『アル・カポネ』禁酒法時代のアメリカを欲望で支配したギャングとは？

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アル・カポネはニューヨーク市ブルックリン出身のイタリア系移民です。アル・カポネが育った時代のアメリカは富を求めて海外からやって来た移民がたくさんいましたが、19世紀から20世紀初頭にかけての時代はイタリア系移民の稼ぎは少なく差別を受けていました。
アル・カポネの家族も差別を受けて貧しい生活を強いられていました。これが後にアル・カポネがアメリカ最大級のギャングになる最初の理由でした。

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アル・カポネがギャングになったきっかけは学校での出来事でした。アル・カポネは学校の先生から毎日の様に体罰を受けていました。アル・カポネは真面目な生徒だったので最初は受け入れていましたがとうとう我慢できずに先生を殴り返してしまいました。それを理由に学校を退学しています。
その後行き場の無くなったアル・カポネはとある仕事に就きました。それは箱の中に入った麻薬や武器を闇の業者へ受け渡す仕事、つまり運び屋でした。

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アル・カポネは運び屋の仕事をきっかけにギャングの世界に足を踏み入れました。そして当時のアメリカで施行されていた禁酒法に目を付けて、酒の密輸やもぐりの酒場経営で大金を手にしました。
アル・カポネはその大金を利用してシセロにあったビルを買い取ってそのビルを「酒場」「賭博場」「馬券場」「売春宿」などの闇の雑居ビルに一変させて荒稼ぎすることに成功しました。
それによりアル・カポネの収入は年間1億ドル以上にまで上り、全盛期だった1927年には1億5000万ドル(約240億円)も稼ぎました。

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アル・カポネの特徴として自分自身では殺人はしないということが言えます。アル・カポネは生涯で450件もの殺人事件に関わっていますが、実際に手を下したのは大半がアル・カポネの部下でアル・カポネ自身が殺したのは40人程度です。
アル・カポネは稼いだ金を貯金することは無くパーティや賭博でスグに使ってしまったと言います。そのためアル・カポネは豪華な自宅を購入したり、ビジネスの為にホテルを買い取ったりはしましたが貯金は一切無かったのだそうです。

アメリカの闇の社会で一大勢力となったアル・カポネですがその反面人々から賞賛されることもありました。その理由は不味しい人達に施しを与えていたことが理由です。

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アル・カポネはシカゴの郊外にある自分の育った町シセロに住む貧しい人達に対して生活用品や食料を安値で提供していました。その理由は自分自身が子供の頃にシセロで貧しい生活を強いられてきたことが関係しています。
アル・カポネは年末に感謝祭の時にシセロの住民に対して七面鳥を5000羽分を提供したり、1930年末には1日に3回も無償で食事を提供したりしました。その行為がアメリカ中から賞賛されて一時期は雑誌の表紙を飾ったとこもあります。

アル・カポネが暗躍していた時代にアメリカで施行されていた禁酒法とはどんな法律なのでしょうか？

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禁酒法とは1920年1月17日からアメリカ全体で施行されていました。当時のアメリカは酒は悪の根源として、飲酒行為は生活に支障が出る不健全な行為であるというイメージが蔓延していました。

禁酒法とは酒の製造、販売、運搬を禁止するので酒に関わる全ての行為を一切禁止していました。そのため家で酒を飲むことは許されましたが、酒場やレストランなどで酒を注文することは禁止でした。もし禁酒法を侵したら1000ドル以下の罰金、6か月以下の禁固刑に処されます。

この禁酒法は1920年1月17日から1933年まで13年10か月に渡って続きました。

禁酒法によってアメリカ国内での酒の流通が一切止まったかのように見えましたが、逆に禁酒法を逆手に取った犯罪行為が増えてしまいギャングの蔓延を助長してしまう事になりました。

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当時のギャングはアメリカの裏社会で様々な方法を用いて酒を流通させました。禁酒法とは施行されたのがアメリカ国内のみなので陸続きのカナダから酒を大量に密輸出来ました。
バーの店舗数は禁酒法が出来る前は国内全体で1万5千件だったのに対して禁酒法制定後は3万2千件と逆に増えています。ただしそれらのバーのほとんどがギャングが経営するもぐりでした。
また酒の製造に関しては衛生環境が整っていない場所でいい加減な手法で作られており、そんな不衛生な酒が蔓延してしまった事により飲酒による死亡者が相次いで発生しました。

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アル・カポネも勿論禁酒法を逆手に取った商売に着手しました。アル・カポネは酒の流通を裏社会で円滑に進めるために地元の警察、裁判所、政治家に賄賂を渡しました。特にシカゴ警察はアル・カポネから年間3万ドルも受け取っていたと言います。
当時はギャング同士での酒の奪い合いもあったので、アル・カポネは敵の組織を殺して酒を奪うこともありました。中でも有名なのは1929年に起こった「聖バレンタインデーの虐殺」でこの事件により死亡したギャングは敵味方含め500人にも及んだと言います。当時のギャングはそれだけ酒の商売を重視していた事になります。

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1929年10月に世界恐慌が発生したことでアル・カポネのかつての勢いは止まってしまいました。それまでアル・カポネから賄賂を受け取っていた警察が賄賂を受け取らなくなり犯罪行為を取り締まるようになりました。

それでもアル・カポネは闇の世界で暗躍し続けました。そしてカポネに対処し逮捕するための特別捜査チーが編成され、このチームのメンバーは賄賂により買収されなかったので「アンタッチャブル」と呼ばれ、このチームにより遂にアル・カポネは逮捕されてしまいます。

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逮捕されたアル・カポネは懲役11年となり、難攻不落のアルカトラズ刑務所に収監されました。刑務所内でのアル・カポネは真面目な模範囚だったと言います。そして禁酒法が無くなって6年経過した1939年にアル・カポネは出所します。

しかしアル・カポネはかつての勢いが全く無く、その後何も大事を起すことなく1947年1月25日にひっそりと病死しました。享年48歳で死因は梅毒と言われています。

アル・カポネは犯罪者だけでなく、品行方正で真面目な姿勢もあると言われていました。そんなアル・カポネらしさのあるアル・カポネの名言をいくつかご紹介します。

アル・カポネは直接手を下すのではなく、役人やギャング相手に交渉する事が多い事物でした。しかし自分に逆らうやつは容赦しないという姿勢を彷彿させる名言です。

子供の頃にシセロで貧しい生活を経験したアル・カポネらしさが出た名言です。政治的な理由で苦しい生活を強いられたアル・カポネは犯罪をすることで希望を見出しました。アル・カポネがした行為は悪事ですが、かといって当時のイタリア系移民にそのまま苦しい生活を強いることは正解なのでしょうか？そんな事を考えさせられる名言です。

アル・カポネは犯罪者である反面学生時代や刑務所にいた頃は真面目な人物だったと言われています。それはギャングだった頃も変わりません。法律は破っても自分のルールは破らない。そんなアル・カポネの性格を表現した名言です。

アル・カポネには一人息子がいました。息子の名前はアルバート・フランシス・カポネで通称ソニーです。

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息子のソニーはニューヨーク市ブルックリン生まれで子供の頃から感染症にかかりやすく難聴もあった病弱な体質でした。ソニーは1973年にノートルダム大に入学しますが学校内でアル・カポネの息子であることがバレてしまい退学、その後1941年にマイアミ大学に入学・卒業しています。
息子のソニーは在学中にアル・カポネの部下から裏社会の道へスカウトされますが、それらの誘いには一切乗らずソニーは生涯一般人として過ごしました。

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しかし息子のソニーはマイアミで母親と共にレストランを経営するもスグに廃業してしまったり、職を転々とするもどれも長続きせず、挙句の果てには親しい店で3ドル50セント程度の小物を万引きして逮捕されました。
その後も特別大きな出来事は一切無く2004年にフロリダで亡くなっています。ギャングと言えども一時代を築いたアル・カポネとは違い息子のソニーは目立たない生涯を送ったことになります。

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一時代を築いたアル・カポネはファッションにも気を使っていました。

アル・カポネのファッションと言えばハットにコートを羽織ったファッションが特徴的です。これは当時のアメリカのギャングを象徴するようなファッションと言えます。

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黒やグレーのダブルのスーツに黒や白のハットを併せたファッションは「アル･カポネ･スタイル」と呼ばれることもあります。

アル・カポネは人前に出る際は常に綺麗な服を着ていたのでファッションを重視する人物だと言えます。雑誌の表紙を飾ることもありましたがアル・カポネは写真を取られるとき常に左を向いています。それは10代の頃に負った左頬の傷跡を隠すためと言われています。

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映画「アンタッチャブル」はその名の通りアル・カポネを摘発した「アンタッチャブル」と呼ばれるチームを題材にした映画です。
1987年に公開された映画で、主人公エリオット・ネスとその仲間たちがチーム「アンタッチャブル」を結成しアル・カポネを逮捕するまでの動向が描かれています。映画「アンタッチャブル」でアル・カポネを演じたのはロバート・デ・ニーロです。

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映画「ゴッドファーザー」はフィクションですがアル・カポネの様なギャングが活躍した時代のアメリカを背景にした超大作です。映画「ゴッドファーザー」は三部作に渡ってコルレオーネ一家の動向を追っています。
一作目の映画「ゴッドファーザー」は1972年7月15日に公開されてマーロン・ブランド、アル・パチーノ等が出演しました。
二作目の映画「ゴッドファーザーPARTⅡ」は1975年4月26日に公開されてアル・パチーノ、ロバート・デ・ニーロ等が出演しました。「ゴッドファーザー PARTⅡ」はアカデミー賞で数多くの部門を受賞し、内容もゴッドファーザー 史上最高の映画と言われています。
三作目の映画「ゴッドファーザーPARTⅢ」は1991年3月9日にアル・パチーノ主演で公開されました。

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いかがでしたでしょうか。アル・カポネは禁酒法を逆手にとって巨万の富を築いたギャングとして現在も語り継がれています。アル・カポネは大量の殺人事件を起した大犯罪者ですが、その裏では自分の正義を貫く姿勢が賞賛されています。時代に翻弄されて短命な人生となってしまいましたが、アル・カポネの生き様には見習う部分があるのかもしれません。