長野の方言26選!日常会話でよく使うものから珍しいものまで!
長野の方言には他府県の人が聞いても全く意味が分からない言葉から、なんとなくニュアンスが伝わるといったものまでさまざまな言葉があります。今回は長野で使われている方言について、日常会話でよく使うものから珍しい言い回しのものまで大紹介します。
目次
長野の方言はどんなものがあるの?
本州のほぼ中央に位置し、豊かな自然が広がる長野県の会話に使われる方言には、どんな言葉があるのでしょうか?
長野県は大きく分けて、北信・東信・中信・南信の4つの地方に分けられます。同じ長野県でも、地域ごとに使われる方言が違うということあります。
女の子が方言を話していると、とても可愛いと少し前から話題になっていますが、長野県の方言もとても可愛くて珍しい言い回しが沢山あります。今回はその長野県の方言について紹介します。
長野の地理や似ている方言は?
長野県は大きく分けて北信、南信、東信、中信の4つの地域に分けられます。北信地方では、新潟地方の方言が入り、東信地方では、群馬県地方の方言が混ざっています。中信・南信では、静岡県や岐阜県、愛媛県の方言と似ていると言われています。
長野の方言【日常会話編】15選!
他府県の人が長野の日常会話を聞いたら、全く意味が分からないといった事もあるかもしれません。長野の日常会話では珍しい方言も使われていて、良く聞くと分るものから、全く分らない珍しい方言まで様々です。ここでは長野の日常会話で見られる方言を紹介します。
微妙なニュアンスを持つ「ずく」
長野で使われる「ずく」という言葉は「根性・根気・辛抱強さ」などを表す言葉ですが、長野の「ずく」を標準語に訳するのはとても難しいニュアンスの言葉です。「ずく無し」はやらなければいけない事をグズグズと面倒がってしない人といったニュアンスの言葉になります。
逆に、面倒なことをあえてするような時は、「ずくを出す」というようにずくを使います。「ずくある」と言えば根性があるといったニュアンスになります。「ずく」は長野特有の言い回しで、この方言を使った「ずく餅」という商品も長野では販売されています。
他県民には通じない独自の言い方「なから」
「なから」という長野の方言は「だいたい」というニュアンスで使います。「なから合ってる」というのは「だいたい合っている」という意味になります。長野ではテレビでアナウンサーが使うこともあり、これを長野の方言だと知らずに会話に使っている人は意外に多いと言われています。
「超」と同じ意味の「めた」
「やたら」とか「ますます」などの意味で使われる言葉が「めた」です。超かわいいなどの「超」の部分に当たるのが「めた」という言葉になります。良く日常で女の子が使う「超かわいい」は、長野の方言では「めたかわいい」という風になります。
繁盛しているという意味の「さかってる」
長野でお店が繁盛している様子を「さかってる」と言います。猫などが発情する様子を「さかっている」ということもありますが、長野県で発情する意味は「たけってる」と言います。「さかってる」は長野では全く違う意味の言葉として使われています。
色んな活用形がある「こじくれる」
拗ねるは長野の方言では「こじくれる」といいます。こじくれるには色々な活用形があります。例えば「こじくれた」や「こじられた」などの活用形があります。どちらも「拗ねられた」という意味ですが、活用形が豊富なため、いろいろな形に変形して使われます。
他県民には絶対わからない「べとびちゃってきて」
「べとびちゃってきて」は他県の人にはさっぱり意味がわからない珍しい方言でしょう。「べと」には土という意味があり、「びちゃる」は捨てるという意味の方言です。つまり、「べとびちゃってきて」は「土を捨ててきて」という長野の方言となります。
日常会話で何気なく出てきても全く意味が分からないため、長野県以外の人は困った反応をしてしまうでしょう。
寒いという意味の「かんじる」
「かんじる」と言われると、何を感じたんだろうと考えてしまいますが、この「かんじる」という言葉は長野では寒さを表す言葉です。寒さが身に染みるというような全身の寒さを表す言い回しで、手がかじかむというような体の一部が寒い時にはこの言い回しは使いません。
慢性的な疲れには「ごしたい」
「ごしたい」は「疲れた」の意味で使われる方言ですが、慢性的な疲れを表す時にも「ごしたい」を使います。とても疲れているときには「えらいごしたい」という風に言い回しをします。また「気だるい・面倒臭い」といった意味にも使われることがあります。
走るという意味の「飛ぶ」
「飛ぶ」は「鳥が飛ぶ」など宙を飛ぶ意味で使われますが、長野では「走る」の意味で使われます。「飛んで行く」は「走って行く」です。「飛んで来い!」と言われれば「(すぐに)走って来い!」という意味になります。
全然だめという意味の「めたいけねーわ」
「めた」は先に説明したように「とても・余計に」といった「超」にあたる言い回しです。「めたいけねーわ」は「全然だめだ」という意味になり、「めた」によって「だめ」を強調している言葉となります。
調子に乗るという意味の「いきれる」
「いきれる」は主に南信で使われている方言で「調子に乗る」といった意味があります。また、北信・東信・中信地方では「蒸し暑くなる・濡れる」の意味の言葉として使われることがあります。
大人びているという意味の「くねっぽい」
「くねっぽい」は主に南信や中信で使われている方言で、「大人っぽい」を意味する言葉です。「くねる」には大人びるという意味があることから、「くねっぽい」は「大人っぽい」の意味になります。先に説明した「めた」とあわせて「めたくねっぽい」という風に使うこともあります。
ごちそうさまの意味の「いただきました」
「いただきました」は「ごちそうさま」にあたる言葉です。主に北信や中信で使われる方言となります。食べる前に「いただきます」と言って食べますが、「いただきました」はいただきますに対応させている言葉と考えられます。
ただいまの意味の「いってきました」
「いってきました」も「いただきました」と同様に行ってきますに対応させた言葉と考えられます。そのため「行ってきました」は「ただいま」を意味する方言です。長野では帰宅時には「行ってきました」と挨拶をするのです。
いらっしゃってという意味の「おいでて」
長野の方言で「おいでて」と言うのは「いらっしゃって」という意味になります。長野の旅行雑誌や旅行のキャッチフレーズには「おいでて」がたくさん使われており、「~においでて」は「~にいらっしゃって」という意味の言葉となります。
長野の方言【語尾編】6選!
長野には語尾に使う方言が多くあります。中には長野以外の人が聞いてもなんとなく意味が分かるものから珍しい表現のものまで様々です。ここでは語尾で使う長野の方言について6つ紹介します。
語尾につけて使う「ずら」
語尾につけて使う「ずら」は東信や中信、南信の地方で使われる方言で、「推量・同意・確認」を表す語尾の一種です。「~だろう」という意味があり、「(雨が)振るずら」と言えば「(雨が)振るだろう」という推測に当たる方言となります。
「ずら」は長野の方言として紹介をしていますが、静岡や山梨、愛知県などでも「ずら」は使われています。静岡で「ずら」は年配の人が使う傾向が強い言葉となっています。山梨と愛知県で「ずら」を使う地域は限定をされているようです。
語尾に「ずら」が付くとかわいい感じがして、優しい独特なニュアンスを感じる言葉ですね。
語尾につける「だ」「だだ」
「だ」や「だだ」という長野の方言は、語尾につけることで疑問形を表す言葉です。例えば「何をしていたの?」と聞く場合は「何をしてただ?」となります。語尾に「だ」や「だだ」が付くと優しい雰囲気になりますね。
同意を示す時に使う「ら~?」
~でしょ?という同意を表す言葉として使われるのが「~ら」という言葉です。この方言は長野だけでなく山梨や静岡でも広く使われており、「面白いら?」というのは「おもしろいでしょ?」という同意を表す言葉となります。
「かなぁ」という意味の「~かや」
語尾に「~かや」をつけるとことで「~かなあ?」という疑問形で使われるます。どうかなあ?という伺いを立てるような場面で使うため日常会話では度々登場しますが、最近の若い人たちはあまり使わない方言となってきています。
「ですよ」という意味の「だに」
語尾に「だに」をつけると「~なんですよ」という意味になります。例えば「野菜は体にいいんですよ」という言葉を方言にすると「野菜は体にいいんだに」となります。おばあちゃんが小さな子に諭す時に使いそうな言葉ですね。
強い肯定の意味の「ず」
標準語では打ち消しで使われることの多い「ず」という言葉ですが、長野では強い肯定の意味で使われます。「買い物に行かず」といえば「買い物行こう」という強い誘い方を意味する長野の方言となります。
長野の方言【珍しい方言編】5選!
ここでは長野で使われる珍しい方言について解説します。若い人が中心となって使う方言の「するしない」といった珍しい方言もあるので、参考にしてみましょう。
「あげる」という意味の「くれる」
長野では「あげる」を「くれる」と言います。たとえば、学校の当番などの「エサやり当番」は「エサくれ当番」になります。文章で見るとなんとなく意味は分かりますが、「くれる」だけ単体で見ると意味を取り違えてしまいそうですね。
「ふざける」という意味の「あくされる」
「あくされる」は「ふざける」という意味の方言です。「あくされるな!」と言われればそれは「ふざけるな!」と注意されていることになります。なんだか「ふて腐れる」といった言葉と間違えそうな方言ですね。
「とりあえず」という意味の「ときに」
「ときに」は東信や中信で使われる「とりあえず」や「当座に」という意味の方言となります。「ときにいいんじゃない」と言われれば、それは「とりあえずいいんじゃない」という意味の方言となります。
りんごの名産地ならではの方言「ボケる」
長野はりんごの名産地です。そのりんごの旬が過ぎてしまい、食感が悪くなってしまったものを「ぼける」という珍しい表現を使って表します。「りんごがぼける」というのは「りんごの食感が悪くなった」という意味を表すりんごの名産地ならではの方言です。
不思議な言い回しの「~するしない?」
長野には「~するしない」という不思議の言い回しの方言があります。「何かを(一緒に)しない?」と誘う時にも「するしない」を使いますし、「~するよね?」という同意を求める時にも「するしない」を使います。「するしない」と言われると、どっちなんだと不思議な気分になる人もいるでしょう。
「~するしない」は、例えば遊びに誘う時などに「遊びに行くしない?」と聞きます。「するしない」は若者が使う比較的新しい長野の方言として定着しました。その為お年寄りなど一定の年齢の以上の人たちは「するしない」をあまり使わない傾向にあります。
長野の方言や言い回しを覚えよう!他県民が驚くような方言も!
長野には可愛らしいニュアンスの方言や、全く意味が分からない珍しい方言が沢山あります。中には使う年代が限られている方言もありますが、どれも優しいニュアンスの言葉となっています。
ぜひこちらの記事を参考に、長野に伝わる方言や言い回しを覚えてみましょう。