『性』の意味とは？性欲・性行為・性的関係など性に関する疑問まとめ！

「性」という言葉は、古くから日本に存在し、下記でもお伝えしますが「生まれつき、さが」という意味で使われていました。今でも、十分通用する意味で、理解ができますね。明治に入ってからは、英語の辞書でsexやsexualityの訳語のなかに、「性」と言う語が登場し、明治後半の1910年頃には、「性」という語が一語でsexやsexualityの意味で使われるようになったようです。

英語圏では、sexは性差を表し、sexualityには性差という意味は強調されておらず、性欲や性的指向、性行動といった内容が強調され、使い方は明確化されています。一方、日本においては、sexualityの意味が曖昧で、その使い方が明確になっておらず、「性」という言葉は、性交という性的な行動として性＝セックス＝性交と連想されやすい傾向にあります。

「性」には、genderとしての意味もあります。genderとは、生物学的な性別を示すセックスだけではなく男らしさ、女らしさ文化的、社会的側面からみた性のことを言います。また、性的指向性に同じということもあり、この意味においても、性はつくられたものであって、受動的なものという含意があります。

以上のことにより、日本語の概念としての「性」には、「生まれつきの性」としての意味を残しながら、性＝sex,sexuality,genderとしての意味が新たに加わるなど複数の意味が内包されています。

「性（さが）」の意味は、（自分ではどうしようもない）生まれつきや性質です。「かなしき性」などと言います。また、常のならわしや運命という意味もあり、例えば「世の性」などと言うことができます。

「男の性」と言う言葉はよく使われていますが、それは、男性が生まれ持っている欲求や野望、性向という意味合いで用いられている表現です。男性が美しい女性が通るとつい目で追うといったような、性的欲求に関連を示すことが多いようです。

また、「女の性」という言い方もあります。女性が生まれながらに備えている女性ならではの、容易には抗いがたい種類の欲求を示す意味合いで用いられる表現です。例えば、幼い子どもを養護したい、愛しい男性の間に子どもを授かりたいという、母性的な衝動に用いられることが多くあります。

性（しょう）の意味や使われ方は、以下の通りです。

1, 生まれつきの性質、持って生まれた性分です。「性が合う」「凝り性」などと言います。

2, そのもののもともとのたち、本来の性質、品質を言います。「荒れ性」「冷え性」などと言います。

3, 根性、魂、性根のことを言います。

4, 陰陽道（おんようどう）木、火、土、金、水の五行を人の生まれた年月日に配したものです。これによって吉凶を占います。

5, 仏語。あらゆるものが生来備えていて、そとからの影響によって変わることのない本質、本性、自性のことを言います。

6, 習性、ならいのことを言います。

『性』の意味は、物事のありさま、生まれつきの人柄や心理のありさま、男性や女性の区別、子孫を残すために異性（稀に同性）を求める本能を指します。

恋愛では主に、異性（稀に同性）を求める本能や、それにまつわる心理や行為など全体を抽象的に指す概念として用いられます。性産業、性行為、性の芽生えという言葉もあります。

男性と女性の性欲を比較した場合、男性の方が性欲が強いと誤解されがちですが、その内容も感じ方も違うため、比較は難しいのです。ただ、男性の方が直接的であり肉欲的であり、女性は密接に性欲と精神が結びついているという傾向があります。

女性の方が、精神的な経緯や性的なイメージを欲していたり、愛されているか、安心や信頼があるか、などの精神的なハードルが性欲の前に存在していて、一見すると女性の方が性欲が弱いように見受けられます。

結婚前に肉体関係を持つには、妊娠の可能性や精神的に受けるダメージが男性と女性では、女性の方が強く、開放されるまでのクリアされる障壁が高いという実情があります。そうしたことを考えると、性欲が強い弱いの比較が難しい面があります。

「性行為」とは、欲に基づいた行動です。生殖行為、性交、セックスと言い変えられます。ただし、生殖行為を伴わない場合でも、範囲や定義こそ曖昧ではありますが、二者（またはそれ以上）で行われる性欲を満たすための直接的な行為は「性行為」と呼ばれます。それに対して、痴漢行為などの一方的で間接的な行為は、一般的には「性行為」とは呼ばれません。

日本では、結婚する前のセックス（婚前交渉）も許容されています。結婚前のセックスにより、望まない妊娠や、性交渉の低年齢化、性感染症の拡大など様々な社会問題を生み、結婚前のセックスを望まない女性も多くいます。

しかし、結婚前のセックスが常識と化している状況下でセックスを拒否し続けることは、価値が高いと感じられる男性と交際することや関係を維持していくことに（他の女性との競争力に）著しく不利が生じる為、社会の風潮に逆らうことが難しいというのが現実です。

一般的には、性交渉を交わした二人の関係性や、その行為そのものを遠回しに表現した言葉です。「男と女の仲」や「男女の関係」という言葉とほぼ同義です。「性的関係を持った」「男女の仲になった」「男女の関係になった」というのは、いずれも性行為を交わした、あるいは、性行為を交わす関係になったということを暗に意味しています。

「性の嗜好性」とは何か。嗜好性という意味から説明しますと、言うまでもなく嗜好に接尾辞の性が付いた語で、「たしなみ・好み」という意味です。

ですから、「性の嗜好性」とは、性の好みということになります。「性の嗜好性」とは「性的嗜好」とも言われ、ある物や人、行動に対して性的興奮を覚えるような好み、こだわりを持つことを指します。性的嗜好は、後天的に得られるものだと言われています。性的な欲望を抱く対象に関する好みという意味です。

フェチという言葉なら聞いたことが多いのではないでしょうか。足フェチなどと言いますね。これも性的嗜好性です。また、「あなたはS？M？」という言い方をされたりしますが、これも性の嗜好性の一つです。ここでは、SやMについても詳しく解説したいと思います。

S(サディズム）とは、広く一般で用いられる恋愛用語としては、相手を支配したり、虐げることで、性的興奮を得るという性的嗜好を示します。また、この心理傾向を持つ者をサディストといいます。

また、性的な行為を伴わない、経験がない者でも、支配欲が性欲に結びつくなどの心理傾向があればSと呼ばれるなど、一般的な心理傾向を指すものとして世間では広く知られるようになしました。

M(マゾヒズム）とは、一般で広く用いられる恋愛用語としては、相手に支配されたり、虐げられることで、性的な興奮を得るという性的嗜好を指します。この心理傾向を持つ者をマゾヒストといいます。

SとMの男女差は、Sは、支配的でパワーを発揮することが関係してくる面があるので、一般的にはパワーで勝る男性に多い心理傾向があります。Mは女性に多い心理傾向があります。これらを自覚していない人も多くいます。

普段から、影響力やパワーを持ち、いかにもSという人が性的な場面でもSとして出る場合（ストレートなS傾向）と、自信や余裕がなかったり、自己嫌悪や自己否定が強く、それが性的な場面では相手に向き、支配的になったり他罰的になったりする場合（反転的なS傾向）があります。

ストレートなS傾向のある人は、相手の性的興奮を煽ることを目的としていることが多く、相手が冷めたり、苦しんでいる時には性的興奮は得られませんが、反転のS傾向がある人は、自らのコンプレックスや劣等感などをなぞるために相手を虐げることが多く、相手が嫌がったり苦しんでいる時も関係なく性的興奮をおぼえる傾向にあります。

これと同様に、普段から自信がなかったり依存的な傾向を持つ人が、性的な場面でそのままMとして出る場合（ストレートなM）と影響力や支配力を持つ人や、人を傷つけるなどの罪悪感を強めている人、自立的な人が、性的な場面ではMとして出る場合（反転のM）があります。

ストレートなM傾向の人は、肉体的に支配されることや精神的に支配されること（圧力を受けたり心理を見透かされるなど）を好みますが、暴力的な行為や存在価値を否定するような暴言などを好まないことがほとんどです。

反転のM傾向の人は、罪悪感を貪るために、自らの存在価値を否定するような虐げられ方や叱られ方、場合によっては暴力を好むこともあります。存在価値を否定するようなものではなく、単にパワーの放棄を目的とする場合は赤ちゃんのように扱われることを好む場合もあります。

また、反転のM傾向の人は、精神状態の波にも左右されることが多く、女性に多くあるのは、例えば月経時などホルモンバランスが崩れたときなど、著しく自己否定の心理が強くなった時などは、彼氏やパートナーに大切にしてもらいたいというよりも、自分を虐げ傷つけてくれるような人を求めます。しかし、精神状態が平常時にもどったり、その行為によって十分傷ついて満たされると、後悔することが多いようです。

アセクシュアルという言葉を耳にしたことがありますか？社会の認知度はまだまだ低いようです。ここでは、アセクシュアルについて解説したいと思います。また、よく混合される言葉でノンセクシュアルという言葉がありますが、少し違いがありますのであわせて説明します。

アセクシュアルとは、sexual（性的な)の前に『無』ということを意味する『a』が付いた単語になり、他者に恋愛感情や性的な感情を抱かない人のことを言います。一方、ノンセクシュアルとは、他者に恋愛感情は抱きますが、性的な感情を抱かない人のことを言います。

つまり、アセクシュアルとノンセクシュアルの共通点は『他者に性的な感情を抱かない』ことであり、異なる点は、『他者に恋愛感情を抱くか』どうかです。両者とも、まだまだ認知度は低いですが、当事者は悩んでいることも多いようです。

「LGBT」という言葉の意味をご存知でしょうか？世間の認知は高まってはきていますが、同性愛者という認識しかない人も多く、その多様性や、実際どういった人の事を言っているのかよく理解していない人がいるのも実情ではないでしょうか？教養のない国会議員は、同性愛者に生産性はないなどと差別めいた発言をして物議をかもしていたりしましたね。そこで、ここでは、多様な性の形「LGBT」の内容や意味をお伝えします。

LGBTとは、セクシュアルマイノリティの総称です。Lはレズビアン（Lesbian)、Gはゲイ(Gay)、Bはバイセクシュアル(Bisexual)、Tはトランスジェンダー(Transgender)といった単語の頭文字をとったものです。

レズビアンとは、自身を女性として自認しており、性的指向が女性に向くセクシュアリティです。（同性愛者と呼ばれる。）

ゲイとは、自身を男性として自認しており、性的指向が男性に向くセクシュアリティです。（同性愛者と呼ばれる。）

バイセクシュアルとは、男性と女性のどちらも恋愛感情や性愛の対象となるセクシュアリティです。

トランスジェンダーとは、身体的性と自認する性が一致しないセクシュアリティです。（性同一性障害が含まれます。）

ここで、「自認」や「性的指向」という言葉がでてきましたが、LGBTを理解する上で大事な言葉になってきますのでお伝えします。

性自認とは、「自身の性をどのように認識しているか」です。例えば、自分は女性だと思っている人がいるとします。この場合、自分の性自認は女性ということになります。ここで、大事なのは、単に同性が好きといったことではなく、性自認と身体的性（身体構造の性）は関係がないということです。身体的性が男性で、性自認が女性の方もいます。

性自認と身体的性が一致していない方のことをトランスジェンダー（の中でも、トランスセクシュアル）、一致している方をシスジェンダーと表現します。

性自認とよく勘違いされることに、性的指向ということがあげられます。性的指向とは、どんな性に恋愛感情を抱くかを指す概念です。これと性自認は混同されることもありますが、それは「男性は女性を好きになる＝性自認が男性なら性的指向は女性に向く」「女性は男性を好きになる＝性自認が女性なら性的指向は男性に向く」といった思い込みがあるからではないでしょうか。

自分の性をどう認識しているかと、どの性を好きになるかはちょっと違います。
 
例えば、性自認が女性で、性的指向が女性に向いているのはレズビアンで、性自認が男性で性的指向が男性に向いているのはゲイとなります。また、性自認が、女性であって身体が男性の場合、性的指向が女性に向いている人はレズビアンということになります。レズビアンやゲイを単に同性愛者という身体と身体の問題ではなく、性を語る上で第一に考えるのは、戸籍上の性ではなくて性自認です。

いかがでしたでしょうか？現在の社会では、性的マイノリティに対しての認知度は高くなってきたものの、理解が低かったり、結婚が阻まれるケースもあって、悩まれている方が数多く存在します。『性』について考えることは、不用意に人を傷つけたり、差別を生まないためにも大事なことだと思います。また、当事者である方が、生きやすい社会にする一つの手段だと考えます。一日も早く、ひとりひとりが人として尊重され、人として当たり前の権利を守ることができる社会や自分の尊厳を大切にできる社会が実現するといいですよね。