『それな』の意味や使い方！多用しすぎるとイライラされるの？

「それ、なるほど」の短縮形が「それな」の語源と言われています。若者言葉の１つであり、相手の発言に対して「それ、私も同感」「それ、私も思う」という共感や同意、肯定を相槌で返すときに使います。「そうだよね」「そのとおり」「それいいね」のニュアンスにも使われます。

対面の会話よりは、特にSNSなどのコミュニケーションの使用が目立ちます。また「それな」にはたくさんの種類のLINEスタンプや顔文字が作成されています。

大手インターネット掲示板２ちゃんねるが由来であり、２ちゃんねる経由から女子高生が「それな」使うようになり広まった言葉という説です。あるテレビ情報番組が2ちゃんねるが由来と紹介したため、この説が取り上げられています。しかしいつどこで誰が使い始めた言葉か、本当のところ由来は不明なままです。

「ほんまそれな」の相槌に似ていることから関西弁から由来しているという説です。実際は関西弁に「それな」の言い回しは存在しませんが、「そやな」などの語感とコミュニケーションの場面が似ています。そこから関西弁が由来であると勘違いしやすいようです。

ちなみに「ほんまそれな」の意味は、本当にあなたの言うとおりで私も心底思っていましたという強い同意を表現しているそうです。「それな」と比べより強い共感を表しています。

1つ目はテレビ報道です。フジテレビ女子高生流行語大賞2015の1位が「それな」でした。「それな」はもともと女子高生が使用しはじめて広まった言葉として紹介され、広い世代に認知されました。2つ目はSNS、特にTwitterです。「それな」の3文字で感想や同意、肯定を述べることができ、非常に便利な相槌なのでよく使われます。

会話では10代の若者が多いです。女子高生はもちろん大学生や、中学生、小学生まで使用します。最近ではスマートフォンやSNSが普及し、コミュニケーションが取りやすくなったため、若者の間で気軽に「それな」を使用する機会が増えています。そのため最新技術に抵抗のあるご年配の方が使用する傾向がありません。

30代や40代以上が若者言葉を使うことも少ないでしょう。しかし匿名性のあるSNSでは気軽に試そうと思う大人がいるため、「それな」を使い返信するようです。「それな」は幅広い層に使用されていることがわかります。

「それな」は返事に使う言葉なので単独で使用できません。相手の話したことや意見に対して、理解して受け入れる状態や確かな内容として認める状態、会話の流れの中で盛り上がるときにも「それな」を使えます。単純に「それだよね」「ああ、そうだね」「そうだよね」の使い方もできます。相槌として簡単に返事ができますし、メッセージ上ではレスポンスが早くなります。

「そのとおりですね」「そうですよね」「そうなんだ」という相手の言い分を認める意味の使い方です。「それな」は「なるほど、そういうことなら賛成」や「うん、わかります」の代わりに使用できます。単純に「はい」「うん」などの同意や賛成としての使い方もあります。

「そう思います」「まさにそのとおりです」など肯定の「それな」の使い方です。相手の質問や意見に対して、内容が確かなことだと認めているときに使います。自分がすばらしいと感じたことを上手く伝えることができれば好印象を得ます。

一方で、相手の状況やタイミングに応じていないと、逆に悪い印象を与えてしまうことになるため注意が必要です。

他にも「そうそう」「だよね」「わかる」「すごいね」「さすがですね」を「それな」の一言に置き換えることができます。若者同士であれば、会話の流れでタイミングやテンションの上げ具合で、「それな」を使い場の雰囲気を盛り上げることも可能です。適切な言葉が見つからないとき、考える間がほしいとき、会話を楽しむためなど、「それな」はどんな場面でも使えます。

「それな」と言われると会話が終わってしまいませんか。SNSのコメントやLINEで会話を終わらせたいときの返事では「それな」の一言で同意や肯定をして終了できます。しかし会話で使われると受け手が様々な印象を受けてしまいます。注意して使用しないと相手を複雑な心境にさせてしまいます。

「それな」はどのような会話に対しても返事ができる反面、めんどくさいときや考えていないときにも使いやすく注意が必要な言葉です。表面上は同意や肯定をしていても心無い一言は相手に伝わり、相手の気分を害してしまい、印象を悪くしてしまいます。

「それな」にはSNSで会話を終了する意味があります。しゃべるときも「それな」を使用すると急に会話が断ち切れたように感じるのは、「それな」を会話の終了に使用しているからです。特に対面では多用に注意しないと、盛り上がってきた会話が途切れて雰囲気が悪くなってしまい、人間関係を損なう危険があります。

適切に使えないと印象を悪くする言葉を目上やお年寄りに使えません。「それな」の元の意味が「それなるほど」と言われており、なるほど自体が目上の方に見下した印象を与える場合があります。失礼な人だと思われないよう使用を避けましょう。普段から癖にしているとうっかり発言することがあるので注意が必要です。

LINEではたくさんのスタンプが販売され、また「それな」を検索をすると顔文字も多く出てきます。スタンプはかっこいいポーズやドヤ顔があり、顔文字は手の長さや表情が異なります。「それな」顔文字を会話の内容や自分の気分に合わせて顔文字の種類を選ぶのもいいでしょう。

また顔文字なら自分で作成できます。自分のフィーリングにあった表情を作り、人差し指などは他の顔文字を使用していいでしょう。わざわざ作らなくてもそれらしい顔文字の横に「それな」を入力しても完成です。

実は女子高生流行語大賞がテレビ報道された1年前に、別の流行語大賞で1位になっていました。2014年の歴代ギャル流行語大賞です。女子高生ではなくギャルの流行語として選ばれていました。

歴代ギャル流行語大賞とは、ギャル向けのリサーチとランキングサイト運営のGRPが年に１度主催する「GRP AWARD」が発表する流行語大賞です。日本最大級のギャルブログサイトCROOZ blogからトレンドのまとめをしたデータです。

英語にも共感や肯定の簡単な相槌のフレーズがあるはずです。英語では「それな」に相当する言葉は何でしょうか。「それ、なるほど」や上で紹介した使い方で考えると、次の英語が同意や肯定の意味があります。

「That's it!」(そうそう)
「That's right.」(そのとおりだよね)
「That’s true!」(それそれ当たっているよ)が近いようです。

次に「それ、なるほど」とほぼ同じ意味の英語をご紹介します。

一般的には「I see. Oh, I see. 」
やっとわかったのニュアンスの「I get it. Oh, I get it」
フォーマルな言い回し「I understand. 」
今まで知らなかったの「Really? I didn’t know that. 」
すべての説明がつくという意味で堅苦しい言い方の「That explains it.」

気楽に使える言い回しではないですが、「That explains it.」も「それな」の説明になります。他に「それな」の適当な言い回しがないか、英語ができる友だちや英語の先生に聞いてみるのもいいでしょう。

若者言葉に「あーね」があります。「あーね」という言葉は九州地方の方言で「ああ、なるほどね」の意味です。「それな」と同じく女子高生の間で「あーね」が広がり使われるようになりました。相槌として使いやすい「あーね」も多くの場面で使います。

「あーね」は理解した、納得したというニュアンスで使用されます。「それな」と比べて共感や同意の意味合いが弱くなります。「ああ、なるほどね」「ああ、そういうことか」という相槌の意味がありますが、「あーあ、わかりました」と適当に流す「あーね」の意味もあるので注意が必要です。

「それな」は、流行が過ぎても日常で使う相槌であり、友だちと共感しやすいフレーズです。会話の内容やPTOに注意して「あーね」や英語の言い回しと使い分けて相槌し、楽しく会話をしてみましょう。