コトリバコ(子取り箱)は実在する?怖すぎる由来・作り方・呪い方も!
検索したら後悔するという「コトリバコ」は島根県発祥といわれますが、本当に島根に実在するのでしょうか。ここでは、コトリバコの由来、島根に実在するかどうかの検証などを行います。コトリバコ関連の映画や箱の作り方、最強の箱「ハッカイ」などについてもご紹介します。
目次
コトリバコってどんな箱?
有名な怪談「コトリバコ」は、ある日を境にネット上で爆発的に広まり、映画化もされました。いまだにその由来や作り方などが考察されており、検索してはいけない(=検索したら後悔する)とまでいわれています。コトリバコは、島根県のとある地域に実在したと語られていますが、本当に島根に実在したという証拠はありません。コトリバコは非常に強力な呪術で、幼い子供と子供を産める女性、そしてコトリバコの作成者をも呪い殺すとされています。
この記事では、コトリバコの由来と実在の謎、島根起源説の検証、最強の箱「ハッカイ」についてなどをご紹介します。
コトリバコは『子取り箱』!漢字の由来や見た目は?
「コトリバコ」が有名になったきっかけは、匿名掲示板の2ちゃんねる(現在の5ちゃんねる)です。最初の書き込みは2005年6月6日で、それによると「コトリバコ」は漢字で『子取り箱』と書くそうです。由来が島根にあるということを匂わせる投稿で、いかにも実在のものであるかのような「体験談」として投稿されました。
コトリバコの漢字表記は?
コトリバコは、漢字で書くと『子取り箱』となり、「子供を間引く」という忌まわしい風習に基づいたものとされています。本当に島根県に「コトリバコ」が実在したのかは不明で、ネット上で行われた創作である可能性も指摘されています。
コトリバコの見た目や大きさ
あくまで実在は不明ですが、書き込みによると箱は20cm四方の木箱で、寄木細工のようにパズル状の木片が組み合わされてできています。2ちゃんねるの最初の書き込みでは、コトリバコを見つけた女性がゲーム感覚で開けようとする様子が描写されています。
コトリバコの歴史や由来とは?
そもそもコトリバコには、どのような歴史や由来があるとされているのでしょうか。島根県での実在のほどは不明とはいえ、インターネット上で数多く語られているコトリバコの定説をご紹介します。なお、コトリバコについては知ったら後悔する・気分が悪くなったという注意書きも定番となっています。
部落差別の恨みがコトリバコを誕生させた?
「部落差別」は、身分や階級制度による差別問題です。コトリバコの原点となった2ちゃんねるでは「コトリバコは1860年代後半〜80年代前半に作られたもので、その迫害はすさまじかった」と語られています。部落は、その人の職業や幕府の政策などによって作られた階級の最下層を指す言葉です。部落差別は古来より実在したもので、「全国部落調査」によれば、部落自体は島根県にも実在したと考えられます。
コトリバコを作った目的とは?
コトリバコの目的は、壮絶な迫害を行った者たちへの復讐・抑止力だといいます。子供を間引かなければいけないような状況の被差別部落の人々が、迫害者に対する「武器」として授かった呪いの方法であるといいます。しかし、舞台が島根県であると示唆され、部落差別が実在したといっても、本当にコトリバコが実在した証拠としては弱いものと考えられます。
作られたコトリバコはその後どうなった?
本当に島根県に実在するのかは不明ですが、完成したコトリバコは13年間にわたり一箇所に集められ、保管されたといいます。目的を遂げたコトリバコは、正しい方法で処分するために代々受け継がれることになりました。その呪いは強力で、作成した者たちが命を落とす可能性もありました。作ってから後悔しても遅く、細心の注意を払って処理をする必要がありました。
コトリバコの怖すぎる呪いとは?
部落差別の迫害にあっていた人々が「武器」として用いたというコトリバコは、子供や女性を呪い殺すという恐ろしいものでした。具体的にどのような呪いの効果があるのでしょうか。
子供や女性を呪い殺す
コトリバコの呪いが作用するのは、幼い子供と女性です。迫害にあっていた人々は、泣く泣く我が子を「間引く」ことを強いられました。その元凶となった人々(差別をする側)にコトリバコを渡すことで、呪いが成立します。このような過酷な状況にあっては、恐ろしい呪いの力に頼ったとしても後悔はなかったのかもしれません。
作った人も呪いで命を落とす
コトリバコの呪いは、呪いを行った当事者にも作用します。「間引かれた」子供たちの体の一部が入っているという「コトリバコ」は、その作り方もさることながら、呪いの内容も凄まじいものだといいます。
近くにいるだけで呪われることもある
呪いを受ける子供や女性は、コトリバコの近くにいるだけでも危険です。コトリバコの呪いを受けると、体が引き裂かれるように内部から破壊され、苦しみぬいて絶命してしまうといいます。
コトリバコは実在する?島根県にあるの?
身の毛もよだつような「コトリバコ」ですが、本当に島根県に実在する呪いなのでしょうか。ここからは、事実と照らし合わせてコトリバコの実在に迫り、本当に実在するものなのかどうかを考察します。
島根県隠岐の島
1860年代後半、島根県沖の「隠岐の島」で起きた「隠岐騒動」で落ち延びた一人の男が、壮絶な迫害で苦しんでいた人々に、その作り方を授けたというのがコトリバコの起源とされています。隠岐の島は、現在の島根県隠岐郡である実在の島で、隠岐騒動も実在した歴史上の事件です。しかし、呪いを授けた男の実在については疑問が残ります。
島根県のとある神社
壮絶な迫害に苦しんだ人々が呪いを成就させた後には、「コトリバコをどのように処分するか」という問題が残りました。箱を作ったことに後悔はなかったかもしれませんが、呪った側も一族の血が絶えてしまっては元も子もありません。一説には、コトリバコを葬った神社があるといいますが、やはり実在するという証拠はありません。
島根県北部の集落
コトリバコの「体験談」が2ちゃんねるに投稿されてから様々な推測がなされ、鳥取県北部のとある集落で実在した話ではないかと噂されています。しかし、いずれの情報もコトリバコが実在したという証拠にはなりえませんでした。
コトリバコの作り方とは?作ったら後悔する!
ここで、コトリバコの具体的な作り方を解説します。実在は不明でありながら、迫害を受けていた人々が「武器」として使用したというコトリバコは、その作り方も陰惨なもので、常軌を逸したものとなっています。
①からくり仕掛けの箱を作る
まず、20cm四方の木箱を作成します。木箱は複雑なパズル状になっているもので、寄木細工のようなものとされています。一部では、迫害を受けていた人々がこのように精巧なものを短期間で作ることができたのかどうか、疑問視されています。
②箱の中を雌の獣の血で満たす
箱が出来上がったら、その中に雌の家畜の血を入れます。家畜は雌でなければなりませんが、これは呪いを及ぼす対象が女性であることと繋がります。また、人間が生きるためにある意味虐げている存在である家畜を使用することにも意味があるようです。
③人間の子供の体の一部を入れる
箱に「人間の子供の体の一部を入れる」という工程は、コトリバコの根幹をなす部分であるといえます。子孫の「間引き」を強いられていた人々にとって、間引いた子供の指やへその緒などを箱に入れる行為にこそが呪いの根幹であったといえます。
④呪いたい人に送る
完成したら、箱を呪いの相手に送ります。相手の家の女性と子供を亡き者にするということは、その一族の血を絶えさせ、その後の繁栄も断つということです。呪いが実際に機能するなら、迫害されていた側としてはこれが強い武器となったことでしょう。
コトリバコに入れる子供の人数で呼び名が変わる?!
コトリバコは、箱の作成で使用した子供の人数によって呼び名が変わります。2ちゃんねるによると、13年間にわたって16個の箱が作られました。中でも、最強を誇ったとされるのが「ハッカイ」です。それぞれの箱は、どのような呼び名なのでしょうか。
子供の人数によって変わる呼び名
コトリバコの呼び名は、使用された子供が一人でイッポウ、二人でニホウ、三人でサンポウ、四人でシッポウ、五人でゴホウ、六人でロッポウ、七人でチッポウという具合に変わりました。最初に「ハッカイ」が作られてから13年の間に、イッポウが6つ、ニホウが2つ、ゴホウが5つ、チッポウが3つ作られたとされています。
最強の『ハッカイ』とは?
コトリバコの授け親は、自分には最強の「ハッカイ」を渡してほしいと依頼しました。ハッカイは7歳までの子供を8人使用したもので、最初の一つ以上は作ってはならないと念押ししたといいます。その後、ハッカイのありかは不明です。
コトリバコの呪い方
コトリバコを使って人を呪うには、その箱を相手の近くに置くだけでよいとされています。呪いたい権力者に対する誠意のしるしという建前で、贈り物として受け取ってもらうというケースもあったようです。
コトリバコは都市伝説なの?発端は2ちゃんねる?
さて、ここまでコトリバコとは何なのかということについて解説してきましたが、本当にこのようなものが実在したのでしょうか。この話がネット上で広まった発端から詳しく解説します。
2ちゃんねるのオカルト話専用掲示板から広がった?
2ちゃんねるには、「オカルト超常現象板」というカテゴリの掲示板があります。コトリバコはその掲示板に存在する「洒落にならない怖い話を語ってみない?」という定番スレッドに投稿された書き込みが発端となり、今でも一部のオカルト好きなネットユーザーに人気の怪談として愛されています。
文献が残っていない
ネットで広まったコトリバコですが、最初の発端となった書き込み以外に具体的な文献はありません。様々な呪いの要素がありつつ、何の文献も発見されていないのがミステリアスで好奇心を誘いますが、コトリバコが実在しないという証拠でもあります。
コトリバコは映画にもなっている!
コトリバコを題材としたと思われる映画作品も、国内外問わず制作されています。ここでご紹介する2つの映画は、独自の解釈の優秀なオリジナルストーリーとなっており、一見の価値ありです。
『ことりばこ』(2011年)
福田陽平監督の作品『ことりばこ』は2011年にビデオリリースされた60分の短編映画です。海辺のペンションに遊びにきた男女5人が、いわくつきの神社で不気味な箱を見つけてしまい、恐怖のどん底に突き落とされるというストーリーです。
『ポゼッション』(2013年)
こちらは、『死霊のはらわた』『ドント・ブリーズ』『スパイダーマン』など、マルチな才能を見せるサム・ライミ監督による2012年の映画です。ネットオークションで手に入れた奇妙な箱が、一家に悲劇をもたらすという、王道のホラー映画となっています。
コトリバコに類似した伝承は中国にもあった!
古代中国で用いられた有名な呪術に蠱毒(こどく)というものがあり、この呪術とコトリバコとの類似がよく指摘されています。蠱毒では、ヘビ・ムカデ・カエルや虫などの生き物を同じ容器に入れて共食いさせるという手法をとります。
コトリバコは絶対に作ってはいけない箱!
コトリバコはいまのところ、島根県の部落差別をベースとしたネット発祥の怪談であると結論づけられています。その実在が明らかでないとはいえ、人を呪わば穴二つというように、呪いのようなかたちで他人に悪い感情向けるときはあくまで自己責任としてくださいね。
現代におけるタブーを多く含む内容であるため、知って後悔したという方もいるかもしれません。実在が不明である以上、あくまでフィクションとして楽しんでみてはいかがでしょうか。