謎の語尾『ンゴ』の意味や由来とは？若者言葉を分かりやすく解説！

最近若者の間で流行りの謎の語尾『ンゴ』。SNSなどでよく見かけますが、元々はネット掲示板の５ちゃんねる（旧２ちゃんねる）で使われていたネットスラングです。使い方は「○○したンゴ」のように語尾に『ンゴ』をつけて使います。

流行りの理由はその何とも言えない響きの良さで、普通に「○○しました」と言うより、語尾に『ンゴ』をつけて「○○したンゴ」と言う方が親しみやすい！可愛い！という理由から使っている人も多いようです。

SNSでよく見かける『ンゴ』という言葉に意味は無いように見えますが、実は『ンゴ』には「失敗をやらかした」という意味があります。『ンゴ』という言葉単体では意味を持ちませんが、「遅刻したンゴ」のように語尾につけることで「あーあ！やっちゃった！遅刻しちゃったよ！」といったような失敗をやらかしたことを強調する働きをします。自虐表現に使われることも多く、その場合「遅刻したンゴｗｗｗ」のように「ｗｗｗ」がついていることが多いです。
 

しかし若者の間で流行り言葉として浸透するにつれて、ネットスラングだった『ンゴ』は次第に本来の意味から離れて使われるようになりました。現在では何でもない事柄にも使われ、テンションが上がっている状態を表す時や面白おかしく表現したい時など、様々な場面で使われています。

前述したように『ンゴ』は元々ネットスラング。有名なネット掲示板５ちゃんねる（旧２ちゃんねる）の「なんでも実況J（ジュピター）」（通称なんJ）という野球に関するスレッドで、野球の試合を実況中継する流れの中で生まれた言葉です。
 

そして『ンゴ』の元ネタは意外にも人物名！元楽天イーグルスのドミンゴ・グスマン選手です。2008年の開幕戦に9回裏2点リードで抑えの投手として登板したドミンゴ選手でしたが、1アウトも取れずに逆転サヨナラ負けという悲惨な結末を迎えました。しかもこの2日後の試合でも抑えとして登板して逆転負けをくらっています。

このドミンゴ選手の悲惨な状況を揶揄する流れで「ドミンゴｗｗｗ」から「ンゴｗｗｗ」へと省略され、現在ではネットを離れてリアルでも、ドミンゴ選手の逆転負けに由来する「やらかした」という意味合いで語尾につけて使われるようになりました。

『ンゴ』の元ネタや語源・由来について知っていただいたところで、次はいよいよ実践編です。ネットから誕生した『ンゴ』は今やリアルでも広く浸透し、「失敗をやらかした」という本来の自虐的な意味だけでなく、様々な場面で使われるようになりました。ここでは『ンゴ』の実際の使い方を例文で紹介していきます。

例文その1「定期券、家に忘れてきたンゴｗｗｗ」は、忘れ物という失敗の場面を表現した王道的な『ンゴ』の使い方です。「ｗｗｗ」をつけることによって更に自虐的な意味合いを強めていますね。このようなちょっとした失敗を面白おかしく表現したい時に『ンゴ』はピッタリの語尾なのです。

例文その2「ここのレストランのオムライス、おいしかったンゴ」は、語尾に『ンゴ』をつけることで少しテンションがあがっている状態を表しています。本来の意味とは異なりますが、こういった使い方はよく見かけます。「あの映画おもしろかったンゴ」、「今日買った服かわいいンゴ」など、楽しい気持ちを表したい様々な場面で使えますね。

例文その3「今日も仕事頑張るンゴ」は、語尾に『ンゴ』をつけることによってユーモラスな要素を追加している例です。同じく若者の間で流行りの「やば『み』」のような、特に意味は無いけど語尾につけると響きが新鮮で面白い！といった感じで、一種の言葉遊びのようなものですね。

例文その4「彼女にふられたンゴｗｗｗ」は、かなり自虐的な意味合いの強い使い方です。失恋の大きなショックを『ンゴｗｗｗ』で表現することで、無理やり強がっている感じも出ています。５ちゃんねるではこれに対して、「涙拭けよ」といった失恋の辛さを察した書き込みがされているのを多々見かけます。SNSなどでこのような書き込みを見かけたら、ぜひ優しい言葉をかけてあげると良いでしょう。

例文その5「また負けたンゴ」は、元ネタ発祥の「なんJ」にちなんで野球観戦で応援している球団が負けた時の例です。その他にも「また○○万円負けたンゴｗｗｗ」のようにスロットのような賭け事で大負けした時などの自虐にもよく使われています。

例文その6「昨日のことで担任に怒られたンゴ！」は、失敗をやらかしたという意味での『ンゴ』の使い方です。このように誰かから怒られた時にも使え、怒られた失敗談も『ンゴ』を語尾につけることで面白おかしく表現することが出来ます。とは言え、『ンゴ』をつけることによって「全く反省してないな」と更なる怒りを買いかねませんので、怒られた相手には書き込みを見られないように注意しましょう。

例文その7「もう寝るンゴ…」は、ちょっとした報告や挨拶に使う例です。若者は「おやすみンゴ」、「今起きたンゴ！」、「まじわろたンゴ」など、様々な場面で『ンゴ』を使います。『ンゴ』は気軽に使えて万能な語尾なのです。

『ンゴ』はどんな表現にも使えて便利な語尾ですが、元々ネットスラングということもあり、使う上で注意が必要な場合もあります。ここでは『ンゴ』を使う際に気をつけたいポイントを3つ紹介します。流行りだからと普段『ンゴ』を連発している方、ちょっと使ってみたいなと思っている方は参考にしてみて下さい。

ネットの元ネタに由来する言葉ということもあって、日常会話で『ンゴ』を使う人はあまりいません。流行りの中心にいる若者たちの間でさえ、「文字で見る分には良いが、リアルで聞くと痛々しい」といった意見が多いです。実際の会話の中で使うと浮いてしまいますし、相手に引かれてしまう可能性があるので日常会話で『ンゴ』は使わない方が良いでしょう。ネットとリアルを切り分けて上手く使いこなしたいですね。

リアルで聞くのは痛々しいという意見ももちろんですが、ネットスラング自体を嫌う人も多いです。『ンゴ』は流行り言葉として注目され、テレビなどでも度々紹介されたので『ンゴ』がネットスラングであることを知っている人も増えてきました。ネットスラングをネット以外で使うのは避けるべきという傾向もありますので、老若男女さまざまな人が集まる公共の場で『ンゴ』を使うのは避けましょう。

また、当然ですが公共の場以外にも、職場や目上の人とのやり取りの中で『ンゴ』を使うのも避けましょう。うっかり上司や先輩の前で使ってしまうと「ふざけている」と思われる危険性大ですよ。流行り言葉ではあるけれど、真面目な場面では非常にウケの悪い言葉です。元々ネットスラングであるということを忘れないようにしましょう。

当然ですが『ンゴ』を知らない人にいきなり「○○ンゴ」と言っても伝わりません。聞きなれない言葉に違和感を感じ、場合によっては引かれたり不快に思われたりしてしまうことも……。メールやLINEなどでのコミュニケーションの中で『ンゴ』を使うのは、言葉の意味を知っている人、あるいは仲の良い友達などに対してのみにとどめておくのが良いでしょう。

また余談ですが、今でこそ特に意味も無く、響きが面白いからという理由で多用されている『ンゴ』ですが、元ネタ発祥の地である5ちゃんねるの一部の人はこの状況を面白く思っていません。元ネタとは異なる意味でネットスラングが使われることを嫌う人の多い5ちゃんねる内では、意味や由来を知っている人とそうではない人との間で対立が起こることもしばしば。

そのため、5ちゃんねるなどのネット掲示板で『ンゴ』を使う際は、本来の意味から離れた使い方をしないよう気をつけた方が良いです。一方で5ちゃんねるを離れたSNSなどでは本来の意味にこだわる人は少ないので、気軽に『ンゴ』を使ってみてください。

流行りの若者言葉『ンゴ』の意味や元ネタ、由来・語源について紹介してきましたが、いかがでしたか？よく見かける『ンゴ』にちゃんと意味があったなんて！と驚いた方もいるのではないでしょうか。自由な使い方が浸透した今となっては本来の意味にこだわる必要はありませんが、意味や元ネタ、由来・語源を知らずに使っている人がいたら、ぜひ話のタネに教えてあげてみてください。

流行り言葉についてはぜひこちらもご参考に。