2021年08月02日公開
2021年08月02日更新
フレーバーテキストまとめ!MTG史上最もかっこいいカードとは?
フレーバーテキストというものをご存知でしょうか?これはMTGのカードの文章欄に書かれているルールとは関係のない、本文とは違うで文章のことです。フレーバーテキストはMTGにおける雰囲気作りを担っています。ここでは有名なものをいくつかまとめていこうと思います。
目次
- 1サラッとかっこいいフレーバーテキストと意味のわかからないフレーバーテキスト:時間の名人/Temporal Adept
- 2MTGにおけるフレーバーテキストでのやりとり:最後の言葉/Last Word
- 3あえて表現しないMTGにおけるブラックなフレーバーテキスト:有象無象の大砲/Fodder Cannon
- 4MTGのフレーバーテキストはこんなものもある:キャリアー/Carrier
- 5MTGの歴史を垣間見れるフレーバーテキストとイラストをまとめた:綿密な分析/Deep Analysis
- 6MTGにおける悲しみさえ感じるフレーバーテキスト:月の色/Moonlace
- 7MTGにおける一度は言ってみたいフレーバーテキスト:補償金/Reparations
- 8MTG界のリセット呪文のフレーバーテキスト:激動/Upheaval
- 9MTG史上最も怖いフレーバーテキスト:恐ろしい死/Ghastly Demise
- 10MTGを代表する最強天使のフレーバーテキスト:悪斬の天使/Baneslayer Angel
- 11フレーバーテキストが単純に強そう:力説/Insist
- 12MTGで学ぶ人生のフレーバーテキスト:熱砂/Burning Sands
- 13フレーバーテキストから想像できる光景:大会戦/Grand Melee
- 14MTGのヒーロー:ギルドとの縁切り/Renounce the Guilds
- 15MTGの英雄が満を持して登場:静寂/Serenity
- 16まとめ
サラッとかっこいいフレーバーテキストと意味のわかからないフレーバーテキスト:時間の名人/Temporal Adept
まず始めに紹介するフレーバーテキストは、時間の名人/Temporal Adeptです。初出はウルザズ・デスティニーでレア度はレアとなっています。また第7版から9版まで再録されています。能力は『パーマネント一つをオーナーの手札に戻す』という凶悪なものとなっていますがその分トリプルマナシンボルという色拘束も強烈です。
まずウルザズ・デスティニー版のフレーバーテキストを見てみましょう。非常にかっこいいものとなっています。
もちろん彼女はクラスのトップです。クラスメートがみんな消えてしまいましたから。
――― トレイリアの背信者ガーサ
時間の名人がクラスメートを消してしまったことを皮肉っているフレーバーテキストになってます。
一方で再録された時間の名人のフレーバーテキストは全く違ったものになっています。
昨日が明日の二日前である場合、明日の次の日は今日であるか昨日であるか?
――トレイリアのアカデミーにおける時間操作入門クラス最終試験
試験問題になっていますね。正直意味がわかりません。この問題は少し議論になりましたが公式の回答は「どちらでもない」というものです。必死に考えてしまった意味とはなんなんでしょうか・・・
出典: http://www.hareruyamtg.com
出典: https://magiccards.info
MTGにおけるフレーバーテキストでのやりとり:最後の言葉/Last Word
最後の言葉/Last Wordはダークスティールで初出のカード。レア度はレア。再録はされていません。『最後の言葉は呪文や能力によって打ち消されない。呪文1つを対象とし、それを打ち消す』という確定カウンタースペルとなっています。その代わりダブルシンボルであり4マナと重かったり、ミラディンブロックという高速環境ということも相まって、発表当初の期待ほどの活躍はできなかったカードです。しかしそのフレイバーテキストを見てかっこいいと思った人は多かったでしょう。
いつか、誰かが私を打ち負かすだろう。 だがそれは今日ではないし、お前にでもない。
確定カウンターらしいフレーバーテキストとなっています。しかしその『いつか』が来るのも興味深いです。精神壊しの罠/Mindbreak Trapというカードの能力を見ると『このターン、いずれかの対戦相手が3つ以上の呪文を唱えていた場合、あなたは精神壊しの罠のマナ・コストを支払うのではなく(0)を支払ってもよい。望む数の呪文を対象とし、それらを追放する』というものになっています。そしてそのフレーバーテキストが
「人生は迷路だ。 行き止まりの一つがこれだ。」
― タジームの凪魔道士、ノヤン・ダール
となっています。MTGの世界での因果関係を垣間見れるのもまた、フレーバーテキストの楽しみといえます。
出典: http://cardshop-serra.com
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あえて表現しないMTGにおけるブラックなフレーバーテキスト:有象無象の大砲/Fodder Cannon
ウルザズ・デステニィーのアンコモンカード。第8版にて再録されています。『クリーチャーを1体、生け贄に捧げる:クリーチャー1体を対象とする。有象無象の大砲はそれに4点のダメージを与える。』といった能力をもつカードです。初出はウルザズ・デスティニー。起動コストに4マナと自分自身のタップと非常に重い能力であまり活躍することがなかったカードです。
ステップ1:君の従兄弟を見つける。
ステップ2:君の従兄弟を大砲に入れる。
ステップ3:別の従兄弟を見つける。
ステップ2と3の間に重大なことが抜けているような気がします。しかしあえて抜かすテキストが非常にスタイリッシュでかっこいいですね。
出典: https://mtg.bigweb.co.jp
MTGのフレーバーテキストはこんなものもある:キャリアー/Carrier
キャリアー/Carrierと聞いて一瞬意味がわからなかった人もいるかもしれませんが、これはカード名ではなくクリーチャーのタイプです。ウルザズ・レガシーに4体います。その4体がファイレクシアの告発者/Phyrexian Denouncer、:ファイレクシアの堕落者/Phyrexian Debaser、ファイレクシアの汚染者/Phyrexian Defiler、そしてファイレクシアの疫病王/Phyrexian Plaguelordをこの順に並べてフレーバーテキストをまとめてみると
この病気の第一段階:発疹と吐き気。
この病気の第二段階:高熱と高い感染性。
この病気の第三段階:筋肉痛とひどい咳。
この病気の最終段階:うわごと、ひきつけ、そして死。
このようになります。これはファイレクシア病の症状をまとめたものです。開発側の遊び心が垣間見えるフレーバーテキストですね。
出典: http://www.hareruyamtg.com
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MTGの歴史を垣間見れるフレーバーテキストとイラストをまとめた:綿密な分析/Deep Analysis
綿密な分析は『プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは、カードを2枚引く。 フラッシュバック ― (1)(青),3点のライフを支払う。』といった能力のカードです。初出はトーメント。能力自体はそれといった特筆がないものですがイラストとフレーバーテキストを見ればかっこいいという理由がわかるでしょう。
これって、壊れてる。
シンプルでかっこいい文章ですね。でもこの意味とは何でしょうか?イラストを見るとそこには分析されているマスティコアが描かれています。そう、このフレーバーテキストは物理的な意味の『壊れ』と、強すぎる意味の『壊れ』がかかっているのです。このように昔のカードをイラストの中で復活させてくれるのもMTGプレーヤーを熱くさせてくれますね。
ちなみに再録された際に少しフレーバーテキストが変わっています
「この標本は壊れているようだ。」
少しだけ変えた意味とはなんなのか考えてみると、おそらくマスティコアを知らない新規向けなのかなと思います。その後イラストも完全にかわって再録された際には
「我より逃れる途はない。なぜ貴様にできると思ったのだ?」
というようなフレーバーテキストになっています。
出典: https://mtg.bigweb.co.jp
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MTGにおける悲しみさえ感じるフレーバーテキスト:月の色/Moonlace
いきなりですがフレーバテキストから見てみましょう。
かつて空の普遍の光景だった月は、天空を埋め尽くしたもやに長く隠され続けていた。それが現れる時、それこそが変化の兆しとなる。
かっこいいですね。綺麗な文章で何かが起こるようなワクワク感を持てます。さてではこのカードの能力を見てみましょう。
『呪文1つかパーマネント1つを対象とする。その色は無色になる。』
弱い・・・弱すぎる・・・。このカードが存在する意味、デッキに入れるまで使うようなものではないですよね。その割にはイラストも綺麗。もしかしたら何かを思い出す人もいるかもしれません・・・。そう蒼ざめた月/Pale Moon。こちらの能力もひどいものです。『ターン終了時まで、プレイヤーがマナを引き出す目的で基本でない土地をタップした場合、それは他のいかなるタイプのマナの代わりに無色のマナを生み出す。』MTG史上最悪のカスレアです。イラストがいいのに『月』のカードが弱いのはそういう習慣なのでしょうか?
出典: http://cardshop-serra.com
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MTGにおける一度は言ってみたいフレーバーテキスト:補償金/Reparations
ミラージュのレアカードです。『対戦相手1人が、あなたかあなたがコントロールするクリーチャーを対象とする呪文を唱えるたび、あなたはカードを1枚引いてもよい』という能力のカードです。こちらのフレーバーテキストは
失礼、村を焼いてしまった。この金で別の村でも……。
イラストを見ても山盛りの金貨と申し訳なさそうな持ち主が見れますが、あまりにクールでかっこいい文章だと思います。
出典: http://cardshop-serra.com
MTG界のリセット呪文のフレーバーテキスト:激動/Upheaval
MTGにおける有名なリセット呪文です。オデッセイのレアカード。すべてのパーマネントを、オーナーの手札に戻す、という極めてダイナミックな能力を持っているカードです。
嵐のあとには静けさがあるんだ。
まさしくカードの効果とカードの名前にぴったりなフレーバーテキストとなっていますね。ちなみに似たような能力の脱出/Evacuationも興味深い文章になっています。
私がそよ風を吹かせたら、あなたの兵士なんか煙みたいなものよ。
――― 西風の魔道士アレクシー
出典: https://magiccards.info
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MTG史上最も怖いフレーバーテキスト:恐ろしい死/Ghastly Demise
オデッセイのコモンのカードです。黒でないクリーチャー1体を対象とし、それをそのタフネスがあなたの墓地にあるカードの数以下である場合、破壊するという能力です。1マナのカードでオデッセイブロックの墓地を対象とスルというテーマを強く反映したカードです。
指を折ってやったり、精神的に痛めつけたりすることなら誰にでもできるでしょう。私はもっと独創的な殺し方が好きだわ。
――― 狂気を招く者ブレイズ
自分の殺し方を具体的には言わず意味深にしているところがブレイズのダークさがよく現れたかっこいいフレイバーテキストになっています。
出典: https://magiccards.info
MTGを代表する最強天使のフレーバーテキスト:悪斬の天使/Baneslayer Angel
初出は基本セット2010のレアカードです。2011にも収録されています。レア度は神話レア。ダブルシンボルですが5マナ5/5、さらbに能力が非常に多くて、飛行、先制攻撃、絆魂、プロテクション(デーモン(Demon))、プロテクション(ドラゴン(Dragon))と極めて驚異的なコストパフォーマンスとなっています。一応レア度の違いがあるとはいえMTGの象徴ともいえるクリーチャーのセラの天使がかわいそうですね。
弱く罪無き者を守る天使もいる。 あるいは、潜む邪悪を探し滅する天使もいる。
2つの文章をまとめて悪斬の天使を意味しているのでしょう。
出典: https://www.enndalgames.com
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フレーバーテキストが単純に強そう:力説/Insist
トーメントのレアカード。このターン、あなたが唱える次のクリーチャー呪文1つは、呪文や能力によっては打ち消されない。カードを1枚引く、という能力でコストは1マナです。正直あまり強くない能力ですが、フレーバーテキストは
どんな巧妙なやり方も、荒々しい力にはかなわない。
――― ケンタウルスのドルイド、シートン
といった緑の力押しっといった雰囲気が如実に出ているカードになっています。
ちなみにシートンとは3マナ2/2のクリーチャーで『あなたがコントロールする、アンタップ状態のドルイド(Druid)1つをタップする:あなたのマナ・プールに(緑)を加える』といったものになっています。
適者生存というのはピットだけの掟じゃない。自然の掟なんだ。だから戦うんだよ。
ピットとはなんでしょうか。次にまとめてあります。
出典: https://www.enndalgames.com
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MTGで学ぶ人生のフレーバーテキスト:熱砂/Burning Sands
オデッセイのレアカード。クリーチャーが1体死亡するたび、そのクリーチャーのコントローラーは土地を1つ生け贄に捧げる、といった能力になっています。
どんな学者にも教えられない教訓を、苦痛が教えてくれるのだ。
――― ピット・ファイター、カマール
MTGには人生の教訓のようなフレーバーテキストも多いです。
ちなみにピット・ファイター、カマールを見てみると6マナ6/1の『速攻(このクリーチャーは、あなたのコントロール下で戦場に出てすぐに攻撃したり(T)したりできる。)
(T):クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。ピット・ファイター、カマールはそれに3点のダメージを与える。』といった能力になっています。フレイバーテキストは
おれは遊びに来たんじゃない。勝ちに来たんだ。
こちらではシンプルでかっこいいことを言っています。
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フレーバーテキストから想像できる光景:大会戦/Grand Melee
オンスロートのレアカード。5マナのエンチャントカードで、クリーチャーが1体死亡するたび、そのクリーチャーのコントローラーは土地を1つ生け贄に捧げるといったカードです。フレーバーテキストもイラストも『まさに』といったもので
熱い血は、冷めた判断を押し流す。
と非常に簡単な文章で効果と意味まで表現しています
出典: https://magiccards.info
MTGのヒーロー:ギルドとの縁切り/Renounce the Guilds
ドラゴンの迷路のレアカード。『各プレイヤーはそれぞれ多色のパーマネントを1つ生け贄に捧げる』といった非常に強力であり2マナと軽い除去呪文です。
「平和の名のもとに多くの人々が命を落とすことになる。それがあなたの言う和解というものか?」
――ギデオン・ジュラからオレリアへ
ちなみにギデオン・ジュラとはカードとしてはプレインズウォーカーであり
[+2]:対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーの次のターンの間、そのプレイヤーがコントロールするクリーチャーは可能ならギデオン・ジュラを攻撃する。
[-2]:タップ状態のクリーチャー1体を対象とし、それを破壊する。
[0]:ターン終了時まで、ギデオン・ジュラは6/6の人間(Human)・兵士(Soldier)クリーチャーになる。それはプレインズウォーカーでもある。このターン、彼に与えられるすべてのダメージを軽減する。
6
というように上のフレーバーテキストや能力からもわかるとおり非常に正義感溢れる人間で、また人をまとめる能力も高いみたいです。
出典: http://www.duelistsguild.com
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MTGの英雄が満を持して登場:静寂/Serenity
ウェザーライトのレアカード。第6版でも再録されています。『あなたのアップキープの開始時に、すべてのアーティファクトとすべてのエンチャントを破壊する。それらは再生できない』といった能力で、このカード自身もまとめて処理するのに注意です。相手のデッキ次第で非常に強い能力となっています。
おれのことは、静寂の前の嵐だと思ってくれ。
――― ウェザーライトの艦長代行、ジェラード
こんなにかっこいいセリフは実世界では中々言えないでしょう。
ちなみにジェラードとはファイレクシアへの侵攻のために鍛え上げた英雄の血族の最後の生き残りで物語でも武芸の達人と言われています。
出典: http://www.duelistsguild.com
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まとめ
いかがだったでしょうか?このようなまとめ自体はある程度存在しますが、今回は筆者自身の体験から思い出深いものをまとめました。MTGの世界が広がっていけばいくほどフレーバーテキストもそれに比例して増えていくのでまた何年後かに考えてみるのも面白いかもしれません。