「承認」の意味を徹底解説!類語・対義語やビジネスでの使い方も紹介!
耳にはすることがあっても、あまり自分では使うことがない「承認」という言葉。意味はわかっているつもりでも、使い方を聞かれたときに、はっきりと説明することはできますか?今回は「承認」という言葉についての意味や英語表現、そしてビジネスでの使い方を解説していきます。
目次
『承認』の意味とは?
「承認」といえば、なんとなく「認める」とか「受け入れる」とか「OKだよ」という意味がイメージされますが、「承認」についての正確な意味はどうでしょう。辞書で調べると、「承認」の意味は大きく3つに分かれています。
(1)正しい・道理にかなっているまたは事実・真実と認めること(2)申し出を聞き入れること(3)国家・政府・交戦団体などについて、国際法上の地位を認めること。この中でも日常でよく使われている意味は正しい・道理にかなっているまたは事実・真実と認めること、そして、申し出を聞き入れることという意味です。では、次はこの二つの意味についての使い方と例文を見ていきましょう。
『承認』の使い方と例文を紹介!
日常生活でよく使われる「承認」の二つの意味ですが、意味が変わると当然使い方も変わってきます。最初に出てきた「正しい・道理にかなっているまたは事実・真実と認めること」という意味を簡単にすると、「正しいと認めること」という意味になります。その意味を踏まえたうえで、次は例文を紹介します。
- 正しいと認めること
(例文2)相手方の所有権を承認する
(例文3)承認作業
- 申し出を聞き入れること
(例文2)承認を得る
(例文3)承認を求める
『承認』と『承諾・了承』の違いとは?
ここでは、「承認」と意味を間違えやすい「承諾」と「了承」という2つの言葉とを比べ、3つの言葉の違いについて説明します。実際に、どの言葉を使えば良いのか悩んだことはありませんか?たしかに、これらの言葉にはどれも聞き入れるという意味が入っています。しかし、実はこれらの持つ意味には大きな違いがあります。それではそれぞれの意味の違いについてみてみましょう。
承認
先ほども説明しましたが、「承認」には正しいと認めることという意味があります。この言葉は、私的な場面で使うことはあまりなく、ほとんどが公的の場で使われます。会社で使われている場面が想像しやすいのではないでしょうか。ちなみに、「承認」の「認」という漢字には、許す、認めるという意味が含まれています。文字通りの意味を持つ言葉ですね。
承諾
「承諾」とは、聞き入れること・引き受けることという意味があります。しかし「承認」との違いは、それが正しいことでも、そうでないことでも聞き入れるという点です。さらに、頼まれたことを嫌々引き受けるのではなく、納得した場合に許可をして引き受けるという意味合いがあります。「承諾」の「諾」という漢字には、引き受けるという漢字が入っています。そして、主に公的の場で使われる「承認」とは違い、「承諾」は主に個人の間で使われる言葉です。
- 出演を承諾した
- 結婚の承諾を得る
- 承諾書
- 事後承諾
了承
「了承」には、 事情を理解してそれを聞き入れることという意味があります。「了承」の「了」という漢字には、わかること・さとることという意味があり、そこから考えていくと意味がわかりやすいのではないでしょうか。「了承」の「聞き入れる」という意味は、許可をするということではなく、相手の背景を理解して聞き入れること。相手の言い訳に対して納得して聞き入れるということです。
- 快く了承する
- 何卒ご了承ください
- 了承を得る
1つ1つを詳しく見ていく前は、どれも同じような意味合いだと思われていたかもしれません。しかし、実はそれぞれが全く違う意味を持っているということがわかっていただけたでしょうか。これからは、これらを使うときには、正しい意味で、場面にあった正しい言葉を使い分けることができるように参考にしていただければと思います。
ビジネスでの『承認』『承諾』『了承』の使い分けを紹介!
それでは次に、上記3つの単語をビジネスシーンで使うときの使い分けを紹介します。それぞれに、使っていい相手とそうではない相手がいます。目上の人に使う言葉、目下の人に使う言葉をきちんと理解したうえで、相手に失礼にならないよう使ってみてくださいね。
承認
「承認」という言葉はビジネスシーンにおいて、目上の人やお客様に使うと失礼になるということを知っていましたか?なぜなら、承認には「それを認める」という上からの立場の意味合いが含まれているからです。ですからもし「承認」という言葉を使うときは、部下や同僚などの失礼ではない相手に使うようにしましょう。もしも目上の人やお客様に同じ意味合いの言葉を使わなければならないときは、誠実さが伝わる「謹んでお受けします」や「お引き受けいたします」という敬語を使うのが適切です。
承諾
「承諾」という言葉は丁寧な表現なので、ビジネスシーンではよく使われています。相手から頼まれたことを嫌々引き受けるのではなく、自ら引き受けるというニュアンスがあります。相手に「わかりました」と伝える際に、それだけではなんだか物足りないなと感じたときなどに「承諾いたしました」というフレーズを使いましょう。
了承
「了承」という言葉は先ほど説明したように、事情を理解して聞き入れることを表します。ですからなんとなく丁寧そうに感じますが、実は目上の人が目下の人に使う言葉なのです。そのため、「了承しました」というフレーズは、目上の人やお客様には使うことができません。そういった場合は、お客様には「かしこまりました」を使い、目上の人には、「承知しました(承知いたしました)」を使うのが適切です。
『承認』の類語は?
承認には主に2つの意味がありましたね。この2つの意味によって、類語もそれぞれ全く違います。意味に沿って1つ1つの類語をみてみましょう。
正しいと認めるという意味の類語
- 認定(認めてきめること。)
- 認可(認めて許すこと)
- 許可(許すこと。願いを聞き届けること)
- 容認(良いと認めて、許すこと)
申し出を聞き入れるという意味の類語
- 承諾(相手の申し出や頼みを聞き入れること)
- 了承(事情を理解し、それでよしとすること)
- 許諾(要求を聞き入れ、許すこと)
- 了解(理解して認めること)
- 納得(なるほどと認めること)
- 同意(他人の意見に賛成すること)
先ほど使い分けの言葉でも出てきましたが、「承諾」と「了承」は、こちらの申し出を聞き入れるという意味の類語に入っていますね。
そのほかにも受け入れる、聞き入れる、聞き届ける(申し出を聞いて許可する)、認める、受諾(引き受けること)、受け付けるといった言葉があります。
『承認』の対義語は?
「承認」とは反対の意味を持つ対義語を見てみましょう。「承認」には認めるという意味があります。その反対として、対義語には否認(認めないこと)・拒否(拒むこと)という言葉があります。これら対義語の例文として
- 容疑を否認する
- 提案を拒否する
などがあります。ちなみに「未承認」の意味は、「許可をまだ得ていない」ということなので、対義語ではありません。対義語と思っていても実は対義語ではなかったなんてこともあるので気をつけて使いましょう。
『承認』の英語表現は?
それでは次に英語の表現を紹介します。「承認」を表現する英語は一つではありません。approval(承認・賛成・同意)やpermission(許可・承諾)という英語や、give ~ the green light for/to ~(〜を承認する)という英語の表現があります。今回は、中でもよく使われる英語、approve(承認する・賛成する・同意する)approval(承認・賛成・同意)を使った英語表現を紹介します。
- I got his approval.「私は彼の承認を得た」
- I especially approve that.「今回は特別にそれを承認します」
- Congress approved the plan.「議会はその計画を承認した。」
『承認』の意味や類語との違いを正しく理解しよう!
いかがでしたか?類語が多い「承認」という言葉ですが、「承認」には大きく分けて2つの意味がありました。正しいと認めることという意味と、申し出を聞き入れるという意味です。類語も、その2つの意味によって全く違うものに分けられました。どれもビジネスシーンで使われることの多い言葉です。目上の人やお客様には使わない方がいい言葉もありましたね。「承認」という言葉を今までなんとなく使っていたという方は、今度は正しい使い方を意識して、仕事に活かしていきましょう。