リトアニアの世界遺産「十字架の丘」がヤバイ!行き方や感想まとめ
リトアニアのシャウレイにある十字架の丘は世界遺産に指定されたことで有名です。十字架の丘はリトアニアの歴史と共に十字架の本数が増えていき、現在ではツアーが組まれる程の観光地となりました。そんな十字架の丘への行き方や歴史についてご紹介します。
目次
リトアニアの世界遺産:十字架の丘
リトアニアを代表する観光地
人類の歴史を象徴する建造物や長きに渡り美しい景色を残している「世界遺産」は地球上に数多く存在します。その中でも「十字架の丘」はリトアニアを代表する世界遺産として有名です。
深い歴史の象徴
十字架の丘はリトアニアの歴史の象徴として悲劇の歴史が背景にありながらも、その圧倒的な存在感によって多くの観光客を惹きつけています。今回はそんな十字架の丘についてご紹介ます。深い歴史が残っている十字架の丘はツアーが組まれる程人気のある観光地ですが一体どんな背景が隠されているのでしょうか?
十字架の丘はシャウレイにある
世界遺産に指定されたことで有名な十字架の丘はリトアニアの北東部シャウレイ(Siauliai)にあります。
シャウレイはリトアニアの北部に位置するラトビアに近い場所にあります。十字架の丘へはバスを乗り継いで訪れることが出来ますが、十字架の丘以外は目立った施設は無いのでここを訪れる人々はほとんどが十字架の丘に行くことが目的となっています。
十字架の丘の歴史
十字架の丘にはリトアニアの悲劇の歴史を象徴しています。
旧ソ連の支配下だったリトアニア
十字架の丘が設立された正式な日付は不明ですが17~18世紀頃から始まったと言われています。当時のリトアニアは旧ソ連の支配下にあったためソ連軍によって多くの犠牲者が輩出されました。その人達を祀るために十字架が寄せ集められたことが「十字架の丘」のきっかけとなっています。
その後ドイツの支配下に
リトアニアは第一次大戦中にドイツの支配下となりました。1918年にドイツが崩壊した後は独立に成功しましたが、1940年にはソ連の侵攻を受けてまた支配下となってしまいました。そういった他国からの被害が増すごとに犠牲者、つまり十字架の本数も増加していきました。
再びソ連の統治下に
十字架の丘にある十字架の本数を最も増やした原因はソ連の植民地にあると言われています。リトアニア国内のソ連体制は1990年まで続くのですが、それまでずっと犠牲者が相次いで発生しました。過去にはソ連軍によって4度も十字架の丘を壊されることがありましたが、ソ連体制への非暴力による抵抗として何度も十字架が祀られました。
死者を祀る十字架
死者を祀る物として十字架を使用する理由はリトアニアがキリスト教国家であることが原因とされています。十字架はあキリスト教において「信仰」「未来への希望」「慰霊」の意味が込められています。またリトアニア独立後の1993年にはローマ法王も十字架の丘を訪れています。
世界遺産になった十字架の丘
十字架の丘はユネスコの無形文化遺産において「リトアニアの十字架の手工芸とその象徴」として認められ、2001年に世界遺産に指定されました。十字架の丘が世界遺産に指定された理由はソ連の統治下にあった頃に多くの犠牲者を輩出してしまった悲劇の過去の象徴と、十字架の丘に建てられた圧倒的な本数を誇る十字架による美しい景色が理由だと思われます。
十字架の丘にある十字架の本数
現在の十字架の丘には膨大な本数が立てられていますが、一体何本の十字架が存在するのでしょうか?
増え続ける十字架
十字架の丘の十字架は設立されてから本数は増える一方です。過去にソ連軍によって壊されることもありましたが、それでも新たに十字架が備えられて現在が過去最高の本数であると言われています。
そんな十字架の丘の十字架の本数は残念ながら誰かが数えているわけではないので正式な本数は分かりません。以前に5万本前後の十字が存在すると説明されていたので現在はそれよりも多い5万~6万本ではないかと思われます。
現在は5万本以上
十字架の丘には形や大小が様々な十字架が存在します。木で出来た簡素な物や石で彫られた本格的な物があり、中にはイエス・キリストを模った彫刻も存在します。特に大きくて本格的な十字架はリトアニアに起きた大きな出来事を象徴する位牌の様な意味合いがあります。
購入も可能
十字架の丘には近くにビジターセンターがあってそこで購入した十字架を十字架の丘に備えることが出来ます。十字架を備えることに条件は特に無いので旅行の記念に備えることも出来ます。十字架を見てみるとほとんどがリトアニア語の文字が表記されていますが、英語やポーランド語などのユダヤ系民族が使用する言語も存在します。またかなり本数は少ないですが日本語が書かれた十字架も存在します。
出典: http://gotrip.jp
十字架の丘にはスピーカーが備え付けられていてそこから聖句が朗読されています。それを知らずに訪れると若干心霊現象の様な錯覚に陥りますが、全く違います。十字架の丘は圧倒的な本数の十字架による素晴らしい景色を堪能することが出来ますので観光で訪れれば1~2時間は飽きずに周ることが出来るでしょう。
十字架の丘の行き方
十字架の丘へはバスで行きます。若干難しいですが行き方をご紹介します。
行き方①リガからバスに乗る
十字架の丘への行き方はリトアニアの首都・ヴィリニュスを出発する方法とラトビアの首都・リガを出発する方法がありますが、リガの方が近いので今回はこちらをご紹介します。まず日本からリガまで飛行機で向かいます。ちなみに東京(羽田・成田)からリガまでの直行便は存在しませんのでどこかを経由して行く形になります。
行き方②シャウレイのバスターミナル
リガに着いたらシャウレイ行きのバスに乗ります。リガにはシャウレイが終点のバスがありますのでそれに乗れば安心して向かうことが出来ます。
行き方③シャウレイからドマンタイへ
シャウレイに到着したらバスターミナルにてバスを乗り継ぎます。
・十字架の丘の最寄りバス停はドマンタイ(Domantai)なのでターミナルのインフォメーションセンターで時刻表を貰って発着時刻を確認します。
・受付の人はリトアニア語しか通じないので少し苦労するかもしれません。もし英語が通じるようならば「May I have timetable for Domantai ?」と言えば分かってもらえます。
・ドマンタイへ向かうバスは12番にあるヨニキス行きのバスです。バスの本数は1時間に1本程度しか無いので乗り過ごしの無いように注意して下さい。リトアニアのバスはちゃんと時間通りに発着します。
・バスに乗ったらドマンタイで降ります。もし自信が無ければバスの運転手に言ってドマンタイに着いた時に教えてもらうことも出来ます。
・バスに乗っている時間は約15分で運賃は0.8ユーロです。ちなみにシャウレイからタクシーに乗る方法もありますが、これは運賃が高額になってしまうのであまりおすすめできません。
行き方④ドマンタイから徒歩で到着
ドマンタイで下車したら十字架の丘まで徒歩で向かいます。来た道を戻りながら歩くと3本の十字架が見えてきますのでそこから車道を真っ直ぐ歩きます。この車道は人も車も中々通らないので何もない一本道をじっくりと堪能することが出来ます。バスを下車して20分程歩いたらビジターセンターが見えてきますので到着です。
十字架の丘はビジターセンターを通り過ぎた所にあります。道は整備されていて歩きやすいので歩き周るのも良し、写真を撮るのも良し、ビジターセンターで十字架を買うことも出来ます。帰りは行き方のルートと真逆になります。バスの本数に注意して下さい。
十字架の丘へ行くツアー
十字架の丘への行き方はバスを乗り継ぐことですが、現地の感覚が分からない人にとっては不安があるかもしれません。そんな人のために十字架の丘へ行くツアーが存在します。
十字架の丘へ行くツアーは様々な旅行会社によって組まれています。基本的にはヴィリニュスやリガなどの主要都市にあるホテルから十字架の丘までバスで向かうツアーとなっています。料金は英語ナビゲーターで183ユーロ(約25万円)、日本語ナビゲーターで210ユーロ(約28万円)となっています。これらは人数による値段の違いや割引サービスもあります。
十字架の丘のツアーはこちら
十字架の丘は墓地?
死者を祀るために存在する十字架の丘ですが、墓地としての意味合いはあるのでしょうか?
墓地としての意味はあるが墓地ではない
墓地とは故人の遺体があって、それを祀ることを目的としています。しかし十字架の丘には遺体は存在しないので墓地ではありません。十字架の丘は旧ソ連軍への非暴力抵抗を象徴した物なので意味合い的には墓地に似ていますが、墓地ではありません。
十字架の丘は心霊スポット?
十字架の丘は死者を祀るための場所なので心霊スポットと言われることもありますが本当なのでしょうか?
心霊現象の情報は無し
リトアニアといえば十字架の丘が世界遺産兼心霊スポットとして有名
— 🌙或暮猟奈⛩狼欒ネサ之助☀️ (@nesa_shk_nkzk) October 23, 2016
あとニコラ・テスラの台詞に出てくるペルクナスはリトアニアのキリスト教伝来以前にあったバルト人の神話の雷神
十字架の丘は重要な歴史の背景が存在するので心霊現象が発生すると言う噂が存在します。しかし十字架の丘で心霊現象を見たという人はまだいません。
死者を祀ってはいるが心霊スポットではない
十字架の丘が何故心霊スポット扱いなのか、意味分からない…
— がんおじ (@SkuHero) May 12, 2014
十字架の丘は世界遺産に指定される程の由緒正しい場所なので決して心霊スポットではありません。でも実際に十字架の丘を訪れたら死者に対して祈りをささげる事は良い事でしょう。
リトアニアの世界遺産「十字架の丘」:まとめ
いかがでしたでしょうか。十字架の丘は十字架による圧倒的な景色だけでなく、リトアニアの歴史を象徴する世界遺産としても有名です。日本からはかなり離れているのでかなりの旅費を必要としますが、それでも一見の価値はあるのではないでしょうか。