石川の方言20選!金沢弁の特徴やかわいい告白フレーズも!
歴史ある街並みや美味しい海鮮など、観光地として魅力にあふれる石川県ですが、実は方言にも面白いフレーズやかわいい特徴がたくさんあります。今回はそんな石川の方言の魅力を、意味や具体的な例文とあわせて詳しくお伝えしていきます!
目次
石川県の方言の種類や特徴は?
北陸新幹線が開通し、北陸の観光地として人気が急上昇している石川県。そんな石川県の方言には独特の特徴があり、中にはとても面白いフレーズや、思わず使ってみたくなるかわいい告白フレーズもあります。歴史や伝統を守りながら、どんどん新しい魅力も打ち出している石川県。そんな北陸・石川県の方言について詳しく解説していきます!
そもそも石川県はどんなところ?
石川県は日本海に面しており、北陸地方に位置しています。海や山に囲まれて自然にも恵まれています。とくに日本海で獲れる新鮮な魚介類はとても美味しく、お寿司や海鮮丼を求めて全国から観光客の方が訪れます。
また加賀藩として栄えた石川県は、歴史的建造物や工芸品など、歴史や伝統にあふれた土地ですが、現代アートの美術館など新しい分野でも魅力があります。北陸新幹線が開通してからは観光地としてさらに注目され、日本全国だけでなく海外からも多くの観光客が訪れています。
そんな魅力たっぷりの石川県ですが、今回は方言にフォーカスを当ててみていきましょう。方言にも石川県という北陸の土地ならではの特徴があり、アクセントや語尾にも独特なものがあるので面白いですよ。
石川県内の3つの方言と特徴を紹介!
北陸地方に位置する石川県の方言は、地域別に大きく3つに分けられます。石川県は縦に長い形をしているため、分け方としては北部・中心部・南部の3つになっています。基本的には同じような方言ですが、それぞれ微妙に特徴が違うので、チェックしていきましょう。
①金沢弁の特徴
石川県の方言で、最もポピュラーなのがこの「金沢弁」です。金沢は石川県の中心都市でありながら、北陸全体で見ても最も栄えている都市のひとつです。城下町として栄えてきた金沢の金沢弁は、敬語の表現や柔らかな言い回しが発達しているのが特徴です。一方で濁音が多く、上品なイメージとはかけ離れた表現もあるのが金沢弁の面白いところです。
②能登弁の特徴
金沢は加賀藩のお膝元として繁栄し、金沢弁は能登や富山などにも影響を及ぼしたようです。そのため富山弁にも金沢弁と共通する点は多くあります。また近畿地方の影響も受けており、関西弁にも似たアクセントや言い回しが見られます。
③加賀弁の特徴
加賀弁は石川県の南部に位置する加賀地方で発展した方言です。加賀弁は北加賀方言、小松市を中心とする中加賀方言、そして加賀市を中心とする南加賀方言の3つに分けられ、加賀弁のうち、北加賀の方言は主に金沢弁と一致しています。アクセントは能登弁と同じく京阪式と東京式の中間のアクセントです。
石川でよく使う定番の方言10選!意味と例文も!
それでは石川でよく使われる方言を具体的に見ていきましょう。聞きなれない言葉ばかりですが、意味や例文を知ればなぜか親近感が湧いてしまうようなフレーズが多いです。城下町の方言ならではの柔らかいアクセントや語尾、京言葉のような言い回しにも注目してみてくださいね。
①あんやとね
「あんやとね」は石川の方言で、「ありがとう」の意味です。「あんやとね~」や「あんやとぉ」というような言い方で使われることが多く、その柔らかい響きがかわいいと感じる方も多いようです。ぜひお礼をいう時に「あんやとね」と言ってみてくださいね。
例文:『先日お土産をいただいて、あんやとね~。』
②がんこな
「がんこな」は石川の方言で「とても」、「すごく」といった意味で使われます。普通「がんこ」と聞くと、かたくなで融通の利かない「頑固」の意味を思い浮かべますが、石川では全く違う意味で使われているのですね。
例文:『このお菓子がんこ美味しかったよ!』
③おいでます
「おいでます」は石川の方言で「いらっしゃる」という意味で、「来る」の敬語表現として使われています。よく「おいでまっし」という言い方をされ、「いらっしゃいね」、「来て下さいね」という意味で使われます。金沢駅などには「おいでまっし、金沢」というフレーズが書いてあるのが見られますよ。
例文:『今日は午後にお客様がおいでます。』
④いじっかしい
「いじっかしい」は石川の方言で「わずらわしい」、「うっとうしい」という意味です。不快感を表す意味の方言で、幅広い世代の方が使いますが、元々は「いじくらしい」という言い方をしたようです。「もう!」という意味の「えーんな」という方言と合わせて、「えーんな、いじっかしい!」という言い方をすることが多いです。
例文:『えーんな、いじっかしい!大人しくしんかいね!』
⑤おんぼらーと
「おんぼらーと」は石川の方言で「ゆっくりと」という意味です。「ゆっくりしてね」という意味で「おんぼらーとしまっし」という言い方をよくされます。似た方言に「いんぎらーと」があり、こちらも意味は同じです。ただし「おんぼらーと」は精神的なゆっくり、「いんぎらーと」は物理的なゆっくりというように微妙にニュアンスの違いがあるようです。
例文:『せっかく来たんやし、おんぼらーとしていきまっし。』
⑥えんじょもん
「えんじょもん」は石川の方言で「県外の人」、「よそ者」といった意味で使われます。響きだけ聞くと何のことかわかりませんが、「えんじょ」は「遠所」、「もん」は「者」と書けば意味が理解できますね。あまり良いニュアンスで使われることはないので、観光客として石川を訪れた際に言われることはまずないでしょう。
例文:『えんじょもんの嫁は何もわかっとらん。』
⑦~しまっし
「~しまっし」は語尾に使われる石川の方言で、「~しなさい」という意味です。とてもポピュラーな金沢弁なので、耳にしたことのある方もいるかもしれません。動詞にくっつけて使うことも多く、「食べまっし」や「寝まっし」という言い方をします。「~しなさい」というより優しく感じる方も多いようです。
例文:『寝る前にちゃんと歯磨きしまっし。』
⑧ながいこって
「ながいこって」は石川の方言で「お久しぶりですね」という意味です。「ながい」というのが「長い間会えなかったね」という意味の「長い」を指しています。「ながいこって~!」と語尾を伸ばして言うことが多いです。
例文:『ながいこって~!元気にしとったん?』
⑨かたがる
「かたがる」は石川の方言で「傾く」という意味です。「かたがっとるね」は「傾いているね」という意味になります。幅広い世代で日常的に使われる方言です。物がずれていたり、真っ直ぐになっていなかったりするときに使います。
例文:『あの壁の絵は少しかたがっとるね。』
⑩しょもない
「しょもない」は石川の方言で「味気ない」、「味が薄い」という意味です。「塩もない」という言葉から来ているとされています。関西弁で「くだらない」という意味の「しょーもない」によく似ていますが、意味が全く違うので注意が必要です。
例文:『このスープはしょもないなぁ。』
石川の方言【面白いフレーズ】5選!
次は石川の方言の中でも面白いと感じるフレーズを5つ紹介します。標準語ではなかなか聞きなれない響きや、意味を勘違いしてしまいそうなフレーズばかりで、方言の面白い魅力を感じられますよ。
①「なーん」
「なーん」は石川の方言で、謙遜して「いえいえ」という時や、丁寧に否定する時に使われます。とても微妙なニュアンスをこの一言で表し、シーンによって意味が少し違ってくるのが面白いところです。「なーん」のアクセントの強さで否定の度合いを表すことが多いです。
例文:『なーん、大したことないよ。』
②「はげー」
「はげー」は石川の方言で「歯がゆい」という意味を表す言葉です。普通に聞いたら思わず「髪の毛が少ない」意味だと勘違いしてしまいますよね。元々は「はがいしい」という言い方をすることが多く、それが略されて「はげー」となります。知らない人が聞いたら、思わずびっくりしてしまう面白い方言です。
例文:『もうちょっとで完成するんに!はげー!』
③「きのどくなー」
「きのどくなー」も石川特有の面白い方言で、意味は「ありがたい」「申し訳ない」です。普通は「気の毒な」といえば「かわいそう」という意味ですよね。それが石川の方言では全く違う意味で使われているのが面白いところです。「きのどくなー」と言われても、かわいそうだと思われているわけではないので注意してくださいね。
例文:『手伝ってもろて、きのどくなーねー。』
④「どんながや?」
「がや」という語尾は加賀で使われる方言の代表的な語尾です。「どんながや?」は「どういうことだい?」、「どういう状況だい?」といった意味で使われます。「がや?」という語尾は標準語では聞かないので面白い言い方ですよね。アクセントを強めて、相手を問いただす時に使うことが多いようです。
例文:『大事な日に遅刻するなんて、どんながや?!』
⑤「あたった」
「あたった」は石川の方言で「もらった」という意味です。普通は「あたった」と聞けば、物理的にぶつかったという意味や、当選したという意味にしか思いませんよね。石川では「あたる」というのは「もらう」という意味なので、「あたった宝くじがはずれた」などといった面白いフレーズも普通に使われます。
例文:『あたった野菜を使って料理をしよう。』
石川の方言【かわいい告白フレーズ】5選!
次は石川の方言を使った「かわいい告白フレーズ」を5つ紹介します。もともと石川の方言には柔らかい響きの言葉や、優しいアクセントの言葉が多いので、告白フレーズも思わず「かわいい!」と感じられるものが多いです。真似して使ってみたくなってしまいますね。
①「付きあってくれんけ?」
「付きあってくれんけ?」というのは、そのまま「付き合ってくれませんか?」と言う意味ですが、「くれんけ?」という語尾がなんともかわいい告白フレーズです。正確には「くれんけぇ」と少し語尾を伸ばして言うことが多いです。柔らかい響きに男性も思わずぐっときてしまうことでしょう。
②「うち、本気やじ」
「やじ」は「です」、「だよ」という意味の金沢弁です。つまり、「うち、本気やじ」は「私、本気だよ」という意味になります。「好きです」と告白された後に「うち、本気やじ」と続けて言われたら、真剣な想いを感じて男性もぐらっときてしまいそうですね。
③「彼女になれんけ??」
先ほどと同様、「け?」という語尾で終わる、とてもかわいい告白フレーズです。「彼女になれませんか?」という意味で、つまり「あなたの彼女になりたい」という想いが込められているフレーズです。「うち、○○君の彼女になれんけぇ?」と言われたら、柔らかくかわいい響きに男性も思わず「なってください!」と言ってしまいそうですね。
④「好きげんちゃ」
「げんちゃ」は石川の方言で、「です」「なんです」という意味の語尾なので、「好きげんちゃ」は「好きなんです」という意味になります。「ちゃ」という響きがとてもかわいらしく、照れながら「好きげんちゃ」と言われたら確実に「かわいい!」と思いますよね。
⑤「あんたをがんこに好いとう」
「がんこ」は前にご紹介したように「とても」「すごく」という意味ですから、「あなたのことがすごく好きです」という意味になります。標準語で言うよりも思いの強さが出ているような印象を受けますよね。「好いとう」という言い方も、柔らかくかわいい響きなので、告白された方もぐらっときてしまうことでしょう。
石川の方言が使われているドラマや映画は?
最近はその地域の方言が使われるドラマや映画は多くありますが、石川の方言が使われている作品もあります。2010年より放送された「花嫁のれん」というドラマでは、作品の舞台が金沢の旅館という設定であったため、石川の方言がたくさん出てきます。
また2011年に放送された米倉涼子さん主演の「HUNTER~その女たち、賞金稼ぎ」というドラマでも戸田恵子さんが石川県出身という設定で、金沢弁を話しています。
実際に耳で聴くと、より石川の方言の特徴やアクセントがわかりやすいので、興味のある方はぜひDVDなどをレンタルしてチェックしてみてくださいね!
石川の方言は語尾やアクセントがかわいい!
石川は「城下町・加賀百万石」として栄えた歴史を背景に、方言も独特の文化を築いてきました。やわらかく伸ばす語尾や、優しいアクセントがとてもかわいく、真似してみたくなるような方言ばかりですよね。実際に石川県の地元の方たちは日常的に方言を話しています。石川県は観光地としても大変魅力のある土地ですので、ぜひ観光に訪れて、生の方言を耳にしてみてくださいね!