2021年09月09日公開
2021年09月09日更新
『蛾の種類』蝶にはない綺麗さ…美しい鱗翅目には毒がある【画像図鑑】
鱗翅目(蛾・蝶)の種類を紹介しています。また、身近に見ることができる鱗翅目(蝶・蛾)や蝶のように綺麗な蛾・毒を持っている蛾を画像付きで紹介しています。紹介している鱗翅目(蛾・蝶)の種類は、和名だけでなく、英名や科名も紹介しています。
目次
鱗翅目って何?
鱗翅目とは、蛾や蝶の仲間を指す言葉です。読み方は「りんしもく」と言います。蛾や蝶の翅を顕微鏡で拡大して観ると、魚のうろこのような表面構造をもっているので、鱗翅目と名づけられているそうです。
蝶や蛾の翅のうろこの様な構造は、進化の過程で“毛”が変化してできたもので、老化とともにすれたりして抜けてしまうそうです。
鱗翅目という言い方ですが、今はそれほど使われないそうです。
例えば、多くの方が知っているアゲハチョウですが、学術的に呼ばれる場合は「鱗翅目(りんしもく)アゲハチョウ科」と言われる場合と、「チョウ目アゲハチョウ科」と呼ばれる場合があります。
最近は、後者の「チョウ目(もく)アゲハチョウ科」というような呼ばれ方をすることが多いそうです。
鱗翅目は蛾や蝶の種類の総称だと思ってください。
「鱗翅目〇〇科」という様な感じで、蝶や蛾の種類が決まっています。
鱗翅目(蛾・蝶)の成長過程
鱗翅目である蛾や蝶の成長成長過程は「卵→幼虫→蛹→成虫」となる完全変態です。
鱗翅目の幼虫は、春に見かける毛虫(蛾)やイモムシ(蝶)のことを指しています。あまり好きな人はいないかもしれませんが、あの気持ち悪いフォルムから見た目が美しい蛾や蝶に成長します。
多くは植物食で、ほぼ決まった植物を食べます。少数ですが、他の昆虫を食べるものや他の昆虫に寄生するものもいるそうです。
成虫になると、ストローのような口吻を持ち、花の蜜や樹液などを摂取します。翅の表面は鱗粉や毛でおおわれています。
ほとんどの種類が卵→幼虫→蛹→成虫の成長過程となっています。
鱗翅目(蛾・蝶)の種類は多い!
鱗翅目(蛾・蝶)の種類は、大変多いです。普段の生活では、アゲハチョウやモンシロチョウくらいの種類は把握できますが、蛾を区別して呼ぶことは少ないと思います。
こう考えると、蝶の方が種類は多そうですが、実は、蛾の方が種類が多いです。
日本では、鱗翅目(チョウ目)の種類がおよそ約6000種類確認されているそうですが、蝶と呼ばれるのは、このうち250種類しかいないそうですよ。
世界全体でみると蛾と呼ばれる種類は、蝶と呼ばれる種類の20~30倍存在するそうです。
鱗翅目の種類はとても多いです。「〇〇科」だけでなく、「〇〇科〇〇属」まで考えてしまうと、わけが分からなくなてしまうかもしれません。
鱗翅目(蛾・蝶)の種類は?日本各地で見られる蛾や蝶の種類を一部紹介!
身近に見ることができる鱗翅目の種類をほんの一部紹介します。
紹介する種類の鱗翅目は、日本各地で見ることができる種類になります。
英名や科名も併せて紹介してます。
日常生活で見ることができる種類を紹介しています。
鱗翅目(蛾)の種類(画像図鑑)
名前:イラガ
英名:Bluestriped nettle grab
学名:Monema flavescens
科名:鱗翅目(チョウ目)イラガ科
日本各地で見ることができる蛾です。
名前:カノコガ
英名:White-spotted Moth
学名:Amata fortunei
科名:鱗翅目(チョウ目)カノコガ科
日本各地で見ることができる蛾です。ハチのような姿をしていて、昼行性の蛾になります。
鱗翅目(蝶)の種類(画像図鑑)
名前:アゲハチョウ
英名:Asian Swallowtail
学名:Papilio xuthus
科名:鱗翅目(チョウ目)アゲハチョウ科
最も一般的なアゲハチョウのことです。翅が美しいです。
名前:キアゲハ
英名:Old world swallowtail
学名:Papilio machaon hippocrates
科名:鱗翅目(チョウ目)アゲハチョウ科
アゲハチョウと一見同じように見えますが、アゲハチョウとは別の種類になります。
アゲハチョウよりキアゲハの方が、色合いが綺麗で、美しいかと思います。
日本全国で見ることができます。
出典: http://www.ne.jp
名前:ベニシジミ
英名:Small Copper
学名:Lycaena phlaeas daimio
科名:鱗翅目(チョウ目)シジミチョウ科
一見蛾のように見えますが、チョウ科に属しています。日本各地で見ることができます。
名前:モンシロチョウ
英名:Small white small cabbage white
学名:Pieris rapae crucivora
科名:鱗翅目(チョウ目)シロチョウ科
日本各地で見ることができる一番メジャーな蝶ではないでしょうか。真っ白い翅に目のような模様があるのが特徴的です。
蝶のように美しいと噂の蛾!(画像図鑑)
同じ鱗翅目の種類とはいえ、蛾と蝶を比較すると、やはり蝶の方が綺麗で美しいですよね。
蛾には蝶にはない綺麗さや美しい姿があるという方もいますが、美しい姿や綺麗さは蝶にかなわないと思います。
しかし、蝶のように美しいと騒がれている蛾がいます。ここでは、蝶のように美しい蛾を紹介します。
画像図鑑① オオミズアオ
オオミズアオという蛾ですが、淡いグリーンの翅が綺麗で美しいそうです。
蛾ですので、蝶と比較すると少し大き目ですが、蝶の中にも大きい種類はいますので、蝶と間違ってしまうかもしれません。
名前:オオミズアオ
英名:Luna Moth( Moon Moth)
学名:Actias artemis
科名:鱗翅目(チョウ目)ヤママユガ科
淡いグリーンの翅が綺麗な蛾になります。その綺麗な姿から、英名では「月の女神」と呼ばれています。
前翅の大きさは、50mm~60mmで、後翅は尾状に伸びているのが特徴です。
また、体は白い色をしていて、翅は青白い色(淡いグリーンにも見えます)で基部に白い毛が生えています。
名前:オオミズアオ(幼虫)
英名:Luna Moth( Moon Moth)
学名:Actias artemis
科名:鱗翅目(チョウ目)ヤママユガ科
オオミズアオの幼虫の画像です。成虫は、青白い翅に白い体で、綺麗で美しい感じでしたが、幼虫はやっぱりそれほど美しくありませんね。
大きさは、一番大きくなる時期で、約80mmと、毛虫にしては大きい方です。
一般的に毛の生えた毛虫には毒があると言われていますが、オオミズアオの幼虫には毒がありません。
画像図鑑② キンモンガ
一見するとキアゲハのように見える蛾の一種です。よく見ると蛾ですが、科名にアゲハモドキガと付いているように、遠目から見るとキアゲハと間違ってしまうほど綺麗な蛾です。
名前:キンモンガ
英名:Golden-crested Moth
学名:Psychostrophia melanargia
科名:鱗翅目(チョウ目)アゲハモドキガ(ツバメガ)科
翅は通常黄色の紋様をしているが、白い紋様をしたキンモンガもいます。特に、白い色の翅を持ったキンモンガは、九州地方で見られるそうです。
名前:キンモンガ(幼虫)
英名:Golden-crested Moth
学名:Psychostrophia melanargia
科名:鱗翅目(チョウ目)アゲハモドキガ(ツバメガ)科
キンモンガの幼虫の画像です。幼虫の大きさは、一番大きい時期で18mmと、少し小さめのサイズです。
イモムシのような姿をしていますが、毛虫です。
毒のある鱗翅目(蛾)の種類を紹介!(画像図鑑)
蛾の成虫で毒を持っているのはほんの数種類ですが、蛾の幼虫には、毒を持っているモノもいます。ここでは、毒を持っている代表的な鱗翅目の幼虫と成虫の姿を数種類紹介したいと思います。
紹介する毛虫以外にも毒を持っている幼虫はいますので、注意したいですね。
画像図鑑① チャドクガ
名前:チャドクガ
英名:Tea tussock moth
学名:Arna pseudoconspersa
科名:鱗翅目(チョウ目)ドクガ科
ドクガ科の代表とも言える蛾です。幼虫のときにある毒針毛を成虫になっても体に付けているため、注意が必要な蛾です。
名前:チャドクガ(幼虫)
英名:Tea tussock moth
学名:Arna pseudoconspersa
科名:鱗翅目(チョウ目)ドクガ科
体毛に触れてしまうと、かぶれたような症状を引き起こします。体毛は風でも飛ばされるほど軽く、抜けた毛にも毒性があるので、注意が必要になります。
画像図鑑② マイマイガ
名前:マイマイガ
英名:Gypsy moth
学名:Lymantria dispar
科名:チョウ目ドクガ科
マイマイガは、幼虫の時期にしか毒針毛がないので、成虫の状態では毒を持っていません。
名前:マイマイガ(幼虫)
英名:Gypsy moth
学名:Lymantria dispar
科名:チョウ目ドクガ科
チャドクガと同様に、毒を持つ毛虫として有名なドクガになります。体毛に毒を持っているため、毛に触れると腫れてしまいます。
画像図鑑③ モンシロドクガ
名前:モンシロドクガ
英名:Yellow-tail
学名:Euproctis similis
科名:鱗翅目(チョウ目)ドクガ科
白色の綺麗な蛾です。見た目はとても美しいですが、毒を持っている蛾になります。
幼虫・蛹・成虫問わず、毒針毛を持っているので、注意が必要です。
綺麗だからと言って、不用意につかまないようにしてください。
名前:モンシロドクガ(幼虫)
英名:Yellow-tail
学名:Euproctis similis
科名:鱗翅目(チョウ目)ドクガ科
体毛に毒があり、刺されると皮膚炎などの症状が出ます。
画像図鑑④ ゴマフリドクガ
名前:ゴマフリドクガ
英名:なし
学名:Somena pulverea
科名:鱗翅目(チョウ目)ドクガ科
成虫になると、毒毛針がほとんど抜け落ちるが、腹部には毒毛針が残っている。成虫になっても注意が必要な、毒を持っている蛾です。
黄色で綺麗な蛾だからと言って触らないようにしてください。
英名はありません。というのも、現在ゴマフリドクガは日本特産種ですので、日本にしか生息していないからです。
名前:ゴマフリドクガ(幼虫)
英名:なし
学名:Somena pulverea
科名:鱗翅目(チョウ目)ドクガ科
ゴマフリドクガの幼虫です。幼虫の状態は、体に毒針毛を持ち、刺されるとかぶれてしまいます。
まとめ
蝶や蛾の種類について紹介してきました。蛾は、蝶より美しくないというイメージが強いですが、中には「蝶より綺麗かも」と思ってしまう種類もあります。
また、蛾は毒を持っている種類がいますので注意が必要です。特に、ドクガ科の蛾は、多くが毒を持っていますので、ドクガ科の蛾は、触らないように注意しましょう。