コカ・コーラの「コカ」はコカインのことだった!その歴史と原料について

アメリカの世界的飲料メーカーのコカ・コーラのヨーロッパの工場で、コカインが見つかった…そんな噂が流れたりする中、コカ・コーラの「コカ」はコカインのことだった!という都市伝説は真実なんでしょうか?気になるので調べてみました。

コカ・コーラの「コカ」はコカインのことだった!その歴史と原料についてのイメージ

目次

  1. 1コカ・コーラとは
  2. 2コカインとは
  3. 3コカの葉とは
  4. 4コーラの実とは
  5. 5コカインを検出!レッドブル・コーラ事件
  6. 6コカ・コーラに関する都市伝説
  7. 7懐かしいコカコーラのCM
  8. 8コカ・コーラのライバル「ペプシ・コーラ」
  9. 9コーラの薬効成分
  10. 10まとめ

コカ・コーラとは

コカ・コーラの「コカ」はコカイン(麻薬成分)のこと?

コカ・コーラは、アメリカで生まれた世界初のコーラ飲料で、それを製造するコカ・コーラ社は世界中の清涼飲料水メーカーの中でも飛び抜けた存在感があり、今やアメリカ資本主義の象徴といった感じまで漂ってます。

ちなみに、アメリカの国民は一人あたり1週間で3.5リットルのコーラを消費しているというデータがありますが、これはアメリカ人の全員が毎日欠かさず500ミリリットルのペットボトル入りコーラを飲んでいるという計算になりビックリさせられます。

アメリカ人の人々の間にこれほどまで浸透したコカ・コーラですが、一方でコカ・コーラに関してのいろいろな都市伝説もあったりします。

例えば、「コカ・コーラのコカはコカインのこと。」など…。

そこで身近な存在ゆえに気になる、コカ・コーラの歴史についていろいろ調べてみました。

コカ・コーラの成分(麻薬成分コカインが含まれるってマジ?)

日本コカ・コーラ社の公式サイトを見ると、コカ・コーラの成分は以下のように書いてあります。

コカ・コーラの原材料名 :
・糖類(果糖ぶどう糖液糖、砂糖)、カラメル色素、酸味料、香料、カフェイン
・種類 : 炭酸飲料
・発売年月 : 1957.3
・エネルギー : 45kcal/100ml

これを見る限り、コカ・コーラの中には「コカイン(麻薬成分)」のような怪しい成分は入っていないと思われます。

一方で、コカ・コーラに関する都市伝説の中には以下のようなものがあります。

「コカ・コーラ社は香料レシピを公開していないところから、それを知る人物は重役2名だけで1名が突然事故などに遭遇しても存続するために2人が同じ飛行機に搭乗しない。」

調べると確かに、コカ・コーラのフォーミュラ(製造法)は非公開で、その文書は米国アトランタの銀行の金庫に厳重に保管されていました。

具体的には、コカ・コーラの独特の風味を生み出す「香料7x」と呼ばれる成分は、コカ・コーラ社のトップシークレットで、成分を知っているのは最高幹部だけということが分かりました。

(つまり上の都市伝説は全くのデマではありませんでした。)

ちなみに、トップシークレットの「7x」は、レモンやオレンジ・ナツメグ・シナモン・ネロリ・コリアンダーと、"脱コカイン処理されたコカの葉"の7種をアルコール抽出されたものとする情報もあります。

いずれにしても、今もコカ・コーラ社のフォーミュラは非公開なので、香料を含む成分は不明な部分が残り、これがいろんな憶測を生んでいる状態です。

そして2011年2月には、米国のラジオ番組のスタッフがトップシークレットの香料「7x」の調合割合を発見したとして公表しています。

そして、これを基に「オープンコーラ」というコーラが試作されましたが、コカ・コーラ独特のテイストを再現できずに終わりました。

ちなみに、この時のレシピは以下の通りです。

●コーラシロップ
・米国薬局方コカ流エキス 3ドラム
・クエン酸 3オンス
・カフェイン 1オンス
・砂糖 30(単位は不明瞭だが、おそらくポンド)
・水 2.5ガロン
・ライムジュース 2パイント(1クォート)
・バニラ 1オンス
・キャラメル
・カラメル 1.5オンス(より着色するにはそれ以上)
●7X 香料(5ガロンのシロップに対し、2オンス混ぜる)
・アルコール 8オンス
・オレンジオイル 20滴
・レモンオイル 30滴
・ナツメグオイル 10滴
・コリアンダー 5滴
・ネロリ 10滴
・シナモン 10滴

このレシピには「米国薬局方コカ流エキス」というものが書かれていますね。米国薬局方とあるので、さすがにこれには麻薬成分コカインの成分は入ってなさそうです。

以上のことから言えるのは、コカ・コーラにコカの成分が含まれるかどうかは、公開されていなにので分からない。ということになります。

コカ・コーラの歴史(コカ・コーラの「コカ」はコカインのこと?)

コカ・コーラの歴史を遡ると、コカ・コーラは1885年代にアメリカのアトランタで発明されました。

発明者は、ジョージア州コロンバスの薬剤師ジョン・ペンバートン(John Stith Pemberton)で、当初は薬用として飲まれていました。

コカ・コーラという名前は、2種類の主要な原料である「コカの葉」と「コーラの実」から命名されたので、この時点ではコカ・コーラは確かにコカの葉を原料として使っていたと言えます。

ちなみに、コカインはモルヒネ中毒に効くとされ、当初コカ・コーラは「モルヒネやアヘンの中毒に使える」と宣伝され薬局などで売られていたこともあります。

(発明者のジョン・ペンバートン自身もモルヒネ中毒でした。)

というのも、当時はコカインは禁止されておらず、庶民が普通に購入できたのです。

オリジナルのコカ・コーラのレシピでは、8.46mgの麻薬成分コカインを含んでいたとされています。

この後、コカ・コーラは順調に拡大していきますが、ジョン・ペンバートンは体を壊してしまい、たったの1ドルでコカ・コーラの権利を手放してしまいました。

そして、1903年にアメリカ国内で麻薬成分コカイン販売が禁止されると、コカ・コーラ社は原液の処方からコカインを取り除くことで対処しました。

その後は、麻薬成分コカインの代用としてカフェインが使われています。

コカインとは

コカ・コーラの「コカ」はコカインのことって本当?

コカイン(cocaine)は、南アメリカ原産の樹木であるコカから抽出され、日本では「麻薬及び向精神薬取締法」での麻薬に該当します。

南米の一部の国では高山病対策としてお茶として飲まれるなど伝統的に利用され、またボリビアでは鉱山労働者がコカの葉を噛みながら仕事をする習慣があります。

歴史的にコカ茶は日常的な飲み物で、ティーバッグなども売られています。

一方、先進国の大半では、「コカノキ」や「コカの葉」は麻薬原料植物に指定され栽培や流通が厳しく規制されています。

発売当初のコカインはモルヒネ中毒に有効と考えられており、コカイン自体には依存性は無いとされていました。

なので、一般人でもコカインは入手可能で、イギリスの有名デパート「ハロッズ」ではコカインとモルヒネと注射器がセットのギフトボックスが販売されていました。

コカの葉とは

出典: https://funinguide.jp

コカ・コーラの「コカ」はコカインのこと?

コカの葉は、南アメリカ原産の樹木の葉で、コカの葉から麻薬成分であるコカインを抽出できます。

コーラの実とは

出典: http://tomehei.seesaa.net

コーラの実(コーラ・ナッツ)は興奮剤

コーラの実は、アフリカの熱帯雨林原産の樹木であるコーラ(Cola)の種子で、「コーラ・ナッツ」と呼ばれ、カフェインを含みます。

コーラの実を噛むと渋みを感じ、一時的に空腹を減らすことが出来ます。

歴史的にイスラム文化圏では、コーラの実は唯一認められた興奮剤で、アフリカの部族では族長や客にコーラの実が出される事がよくあります。

当初コカ・コーラは、この「コーラ・ナッツ」を原料にしていたので、「コカ・コーラ」と命名されました。

コカインを検出!レッドブル・コーラ事件

微量コカインが検出された「レッドブル・コーラ」事件

出典: http://getnews.jp

コカ・コーラにコカの成分が含まれるかどうかは、不明というか、現在は含まれていないハズですが、

2009年に、エナジードリンクとして売上げ世界第1位の「レッドブル」の姉妹品である「レッドブル・コーラ」から微量のコカインが検出され、ドイツで販売が禁止される事件があり話題になりました。

レッドブル・コーラは、コカの葉を原料にしていますがコカイン成分は排除して製造していると説明されていました。

コカ・コーラに関する都市伝説

今や清涼飲料水の王者とも言えるコカ・コーラには都市伝説的なものがあり、コークロア(Cokelore)という言葉まで生まれています。

(コークロアとは、コカ・コーラにまつわる都市伝説を意味する言葉で、CokeとFolklore(伝承)から造られました。)

コカ・コーラに関する都市伝説には、次のようなものがあります。

・コカインの使用:コカイン成分を除去したコカの葉(香料7x)が使われていると噂されています。

・歯や骨が溶ける:オレンジジュースでも同じ現象は起きます。

・避妊効果がある:実用性はありません。

・コカ・コーラの瓶は女性のボディーラインを参考にした:実際はカカオ豆の形を参考にしたもの。

・コカコーラには辛口と甘口がある:事実ではありません。

・サンタクロースが赤い服を着ているのはコカコーラのCMが元祖:コカコーラのカレンダーにもそうした記述があります。

懐かしいコカコーラのCM

昔なつかしいコカ・コーラのコマーシャルを集めてみました。

コカ・コーラのライバル「ペプシ・コーラ」

ペプシコーラ(Pepsi-Cola)は、1894年にアメリカのノースカロライナ州の薬剤師「ケイレブ・ブラッドハム」が消化不良の治療薬として売り出しました。

当初のペプシ・コーラには消化酵素のペプシンが含まれていたので、「ペプシコーラ」と命名されました。

ペプシ・コーラとコカ・コーラは、この後「コーラ戦争」とよばれる歴史に残る競争を繰り返し、1980年代にはペプシ・コーラのシェアがコカ・コーラを抜き去るという歴史的出来事が起こって、コカ・コーラ社を慌てさせる事態となります。

コーラの薬効成分


コーラには、当初コカイン成分が含まれていましたが、その後コカインの販売が規制されてコカインの代用品としてカフェインが使われるようになりました。

現在のコーラにはカフェインや砂糖が多く含まれるので、大量に摂取すると向精神作用もあります。

カフェインの原料は、初期は「コーラの実」が使われていましたが、現在は茶葉から抽出されるケースが多いですが、一部のコーラにはいまでもコーラの実が使用されています。
 

まとめ

コカ・コーラという名前は、開発当初主要な原料だった「コカの葉」と「コーラの実」から命名されたもので、「コカ」とは、確かにコカインを抽出できるコカの葉を意味するものでした。

しかし、コカイン成分のような麻薬成分の使用は都市伝説と考えるのが妥当ではと感じます。

一方で、コカの葉を原料にするレッドブル・コーラのような商品もあったりするので、コカに興味がある人はレッドブル・コーラがおススメかも知れません。

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