2021年10月05日公開
2021年10月05日更新
ポケモンGOの事故は結局どのくらいあった?日本事故件数や死亡事例まとめ
ポケモンGOはサービス開始直後から全世界で話題になるほどの社会現象を起こしたゲームです。しかし残念なことに日本ではポケモンGOによる死亡事故が相次いでしまいました。そこで今回はこれまでに日本で発生したポケモンGOによる死亡事故をまとめてみました。
目次
ポケモンGOとは?
ポケモンGO「正式名称:Pokémon GO」とはNIANTIC, inc.により2016年から配信されたスマートフォン向けのゲームアプリです。ポケモンGOは2016年7月6日よりアメリカ・オーストラリア・ニュージーランドにて先行配信が行われ、同月22日からは日本でも配信されています。
ポケモンGOはAndroid版にて配信開始1週間で1000万ダウンロードを記録するほどの大人気コンテンツとなりました。
一つだけ勘違いしやすい点がメーカーは任天堂ではないという事です。ポケモンは本来任天堂が制作した人気タイトルなのですが現在はポケモンの権利は株式会社ポケモンが所有しているのでポケモンGOはNIANTIC, inc.と株式会社ポケモンの共同作品という形式になります。
日本全国にポケモンが出現する
過去にゲームボーイやニンテンドーDSで遊べたポケモンは実在する地域をモデルにした架空のステージが舞台となっていましたが、ポケモンGOはグーグルマップの位置情報機能を利用して現実世界に出現するポケモンを捕まえるというコンセプトになっています。
ポケモンGO内のポケモンは世界中の至る所に出現するので、ポケモンGOのアプリを起動しながら様々な場所を歩き回ってポケモンを見つけることが醍醐味となっています。
ポケモンGOの動画
こちらはポケモンGOが発表された際の公式によるPV動画です。動画で写っている通りポケモンGOは携帯の画面上に本当にそこにポケモンがいるかの如く表示されるのでポケモンを見つけた際、あるいはポケモンを捕まえた際の興奮が楽しみとなっています。
こちらはユーザーが実際にポケモンGOをプレイした動画です。ポケモンGOのアプリを起動して街中を探し回ってポケモンを捕まえるまでを動画で追っています。
現実世界を歩き回ってポケモンを探すのがとても楽しそうに見えますが、この配信者も時折携帯の画面を覗きながら(つまりよそ見をしながら)歩いている姿が見れます。
ゲームの性質上仕方のないことですがやはり事故に巻き込まれる危険があると思われます。
こちらはポケモンGOをプレイ中に事故を起こした動画です。ただし、おそらくこの動画は本当に不慮の事故を起こしたわけではなく動画の撮影のためにわざと事故が起きる様な事をしているものだと思われます。
この動画の中では「段差で転ぶ」「壁にぶつかる」「車に引かれそうになる」「店内から追い出される」「海に転落する」などの実際にも起こりかねない事故の映像が収められています。
日本ではポケモンGOが配信開始してから数か月間で、ポケモンGOをきっかけにして死亡事故を含む数多くの事故が発生してしまいました。
それにより若年層のポケモンGOユーザーは減少しましたが、中高年のユーザーが増えているそうです。その様子が動画に収められています。
中高年のポケモンGOユーザーが増えている原因は「みんなで共同プレイするのが楽しい」「散歩がてら遊ぶのに調度良い」「新たな娯楽としてピッタリ」など様々な理由があるようです。
ポケモンGOによる日本の死亡事故件数
ポケモンGOが日本で配信開始された直後から数多くのユーザーを惹きつけて社会現象になるほどのブームとなりましたが、残念ながらポケモンGOがきっかけで死亡事故が発生してしまいました。
事故の原因は歩きスマホ
ポケモンGOによる死亡事故が起きてしまう原因はポケモンGOの「携帯の画面上に出現するポケモンを探して捕まえる」という特徴です。
ポケモンGOを起動中に近くにポケモンを発見したら捕まえられる範囲まで携帯で位置を確認しながら歩いて探さなければなりません。要するに「歩きスマホ」の状態になってしまいます。
これにより周囲の安全を確認出来ていないにも拘わらず歩き周るという極めて危険な状態に陥ってしまいます。
そして「歩きスマホ」状態になったポケモンGOユーザーが近くにいる人や車などに接触してしまい、酷い場合には死亡してしまいます。
逆に「歩きスマホ」状態になったポケモンGOユーザーと接触した人が事故に陥ってしまうケースもあります。
2016年7月22日から11月21日までの死亡事故件数
警視庁から発表されているポケモンGOプレイによる2016年7月22日から11月21日までの事故の件数は17道府県で27件、その中で死亡事故の件数は4件も発生しています。
死亡事故の件数を地域別に見ると愛知県で2件、徳島県で1件、京都府で1件となっています。
7月22日から8月21日の交通事故件数
死亡事故以外の交通事故なども多発しています。ポケモンGOが配信されてからの1か月間(7月22日から8月21日)に発生した交通事故の件数は合計79件で人身事故が22件、物損事故が57件となっています。
ポケモンGOの配信開始1か月間では死亡事故は発生していませんがその後1週間以内に死亡事故が2件発生しています。
更に2017年に入って死亡事故が2件発生しているので現在の死亡事故の合計は6件となります。
ポケモンGOによる日本の死亡事故まとめ
ポケモンGOによる日本の死亡事故は今年に入ってさらに発生しています。それらの概要をまとめましたのでご紹介します。
日本の死亡事故まとめ:2016年9月京都
2016年9月に京都府長岡京市勝竜寺で大型クレーン車を運転していた男性が前方でミニバイクを運転していた39歳の女性を追突し、死亡させてしまいました。
男性は赤信号で停止した後に車を発進させてミニバイクに追突したにもかかわらず、それに気づかずに女性を130メートル引きずってしまいました。男性はポケモンGOをプレイ中だったためミニバイクに気付かなかったと話しています。
日本の死亡事故まとめ:2017年2月福島
2017年2月27日に車を運転中だった男性が、友人の結婚式の出席した男性と婚約者の女性をひき逃げし男性は死亡、女性は軽傷を負ってしまいました。
運転中の男性はポケモンGOに夢中で気付かなかったと供述しており懲役3年6月の判決を言い渡されました。
日本の死亡事故まとめ:2017年5月愛知県内
2017年5月11日愛知県内で男性が車を運転中に女性をはねて死亡させてしまいました。男性は運転中にポケモンGOをプレイしていたと供述しています。この男性には名古屋地裁から禁錮2年6月の判決が下されています。
一宮で起きた死亡事故と判決
愛知県一宮市で発生したポケモンGOによる死亡事故はとても痛ましい事故だったため当時のニュースでも大きく取り上げられました。
一宮の死亡事故
2016年10月に愛知県一宮市内にて小学4年生の則竹敬太君(9歳)が運転中のトラックにはねられて死亡してしまいました。トラックを運転していた川合信右(のぶすけ)被告(36歳)はポケモンGOをプレイしながら運転していたため気付かなかったと供述しています。
一宮の事件の判決
川合被告は自動車運転処罰法違反(過失致死)に問われ禁錮4年を求刑されました。この死亡事故は当時のニュースでも大きく取り上げられ視聴者からは「罪が軽すぎる」などの意見が飛び交いました。
一宮で起きた死亡事故:その後
ポケモンGOによる一宮で起きた死亡事故は事故後も波紋を呼びました。
一宮の事故の遺族の意見
事故によって死亡した則竹敬太君の父・崇智(たかとし)さんは息子を事故で無くしたことにより、二度とこのような死亡事故が起きないようにポケモンGOの運営会社・NIANTIC, inc.へゲームのシステムの改善を申し出ています。
崇智さんが運営会社に要求した内容は
・道路上に出現させない
・歩行速度以上ではゲームが起動できない
などの移動しながらポケモンGOをプレイすることを完全に禁止するような規制を要求しています。
徳島で起きた死亡事故と判決
2016年8月23日には日本で最初のポケモンGOによる死亡事故は徳島で発生してしまいました。
日本初の死亡事故:徳島県徳島市
8月23日19:30頃に徳島県徳島市方上町の県道にて72歳と60歳の女性を軽自動車で運転中の五王敬治容疑者(39歳)がはねてしまいました。これにより60歳の女性は重傷、72歳の女性は死亡してしまいました。
五王容疑者は車を運転中にポケモンGOに気を取られていたため道路を横断中だった2人に気付かなかったと話しています。
五王容疑者は自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われ禁錮1年2カ月(求刑、禁錮1年8カ月)の判決を言い渡されました。
徳島死亡事故の判決への意見
この徳島死亡事故はポケモンGOによる日本で初の死亡事故として注目を浴びました。判決に対する意見は「(1年8か月は)短すぎる」という意見が多く寄せられました。
ポケモンGOの死亡事故への対策
数多くの死亡事故を含む事故を起こしてしまったポケモンGOは現在運営会社により事故対策として改良が加えられています。
ポケモンGOの事故対策
大きく変わった対策は
・一定の速度を越えたらプレイが制限されること
・車の運転中ではないという判断をする操作が追加された
・特定の地域にはポケモンは出現しない
などがあります。
運転中のプレイ対策
プレイ中の速度制限に関しては運転中のポケモンGOの操作を禁止するという目的があります。そのため現在は走行中の車に乗っている人(助手席や座席も含む)はポケモンGOのプレイを制限されています。
相応しくない場所への侵入対策
また現在のポケモンGOはゲームをプレイするのに相応しくない場所にはポケモンが出現しないようになっています。過去にポケモンGOのプレイに夢中になってしまったため原子力発電所や線路内などの立ち入り禁止区域に不法侵入してしまった人がいました。
そのため現在は神社、博物館、広島の平和記念公園、その他立ち入り禁止区域などにはポケモンが一切出現しない使用になっています。また公共施設においては「館内でもポケモンGOのプレイ禁止」という貼り紙が掲示してある所もあります。
ポケモンGOの死亡事故はポケモンGOだけの問題ではない
多くの死亡事故を招いてしまったポケモンGOですが、事故の内容を考慮すると事故の責任はポケモンGOというゲームだけではないとも思えます。
ポケモンGO反対派の意見
ポケモンGOによる事故が多発したことでネット上ではポケモンGOに対する批判の声がたくさん挙がりました。「歩きスマホを助長するような無責任なゲームは無くなってしまえ」や「ゲームで人を殺したらどうやって責任を取るんだ」などのポケモンGOのゲーム性を真っ向否定するような意見が出ています。
ポケモンGO愛好家の意見
一方でポケモンGOの愛好家は「歩きスマホをした人に責任があるわけであってポケモンGOには責任は無い」や「ポケモンGOだけでなくSNSなどで歩きスマホをしている人にも責任がある」という意見を述べています。
ポケモンGO愛好家からするとポケモンGOをどうプレイするかは自己責任なので、ゲーム自体を否定するのはおかしいとのことです。
実際にポケモンGOと似たようなゲーム性のゲームも存在しますし、SNSや電話機能など歩きスマホのきっかけとなる機能は他にもあります。
ポケモンGOによる死亡事故の対策はポケモンGOだけでなくスマートフォンの機能そのものを見直す必要があるのかもしれません。
ポケモンGOによる日本の死亡事故:まとめ
ポケモンGOによる事故は世界中で発生しています。現在は事故防止のための対策が行われていますが完全に防ぐことは難しそうです。また死亡事故を起こした被告人への判決内容も未だに物議を醸しているので歩きスマホへの責任の取り方もさらに追及しなくてはいけないと思われます。