任侠団体山口組「織田絆誠 (本名:金禎紀)」はどんな男なのか？

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任侠とは、もともと仁義を重んじ弱い人たちや苦しんでいる人を助ける、そのような人物や精神性を表す言葉です。
中国でも古くからある言葉で、命を懸けて受けた恩を返す人を表します。現在の日本では刺青のはいったヤクザを表す言葉としてイメージする人も多いかもしれません。

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さて山口組は日本の兵庫県神戸市に本部を置く暴力団です。

暴力団といわれる団体はいくつかりますが、その中でも日本最大規模の団体で組員数は2014年の時点で約14,100人（構成員6,000人、準構成員数は約8,000人）。
全国で44の都道府県に系列組織を置いています。菱形の中に“山”の文字を描いた“山菱”と呼ばれるマークを組織の標章、いわゆる代紋としている組織です。山口組は100年以上の歴史があり日本でもよく知られた暴力団の団体です。

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織田絆誠(おだ よしのり、本名：金禎紀、2017年現在：50歳)という人物はどのような人でしょうか。

彼のインタビュー記事によると在日朝鮮人の3世で、「ヤクザの世界には人種差別がないと信じてこの世界に入った」と語っています。
戦前、織田の祖父「金燕西」が済州島から法律を学ぶため大阪に移住しました。「親日派」だった彼はその後、軍需工場を設立したそうです。
しかし戦争で工場や自宅は壊滅し、彼は全財産を失います。金燕西の子供は通名を「織田新一」といい、敗戦後のどさくさ時にヤクザになりました。
織田絆誠の父のことです。織田新一は柔道、ボクシングなどを習っていて喧嘩では負け知らずだったそうで、彼の兄弟分に酒梅組傘下の張本正来組長がいました。
父である織田新一から、喧嘩の仕方や警察に捕まったときの心構えなども教わったそうです。

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織田は中学の時にはすでに喧嘩で負け知らずで、父の影響もあってか極道の道に進むことを決めていたようです。

18歳の時に父が服役したことをきっかけに酒梅組系張本組に入ったとの情報がありますが、真偽は解りません。
19才で大阪天六で政治結社「日韓同志会」を立ち上げます。その後22歳で山口組の二次団体倉本組に入り、山口組に所属することとなりました。武闘派として知られる倉本組の幹部として昇進し勤めました。

1990年に起きた山口組と波谷組の抗争（山波抗争）において織田の子分が、波谷組系の幹部を襲撃する事件を起こします。その事件の首謀者として逮捕され、懲役12年の刑を受けることになります。収監された徳島刑務所でのちに盃をかわす、山健組の井上邦雄組長と出会うことになります。
さて、山波抗争で逮捕されたときには警察の激しい追及にも黙秘を貫き、自分一人で罪をかぶることで倉本組ではほかに逮捕者が出なかったそうです。

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出所時には倉本組は2つに分裂しており、織田はそのどちらにも行きませんでした。

しばらく浪人生活を送っていましたが、30代半ばに以前刑務所で出会った井上組長が率いる、山建組傘下の組織に入ることになります。
その数年後には山建組でも幹部になっていました。山口組が神戸山口組と分裂したときにはその行動力を買われて直参に昇格し井上組長の懐刀となっていました。

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山口組は2005年に六代目司忍が組長になります。

その中から司組長に反発するものが現れ、2015年に神戸山口組を発足させました。
原因は色々あるようですが、神戸山口組に移ったメンバーは反弘道会のメンバーが多かったとのこと。
山口組は本来関西にある山建組が中心の組織でしたが司組長は名古屋にある弘道会出身の組長だったことから、神戸以外の人間が山口組の組長になることに不満を持っていたいう人が一定数いたようです。
毎月収める上納金の金額は山口組と比較して相当抑えられていると言われています。
結成後、六代目山口組と神戸山口組の抗争が2016年時点で49件発生しています。

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その後2017年になって運営方針に不満を持つ神戸山口組傘下の一部の団体が神戸山口組から分裂して、任侠団体山口組(現在は任侠山口組)を結成しました。
任侠団体山口組は組織上の組長を置かず、織田絆誠は団体の代表に就任した形をとっています。

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織田絆誠は山口組の中でも武闘派と言われた倉本組の組長、倉本広文のボディーガードをしたことがきっけけで、出世の道を歩いていきます。

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逮捕、出所後は、山口組の中心団体である山健組の井上邦雄組長のもとに行くことになります。

山建組の二次団体、健竜会でも幹部として迎えられるはずでしたが、本人はこれを固辞し末席からスタートしたいと伝えそのポジションから始めたそうです。
喧嘩の強さや行動力だけでなく、法律のことまで非常に詳しく、講習会などではかなり頼りにされていた存在だったそうです。

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山口組が分裂し、井上組長と共に移った神戸山口組時代でも行動隊長、核弾頭などと呼ばれ、かなりの実力者とみられていることが明らかです。神戸山口組の井上組長からも最も信頼されてたいた人物といえるでしょう。

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神戸山口組は兵庫県淡路市に主たる本部を置く指定暴力団です。

2016年12月末時点で約5,500人の構成員を擁する団体です。
2015年8月に六代目山口組の直系組長13名が六代目山口組を離脱し、結成されました。四代目山健組組長である井上邦雄を組長としています。
分裂の原因は先にもあるように六代目山口組組長、司忍との確執と言われています。

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もともと山口組は関西の山建組のメンバーが中心として結成されていました。
本部も神戸にあり、これは初代の山口春吉からずっと続いていた伝統のようなものでした。六代目山口組の組長司忍は名古屋の弘道会出身の為、本部を名古屋に移そうという計画もあったようです。高すぎる上納金や、本部の移転などに反発を持ったメンバーはかなり多くいたようで、結果として山建組の井上組長と組員が中心となって神戸山口組が結成されることになりました。

井上組長についていく形で織田絆誠も神戸山口組に入ることになります。これまで調べたところでは織田絆誠は仁義の通らない、筋を通さないことは許せない性格であろうと思われます。六代目山口組の運営や理想と現実との矛盾などを感じて神戸山口組に入ったというところでしょう。

織田絆誠は神戸山口組でも若頭補佐という役職でした。神戸山口組の中でも重要な役割を担っていたようで、組内の会合では同じ神戸山口組内での内輪もめを禁止を通達したり、そのもめ事を中心組織である山建組が起こした場合はより厳しい処分を下すと宣言をしたそうです。
組織内の平等を徹底させるということで結束を高めようとしていたのでしょう。こうした器の大きさからわかるように、井上組長からの期待は大きかったようです。

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2015年山口組から神戸山口組が分裂、誕生しました。

それから2年後の2017年、今度はさらに神戸山口組が分裂し任侠団代山口組が生まれることになります。その団体の代表に就任したのが織田絆誠という話を聞いて驚いた人も多かったはずです。先述した通り神戸山口組の組長、井上に心酔し、井上からの信頼も厚かった織田絆誠ですので、神戸山口組からの離脱、分裂騒動はインパクトの大きい話題でした。

任侠団体山口組が誕生する前日、この日は山建組の井上会長の家で緊急会合が開かれるはずでしたが、神戸山口組を支える山建組系列の組長が大人数欠席する事態になっていました。このころにはすでに神戸山口組が分裂するのでは?という噂が立っていました。

そして2017年4月30日午後3時ごろ、兵庫県尼崎市の神戸山口組直系「古川組」の本部事務所に織田絆誠が現れ「よっしゃ」という声と共に事務所に入っていく様子が報道陣に確認されています。当時は警察、報道陣が押し寄せすごい騒ぎだったようです。

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数時間後、古川組３階の大広間で任侠団体山口組の幹部ら７人は、スーツの上着の襟元に山口組や神戸山口組と同じ「山菱」の代紋をあしらったバッジをつけて、記者会見を行いました。

分裂の原因は神戸山口組が山口組から別れた時に約束した大義を実行しなかったためを説明しています。一方警察の見方としては、織田が神戸山口組内での跡目争いに関して人事に不満があったのでは、と予想しています。

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任侠団体山口組における織田絆誠の立場はどのようなものでしょうか。

織田絆誠は団体の「代表」という立場にいます。組長ではなく、なぜ代表なのか。織田をインタビューした記事では、組長を名乗ると「ああ織田は結局組長になりたかっただけなのかと、山口組、神戸山口組の両方から誤解されてしまうから」といった趣旨の話をしています。
織田絆誠の希望は山口組が一つになることだそうなので、組長を名乗ることは固辞したそうです。また新しいヤクザの形を模索しているということもあるようです。

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警察では神戸山口組を話を合わせた偽装的な離脱では？　という声もあります。

暴力団対策法の規制を逃れるためではないのかという疑惑があります。織田絆誠は山口組と神戸山口組が分裂したとき全国の神戸山口組系列の組織を訪れて激励し、弘道会の本拠地名古屋でも会合を開くなど積極的に活動してきました。

任侠団体山口組が指定暴力団とされるには時間がかかるため、規制までの時間を利用して敵対する山口組関係者を狙うのでは?という見方をされているようです。また任侠団体山口組は「盃事をしない」、「全員平等」説いた方針をを掲げています。組長をトップに置いた階層的な組織ではないことを強調していて、これも暴対法を逃れるための方便ではないかという推測です。

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警察では現状を分裂ではなく、内部対立として考えており、任侠団体山口組も指定暴力団として見ているようです。何かあれば織田絆誠の逮捕も狙っていることでしょう。

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先述の通り、織田絆誠は任侠団体山口組の代表についています。これからどうしたいのかという質問には山口組を一つにさせたいという望みがあるそうです。
そのためには六代目山口組の司組長、髙山清司若頭、神戸山口組の井上組長、正木年男総本部長、この4名に引退をしてもらいたいという話をインタビューで語っています。
そして山口組が一つになったら引退をしたい旨を話しています。

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さて注目を集める織田絆誠に、嫁や家族はどのような人がいるのでしょうか？兄弟は多いようですが、嫁に関する情報はあまり見つからないようです。
織田の父は先ほど話したようにヤクザになった人物ですが、姉と兄がいるそうです。2人とも堅気ですが、姉の方は気性が激しく、父が服役中は賭場を預かったほどだったそうです。
母親が深夜まで働いていたため、弟にとっては母親代わりの存在だったそうです。
嫁や子供の情報がないことから任侠団体山口組内には身内はいないようです。

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織田絆誠の任侠団体山口組と、六代目山口組や神戸山口組との関係はどのようになっているでしょうか？いわゆる敵対関係ということで大小の事件は起きているようですが、六代目山口組としては出来れば任侠団体山口組を取り込みたいと思っているようです。

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織田の行動力やカリスマ性はやはり大きな魅力として映るのでしょうか。
神戸山口組も絶縁や破門を下した形にはなっていますが、できれば戻ってほしいと思っているようで、一度出ていったメンバーに対しても猶予を与えて神戸山口組への復帰を促すメッセージを送っているようです。
警察はこうした山口組を中心とした暴力団組織の再編に関しても事件やトラブルが起きることを懸念しているようです。

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任侠団体山口組はテレビで記者会見を開いたり、織田代表が雑誌のインタビューを受けるなど、これまでのヤクザの団体とは違った印象を受けます。

なぜ分裂をしたのか、これからの任侠団体山口組を含めヤクザはどうするべきかなどを自分の言葉で語っています。個人的には記事を見ると彼なりに譲れないものがあり、現在ではなく未来のことを考えての行動であるということが伝わってくる記事の書き方でした。
もちろん懐疑的にとらえる関係者も多くいると思われます。

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分裂騒動から何日か過ぎ、小さなもめ事はあったようですが2017年9月12日、人命が失われる事件が起きました。
織田代表の乗る車に黒のセダンが近づき衝突、車から人がおりてきて銃声が聞こえたとのことでした。
結局織田代表のボディーガードをしていた人物が射殺されました。織田代表は無事だったようです。兵庫県警は、神戸山口組の山健組に所属していた組員・菱川龍己容疑者を指名手配しました。襲撃犯は3人いてマシンガンを持っていたという話もありました。

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このように人命が失われてしまった以上、何かしらの報復が起こることは容易に想像がつきます。織田代表はインタビューでも誰一人として人命を失いたくない、という話をしていますが、実際にこういう事件が起きてしまうと黙っていられないのがヤクザの決まりです。

たとえ法律に背くことになっても報復に動く人間は出るのではないでしょうか？ただ神戸山口組もできれば表立ったことはしたくなかったようで、これまでは小競り合い程度の事件ばかりでした。今回、人命が失われた件で、抗争が一層激しいものになる可能性があり警察も神経をとがらせています。

任侠団体山口組の織田絆誠について調べてみました。
1.義理や仁義を通す性格で、喧嘩が強い、行動力があるだけでなく周りから頼りにされるカリスマ性を持っている。
2.任侠団体山口組を立ち上げたのはバラバラになった山口組に一つになってもらいたいため、さらに未来のヤクザが社会においてどう存在したらいいのか、新しい形を探している。
3.自分のボディーガードが殺された事件をきっかけにして、それまで小競り合いはあっても冷戦状態だった3団体での抗争が激しくなる可能性がある。
しかしながら六代目山口組は織田を取り込みたいという噂もある。
今後、これらの関係者がどう動くのか、警察も状況を注視しているようです。