中指を立てる意味・使い方・由来とは?海外では絶対やらないで!
何気なくやった中指を立てる仕草を、注意されたことはありませんか? 日本では中指を立てるポーズは悪ふざけで済みますが、海外では大変危険な仕草です。トラブルにならないために、中指を立てることの意味や使い方などを知っておきましょう。
目次
不用意に中指を立てることはありませんか?
ふとした瞬間に何気なく、またはちょっとした悪ふざけのつもりで、中指を立てる仕草をした経験はありませんか? その際に「そのポーズは危険だからやめた方が良い」と、誰かにたしなめられたことがある人もいるかもしれません。
中指を立てるポーズが危険な意味を持つ、というのはよく言われることですが、その危険な意味とはどのようなものなのでしょうか。
中指を立てる仕草の意味とは?
中指を立てる仕草は、英語で"Fuck you"(くたばれ)などの強い侮蔑の表現に相当します。そして中指は陰茎を、人差し指と薬指は陰嚢を象徴する、相手を強く侮辱するためのとても卑猥な仕草です。更に強い侮辱の意味を表現したいときには、中指を立てるポーズをした後に突き上げるような仕草をします。
古代ギリシャでは侮辱のポーズ
中指を立てる仕草の歴史は、古代ギリシャの時代からと言われています。中指はラテン語で「恥知らず」を意味していて、この時代でも相手を侮辱するためのポーズとして使われていました。古代ギリシャでの中指を立てる仕草は、「アナルプレイに屈した男性」を表現したもので、特に男性に向けて使うことで強い侮蔑・侮辱の意味をもつものでした。
古英語の時代はあいさつ
意外なことに、古英語の時代では中指を立てる仕草は挨拶の意味の仕草で、「こんにちは」という挨拶として一般的に使われていました。古代ギリシャや現代での中指を立てる仕草の意味からはかけ離れていて、驚かれた方も多いことでしょう。
しかし、現在では中指を立てる仕草を友好的な挨拶として使う人はいません。いくら古英語の時代の挨拶であったからといって、挨拶の意味で中指を立てる仕草をするのは、特に外国人からの嫌悪の対象となり危険です。
中指を立てる仕草の由来は?
中指を立てるという仕草が、相手を侮辱する意味を持つポーズであることがわかりました。それでは、この中指を立てる仕草にはどのような由来があって、起源はどこにあるのでしょうか。
欧米の刑務所内で生まれたサイン
中指を立てる仕草自体は、古代ギリシャや古英語の時代から存在していました。現在の侮辱の意味でのポーズとしては、欧米の刑務所内で生まれたものだという説があります。中指を立てるだけというわかりやすい仕草です。特定の誰かが始めたのではなく、欧米のどこかで自然発生したものが広く使われるようになったと考えるのが自然かもしれません。
英語では「flip the bird」とも言う
中指を立てる仕草は"flip the bird"(鳥をすばやく投げる)とも言われます。これをGoogleなどで検索すると中指を立てる人の画像が出てきます。中・新英語の時代には、観客がステージ上の人に対してシーッとはやしたてるときに使われていた仕草です。現在の侮辱や喧嘩を売るような汚い意味で使われることはありませんでした。
中指を立てる仕草は左右で意味が違う?
「右手の中指を立てる仕草の意味は"大好き"」「左手の中指を立てる仕草の意味は"くたばれ"」という話を聞いたことはありませんでしょうか。しかしこの話は日本国内で流れた完全なデマで、中指を立てる仕草は相手への強い侮辱の意味しかなく、左右どちらかの手であるかの違いはありません。
中指を立てる仕草の使い方は?
中指を立てる仕草は、相手を侮辱する・喧嘩を売る侮辱的な意味のあるポーズであることをご紹介しました。それでは、中指を立てるという仕草はどのような使い方をするのでしょうか。
日本では悪ふざけで使う
現在では日本でも中指を立てる仕草に侮辱の意味合いある認識が広がりましたが、中指を立てる仕草をからかいや挑発の意味で悪ふざけとして使われることがあります。子ども同士の悪ふざけのみならず、TVアニメの表現などで使用されるケースもあります。
日本人同士なら、お互いに悪ふざけとして認識して本気の侮辱と受け取られないことがほとんどですが、海外では冗談ですまないので注意が必要です。
手話でも使われる
日本では、特に子どもに対して教えるとき中指のことを「お兄さん指」と呼ぶことがありますね。そのため、日本の手話で「兄」の意味を表現しようとすると、手の甲を相手側に向けて中指を立て、更に突き上げるようにする仕草をします。これを下げると「弟」の意味になります。
また、手のひらを相手側に向けて中指を立てる仕草は、「せ」という意味になります。
鼻をかくときに使う人もいる
鼻の頭が痒くなって、とっさに中指一本でかく仕草をする人を見たことがあるかもしれません。他にも、眼鏡を上げる・頬などをかく・カレンダーなどを指さすといった動作を中指を立てることで行う人もいます。多くの場合が無意識ですが、英語圏の人など外国人から見るとギョッとしてしまうのだそうです。
海外では本気で侮辱する時に使う
中指を立てる仕草は、欧米人やその意味を知っている人にとっては喧嘩を売る・侮辱するという行為です。場合によっては生命の危険が伴うため、冗談でも海外で中指を立てるのは大変危険です。海外に行く機会があったら、前述の中指で鼻をかく行為などをうっかりしてしまわないよう細心の注意が必要です。
芸能人がパパラッチに使う
海外の芸能人が、パパラッチに対して中指を立てるポーズをとることがあります。この場合は片手だけではなく両手で中指を立てることもあり、"double deuce"(ダブルデュース)と呼ばれます。片手の中指を立てるだけでは表現しきれない、より強い相手への嫌悪感を表現したいときに使われるようです。
中指を立てる仕草でトラブルになった例を紹介!
中指を立てるということは、欧米の人たちにとって冗談では済まされない侮辱行為であることがわかりました。それでは、実際に中指を立てる仕草をとったことでトラブルになった例をいくつかご紹介しましょう。
トランプ大統領に向かって
2017年アメリカのバージニア州で起きたトラブルの例です。
ある日、トランプ大統領の乗る車が道路上を自転車で走る女性を追い越しました。この女性は日頃から抱えていたトランプ大統領の政策などに対する不満を、車に向かって中指を立てることで表現してしまいました。その様子が写真に撮られてネット上で大きな話題となり、非常に問題のある行動だとして勤務先の会社を解雇されることとなりました。
イギリスの生放送で
2010年イギリスのテレビ局BBCで起きたトラブルの例です。
生放送の番組内で、ウェザーキャスターの男性が中指を立てる様子がカメラに捉えられ、テレビで放送されてしまう事態となりました。番組の視聴者から男性キャスターやBBCへの批判・苦情が殺到し、中指を立てる仕草を放送されたキャスターは降板、実質解雇と同様の処分を受ける結果となりました。
球団マスコットが記者に
2017年アメリカの野球の試合後に起きたトラブルの例です。
ニューヨーク・メッツとミルウォーキー・ブリュワースの試合でメッツが敗れ、球団マスコットであるMr.メッツが追いかけてきた記者に向かって中指を立てて去りました。この様子がカメラに収められており、ファンのTwitterなどでも拡散されました。
これを受けて球団は謝罪を発表、マスコットを演じていた球団スタッフは解雇されるというトラブルになりました。
高校生が車の運転手に
兵庫県では、路上で自動車と高校生の乗る自転車があわや接触ということがあった際、怒った高校生が自動車の運転手に向かって中指を立てました。それをミラーで確認した運転手が、車から降りてきて高校生を殴りつけるというトラブルに発展しました。
接触事故自体は未遂だったのに、高校生が怒りのあまり挑発したことにより更に大きなトラブルとなってしまったという例です。
女子大生がTwitterに投稿
2013年日本で起きたトラブルの例です。
女子大生4人がテーマパークを訪れた際の記念撮影として、中指を立てるポーズで写真を撮影しTwitterに投稿しました。それを大学側から不適切な行為であるとみなされ、学内で処分を受けるトラブルとなりました。
中指を立てる以外に海外で気を付けるべき仕草を紹介!
中指を立てる仕草が思わぬ危険やトラブルを呼んでしまう、ということがわかりました。実は、中指を立てる以外にも海外ではトラブルの原因になりかねない日本人がよく使う仕草があります。詳しくみていきましょう。
他の指の間から親指を出す
あまりピンとこない仕草ですが、握りこぶしの状態から人差し指と中指の間に親指をねじ込んで出す仕草のことを指します。この仕草は、ロシアやインドネシアなどで「女性器」を意味する卑猥なポーズです。
女性に対して「あなたをねじ込む」という侮辱のポーズになってしまうので、絶対に海外で使ってはいけません。
親指を立てる(サムズアップ)
握りこぶしの状態から親指だけを立てる仕草のサムズアップは、日本や欧米では"OK"や"Good"の意味で使われます。しかし、中東・南アフリカ・南米では中指を立てる仕草と同様に「馬鹿野郎」「くたばれ」という意味の性的な意味を含んだ侮辱の仕草になります。
人差し指を立てる
欧米では、人差し指を立てる仕草は「ちょっと待って」「少し黙ってて」という意味で使われます。海外ドラマや映画などで見かけたことがあるという方もいるのではないでしょうか。相手を制すような場面で使われるので、海外では人差し指もむやみに立てるのを避けたほうが無難です。
小指を立てる
小指を立てる仕草は、日本では「女性」や「約束(指切りげんまん)」の意味になります。しかし、中国においては小指には「小さい」の意味があることから「役立たず」「無能」「出来損ない」といった良くない意味になります。
裏ピース
写真撮影のときなどに、ピースサインの手のひら側を自分に向けるポーズが裏ピースです。これはイギリスやオーストラリアでは中指を立てる仕草と同様の意味になってしまいます。他にも、飲食店の注文などの際に「2つ」の意味で裏ピースを使う人がいますが、この場合も海外でやってしまわないよう注意が必要です。
海外で中指を立てる仕草は危険!
中指を立てる仕草がどのような意味を持つのかと、中指を立てる仕草が招く危険やトラブルの例などを詳しくご紹介しました。海外では、ときには解雇の理由となり、ときには生命を脅かす危険となりえるのが中指を立てる仕草です。不用意に使って思わぬトラブルに巻き込まれてしまわないよう注意しましょう。