2021年07月14日公開
2021年07月14日更新
末端価格ってなに?薬物など色んなモノの末端価格一覧
時折耳にする「末端価格」という言葉は、何か違法な物の価格というイメージもありますね。この末端価格とはどのような意味なのでしょうか。今回は様々な麻薬の末端価格や日常の意外な物の小売価格、「そんなものに値段が付くの?」という驚きの価格を一覧にまとめてご紹介します。
目次
末端価格の意味とは?
出典: http://free-images.gatag.net
覚醒剤などの麻薬が押収されると、ニュースではよく「警察の発表によるとおよそ〇〇kg、末端価格にして△△円相当です」などと報道されますね。
この「末端価格」という言葉ですが、よくわからず使っている人もいるのではないでしょうか。
末端価格とは、ある商品が流通において仲卸などを経て最終過程である末端、つまり消費者へ渡る際の価格のことをいいます。
末端価格という言葉は特に違法薬物に対してだけ使われる価格のことではなく、例えば原油やガソリンなどにも用いられ、小売価格とも同じような意味になります。
以下の記事では麻薬の闇取引での末端価格や様々な物の小売価格を一覧にまとめました。
覚醒剤(シャブ)の末端価格はいくら?
出典: http://www.joqr.co.jp
大物芸能人やプロ野球選手、歌手などの有名人が覚醒剤を使用または所持して逮捕されるニュースを度々目にします。
覚醒剤とは中枢神経を興奮させ、眠気や疲労感をなくす作用のある薬物で、日本の覚せい剤取締法では、アンフェタミンやメタンフェタミンのことを指します。
この覚醒剤のことを隠語でシャブやスピード、S、アイスなどと呼び、非常に強い依存性や幻覚作用があります。
2017年の警察庁の分析結果を基にすると末端価格は以下になりました。
【覚醒剤】
・1gあたり約64,000円
・1回分(0.02g~0.03g)では約1300円~2000円
モルヒネの末端価格
出典: http://drugsdetails.com
モルヒネは主に医療現場で鎮痛剤として患者に投与される薬剤で、モルフィンやモヒとも呼ばれます。
モルヒネはケシの実から抽出したアヘンを原料として精製されます。
医師の指示の下で適切な投与を受ければ依存性は少ないとされ、癌患者の疼痛の緩和に役立てられています。
また、モルヒネは日本では「麻薬及び向精神薬取締法」で麻薬として規制されています。
以下は製薬会社の薬価から算出した末端価格の例ですが、患者の年齢や症状により投与量は増減します。
【モルヒネ】
・1%1mlあたり299円
・1回分(10ml)あたり2990円
出典: http://drinksfeed.com
ケシの実と種
アンパンに乗っているツブツブもケシの実ですが、食用のケシにはアヘンは含まれていません。
ハルシオンの末端価格
出典: http://mental-nayami.com
ハルシオンとはトリアゾラムという成分の商品名で、中枢神経に作用する睡眠導入剤として1982年から日本で発売されています。
不眠症患者に投与されますが、服用量を誤ると幻覚や呼吸抑制の副作用が起きたりします。また、アルコールと併せ飲むと副作用の出る確率が高くなるため注意が必要です。
日本の薬機法や麻薬及び向精神薬取締法で取り扱いが規制されています。
ハルシオン錠とトリアゾラム錠の2017年10月時点での薬価は以下になります。
【ハルシオン錠】
・1錠(0.25mg)あたり13.8円
・1回分(1錠~2錠)あたり13.8円~27.6円
【トリアゾラム錠(ジェネリック医薬品)】
・1錠(0.25mg)あたり5.6円
・1回分(1錠~2錠)あたり5.6円~11.2円
大麻の末端価格と合法国一覧
出典: http://www.syachi9.black
大麻は英語ではカンナビス(cannabis)、スペイン語ではマリファナ(Marijuana)といいます。
日本では禁止されていますが、カナダやスペインなどでは大麻から抽出したテトラヒドロカンナビノール(THC)を用いて医療大麻として治療にも使われています。
なお日本においては、大麻取締法により大麻取扱者以外の者が花や葉を所持したり、許可なく大麻草の栽培や譲渡、輸出入を行った者は逮捕されます。
大麻は今なお世界各国で合法か違法かの意見が分かれている植物なのです。
日本の闇取引の乾燥大麻の末端価格と、カナダでの小売価格は以下のようになっています。
【日本】
・1gあたり3,000円~5,000円
・1回分(0.1g)あたり300円~500円
【カナダ】
・1gあたり900円
・1回分(0.1g)あたり90円
また、大麻の所持が合法な国の一覧は以下の通りです。
・アメリカの一部の州
・カナダ(2018年から)
・南アフリカ
・オランダ
・スペイン
・ウルグアイ
他の国は完全に違法か、少量までは合法という国になります。
出典: https://www.leafly.com
乾燥した大麻
コカインの末端価格と国ごとの価格一覧
出典: https://rocketnews24.com
コカインとは南米原産のコカという植物の葉から抽出された薬物で、日本では医療用の局所麻酔にも使われていますが、一般には麻薬として規制されています。
別名コーク、スノー、ホワイトなどと呼ばれ闇取引されており、依存性は極めて強く、常用すると身体および精神への影響は生命にかかわるほど甚大です。
皆さんもよくご存じのコカ・コーラですが、実は「コカイン」から名付けられた商品名で、100年以上前の商品にはコカインが入っていました。
もちろん現在は麻薬であるコカインは入っていませんので安心してください。
世界の1gあたりのコカインの末端価格を一覧にまとめました。
・コロンビア…3.5ドル(約400円)
・ブラジル…12ドル(約1,300円)
・カナダ…80ドル(約9,000円)
・ロシア…174ドル(約20,000円)
・マカオ…310ドル(約35,000円)
・日本…9,000円~60,000円
ちなみに1回分は0.1g~0.3gです。
出典: http://sarisari.exblog.jp
コカの葉っぱと実
ハッピーパウダーの末端価格
出典: http://buzz-netnews.com
亀田製菓のハッピーターン
ハッピーパウダー。気分が高揚しそうな名前で怪しげな感じがしますが、実はこれはお菓子の「ハッピーターン」にまぶされている美味しい粉のことです。
ハッピーターンは亀田製菓が1976年に発売して以降ロングセラーとなっていて、ハッピーパウダーの原材料は、「砂糖、たん白加水分解物(大豆を含む)、食塩、調味料(アミノ酸)」です。
1つ食べるともう1つ食べたくなる、なんとも中毒性のあるあの白い粉は残念ながら単独では販売されていません。
けれども料理レシピサイトのクックパッドに作り方が記載されていましたので(下記参照)、そのレシピを基に材料の小売価格から値段を計算してみました。
・1gあたり1.6円(砂糖、塩、ガラスープ、練りコンソメ、バターミルク)
・1回分(1枚分、0.5g)あたり0.8円
※あくまで目安です。
ハッピーパウダーの作り方の例(リンク)
出典: https://cookpad.com
cookpad
水銀の末端価格
出典: http://www.hg-nic.com
水銀とは常温では液体である唯一の金属で、その用途は蛍光灯や水銀体温計、電池など多岐にわたっています。
比重が大きいため、水銀に鉄球を入れると鉄球が浮いてくるなど面白い現象も見られます。(下記動画参照)
水銀は強い毒性のある物質で、室温でも水銀は蒸気となり、体内に入ると歯や内臓、脳が損傷し、最悪の場合死に至ります。1957年に熊本県で発生した水俣病の原因でもありました。
日本の環境基準では飲み水の水銀濃度を0.0005mg/Lと厳しく定められています。
試薬会社のナカライテスク株式会社の水銀の小売価格は以下になります。
・500g容器11,500円(1gあたり23円)
水銀に浮く鉄球の動画
キングコブラの毒の末端価格
出典: http://animalbattles.wealthyblogs.com
毒蛇の代名詞でもあるキングコブラは、インドから東南アジアにかけて生息しています。
平均体長は3mで、過去にタイでは体長5m・体重12kgを超える大蛇も捕獲されたこともありました。
キングコブラの持つ猛毒の神経毒は、人間を20人または大人の象を一噛みで殺すほどの毒性があります。
噛まれた者は神経が麻痺し、呼吸困難で死に至ることがあり、死亡率は非常に高いです。
そんなキングコブラの毒も取引されるそうで、末端価格は以下になります。
・1mlあたり4,500円
・1回分(ヒト1人死ぬ量0.35mlとして)約1,600円
キングコブラの毒液を採取する映像
レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画の末端価格
出典: https://blogs.yahoo.co.jp
「サルバトール・ムンディ」
イタリアの名高い美術家レオナルド・ダ・ヴィンチがイエス・キリストを描いた「サルバトール・ムンディ」は、美術品の落札価格として史上最高額を更新しました。
2017年11月に行われたオークションでの落札額は4億5031万ドル、日本円にして約508億円という途方もない金額となりました。
レオナルド・ダ・ヴィンチの功績を考慮すると不思議ではないかもしれませんね。
世界最古の”お金”の末端価格
出典: https://www.speed-kaitori.jp
1ドル硬貨「フローイング・ヘア・ダラー」
古いお金であればオークションなどで高額取引されることもありますよね。
世界一高額な値段のお金が、1794年にアメリカ政府が発行した最初の1ドル硬貨である「フローイング・ヘア・ダラー」です。
2013年に行われた公開オークションでは約1000万ドル、日本円にしてなんと12億円もの値段が付きました。
実に1000万倍もの価値となったのは驚きですね。
人の血液の末端価格
出典: https://www.excite.co.jp
人の血液に値段があるなんて、医療従事者以外はあまり考えませんよね。
日本赤十字社による輸血用血液製剤の薬価を基に血液の小売価格を算出しました。
・人全血液 1mlあたり40.8円
・1袋400mlあたり16,320円
献血で400ml提供すれば約16,000円分、価値を提供したことになるのですね。
末端価格が5000兆円もするあるモノとは?
出典: http://blogs.teradata.com
この世の中で恐らく最も高額なものと言えるあるモノがあります。それは「反物質」と呼ばれるものです。
反物質とは、ある物質と電気的な性質だけが真逆の物質のことで、物質と反物質が衝突すると対消滅が生じ、莫大なエネルギーだけが残ります。
反物質1gがあれば90兆J(ジュール)のエネルギーが発生するとされ、広島に落とされた原爆のエネルギーに近い量です。
また、反物質は自然界にはほとんど存在せず、粒子加速器を用いて人工的に作るしか得る方法はありません。
ところが、2017年11月23日付けの英科学誌ネイチャーの論文によると、東京大学や京都大学の研究チームが、雷によって反物質が生成されていることを突き止めたそうです。
以外と身近にも反物質があったんですね。
反物質の末端価格は以下になります。
・1gあたり5000,000,000,000,000円
まとめ
出典: https://www.photo-ac.com
薬物を始めとして様々な物の値段の一覧をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
途方に暮れるほど高額なものから、意外と安い小売価格かもというものまでありました。
日本では非合法な薬物でも海外では合法だったりすることは意外と知られていません。
けれども、人生を終わらせてしまう危険な麻薬には決して手を出してはいけないことを最後にお伝えしておきます。