門の様子や地獄門までの行き方をご紹介します。

40年以上燃え続ける「地獄の門(ダルヴァザ)」まとめ【トルクメニスタン】のイメージ

目次

  1. 140年以上燃え続けるトルクメニスタンの村ダルヴァザの「地獄の門」
  2. 2なぜダルヴァザに「地獄の門」はできたのか?
  3. 3地獄の門の中へ入ってみた結果、意外な事実が
  4. 4ダルヴァザの地獄の門は、もはやトルクメニスタンの観光地?
  5. 5そうだ地獄門に行こう。火の穴への行き方
  6. 6トルクメニスタンってどんな国?治安は良い?
  7. 7トルクメニスタンには地獄の門だけでなく、極楽の穴もある?地下洞窟の温泉
  8. 8地獄門以外の、ダルヴァザの各地に開いたクレーター
  9. 9地獄の門が閉ざされる日も近い?トルクメニスタン大統領が封鎖を指示
  10. 10まとめ:トルクメニスタンの地獄の門は偶然できた火の穴だった

40年以上燃え続けるトルクメニスタンの村ダルヴァザの「地獄の門」

出典: http://turkmenistan-japan.com

「地獄の門」の遠景

日本から遠く7000㎞離れた中央アジアの国トルクメニスタンのダルヴァザという村に、「地獄の門」と呼ばれる40年以上燃え続ける火の穴があります。
住民たちはこの穴を「The Door to Hell(地獄の扉)」とか「The Gates to Hell(地獄の門)」と名付けました。
他にもまるで悪魔が出てきそうな様子から、「悪魔の門」とも呼ばれています。
その様子はその怖い呼び名の通り、まるで地獄の業火のような炎のクレーターが大地に口を開けています。
まずはその「悪魔の門」と呼ばれている、穴の光景を見ていきましょう。

昼のダルヴァザ・地獄門の様子

出典: http://media-pickup.com

地獄の門を撮影する人

この世のものとは思えない恐ろしい光景ですね。

出典: http://rikutabi.blog.jp

何もない大地に突如として現れる炎の穴

何もない砂漠の荒野に突然丸い大きな穴が現れ、周りを崖で囲まれた穴の下からは火が噴き上がっているのが見えます。
異様な光景に地獄を思わせるような不吉さを感じてしまいます。

出典: http://yuuma7.com

地獄の門の全体像

まさに悪魔の門のようで、悪魔が出てきそうですね。

夜のダルヴァザ・地獄門の様子

出典: http://turkmenistan-japan.com

赤々と燃え続ける炎

周りに明かりがない分、夜の地獄門は一際目立ちます。
人を寄せ付けない火のクレーターですが、逆に一目見ようと世界中から人々が観光に訪れています。

出典: http://janchipchase.com

夕暮れの地獄門

遠くから見ると大地の底から光が漏れているいるようで、綺麗な一面もあります。
現地の人によると昼よりも夜の方が地獄の門が目印となり、道に迷わないそうです。

ダルヴァザ・地獄門が燃える様子の動画

ダルヴァザ・地獄門はGoogleマップでも見れる

Googleマップで見た地獄の門

地獄の門はGoogleマップの航空写真からでも見ることができます。
穴の中で火がちらついているのが確認できますね。
「ダルヴァザ ガス・クレーター」で地図検索するとすぐに見つけることができますので、興味のある方は検索してみてください。

なぜダルヴァザに「地獄の門」はできたのか?

出典: http://www.gasukai.co.jp

天然ガスの掘削イメージ

一体なぜこのような火のクレーターができ、そして燃え続けるのでしょうか。
実はトルクメニスタンは天然ガスの埋蔵量が世界第4位という資源国であり、ダルヴァザ付近の地下には大量の天然ガスが眠っています。
きっかけは1971年に行われたソ連の地質学者による採掘調査とされています。
天然ガスを採取するために地盤をボーリングしていたところ、ガスが溜まっていた洞窟が崩落する事故が起き、直径およそ70mの大穴が開いてしまいました。
穴から有毒ガスが漏れることを防ぐために火が放たれ、おそらく数週間で燃え尽きるだろうと思われていました。
しかし、何か月経っても火は尽きず、結果的に40年以上経った今でも悪魔の門は燃え続けているのです。

地獄の門の中へ入ってみた結果、意外な事実が

出典: http://media-pickup.com

耐熱スーツでクレーターへ降下するジョージ・コウロウニス氏

世界には命知らずな人達がいますが、カナダ人のジョージ・コウロウニス(George Kourounis)氏もその一人です。
彼は「ストームチェイサー」という竜巻を追跡する専門家です。
2013年にジョージ氏は、あろうことか悪魔の門へと降り立つという無謀とも思える調査を行いました。

ジョージ氏は耐熱スーツを身にまとい、穴の深さの計測やクレーターの底から土壌サンプルの採取を行いました。
すると後の調査で、土壌で生存している細菌がいることを発見したのです。
火が吹き荒れる悪魔の門の中で生物がいるとは驚きですね。

また彼は、「中はまるで別の惑星のようだった」「音はジェットエンジンのようだった」と話しています。
他にも「地盤の崩落は60年代の可能性があり、80年代には火は点いていなかったと聞いている」とも語っています。

但しこの「悪魔の門」に関する正確な記録がないため、悪魔の門の真実は今も分かっていないのです。

ダルヴァザの地獄の門は、もはやトルクメニスタンの観光地?

トルクメニスタン政府観光局のHPの一部

トルクメニスタン政府観光局のホームページには、世界文化遺産のニサ遺跡やメルヴ遺跡と並んで地獄の門の特集が紹介されています。
また政府観光局の紹介するツアー会社のほとんどに地獄の門を巡る旅程が組まれていたりと、国をあげて地獄門を観光地にしているようです。
もとを正せば偶然人工的にできてしまった穴なのですが、おそらく地球上に2つとない炎の絶景は確かに直接、見てみたくなりますね。

そうだ地獄門に行こう。火の穴への行き方

恐ろしくても見てみたい地獄の門ですが、現地への行き方はどうすればいいのでしょうか?

日本から地獄門のあるトルクメニスタンへの行き方

出典: http://flagpedia.asia

トルクメニスタンの国旗

まず日本からトルクメニスタンへの行き方ですが、実はトルクメニスタンへの飛行機の直行便はありません。
そのため、アラブ首長国連邦のドバイやトルコ、ロシアなどで乗り継ぐ必要があります。
またトルクメニスタンは入国方法が厳しく、ビザ(査証)を取得するにもトルクメニスタン国内からの「招待状」というものが必要となります。
また通常は観光ビザを取得しますが、このビザでは国内の移動に自由はなく、旅程や移動手段も全て事前に確定しておく必要もあります。
詳しくはトルクメニスタン大使館や入国管理局のホームページから問い合わせてみてください。
その点、もっと気軽に行きたいという場合は、日本の旅行代理店のツアーに参加するのがベストでしょう。ビザの取得も手配してくれるので大変楽になります。

トルクメニスタンの首都アシガバートから地獄の門への行き方

出典: http://yuuma7.com

地獄の扉で夜を明かす人も多い

地獄の門への行き方ですが、目的地はカラクム砂漠の真ん中にあり、南部の首都アシガバートや北東部の都市クフナ・ウルゲンチやタシャウスから行くことになります。
いずれの都市からも約250kmほど離れており、砂漠の道のりを車で5,6時間かけて移動することになります。
現地へ移動する手段としては、
1.タクシーを使う
2.アシガバートとタシャウス間を行き交う公共のバスを使う
が主に考えられます。
タクシーを使う場合は白タクシーが多いそうなので、事前に金額をしっかりと確認しておきましょう。
バスは1日数本だけ運航していて、途中休憩ポイントのダルヴァザで降車します。ダルヴァザで止まらない場合もあるそうなので、運転手に降りることを伝えておくとよいでしょう。

トルクメニスタンってどんな国?治安は良い?

出典: https://skyticket.jp

初代大統領サパルムラト・ニヤゾフ氏の像

トルクメニスタンは中央アジアの南西部に位置し、国の大部分は国土の85%を占めるカラクム砂漠です。また、西部の沿岸はヨーグルトの名称で有名なカスピ海に面しています。
主に潤沢な天然ガスや石油の輸出で経済は豊かに発展しており、政府による治安維持も行き届いてテロも起こっていないといわれています。

また、物価も安く、教育や医療も無料で行われ安定した国民生活が営まれています。
公用語は以前ソ連領であったため、ロシア語が話されていますが、現地のトルクメン人同士ではトルクメン語が使われています。

トルクメニスタンは永世中立国であり、旅行先としては比較的安全な国と言えますが、隣接する周辺国には紛争地域があるため十分注意して旅行をしましょう。

トルクメニスタンには地獄の門だけでなく、極楽の穴もある?地下洞窟の温泉

出典: http://tabijyo.blog76.fc2.com

洞窟内から撮影した写真

トルクメニスタンには地獄だけでなく極楽もあるかもしれません。
なんと地下の洞窟に天然の温泉があるそうです。
この洞窟温泉への行き方は、首都アシガバートから西へ約100kmほど車で1,2時間かけて移動した先にあります。
洞窟の地下60mの深さにできた温泉は硫黄の臭いが立ち込め、換気口がないためあまり長居はできないそうです。
また、洞窟の先はどこまで続いているかはまだ分かっていないそうです。暗がりの中で入る神秘の洞窟温泉ですね。
入場料は40マナト(約1200円)と少々お高いですが、観光してみる価値はありそうです。

地獄門以外の、ダルヴァザの各地に開いたクレーター

水のクレーター

出典: http://blog.his-j.com

この水のクレーターは、天然ガスの採掘中に地下から水が湧き出してきたため中止され、水が溜まったそうです。
簡単な柵はありますが、落ちると危険です。
穴を埋め戻すことはしないのでしょうか。
水のクレーターへの行き方は、地獄の扉へ向かう途中にあるそうで旅行ツアーに組み込まれていることも多いそうです。

小さな地獄門、泥のクレーター

出典: http://blog.his-j.com

こちらは泥のクレーターと呼ばれ、穴にはわずかに泥水が溜まっており、何カ所かからは火がついているのがわかります。
この穴も天然ガスを採掘するために掘ったものの、水が湧き出して中止となり、その後周囲の土が風雨で崩れて埋もれていったそうです。

わずかにガスが出るため、有毒ガス防止のため火が点けられたようです。
ここには柵は全くなく、地盤も緩いため近づくのはかなり危険でしょう。

このクレーターへの行き方も地獄の扉の近くにあり、観光ルートになっているそうですが、観光には充分注意しましょう。

地獄の門が閉ざされる日も近い?トルクメニスタン大統領が封鎖を指示

出典: http://ko-taro-room.link

2010年、トルクメニスタン国営テレビによると、ベルドイムハメドフ大統領がこの地獄の扉を視察し、ガス穴を封鎖するか、周囲のガス田の開発に影響しないような方策を考えるよう指示したそうです。
しかし、7年経った2017年現在でも燃え続ける地獄の扉は健在です。
政府観光局もPRに使っていることですし、今は残しておくということなのでしょうか。
いずれにせよ地獄の扉はいつ閉ざされてもおかしくないですね。

まとめ:トルクメニスタンの地獄の門は偶然できた火の穴だった

出典: http://yuuma7.com

トルクメニスタンの村ダルヴァザの砂漠に開いた地獄の扉は、自然が何億年という途方もない時間をかけて作った化石燃料と、それを利用しようとした人間の起こした事故によってできた偶然の産物でした。

落ちたら一巻の終わりともいえる、まさに悪魔の門とも言える火のクレーターですが、その幻想的で恐ろしい光景は人々の興味を引いてやみません。
不思議な穴があれば覗きたくなるのが人の心理かもしれませんね。
天然ガスは約70年で尽きるといわれています。
今回紹介した40年以上も燃え続けている地獄の扉も、いずれは必ずなくなることでしょうから、今のうちに見に訪れてはいかがでしょうか。

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