節分の意味や歴史を解説!豆まきや恵方巻きの由来とは?
節分と言えば鬼や豆まき「鬼は外、福は内」の掛け声や恵方巻などがイメージにあります。そんな節分の風習に由来や意味があるのでしょうか。節分に関する疑問をひもとく、歴史的由来やイベント的由来や現在も残る変わった風習や地方で違う風習など詳しくご紹介します。
目次
節分について知ろう!
節分というと2月の初めに豆まきをして「鬼は外、福は内」の掛け声で豆まきをしたり恵方巻を食べたりするイベントや季節の行事という感じのイメージは皆さんお持ちかと思います。
こちらでは、そんな漠然としたイメージはあるけど歴史や由来や意味などあまり知られていない節分について詳しくご紹介してゆきます。
節分の意味や由来、英語で説明する時、節分に関する疑問や地方ごとの変わった風習など順番に見出しがありますので、知りたい項目がある方は目次をご参照ください。
そもそも節分っていつなの?
節分は現在2月3日です。節分の由来や歴史的意味の目次で詳しくご紹介しますが『季節を分ける日=節分』という由来や意味があるので、元々は各季節にも存在する節目でもあるようです。ですが、現在では2月3日が節分とされています。
節分が2月3日というのは2020年までの期間限定のようです。1984年までは、4年に1度の閏年に2月4日で他は2月2日でした。それが1985年からは2月3日に変わったようです。
節分って何で固定されていないんだろうという疑問への答えは旧暦という由来から出ます。
節分は旧暦の立春の前日であり、立春は太陽黄経が315度となる日ということなので、天体の運行に変化があれば日付も変わるようです。つまり、節分は2月3日と定まっているわけではないということです。
節分の意味とは?
雑節と言われる特別な暦日の一つが節分です。雑節には節分の他に、彼岸や八十八夜・入梅などがあります。
雑節の一つである節分の意味は、上でも少し触れましたが『季節を分ける日』です。
日本では春夏秋冬と4つの季節があり、各季節になる日をそれぞれ立春・立夏・立秋・立冬と言います。その前日のことが季節を分ける日=節分にもなりますが、江戸時代以降は立春の前の日のことを特に節分として指すことが一般的なようです。
つまり、現在の節分には『立春の前日であり冬と春の季節の変わり目』という意味もあります。
風習としての節分の意味は次の由来や歴史の目次でも説明をしますが、鬼を祓って福を呼び込むイベントという印象が現在はあります。地方や神社などによって少し変わった風習やイベントもあるようです。多くは、豆まきで鬼をやっつけて恵方巻を食べて福を呼ぶ縁起をかつぐイベントという感じです。
歴史的には、邪気を祓うという意味からのスタートのようです。歴史的な由来については、次の目次で詳しくご説明します。
節分の由来や歴史を解説!
節分には季節を分ける日という由来的な意味があり、元々は4つの季節それぞれに節分があったということが分かりました。
今でも季節の立つ日のことを立春・立夏・立秋・立冬と呼ぶ風習は残っているので、4つの節分が存在しなくなったわけではなく、立春の前日が『節分』という行事・風習として一般化したという感じかなという印象ですね。
そんな節分の由来や歴史に少し触れたいと思います。今では「鬼を退治して福を呼ぶ」という印象がある節分ですが、元々は邪気を祓う行事由来のようです。
かつて日本で使われていた暦=旧暦(太陰太陽暦)では、立春に最も近い新月を元日とする風習がありました。つまり、旧暦では、立春は新年にあたり前日の節分は大晦日になります。
節分のカレンダー的由来としては、旧暦の大晦日が由来とも言えます。
季節の変わり目は邪気=鬼が生じるという考え方があり、それを祓う目的で歴史的にも様々な風習がありました。地方に変わった節分の風習が残っているのは、この「祓う」儀式が地方で違うことに由来する部分もあるようです。
節分の由来としては、古く中国にはじまり、日本では平安時代706年に朝廷で行われた「追儺(ついな)」という儀式があったようです。
追儺(ついな)とは邪気を祓う儀式のようです。この追儺(ついな)という儀式が社寺・民間でも行われるようになり、一般化していったというのが今の日本の節分の原点・由来とも言えます。
朝廷では土の人形や土牛を、大寒の前夜から節分の夜まで門に立てるような儀式があり、それが一般化して広まるところで、鬼を祓う方法も一般的に取り入れやすい風習に変化してゆきます。今の節分行事の直接的由来としては、一般的に広まった風習が由来とも言えます。
豆まきの風習は古くから日本で執り行われていたようです。豆まきが古くからされていたという由来は、室町時代1425年節分に公家や武家で豆まきの風習についての記載がある文献に由来します。
節分を英語で言うと?
節分は古く中国から日本にもたらされた邪気払いの大晦日の行事という由来がありました。由来の原点としては中国にあるようですが、今の節分の由来は日本の朝廷から一般化した時の風習が少し形を変えて残っているような印象でした。
節分の原点的由来は中国ですが中国で節分に豆まきをする風習はないようで節分という行事は日本固有のもののようです。英語で説明するとどうなるのでしょうか。
節分=setsubunのようです。ですが、これだけでは伝わらないでしょう。何かの固有名詞ということは伝わっても内容は伝わりません。もし外国の方に節分を説明するならばの例文をご紹介します。
節分を季節的な意味合いで伝える言い方として、
・the close of winter
・the last day of winter
などがあるようです。
行事やイベントの内容を伝える言い方として「Bean-Throwing Festival(豆を投げる祭)」や「The Setsubun Festival」などいかがでしょう。ただ、外国で節分を知っている人は少ないので、できればどんなことをする日なのか伝統的な行事なんですよということを伝えるならば少し長い文で説明する必要があるようです。
節分を説明するための例文
・Today is a holiday to celebrate the coming of spring.
今日は春の日が来たことを祝う日です。
・It involves a tradition of throwing roasted soy beans.
大豆を巻く風習があります。
・People throw and scatter roasted soy beans inside and outside their houses
炒った大豆のを家の外と中に撒きます。
・Setsubun is an event held to pray for a happy and healthy life.
節分は幸せと健康を願う行事です。
節分のあるある疑問を3つ解決!
節分が邪気払いを由来の一つに含む風習であることは分かりましたが、豆まきや恵方巻などが邪気=鬼を祓うことと何か関係があるのかどうかというと疑問でもあります。こちらでは節分の疑問について由来なども含めてご紹介します。
恵方巻きとの関係は?
節分の由来が古く中国からということに比べると「恵方巻」の由来はつい最近のことのようです。豆まき同様に、そのイベントで福が呼べるのかどうかという疑問も感じる恵方巻丸かじり説はどういった経緯で節分と結びついたのでしょうか。
「恵方巻」という呼び名が付いたのは、1989年セブン-イレブンが限定メニューとして仕掛けたことに由来します。つまり「恵方巻」の歴史は20年ほどで、商戦アイテムとして誕生したということが由来になります。
仕掛け販売の商戦アイテム「恵方巻」に縁起や歴史があるのか疑問を持ちますが、節分=巻寿司の由来はあるようです。
その由来は、節分に恵方を向いて巻寿司を食べ福を呼ぶ習慣が大阪にあったようです。それをセブン-イレブンが「恵方巻」と称して販売したというのが、恵方巻が全国に広まった由来と言えます。
大阪など地方の一部でされていた『巻寿司を恵方を向いて食べ福を呼ぶという風習』の由来を少しご紹介します。
恵方巻が全国的に広まる前に、巻寿司を恵方を向いて食べ福を呼ぶという風習は大阪近郊や西日本の一部にあったようです。その由来は噂や憶測程度のものなど諸説あるとされています。
由来1:幕末から明治時代初頭、大阪で商売繁盛・無病息災・家内円満を願ったという説
由来2:色街で女性が階段に立って巻寿司を丸ごと食べたら願いがかなったという説
由来3:江戸時代中頃に旬の香の物入りの巻き寿司を丸ごと恵方を向いて食べ縁起をかついだという説
由来4:戦国時代の武将が節分の日に丸ごと巻寿司を食べて出陣し戦に勝ったという説
他にも巻寿司を丸ごと食べ福を呼ぶ風習の由来は諸説ありますが、上に上げた由来1~由来4を含むどの説も確証がないと言われています。ですがどの説にも願いが叶うとか勝つとか良いことが起きたり願ったりといった「福」を呼ぶことに縁起を担いでいる印象があります。
商戦アイテムとしても古い風習だとしても、縁起をかついだという由来はあると言えます。恵方巻を節分のイベント食として楽しむというのが、現在の恵方巻のポジションなのかもしれません。
豆まきをする理由は?
鬼に豆を投げつけるだけで退治できるのかどうかという疑問を持ったことがある方、いらっしゃるのではないかと思います。節分に豆まきをするという現実には威力ないのではという疑問ある「鬼退治」イベントは、語呂合わせという由来があるようです。
節分に豆まきをすることの由来は「魔目(まめ)」「魔滅(まめ)」との語呂合わせという説や、「穀物に生命力と魔除けの呪力がある」という信仰にも由来するようです。
昔話に、毘沙門天のお告げで大豆を鬼の目に投げつけて鬼を退治できたという話が残っていることにも由来があるようです。
また、豆まきに使う豆は生豆ではダメとされています。というのも、拾い忘れた豆から芽が出ると縁起が悪いとされています。祓ったはずの豆から芽が出ては邪気や悪い物を追い出せていないという考え方です。
拾った豆を食べて鬼を封じるという考え方もあるので、豆まきには炒った豆を使い、邪気や鬼を祓って家に福を呼び込みましょう。
外国にも節分はあるの?
上でご説明したように、節分の由来は古く中国にあります。中国に豆をまく行事があるかどうかという疑問ですが、中国では節分に豆まきをしたり巻寿司を食べたりといった風習はありません。
古く中国に由来がある節分ですが、日本の節分は、中国では「春節」という新年を祝う時期と重なります。上で説明したように、節分は旧暦では大晦日になります。「年末年始」を中国では旧暦で祝う風習が残っているということです。
中国の春節と言えば爆竹が有名です。春節での爆竹は鬼を祓う魔除けの意味があるようです。爆竹の大きな音で鬼を追い払うという意味で春節の爆竹は、日本の節分に置き換えると豆まきと同じカテゴリーのイベントと言えるようです。
意外にも知られていない『柊鰯』との関係は?
柊鰯は「ひいらぎいわし」と読みます。柊の枝に鰯の頭を刺したもので、それを戸口などに魔除けとして飾る(刺す)風習が節分にあります。
柊鰯の風習は豆まきと同様に、宮中行事が一般的になった頃から続く節分の魔除けアイテムのようです。
柊鰯は地方によって変わった風習もあるようです。
節分の柊鰯の変わった風習として、愛媛県地方ではタラノキにトベラやヒイラギの葉と煮干しをまとめた「鬼ぐい」を戸口につるすという、少し変わった風習があるようです。
山口県の一部の地方にもタラノキや山椒の枝にトベラやすすきを刺して節分の魔除けとする少し変わった風習が残っているようです。
【番外編】地方の面白い節分の風習3選!
節分って何でやるんだろうと感じていた疑問や節分が歴史ある日本の風習であることや恵方巻が案外新しい風習ということが分かってきました。また、地方によって変わった柊鰯がありましたが、他にも地方によって変わった風習があるようです。
北海道では落花生が使われる?
北海道では節分に落花生が使われていると言われています。
他にも豆以外の変わったものをまく地方に、東北や北陸や南九州の家庭では落花生がまかれていたり、寺社や地方によって餅や菓子やみかんなどをまく地方もあるようです。これは、汚れないとか地面に落ちても拾いやすいといった合理的なことで選ばれている場合もあるようです。
近頃、スーパーでは大豆だけではなく落花生を福豆や節分用に販売しているのを見かけることがあります。
ピーナツにはアレルギー問題もあるので、合理性だけで選ぶにはリスキーさもあります。ですが、地面に落ちたものを食べるという一点のみなら、殻付きの落花生の方が心理的に拾いやすいということは確かと言えます。
千葉や静岡などで行われている目籠という風習
目籠や篭目には六芒星があり、それ自体に邪気を祓う力があるという考え方があります。そんな祓う意味もある「籠」を使った節分の飾りが一部の地方では残っているようです。
千葉県には、節分に目籠を逆さまにして竹竿に吊るす風習があるようです。鰯の飾りもするようですが愛媛などと少し変わった飾りのようです。鰯の頭を大豆の枝に刺しヒイラギとグミの枝を束ねて門口に刺すようです。
静岡県の一部地方には、目籠にハナノキとビンカを結び付け竹竿に吊るす風習が残っているようです。他にも節分の変わった風習に、軒先高くに掲げて鬼を払う「鬼おどし」と言われる風習もあるようです。
群馬県の鬼石地域では「福は内、鬼は内」
群馬県の鬼石地方では「鬼恋節分祭」というお祭りがあるようです。合併で消滅した鬼石町の名にちなんで、「福は内、鬼は内」という掛け声で節分が執り行われているようです。
「全国で追い出された鬼さんいらっしゃい!」という掛け声でするイベントも、そのお祭りではあるんだそうです。例年2月3日以降の近い土曜日に開催されているようなので、興味のある方は節分のお出かけにいかがでしょう。
節分を知って、楽しい時間を過ごそう!
節分には、古く中国を由来とする歴史的な背景やコンビニの仕掛けで始まった恵方巻、地方によって変わった風習など、色々なことが含まれていました。豆まきをして恵方巻を食べてお腹いっぱいで終わるイベントと言うわけではなかった、と言うわけです。
古くから邪気を払う行事ではありましたので、邪気を払って福を呼び込み縁起をかつぐというイベントとして節分を楽しみましょう。