2021年09月24日公開
2021年09月24日更新
冷たい熱帯魚の元ネタ「埼玉愛犬家連続殺人事件」が怖すぎ!【関根元/風間博子】
今回は園子温監督作品「冷たい熱帯魚」の元ネタともなった埼玉愛犬家連続殺人事件について紹介していきます。関根元と風間博子が行った殺人の経緯や、関根元や風間博子の素顔、その他にも共犯者の告白など、埼玉愛犬家連続殺人事件に関する様々な情報をお届けしていきます。
目次
- 1埼玉愛犬家連続殺人事件とは?
- 2埼玉愛犬家連続殺人事件の概要は?
- 3埼玉愛犬家連続殺人事件の首謀者、関根元とは?
- 4埼玉愛犬家連続殺人事件の首謀者、関根元の生い立ちとは
- 5関根元の殺しの哲学とは?
- 6関根元の元妻、風間博子とは
- 7風間博子の生い立ち
- 8埼玉愛犬家連続殺人事件の共犯者、山崎永幸とは
- 9埼玉愛犬家連続殺人事件の事件概要
- 10埼玉愛犬家連続殺人事件の首謀者、関根元が発していた言葉とは?
- 11埼玉愛犬家連続殺人事件の舞台、廃墟と化した現在のアフリカケンネル
- 12埼玉愛犬家連続殺人事件の犯人、関根元の現在
- 13埼玉愛犬家連続殺人事件の犯人、風間博子の現在
- 14園子温監督作、冷たい熱帯魚は埼玉愛犬家連続殺人事件のモチーフとなった作品
- 15冷たい熱帯魚の主要キャスト陣
- 16埼玉愛犬家連続殺人事件についてのまとめ
埼玉愛犬家連続殺人事件とは?
埼玉愛犬家連続殺人事件とは?
埼玉愛犬家連続殺人事件は1993年に埼玉県熊谷市周辺にて、その首謀者、関根元と元妻である風間博子によって行われた連続殺人事件である。残虐性、異常性共に日本犯罪史でも類を見ない残忍な殺人事件で、共犯者にアフリカケンネルの役員であった山崎永幸を加え行われた。現在、関根元は獄中内で病死し、風間博子は死刑囚として東京拘置所に収監されている。
両者共に名の知られた腕利きのブリーダーであったが、影で悪事を働いていて、バブル崩壊後の経営悪化により多額の借金を負った事が殺人の引き金になっている。日本では2010年公開、園子温監督が「冷たい熱帯魚」という映画で、元ネタとなるこの事件を脚色して取り扱っている。この映画は海外でも高く評価され、日本の各映画賞を取っている。
現在ではこの事件の共犯者、山崎永幸の事件の供述を記した書籍や、埼玉愛犬家連続殺人事件に関連する書籍が販売されている。
埼玉愛犬家連続殺人事件の概要は?
事件当時のアフリカケンネルの広告
埼玉愛犬家連続殺人事件が行われる事件前に、埼玉県熊谷市内でペットショップ「アフリカケンネル」を経営していた元夫婦である関根元と風間博子。
関根元とその妻風間博子は共謀し、詐欺を働いて商売をしていた。その理由としてバブルが弾け、多額の借金を抱える事により経営難に陥っていた事が原因だったと言われている。その詐欺的経営に激怒した顧客とのトラブルが絶えず、経営を続けていた。
アフリカケンネルのロゴマーク
経営者の関根元と風間博子はブリーダーとして名を知られていたが、バブル崩壊が影響し、経営に行き詰まりが生じる。そして徐々に借金が膨らんで行った。
関根元と風間博子
そうしたことが理由となり、詐欺を働きながら商売を続けていたが、顧客からの物言いが絶えなかったという。そしてある日、知り合いの獣医師からもらった硝酸ストリキニーネを被害者に服用させ、毒殺し、遺体をバラバラに切断し、ドラム缶で骨を灰になるまで焼き、山林や川に捨てた。
埼玉愛犬家連続殺人事件の首謀者、関根元とは?
関根元
成人となった関根元はヒモ生活を送っていたが、犬の交配ビジネスに手を出す。詐欺まがいな悪質な商売であった。代表的な例で言えば、売った犬を盗んできて別の顧客に売るなどである。その後ペットショップ「アフリカケンネル」を埼玉県熊谷市内で開業した。
埼玉愛犬家連続殺人事件の首謀者、関根元の生い立ちとは
関根元は埼玉県秩父市に1942年に生まれた。幼少期は嘘を頻繁につく子供だったようで、「ホラ元」との呼び名もあった。その性格は、人間の心理を読む事に関して上手く、ユーモアを交えた話術で引き込まれる顧客も多かったという。
その風貌はどこにでもいるような中年男性だが、裏では悪どい商売に手を染め、顧客を脅したりなど、多数の悪事を働いていた。虚言癖があり、自分の経歴を資産家だとも偽っていたという。過去にヤクザの金に手をつけたのが理由で左手の小指を詰めたのが原因で、小指を無くしている過去も持つ。
関根元の殺しの哲学とは?
関根元の殺人哲学5選
その1.世の中の為にならない奴を殺す。
その2.保険金殺人はすぐに足がつくのでやらない。
その3.欲張りな奴を殺す。
その4.血を流さない事が重要
その5.ボディを透明にする事が一番大事
関根元の言う「ボディを透明にする」とは?
埼玉愛犬家連続殺人事件での殺人手法は上記の5番目にある「ボディを透明にする」というやり方だった。関根元は若者の時代、金をどうすれば手っ取り早く手に入れる事が出来るか考え出した末に、金を巻き上げてそいつを消せばいいという異常な考えを巡らせていたようだ。
そして殺したのちに、死体最初からなかったかのようにすればいいと結論づけたのち、残忍な手口で多数の殺人に手を染めていった。
関根元の元妻、風間博子とは
風間博子とは
関根元とその妻風間博子
風間博子は関根元にとって4人目となる妻だった。風間博子は関根元と結婚したのち、共にアフリカケンネルを支え合った仲だった。だが、関根元は風間博子の実家が裕福だった事もあって資産目当ての結婚だったと言われている。
他にも、関根元は風間博子のブリーダーとしての資質や金銭管理能力の高さを評価していた。しかし、互いに愛人を持っていたようで、時に気にいらない事があれば風間博子に手をあげる事もあったという。
風間博子の生い立ち
裕福な家庭で育った風間博子
連続殺人事件の犯人の妻、風間博子は1957年2月に埼玉県熊谷市で誕生した。性格は寡黙な面があり、気の強さでも知られていた。実家は裕福な家庭で、お嬢様として育った。関根元と結婚する前は、若い頃に一度結婚していたが、失敗した。
離婚している。関根元は浪費癖が強かったが、対照的に風間博子は堅実で金銭管理能力に優れていた事もあり、アフリカケンネルでは経理の仕事を任されていた。
埼玉愛犬家連続殺人事件の共犯者、山崎永幸とは
関根元と風間博子に脅され、殺人に加担した男
山崎永幸はアフリカケンネルの役員であった。関根元との初めての出会いはドッグショー会場で、関根元の経営哲学を学ぼうと「アフリカケンネル」に頻繁に訪れるようになり、その後関根元に誘われてアフリカケンネルで働くようになった。
山崎永幸はこの埼玉愛犬家連続殺人事件が起こった際、関根元から脅迫を受けて、遺体の運搬係を引き受けたり、山崎自身の自宅を遺体の解体場所として関根元に提供した。
死体遺棄や死体損壊などにも加担している。山崎永幸は関根元の脅迫に恐怖して、自分の家族にも危害が及ぶのではないかと恐れ、やむを得なく犯罪に手を染めてしまった。
埼玉愛犬家連続殺人事件の事件概要
関根元と風間博子、その共犯者による殺人経緯
いかにして殺人に手を染めたのか?
関根元と風間博子が企てた第一の犯行
第一の被害者となったのは埼玉県行田市に住んでいた会社役員のA氏であった。このA氏が犬を購入するため、アフリカケンネルを訪れる事から始まる。そこで関根元と知り合ったA氏は徐々に関根元と仲を深めるようになる。
その当時兄の経営している会社が経営難に陥っていたA氏は、新たなビジネスを模索していた。そんな時関根元がその巧みな話術で繁殖ビジネスを勧めてきて、儲かるからと安易な気持ちで手を出してしまう。
しかし、購入した犬の値段が1100万と高額だったが、実際には数十万であったほか、高齢で繁殖には向かない犬だったため、これは詐欺だと関根元を問い詰めた。
しかし、経営難に陥っているアフリカケンネルは金は返せない為、A氏殺害を決行した。その犯行はまず、犬用の殺処分用に使用される硝酸ストリキリーネで毒殺してからバラバラにし、骨を焼いて灰にするという人道非道のやり口だった。残った内臓や灰は川や山林にばら撒き処分した。
関根元と風間博子が企てた第二の犯行
第二の事件で被害者となってしまうB氏は埼玉県江南町に住んでいた暴力団の組長代行B氏とB氏の運転手を務めていたC氏だった。B氏は元々は関根元を慕い、頻繁にアフリカケンネルに足を運び、関根元が顧客とのトラブルの際に仲裁役を務めていた。
しかし、A氏が失踪したのち、A氏の家族が関根元に疑惑を抱き、B氏は関根元がA氏を殺害したのではないかと察知し、関根元に多額の金銭を要求し始める。次第に要求額は膨らんでいき、ついには新犬舎の土地建物の登記済証を要求した。これに怒りと憤りを感じた関根元は、第二の犯行を決行する計画を企む。
この時、B氏の運転手を務めていたC氏が常にB氏のそばを離れなかった為、一緒に殺害してしまおうと計画する。計画決行の当日、関根元と風間博子は山崎永幸の運転する車でB氏の自宅に訪れる。関根元と風間博子がB氏の自宅に訪問し、山崎永幸は車の仲で待機していた。
一緒にいたC氏とB氏に栄養剤と偽った硝酸ストリキニーネを服用させ、毒殺したのち、山崎永幸宅の風呂場でB氏とC氏をバラバラにして、肉片と骨を分け、骨はドラム缶で灰になるまで焼き、川や山林にばら撒き処分した。この川は川場村の薄根川、片品村の塗川、片品川である。
関根元と風間博子が企てた第三の犯行
第三の犯行の被害者となってしまうのは埼玉県行田市に住む主婦のD氏だった。D氏の次男が関根元の経営するアフリカケンネルで働きだした事により関根元と出会う事になり、仲を徐々に深めるようになる。
当時アフリカケンネルは経営難に陥っていた事から関根元はD氏にアフリカケンネルの株主になってくれないかと要求を持ちかける。関根元は出資金詐欺を働こうと画策していた。
しかしいずれはバレるだろうと、金銭を搾取した後にD氏の殺害を決意した。1993年8月、関根元は埼玉県行田市内でD氏を車に乗せ、出資金の名目の金銭を受け取った後、ストリキニーネ入りカプセルを服用させ毒殺した。
その後に共犯者、山崎永幸と共に、死体解体と死体遺棄を手伝わせた。解体方法はA、B、C氏同樣で、バラバラにし、その後骨をドラム缶で焼き、灰にし、片品村の塗川に遺棄した。
埼玉愛犬家連続殺人事件の首謀者、関根元が発していた言葉とは?
連続殺人事件の共犯者、山崎永幸によると、関根元は「殺しのオリンピックがあれば、俺は金メダル間違いなし」と言っていたが、その性格はいつも虚勢を張っているようで、常にいつ捕まるか怯えながら過ごしていたと言っている。
埼玉愛犬家連続殺人事件の舞台、廃墟と化した現在のアフリカケンネル
関根元と風間博子が経営
アフリカケンネル跡地1
住所は埼玉県熊谷市内にある、日本犯罪史でも類を見ない残忍な事件の犯行が計画された舞台ともなっている犯人の関根元と風間博子が経営していたアフリカケンネル跡地である。現在は廃墟と化していて、心霊スポットとしても見物にやってくる者もいるようだ。
アフリカケンネル跡地2
映画「冷たい熱帯魚」では元ネタのこの「アフリカケンネル」が熱帯魚屋として脚色されている。元ネタの事件となる犯人の実名は関根元だが、映画版では「村田幸雄」として「でんでん」という俳優が務めた。凄惨な事件の舞台となるアフリカケンネルの現場では、詐欺的な商売で顧客とのトラブルが絶えなかった。
埼玉愛犬家連続殺人事件の犯人、関根元の現在
関根元は東京拘置所内で病死
事件の殺人鬼「関根元」は、埼玉愛犬家連続殺人事件が発覚し、逮捕後、一審、二審共に死刑判決を受け、死刑囚として東京拘置所に収容された。しかし2016年の11月に拘置所内で心臓発作を起こし、病院に搬送され一命は取り止めた。しかし再度拘置所内で発作を起こし現在は死亡している。75歳であった。
埼玉愛犬家連続殺人事件の犯人、風間博子の現在
風間博子は死刑囚として東京拘置所に収監
事件の首謀者であるその妻であった風間博子は2009年6月5日に最高裁で死刑が確定し、現在は死刑囚として東京拘置所内に収監されている身である。
園子温監督作、冷たい熱帯魚は埼玉愛犬家連続殺人事件のモチーフとなった作品
監督 / 園子温
元ネタとなる「埼玉愛犬家連続殺人事件」をモチーフに描いた「冷たい熱帯魚」を2010年に完成させ、各映画賞を総ナメにした。元ネタの殺人鬼、関根元や風間博子とその共犯者山崎永幸は本作では役名を変えている。
吹越満主演で描かれている冷たい熱帯魚は、元ネタとなる事件、埼玉愛犬家連続殺人事件を題材にした映画で、本作は少し脚色してあって、元ネタではペットショップ経営が元になっていたが、本作では熱帯魚屋経営にしている。
ストーリーは、冴えない熱帯魚屋の店主が、裏の顔を持つ悪魔の夫婦によって犯罪に巻き込まれていくストーリーである。
冷たい熱帯魚のあらすじ
映画版はペットショップではなく熱帯魚ショップの経営者
死別した前妻の娘と現在との妻と3人で生活をしていた熱帯魚店の店主、社本信行。ある日、娘が起こした事件から村田幸雄という一人の男と出会う。しかしこの男と交流を深めるにつれ、社本の運命自体をも変える事が巻き起こっていくといったあらすじである。
主人公は社本役の吹越満だが、この映画は「でんでん」という一人の俳優によって成り立っていると言っても過言ではない。不気味で愛嬌たっぷりのユーモアを交えながら主人公を犯罪に巻き込んでいく。元ネタの事件の殺人鬼、関根元も話術に長けており、時折ユーモアを交えていたという。
その演技は見る者全てを圧倒させる。でんでんはキャリアは長いが、出演作に恵まれない状況にいたが、この「冷たい熱帯魚」で日本アカデミー賞助演男優賞に輝いている。
冷たい熱帯魚の主要キャスト陣
村田幸雄役 / でんでん
元ネタの事件の首謀者である殺人鬼「関根元」を演じたのはベテラン俳優のでんでんだった。キャリアのスタートはお笑い芸人で、1981年の森田芳光監督の映画「の・ようなもの」で俳優に転身した。
その後、複数の舞台に出演し、2010年の冷たい熱帯魚にて第35回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を獲得し、俳優として高い評価を受けるようになった。現在は映画、ドラマを中心に精力的に活動している。
社本信行役 / 吹越満
青森県上北郡東北町出身の俳優である。冷たい熱帯魚では殺人鬼の共犯者社本信行を演じている。元ネタの事件でいう山崎永幸を演じた。
1984年に劇団WAHAHA本舗に参加し、ソロのパフォーマーとしても活躍。退団後は舞台、映画、ドラマなどに多数出演し、キャリアを積み上げていった。現在はもう長らく自身が一人でパフォーマンスを行う「フキコシ・ソロ・アクト・ライブ」を数年に一回ほどのペースで続けている。
村田愛子役 / 黒沢あすか
黒沢あすかは神奈川県藤沢市出身の女優である。女優としてのキャリアは10歳の子役時代からスタートさせ、その後は映画を中心に様々な作品に出演した。
2002年の塚本晋也監督の「6月の蛇」に主演をしたのが転機となり、一躍脚光を浴びるようになる。そして埼玉愛犬家連続殺人事件を題材にした「冷たい熱帯魚」で、元ネタでは殺人鬼の元妻だった風間博子を「村田愛子」として出演した。現在は3人の息子がいる。
埼玉愛犬家連続殺人事件についてのまとめ
いかがでしたでしょうか?埼玉愛犬家連続殺人事件は日本犯罪史に残る連続殺人事件です。事件の首謀者である関根元は死亡し、その妻である風間博子は東京拘置所に収監されています。現在では、この事件にまつわる様々な書籍も発売されていますので、ご興味ある方は購入してみてくださいね!