2021年10月05日公開
2021年10月05日更新
ネクタイの洗濯法!洗濯機or手洗い?自宅で失敗しない洗い方まとめ【シミ】
ネクタイは家では洗濯できない、と思ってました。ところが手洗いなら洗濯できるそうです。その手洗い法を探っていきます。さらには洗濯機でも洗えるようです。ネクタイはとてもデリケートな衣類だから丁寧な手洗い、洗濯機なら専用モードを選べば大丈夫。そんなノウハウをご紹介。
目次
ネクタイもやっぱり「汚れる」
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「ネクタイ」と言えば私は「正装」と連想します。サラリーマン時代、年間200日はネクタイを締めていましたが、いつも着る肌着のような感覚で、ネクタイの柄以外はほとんど無頓着でした。
ネクタイだけ洗濯しないのは、不潔だ!
しかしネクタイは正直申し上げて、ワイシャツやパンツほどこまめに洗濯をしないのがほとんどだと思います。私もこの原稿を書くまで、「ネクタイを洗濯する」なんて全く考えもしませんでした。「汚れたらクリーニングに出す」としか考えていなかったのです。
よくよく考えたら、いつも通りネクタイを締めて外に出るわけですから当然外気に触れ、また机に向かうときは机の角にネクタイは接触し、食事の際は、例えばラーメンなんかとすする場合はスープの飛沫が飛び散ったりするワケです。つまり、汚れる要素は過分にある、ということです。
それを考えると、洗濯しないことはむしろ不潔な印象を持ってしまいますよね。
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ネクタイはフランスで「クラバット」と呼ばれている!
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クラバットとは「クロアチア兵」のこと。これがネクタイの源流
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ウィキペディアによると、
ネクタイは男性の洋装で、首の周りに装飾として巻く絹(シルク)の布のこと
と、冒頭に書かれています。もともとは17世紀のフランスで、クロアチアの兵士という意味の「クロバット」という言葉にある、クロアチア兵が首に巻いていたスカーフが起源、とされています。
フランスでは今でもネクタイの事をクラバット(cravate)と呼ぶそうですが、フランスが発祥だとは、今の今まで知りませんでした!
フランスからイギリスへ
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フランスで始まったクラバットはやがてイギリスに渡り、クラバットの結び目のみを残したボウ(蝶ネクタイ)が考案されました。同じ時期にフォア・イン・ハンド・タイというのが生まれました。これが今に続くネクタイの源流です。また、アイルランドの詩人で劇作家のオスカー・ワイルドがこのネクタイを考案したとも伝えられています。
ちなみにネクタイの結び方であるプレーンノットを別名「フォア・イン・ハンド」と呼ぶのもこの流れです。
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そして再びフランスへ
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19世紀ごろになって、ネクタイは再びフランスの土を踏みます。ファッションの国フランスで、機能性を重視した単純化の傾向が進み、階級間の服装の平準化が進みました。そんな時代に、ネクタイは男性衣料の中で唯一贅沢ができる数少ない場所のひとつとなりました。絹(シルク)素材が選ばれたのもこうした背景があったからでしょう。当時すでにネクタイの結び方が72もあったとされていますから驚きです。
ネクタイの名称、知ってました?
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ネクタイは「小剣を短く、大剣を長く」
さてそんなネクタイですが、ネクタイの前に出る部分を大剣、後ろに回る部分を小剣、と呼んでいます。長さは平均で139cm。これを結び方で調整してベルトの丁度真ん中あたりに大剣・小剣が揃うように結ぶのがベストポジション、と言われています。
20歳以上の男性の平均身長が167.3cmで、また下の平均が78.2cm(文科省・学校保健統計調査-2013年の数値)とすれば、約70cmが実際に結んだネクタイの長さになりますから、
上記の数値だと10cm弱長くしないといけません。つまり、「大剣を長めに、小剣を短く」がネクタイを締めるときのバランスになりますね。
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ネクタイは自宅で洗えるのか?
自宅洗いなら、手洗い/洗濯機どちらを選ぶか
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ネクタイが汚れたらいちいちクリーニングに出す、というのもお金がかかってしまい大変です。ワイシャツやスーツのクリーニングにネクタイまでとなると、奥様がどんな反応をされるか・・・想像しただけでもちょっとした恐怖なのではないでしょうか(笑)
そこで、絹製品が圧倒的に多いネクタイは自宅で洗うことができるのか?です。
答えは当然、自宅で洗えます。しかしその洗い方にはちょっとしたコツがあります。これらを押さえておくと失敗せずに洗濯できるでしょう。では、順を追ってご説明しましょう。
洗濯機か手洗いか
洗濯機は絶対にアウトなの?
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まず自宅洗いにおいては、手洗いでも洗濯機でも、絹製品・シルクの織物は基本、「水洗い」です。万一ここでお湯を使ったりしたら大失敗!てなことになります。
絹製品(シルク)は熱に弱いのです。水洗いにこだわりましょう。
ネクタイはシルク(絹)が大半。そこから洗濯が難しいという意識が・・
まず、ネクタイの洗い方については「手洗い」または「洗濯機」で大きく分かれます。
ある人は「洗濯機は絶対ダメ!」と言い、またある人は「洗濯機でも十分洗える」と言います。
しかし、どちらの洗い方にも共通点があります。それは、
「決してもみ洗いをしない」と「水洗い(お湯を使わない)」ということです。
ネクタイには普通に、高級素材である絹(シルク)が使われています。高級ネクタイの風合いや光沢と言えば、シルク独特のものですし、手触りも含めてシルク生地の質そのものがおしゃれにつながるワケです。ポリエステルと違い、品のある光沢と上品さがシルクの強みであり、高級なネクタイはたいていシルク100%だと言えるでしょう。つまり、絹などの高級な素材が使われていることが多いネクタイは、そもそももみ洗いに向いていない衣料なのです。
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昔の絹織物の洗濯は当然、手洗いで水洗い。シミ抜きにはべンジンを使っていた!
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手荒に扱わなければ洗濯機でも洗える!
逆に言えば、手荒に扱わなければ自宅でも洗える、失敗しないということです。シルク素材の洗い方を基本的に踏襲すれば大丈夫だということです。昭和20年代まで絹織物は、なんと糸をほどいて水洗いして、また縫って着物に戻していたそうです。日常的な食べこぼしやシミなどの汚れは、主にベンジンを使ってシミ抜きだけやっていたようです。私たちの世代はベンジンと言えばカイロの燃料でしたが、親の世代になると洗剤のひとつとして認識されていたようです。ドライクリーニングの無かった時代はほぼ水洗いで済ませていたそうです。そういえば、クリーニング店の匂いって、結構石油系のキツイ匂いがしてましたが、ベンジンもかなり強力な匂いがします。洗濯溶剤もベンジンも同じ「溶剤系」だからでしょう。
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洗濯機は使えるけど、その洗濯機が持ってる「コース」しだい
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ドライコースは搭載している洗濯機が多い
ブッチャケ、洗濯機でも手洗いでもネクタイは失敗することなく自宅で洗濯できます。但し洗濯機は、ドライクリーニングコースやそれに準じたコースを選べるかどうかで、洗い方がかなり変わってきます。
洗濯機はタテ/ヨコを問わない
また、使う洗濯機がドラム式が洗濯層式かはあまり関係なさそうです。我が家はドラム式を使っていますが、ドライコースにすると洗濯機がゆっくり回るので、なんとなく「ああ。丁寧な洗い方で洗ってくれているんだな」と思ってしまいます。 笑
意見が分かれる洗い方
手洗い派?洗濯機派?
手洗いにせよゴシゴシ洗うのではなく、水の中でユラユラと揺らすような洗い方で洗わなければなりません。洗濯機も同様で、洗濯ネットに形を整えて入れ、最弱コースで洗う必要があります。手洗いを勧める人は、ネクタイが絹製品という性質上、洗濯機によってこういったコースが無い場合を考慮して、敢えて「絶対手洗い!」と言ってるのだと思います。ということで、手洗いでも洗濯機でも自宅で洗濯をすることは可能なんですが、ここでは一応、失敗の少ない手洗いにプライオリティを持ってご説明していきましょう。
手洗いによるネクタイの洗濯
手洗いに準備するもの
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手洗い洗濯に必用なもの
用意するもの
・洗い桶(ネクタイが入る長さのもの)
・洗剤&常温の水
・大きめのバスタオル
手洗い洗濯①お湯は厳禁!ネクタイが縮みます!
①常温の水を用意します。お湯は厳禁です。絹(シルク)は30℃を超えると繊維が縮んで失敗する場合があるので、必ず水洗い、と覚えておいて下さい。
手洗い洗濯②ネクタイは畳んでもOK
②ネクタイは畳んだ状態で構いません。できればネクタイの長さが入る洗い桶があれば洗濯がしやすいと思います。洗濯液ですが、自分で実験した時で最低2リットルは必要でした。4リットルにつき10ミリリットルの原液の割合で薄めるので、2リットルの場合は5ミリリットルになります。
水洗いでも、大きなものを洗濯するわけではないので、水の量はそれほど必要ない、ということです。
手洗い洗濯③洗濯液にネクタイを浸す・・
③洗濯液の水に、ネクタイを静かに浸します。
④十分洗濯液が浸透したら、洗濯液の中でユラユラと揺らします。
⑤汚れが出てくるまで3~5分ぐらい、この作業を続けます。
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手洗いはとにかく丁寧に、優しく。そうすれば洗濯機なしでも失敗せず洗える!
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⑥洗濯液に汚れが出てきたら、いったん水を捨て、きれいな水に浸します。
⑦今度はすすぎの工程です。これも水洗いになります。再度ユラユラ揺らして、洗濯液をすすぎます。
⑧すすぎ終わったら、ネクタイをバスタオルの上に置き、脱水します。
⑨ここでも上から優しくバスタオルにネクタイを押し付けて、水気を出す感じで乾燥させます。
⑩出来上がり。直射日光のあたらないところで陰干しします。
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洗濯機によるネクタイの洗濯
洗濯機で洗うには、洗濯ネットが必需品
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続いて、洗濯機を使った洗い方です。
①まず、型崩れや傷みから、デリケートな絹製品であるネクタイを保護するために、必ず「洗濯ネット」を使いましょう。洗濯ネットは、真ん中で折りたたんで、ひもで縛ることができるタイプのものが良いです。比較的大きな洗濯ネットなら、3本ぐらいまとめて入れられると思いますので、ネットのサイズに合わせてネクタイを畳み、ネクタイを入れます。ここではネクタイをきれいに伸ばした状態でネクタイを入れて下さい。
洗濯機で暴れないよう、ネクタイを洗濯ネットの中で固定する
②ネクタイを入れたら半分に折りたたみ、ひもで縛ります。こうすることでネクタイが洗濯ネットの中で適度に固定され、型崩れして失敗する心配が少なくなるからです。
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洗濯機はドライコースで
③洗濯機に投入します。中身が動かないように、丁寧に入れて下さい。
④洗剤を投入
⑤洗濯コースは「ドライ」を選び、洗濯スタート!ここでも水洗いを忘れないで下さい!
ドライコースは洗濯・すすぎ・脱水を優しくやってくれるコースです。「ドライ」が無い場合は同じような内容のコースを選びましょう。説明書などで「絹製品」が洗えるコースを確認して選んで下さい。
⑥洗濯コースが終了したら、あとは手洗いと同様、陰干しします。
最後の仕上げ、アイロンがけ
出典: https://customlife-media.jp
手洗い・洗濯機ともに必要なアイロン仕上げ
手洗い、洗濯機双方とも共通の作業が、この「アイロン仕上げ」です。
丁寧に洗濯したおかげで、ネクタイは形を保った状態で乾燥したと思いますが、
やはりシャキっとさせるにはアイロンがけが欠かせません。
あるブログでは「ネクタイから話してスチームを当てるだけにしましょう」とありますが、やはりアイロンでしっかり形を出さないと、ネクタイの魅力も半減するってものです。
出典: http://10syoku.jp
アイロンはスチームで使います。
そのネクタイにアイロンを当てる方法ですが、
①まず、必ず「当て布」をする。当て布は手ぬぐい程度の厚さでかまわないと思います。またはハンカチなどが適しています。これでアイロンがネクタイに直接触れて、必要以上に生地がテカらないようにしたり、生地が傷むのを防ぐためです。
②アイロンはスチームで、まずは裏側からアイロンをかける。
タグと小剣通しにアイロンをかける時は注意。小剣通しはカタチを整えてアイロンを当てないと表面にそのままプレスした形がシワになって浮かぶことがあります。これでは失敗です。
裏からアイロンをかけること
③続いて表側にアイロンをかける。このとき、アイロンのスチームモードが高温でも構わないが、裏側でテストしてみてテカリが出たり、シワが寄ったりした場合は温度を下げて使う。特に100%シルクのネクタイは生地が伸びてシワになったりすることもあるので、先に裏側で様子を見ます。
絹製品、シルク素材100%のものは熱に弱いので、特に注意しましょう。
と、大体3ステップでアイロンがけが完了し、ネクタイの洗濯は完了です。
洗剤選び
出典: http://bloghana.xyz
ここまで自宅でのネクタイの洗い方についてご紹介しましたが、肝心の「洗剤」についてご紹介しなければなりません。
一般的にドライクリーニングに近い洗濯を自宅で行う場合、まず考えられるのが花王の「エマール」です。色柄もの用とうたわれています。
類似品としてあげられるのはライオンの「アクロン」。毛糸洗いに自信が・・♪なんでCMソングで有名です。
あと、あまり一般的ではありませんが、MLMで有名な「アムウェイ」の「クールウォッシュ」も対抗馬としてオススメです。
「クール」と表記されているように、これらの洗剤はすべて水洗いに合わせて作られています。特に洗濯機で洗濯する場合、お風呂の残り湯などで節約しようと思いますが、「色・柄物は水洗い!」とアタマに叩き込んでおくことです。水洗いさえすれば、最悪多少の型崩れでもアイロンがけの段階で失敗がリカバリーできるかも知れません。
シミを抜く方法
洗濯では切っても切り離せない「シミ抜き」
続いて、洗濯には切っても切り離せない「シミ抜き」についてご紹介しましょう。
食事していてネクタイにシミが!なんてのはよくあるパターンだと思います。ネクタイのクリーニングで大体450円ぐらいかかりますから、ランチに行ってシミが付いて450円・・・を繰り返すと、ランチ+450円なんて事になりかねませんね。
そこで!シミ抜き洗剤を使って、ネクタイのシミが取れるのか?早速調べてみました。
出典: http://blog.goo.ne.jp
手洗い/洗濯機それぞれに対応したシミ抜き剤いろいろ・・
出典: http://www.mymiu2.com
まず、シミ抜き洗剤なんですが、アインケミカルの「NEWザウト」という洗剤がシミ落としNO,1と言われているそうです。
ライオンからは「トップ プレケア」がシミ抜き剤として出ています。
そして、洗剤ではなかなか落ちないシミに関しては、ベンジンを使うという手もあります。ベンジンは古くはカイロの燃料(ハクキンカイロなどで)として使われていた、揮発性の強い溶剤です。また引火性も強く、生地の色落ちや輪染みがつくこともありますので、いきなり大剣のシミを攻略するのではなく、ベンジンを少量、綿棒などにつけて小剣側の目立たないところで試してみるのをお奨めします。またベンジンは先述のように揮発性ですから、結構なにおいがあります。必ず通気性の良い場所でお使い下さい。
Amazonではベンジンが普通に「シミ抜き剤」として販売されています。
ただし、シミ抜き剤として販売されておるベンジンは、カイロの燃料として使用することはできません。これはシミ抜き剤の中にまれに洗剤成分が含まれている場合があるためだそうです。いずれにせよベンジンはかなり強い溶剤ですので、いきなり大剣側に使って失敗しないようご注意ください。
出典: http://www.geocities.jp
洗剤をシミ部分に塗ったら、あとは手洗いor洗濯機で!
シミを抜く方法ですが、シミ抜き洗剤やベンジンを綿棒などにつけて、シミの出たところへピンポイントで塗りつけます。ただし!こすったりスリつけたりは厳禁!シルクのネクタイですと傷む場合がありますので、汚れを浮かせるようなイメージで塗っていけば良いでしょう。
ベンジンはバリエーションが以外と豊富ですが、シミ取り専用のベンジンなら洗剤成分も入っていますので、後ほど本洗いにかけ、一般用のベンジンの場合はシミを浮かせた状態ですすぎの工程に移る場合もあります。
ベンジンの場合はここでシミ抜きが終わることが多いですが、シミ抜き洗剤の場合は、ここからエマールなどの洗剤で手洗いor洗濯機にかけます。あとは、ネクタイの洗濯と同じ要領で行えばシミ抜きが出来ている、と思います。
失敗しない洗い方
自宅での手洗い/洗濯機 双方共通したPOINTとは?
ここまでネクタイの自宅での洗い方について、手洗い・洗濯機それぞれの方法とシミ抜きについて書いてきました。
双方ともに失敗しない洗い方は、「とにかく丁寧に洗う」ことと「必ず水洗いする」に尽きるのではないでしょうか。
手洗いの場合はゆらゆらと洗濯液の中を泳がせるように洗い、洗濯機の場合はドライコースまたはそれに相応するコースを選んで洗うことで、ネクタイにシワや傷がつかないように注意するのが大きなポイントだと言えます。
後者の水洗いも、ここまでにかなりくどい位書きましたが、絹(シルク)製品にお湯はご法度です。水洗いを徹底して、ネクタイが縮んだりして失敗することのないよう注意して下さい。
ネクタイってこんなに種類があるのです
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蝶ネクタイいろいろ
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アスコット・タイ
さて、ネクタイの歴史は元々正装だったというのが分かりましたが、実はものすごい種類があります。
通常のネクタイだけでも大きく分けて8種類、そこに礼装用としてモーニングタイ、アスコット・タイ、白ネクタイ、葬儀・法要ネクタイの5種類、
ボウタイ(蝶ネクタイ)に至ってはこれまた8種類、そのほかにもアスコットスカーフ、クロスタイ、アパッシュタイ、テーパータイ、ツーインワン、ストリングタイ、リボンタイ、ポーラータイ、ボヘミアンタイ、角タイ、ジャボ、クリップオンタイ、ワンタッチネクタイ、スナップネクタイ、ファスナーネクタイ・・・もはや形状すら分からないような種類がありますが、それだけ男性のおシャレが凝縮されたものがネクタイだということなんですね。
TPOに応じて使うネクタイ
上に書きましたように、TPOに応じてネクタイの使い方も変わります。一般的なのは冠婚葬祭に使う白と黒のネクタイでしょう。結婚式でモーニングを着る場合などは、白ネクタイではなく、白黒の縞柄や無地の銀を使いますね。これは昼の礼装で、白柄はその略式なのだそうです。
ボウタイで礼装に用いられるのはバタフライタイです。蝶ネクタイの中でも蝶が羽根を拡げたような形をしているものを用います。ボウタイは一般的に夜の礼装に用います。テレビなどで晩さん会に出るVIPは等しくボウタイをしていますね。こうしたTPOをある程度知っておくと、公的な場で失敗しないでしょう。
出典: http://tuxedoranking.com
モーニング・タイ
結び方も色々あります
出典: http://woman.bp-labo.com
ネクタイの結び方は実に72通りもあると書きました。しかし現実的には大きく4つに分かれます。最低でもふたつ覚えておくと便利ですので、ご紹介しましょう。
①プレーンノット
最も簡単で基本的な結び方。使用頻度も応用範囲も一番高い結び方です。一般的なレギュラーカラーのシャツと相性が良く、就・やビジネス、結婚式などあらゆるシーンに対応します。最低でもこれだけは必ず抑えておきたい結び方です。
②ダブルノット
二重に重なるノットが特徴の結び方です。プレーンノットの大剣を二重巻きにするので、結び目が立体的でボリュームは出ますが、大きすぎず上品に仕上がります。ノットの重なりが少し見えるように巻くのがポイントです。
③ウィンザーノット
大事な場に適した英国調スタイルの強い結び方。少し難易度が高いので練習が必要です。英国王エドワード八世(ウインザー公)がこの結び方を流行させたと言われています。
大きな結び目は長すぎるタイやボリューム不足のノットには、結び目がふっくらと大きめに仕上がるこの結び方で解決できます。
結ぶ際には大剣を左右にかける時に、締め具合を均等にするのがコツ。
イタリアンカラーなどのワイドカラータイプのシャツに合います。
④ハーフウィンザーノット
左右対称の結び目が作りやすい結び方。ウインザーノットよりも小ぶりで、程よい大きさのきれいな三角形のノットが特徴。大検を2回掛けした工程を1回にしているので、仕上がりのボリュームが抑えられます。ウィンザーノットほど大仰ではなくスマートな印象に仕上がるので、ビジネススーツにも適した結び方と言えます。結び目が斜めになるのが気になるという方にもオススメ。
どのくらい本数があれば・・
出典: http://m-iwai.jp
さて、ここまでネクタイの概要と自宅での洗い方、シミ抜きの方法まで述べてきました。
筆者がサラリーマンの時代は、平均して30~40本ていどのネクタイを持っていました。1本1.000円ていどのポリエステルのものからシルク100%のブランド物~数万円まで、結構なバリエーションを持っていました。でも、実際に締めたのはその中から10本ていど、朝急いでいる時に、じっくりネクタイ選びに時間をかける余裕もなく、また不思議な事に、気に入ったネクタイをやはり好んで使うんですね。ほとんどその日の気分で選ぶんですが、何故かしら偏ってしまうんです。
その結果、気に入った数本のネクタイは、Yシャツの襟元あたりで擦り切れてしまって、結局捨ててしまうとか、シミがついたらもう取れないと思い込んでたので、それも捨ててしまうとか、そんなローテーションでした。今では自営業という立場上、あまりネクタイを締めることもないので、7~8本を使いまわしています。それでも気に入った数本をやはりヘビーユースしてしまうのです・・・。
そんな経験から考えて、やはり最低でも10~15本は持っていたいと思います。毎日別のネクタイを締めても2週間は違う柄を締めることができるからです。ただし、しばらくしたら気に入った数本を締めることにきっとなるでしょう(笑)。その時は、新しいネクタイを選びに行きましょう!
出典: http://www.colorata.com
収納も気配りしたい・・
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自分で洗濯もやって、お気に入りのネクタイが増えてきたら、収納にも気配りしたいものです。洋服ダンズやクローゼットに標準で取り付けられているバーに引っかけるより、ここは是非「ネクタイハンガー」を使いましょう。実に豊富な種類のネクタイハンガーが発売されており、気に入った柄・色で瞬時に選べて型崩れなし!というタイプがお薦めです。
終わりに
手洗いでも洗濯機でも、自宅洗いができれば言うことなし!
ネクタイはやはり「オトナのおしゃれ」だと思います。お仕事には欠かせないファッションのひとつですが、やはりネクタイの柄・色で自己主張したいという願望は、いつの時代も変わることがありません。
時代の変遷に応じて、ネクタイの形状も少なからず変化してきました。トラッド全盛期の頃は結び方もウィンザーだったり、柄といえばペイズリーかレジメンタル一辺倒だったり。バブル期の頃は、やたらと細いネクタイが大流行しました。結び目が小さく、幅も狭いネクタイが主流だったように記憶しています。今も昔も変わらない、男のおしゃれアイテムのひとつだと思います。それだけに、自分でできる手入れのひとつとして、自宅での洗い方を覚えていただければ、もっと楽しいフォーマルライフが過ごせるのではないでしょうか。