『情事』の意味や使い方とは?四字熟語・慣用句も紹介!
情事って具体的にどんな意味のある言葉なのでしょうか。「○○の情事」とか「情事」なんていう映画や小説のタイトルを見たことがあるという方も多いはずです。そんな情事の意味や使い方や類語や同じ意味を含む慣用句や四字熟語など詳しくご紹介します。
目次
『情事』の意味って何?
情事というと古い小説や刑事系ドラマのセリフなどに出てくる単語のイメージがありますがいかがでしょう。普段の会話には出てはきませんよね。日常での使い方があまり思い浮かばない言葉が『情事』でもあります。
情事の意味は『恋愛に関する事柄を示す』という意味の言葉のようです。こちらでは、情事の意味や語源・英語・使い方や例文など詳しくご紹介してゆきます。
愛人同士の関係
情事の意味は恋愛に関する事柄であるようですが、特に愛人や不倫などの関係にある男女の恋愛を示す時に使われることが多い言葉です。つまり「恋人との情事」にはあまりならず、「愛人との情事」「不倫相手との情事」の方が意味もはまる言葉です。
秘密がある関係性
つまり情事は、世間一般に堂々と会うことができないだろう関係の男女の恋愛を意味する言葉として使われることが多いようです。密室で会うとか隠れて会うということを暗に匂わせている・意味している言葉が情事でもあります。
情事には『恋愛に関する事柄』以外に『夫婦関係以外との肉体関係(=不倫)』『色恋』などの意味があります。不倫関係の男女の肉体関係や色恋という意味が情事には含まれていて、もっぱらそちらの意味合いで使われることが多いと言えます。
『情事』の語源は?
『情事』は『事情』と同じ意味の言葉だったようです。今でも国語辞典などの情事の意味に『事情』と記載があるものもあるので、『だった』と言うのが正しいのかどうか難しいところですが、情事の語源は事情と言えなくもないようです。
この『情事』の語源とされる『事情』の意味は『ありのままの事柄・事の成り行きや様子』です。事情聴取という言葉を刑事系ドラマで耳にしたことがある方も多いと思います。噛み砕いて言うと『どんなことがあったのかという詳しい話』という意味が事情ですよね。
普段の会話でも「事情を聞いたら納得した」とか「近ごろの婚活事情」というような使い方で登場することもあるでしょう。
語源としてはその事情が転じて、男女間の秘めた恋愛・色恋関係の時のみを情事と言うようになったということなのかなと思われます。
語源に肉体関係=セックスが含まれていたかどうかなのですが、昔の日本ではセックスを「よとぎ」とか「まぐわい」などと言っていたようなので、肉体関係だけを示す言葉が語源にあったというわけではないようです。
『事情』を『情事』の語源と仮定すると、ことのなりゆきや様子など関係性の全てを示すという意味があったはずです。今は『事情』という語源的意味合いからは離れて、不倫カップルの肉体関係を意味している印象が強いようです。
『情事』を使い方と例文10選!
こちらでは情事の使い方として例文を10個ご紹介します。
①情事から手を引く
例文:このままずるずると関係を続けるかどうか悩んで、情事から手を引くことに決めた。
この例文の意味は、そろそろ不倫を清算しようと決めたということですね。きっと、正しい判断です。
②ちょっとした情事
例文:同窓会でちょっとした情事に誘われてしまった。
不倫という恋愛に巻き込まれないように、相手に恋人や家庭がないかどうか確認してから進むことをおすすめします。ちょっとした情事ですから1回だけという軽い遊びということもあるのでしょう。判断は個人個人の心で判定してください。
③秘密の情事
例文:隣の部の○○さんと取引先の□□さんは、秘密の情事にふけっているらしい。
情事そのものが秘密のことが多いので重ねて秘密を使っているため、誰にも絶対に言えない関係を匂わせているとも考えられます。秘密の情事とは、まさに隠れて秘密に行う男女の関係・不倫の表現と言えます。
④情事に長けた人
例文:あの人は情事に長けた人だ
そんな表現をズバッとされることもあまりないでしょう。飲んだ後の夜中の猥談に出てくる会話でしょうか。意味は、遊び人とか不倫上手な人とかセックスの上手い人など、暗に含んでいるようですがいかがでしょう。
⑤情事にかけては、彼に勝てる人はいない
例文:聞いた話によると、情事にかけて彼に勝てる人はいないらしいよ。
④の例文と同じように、こんな会話は深夜の会話と思えます。情事=不倫やセックスに長けていて、彼ほど上手く不倫を隠してやりとげる人は他にいないということではないでしょうか。単にテクニックが上手いという話かもしれませんが、前後の文脈で意味が少しズレる感じの表現ではあります。
⑥金と情事はしっかりしなさい
例文:情事にかまけているのは知ってたけど、金と情事は分けてしっかりしなさいよ
お姉さん的な人からの助言とも取れるセリフですね。金の切れ目が縁の切れ目と言う言葉もあります。不倫もお金がかかるものです。情事は情事、お金はお金と分けて考えて管理しておかないと、不倫の恋愛にはまってお金をつぎ込んでしまっては家族や恋人にバレるまで秒読み段階かもしれません。
⑦情事の顛末
例文:あの人、不倫してたんだって。情事の顛末、聞いた?
知人友人や近所で噂になっている会話ですね。隠していたはずの不倫が周囲にバレてしまっています。顛末の意味は、一部始終です。情事の顛末の話とは、不倫の始まりから終わりまでの事情の全てという意味になります。
⑧それは情事にすぎない
例文:それは情事にすぎないのだから、本気じゃないんだよ。
『情事にすぎない』という意味は『ただの不倫・ただの肉体関係』と言う言い分です。勝手な言い分ですよね。不倫している相手も不倫された相手どちらにしても言われた人はあまり良い気分にはならない意味のセリフでしょう。
⑨新しい情事が始まった
例文:前の人とは別れたんだけど、新しい情事が始まったんだ。
意味は、新しい不倫・浮気相手ができたという意味でしょう。情事と言うくらいですから、恋人ではないはずです。恋人との関係ならば『情事』なんて言葉は使わず、彼女ができたとか彼氏ができたという表現になるでしょう。堂々と言って良い話題ではありません。
⑩男と女の情事
例文:男と女の情事は2人にしかわからないことがある
もちろん、情事などという秘密の関係にふけっているわけですから、堂々と外を歩けることはあまりないでしょう。男女の情事は秘め事ですから、それが不倫や浮気相手ならばなおさら秘密のことが多く他の人からはその2人の関係性をうかがい知ることはできないでしょう。
『情事』の類語を3つ紹介!
情事という言葉は例文で見ると意味もなんとなく想像しやすく、聞いたことがある見たことがあるという方も多いのではないでしょうか。こちらでは、情事の類語を3つご紹介します。
色事(いろごと)
情事の類語の1つ『色事』は、いわゆる男女の肉体関係を意味します。色事=情事という意味もあります。色っぽいという言葉でも意味するように「色」というと「女」とか「肉体的な関係」とかを連想したり意味したりする言葉でもあります。
情事と少し違うのは、色事は色恋などと同じで恋愛での情事も意味しています。不倫での肉体関係とか男女の関係を情事と言う印象ですが、色事は不倫でも恋愛関係でも使うことのある言葉なのかなという印象です。
不義(ふぎ)
情事の類語の1つ不義は不義理を働くという意味です。男女の関係で不義を使うと不倫のことになります。義理(=義)が無い(=不)行いという意味が文字にも見受けられます。ですから、色事や色恋などよりも、不義という言葉の意味の方が情事に近い意味がある印象です。
ただの不倫や情事と違って、不義の方が言葉として重みがある印象ですね。ただの秘密の男女の関係という以上にとても義理に欠いた関係を想像してしまいますがいかがでしょうか。
情交(じょうこう)
情事の類語の1つ情交は『心を許した親しい間柄』という意味も持つ言葉でもあります。ですが情事の類語に上がるほど今では肉体関係のある男女の秘密の色恋に関して使われる印象が強い言葉です。
例文:先生と情交を交わした。
何十年も前ならば、この例文を見ても『親身になってくれる先生がいて親友のような親戚のような付き合いができているのだろう』と解釈できたのでしょうが、今は新聞沙汰になる印象ですね。
つまり、情交と言うと今では男女の親密な恋愛関係を意味することが多い言葉のようです。ただの付き合いではなく肉体関係を匂わせる言葉という意味で、情事の類語と言えます。
『情事』を連想させる四字熟語や慣用句5選
情事の類語は男女の肉体関係を匂わせる意味を含む言葉でした。こちらでは情事を連想させる熟語や慣用句を5つご紹介します。
①慇懃を通じる
「史記」司馬相如伝を語源とする慣用句です。男女が秘密裏に情交を結ぶことを意味する慣用句です。意味の説明に類語の「情交」が出ています。つまり男女が密会する=秘密の情事におよぶという意味の慣用句です。
②浮名を流す
浮名を流すという慣用句は良くない表現として生まれたようです。『色恋に関する良くない評判を立てられる』という意味があるようです。
色っぽいセクシーな男女どちらにも「浮名を流す~」という表現がからかい半分で出てくることもあるので、とても悪いということではない印象もあります。
モテるという意味での使い方もされることがありますが、言われて喜んでよい意味の慣用句ではないようですね。
③情を通じる
この慣用句の『情』はいわゆる『お情け』とか『色恋での情交』という意味が含まれています。
例文:2年情を通じている
と言うと、誰かとこっそり肉体関係がありますという意味合いが含まれている印象です。情報戦の『情』の意味の場合もあるようです。「ライバル社の○○と部下の□□が情を通じていた疑いがある」というと、情報を流しあっていたという意味ということもあるようです。
④惚れた腫れた
「惚れた腫れたで付き合えるなんて若いうちだけよ」などと言う使い方がされる惚れた腫れたという言葉の意味は、恋愛・色恋です。
情交や情事という濃厚な男女の関係より少しソフトな印象もあります。「惚れた腫れた」は純粋な恋愛感情も含む男女の関係を示す意味のある言葉と言えます。
⑤落花流水
落花流水は恋愛事情を綺麗に表現した言葉です。
花びらが散ったり落ちたりするのは当たり前で、落ちてきた花びらを流れに乗せるのも流れる水としては当たり前。花も落ちて身を流れに任せたいし水は落ちた花を流れに乗せたいという情景が恋愛の事情に転じた四字熟語のようです。
意味は『男女どちらかに相手を想う気持ちがあれば、相手も同じ気持ちが自然と生まれて、気持ちは通じるもの』という意味合いがあります。出会い多く流れも急な現代では相手を少し想ったくらいで通じるということはあまりありませんが、情事という言葉で表現するよりも綺麗な表現とも言えます。
『情事』を英語で言うと?
情事を英語で表現する単語は「affair」で良いようです。「affair」に関する例文を2つ上げてご紹介します。
英語例文: I would never have an affair! (私は絶対に浮気はしない!)
英語では「affair」や「an affair」には不倫という意味が含まれるようです。
・英語例文:Their affair lasted for three months.(彼女たちの恋愛は3ヶ月続いた)
この英語例文の場合は不倫は含まないこともあるようです。恋愛やロマンスのようなお話を「love affair」と英語で表現することもあるようです。
また、affairという英語には「事件」や「出来事」「スキャンダル」などの意味もあり、ビジネス会話での使い方もあるようなので、前後の文脈や会話の内容によっては情事や不倫の意味ではないこともあるようです。
『情事』を知って、知識を増やそう!
現実には不倫はいかがなものかと思いますが、『情事』は類語や似た表現の慣用句や四字熟語などがある言葉でした。落花流水という四字熟語が、情景が浮かぶきれいな表現の一つだなと感じましたがいかがでしょう。英語の情事にあたる「affair」は前後の文脈や会話の内容に注意して聞いた方が良いようです。