日本人に多い名前と名字の由来を徹底解説!名前のルーツは奥深い!
日本人の名前は世界的にみても種類が豊富だといわれています。最近ではテレビ番組や書籍で日本人の名前について多く取り上げられるほど、注目されています。そこで日本人に多い名前ランキングや名字の由来、外国からみた日本人の名前についての雑学も紹介していきます!
目次
ここ最近、日本人に多い名前や由来が話題!
日本人の名前、特に名字は最近、テレビ番組や書籍で注目されています。名前は家族から贈られることが多いですが、名字は生まれる前から先祖代々続いた歴史があります。自分の名字の由来を知ることで自分のルーツを探す楽しみがありますよね。自分の名前や知り合い・友人の名前のルーツを探ると新たな発見があるかもしれませんよ。今の時代、当たり前のように使用している名字は長い歴史の下に生まれたものです。名字の由来を探ることで深い歴史が見えてくるかもしれません…!
また、名字は日本だけではなく、外国にも存在します。外国の名前についても知識をもって雑学を増やしてみてはどうですか?本記事では日本や外国の名前のおもしろさを紹介していきたいと思います。
日本人に多い名前ランキングを紹介!
【名字】日本人に多い名前ランキングTOP10!
1位 佐藤 約1,871,000人
2位 鈴木 約1,797,000人
3位 高橋 約1,411,000人
4位 田中 約1,355,000人
5位 伊藤 約1,074,000人
6位 渡辺 約1,063,000人
7位 山本 約1,050,000人
8位 中村 約1,044,000人
9位 小林 約1,028,000人
10位 加藤 約887,000人
この上位10位の名字で日本の人口の1割を占めるというから驚きです。学校や会社もしくはご近所に必ず一人はいる名前ですよね。学生の頃は複数同じ名字の生徒がいると、先生はフルネームで読んだり下の名前で呼んだりしていた記憶がありますよね。
【フルネーム】日本人に多い名前ランキング!
日本人男性に多い名前ランキングTOP5!
1位 田中実 約5,300人
2位 佐藤清 約4,800人
3位 佐藤正 約4,700人
4位 佐藤進 約4,700人
5位 高橋清 約4,600人
名字ランキング1位「佐藤」を抑えて、フルネームだと「田中」が1位という結果が意外ですよね。2~3位を「佐藤」が占めるのはさすがといったところですが、名字ランキング2位の「鈴木」がランキングされていないことも不思議です。下の名前は一文字で男性らしい名前が並んでいますね。
日本人女性に多い名前ランキングTOP3!
1位 佐藤和子
2位 佐藤幸子
3位 鈴木和子
やはり佐藤さんが上位を占める結果となりました。注目すべきは下の名前。「子」とつく名前が多いのは時代を反映しています。なんと1930~40年代では80%の女の子の名前に「子」が使われていたそうですよ。以前ほどではありませんが、「子」を使った名前は、最近では、徐々に人気が戻りつつあります。名づけランキングによると2010年に莉子(りこ)が2位にランクインしています。そのほかにも「ひなこ」「さくらこ」「あいこ」「まこ」など響きと組み合わせて使われています。最近では、名づけに人気の漢字に「子」を組み合わせた名前が多く、響きがよくておしとやかな印象を与える名前として人気が復活してきているようですよ。
日本人の名字の由来は?
そもそも日本人の名字って?
名字の歴史はとても古く、なんと平安時代後期頃までさかのぼるといわれています。
具体的には、平安時代後期の公家や武士などの身分から名字は始まったといわれています。室町時代には庶民など多くの人々にも広がっていきました。名字は家と家を区別するものとして使われ、便利なものとされました。そして、戦国時代には物凄い勢いで名字は増えていきました。しかし、江戸時代に入ると名字は、武士や特権階級のある一部の庶民(庄屋・名主)以外は公には名乗れなくなりました。なぜなら、名字は身分を表す象徴となってしまったためです。それでも庶民も公にはしないものの名字を持ち、私的にこっそりと名乗っていたようです。明治になり、新政府による戸籍制度が導入したことをきっかけに、現在のように多くの家は「名字」を戸籍に登録することができるようになりました。
日本人の名字の由来とは?
【日本人の名字の由来①】地名
日本人の名字で、最も種類が多いのが地名を由来とするものです。地名由来の名字はなんと、名字全体の8割以上を占めるそうです!
地名を名字にするパターンで一番多いのは、都市部から地方に移動して住み着いた人が、その定住した地名を自分たちの名字として名乗ったものです。また、分家した兄弟たちも本家のある土地に移り住み、自分たちも住み着いたその地名を名字として名乗りました。有力な家系ほど本家の周りの地名を名字とした分家が多くあるのは、本家と分家が近くに住むためです。
地名を由来にする名字のもうひとつのパターンを紹介しましょう。それは、ある土地の出身者が別の土地に行って成功をおさめたときに、自分の出身地の地名を別の土地で名字として名乗ることがよくありました。別の土地とはいっても、今のように交通網が発達していた時代ではないので、出身地から少し離れた場所に自分の出身地の地名を名字として名乗ることが多かったのです。このことから、地名が由来の名字のパターンとして、出身地の地名から少し離れた場所にその名字が多くみられるということがよくあるのです。
土地を移動する人もいるもいれば、一方で、長い間ずっと同じ土地に住み続けている人もいました。元々、長い間ある土地に住み続けていてその土地で権力のあった人は、自分たちがその土地で有力であることを誇示するために、生まれ育った長く住み続けている土地の地名を名字として名乗ることもありました。
地名に由来する名字は、特定の地名を指しているので、ルーツを探りやすいと思いますよね。ところが、同じ地名は日本各地に存在するので、簡単に自分のルーツを特定するのは難しいといえそうです。
【日本人の名字の由来②】地形・風景
名前の由来で二番目に多いパターンは、住んでいる地形や土地の様子や風景などを名字にしたものです。これは地名を由来とする名字のパターンとよく似ています。ところが、同じ土地に住んでいる人が皆、その土地の地名を名字として名乗ると、近隣に住む人たちがすべて同じ名字になってしまいます。名字はそもそも、家々を区別するための意味があります。このことから、日本人は周囲の家と違う名字をつけるために、自分の住んでいる家の場所の地形や風景を名字にしました。
日本は緑が多く自然に恵まれた国です。昔から日本は、山と川が多く、池や森もたくさんあります。自然に恵まれながら、日本人は平地を開墾して田畑にして農作物を育てました。このような理由から、地形由来の「山」「川」「田」「池」「林」「森」「原」などは名字でよく使われる漢字となったのです。山田、森川、池田、原田、川原などは聞いたことのある名字ですよね。おそらく地形や風景が由来となった名字でしょう。ところが、自然に囲まれた地形であれば、どこでも同じ名字が誕生する可能性があるので、地形や風景などを名字にするパターンもルーツを探るのは難しいといえるかもしれません。
【日本人の名字の由来③】方位・方角
名字で「東」「西」「南」「北」の方位や、「前」「後」「中」「右」「左」などの方角を表わす漢字もよく使われます。これは、同じ土地の中での家の位置関係を示したことが由来となっています。方位・方角由来の名字も同じような土地であれば同じ名字になる可能性は高いので、地形由来の名字と同じく発祥地を特定するのは難しいといえそうです。あくまでも集落のなかでの家々を区別するための名字だったので、広い視野での区別は必要なかったことがいえます。
【日本人の名字の由来④】職業
名前の由来には職業を由来とした名字もたくさんあります。犬養、鳥飼、鵜飼などは動物を飼っていた仕事が由来となっています。貢ぎ物の入った蔵の管理した大蔵や、荘園を管理する荘司、室町時代に栄えた金融業者を土倉(どそう)といい、それから出た名字が土倉(とくら、はぐら)など言われてみればと気づく職業由来の名字も数多くみられます。職業由来のわかりやすい名字で言えば鍋屋、鍵屋など商売している商品に「屋」をつけて名字にするパターンもあります。魚をとる仕事にかかわった海部(あまべ・かいふ)や、矢を作る仕事から矢作(やはぎ)も職業がすぐに想像できますね。
【日本人の名字の由来⑤】藤原家
日本で最も多い名字である佐藤をはじめ、伊藤、加藤、工藤など、下に「藤」の漢字がつく名字がいくつかあります。これらの多くが、藤原氏からの由来で生まれた名字というから驚きです。日本人に多い名前ランキング上位100位のなかに「〇藤」という名前は10こ(佐藤1位、伊藤6位、加藤10位、斉藤20位、斎藤21位、後藤33位、近藤35位、遠藤38位、安藤68位、工藤72位)入り、ランキング100位以内のうち10%にあたる名前が「〇藤」というから驚きです。
「○藤」という名字は、基本的に平安時代に朝廷を完全に支配していた藤原氏の子孫であることが多いそうですよ。藤原氏は公家をはじめ、下級官僚なども藤原氏ばかりで名前の区別がつかなくなったことから、藤原とは別の名字を名乗る必要があったのです。このことから、「藤原」の名前を残しつつ自分の領地や職業と、藤原の「藤」を組み合わせた新しい名字を作ったそうですよ。
中国・韓国からみた日本人の名前って?
中国・韓国と日本の名字の共通点はあるの?
日本の名字は10万以上の種類があると言われています。ちなみに人口が十数億の中国の名字は、名数千種類しかなく、韓国では300種類以下しかないということに驚きます。
日本の名字は二文字以上の漢字を組み合わせたものが多いのに対して、中国や韓国では圧倒的に一文字の漢字の名字が多いのだそう。中国や韓国では漢字三文字でフルネームという名前が多いために、日本人の名前はとても長いと思われているかもしれませんね。このことから日本の名字の種類が多くなる理由がわかりますよね。
三か国の名前の共通点といえば、漢字を使用することくらいでしょうか。
中国や韓国は名前をフルネームで呼び合うって本当?
韓国の名字で一番多いのは「金(キム)」で、なんと全体の21%以上、993万人が同じってすごいですよね。中国で一番多い名字は「王(オウ)」で、全体の約7%。割合としては少ないですが、なにせ世界一の人口を誇る中国ですから、たとえ全体の7%といえど、人口でいえば9280万人!
中国では人口の割に名字の種類は多くなく、名前も似たものが多く同姓同名が非常に多いことが特徴です。
中国では、お互いの名前をフルネームで呼び合います。なぜフルネームで呼ぶのかというと、中国の姓は一文字のものが多いので、名字だけでは発音が短すぎて呼びづらく、同じ一文字の名字の人がたくさんいるため、名字だけ呼ぶと誰のことだか区別しにくいということが関係しているようです。
具体的に中国では、家族、同僚、友人などの間柄では、年齢や性別も関係なく、敬称を使わずにフルネームで呼び捨てにするのが一般的です。目上の人やよく知らない人に対しては、名字のあとに、男性なら「先生」、女性なら「小姐」「女士」などの敬称をつけて呼びますが、中国ではフルネームの呼び捨てが普通で、失礼にはあたらないそうです。夫婦でもフルネームで呼び合う習慣があるということも驚きです。中国は夫婦別姓なので、結婚しても名字が変わることがないので呼び方は変わらないのだそうですよ。
また、韓国にも同じようなことが言えます。中国よりも韓国の方が同じ漢字の一文字の名字が多く、「五大姓」と呼ばれる、金さん、李さん、朴さん、崔さん、鄭さんが、人口の半数以上を占めると言われています。呼び方は、中国と同じ理由で、韓国でもフルネームで呼び合う習慣があります。ただし、韓国では中国のように呼び捨てにはしないそうですよ。
中国人からすると、日本人の名前は美しい?
中国人からすると、日本人の名前は種類が豊富で変わっていると感じるそうですよ。その理由は、多くの名字に地名に関係する漢字(山、田、村など)が入っていたり、宇宙のように壮大なものから昆虫のような小さなものまで自然界と関連のある漢字も多く、職業や宗教に関わる漢字が使われることもあるからなんだそう。
歴史的人物では豊臣秀吉、中国の人気アニメの登場人物では桜木花道、流川楓、月影千草、芸能界では黒木瞳や浜崎あゆみ(中国では歩と表記)といった有名人の名前、中国で人気者の「福原愛」という名前も中国人には美しく感じるようです。
中国人は漢字についての理解が深く、漢字の意味をよく知っているからこそ、日本人の名前を美しいと感じられるのでしょう。
日本人の名前に関する雑学を紹介!
日本人の名字の数は世界で一番多い!?
日本の名字の数は10万種類以上と言われ、近隣の中国や韓国と比べてとても多いです。ところが、世界で比べてみると、一番名字の数が多いのはアメリカだということがわかっています。どうしてアメリカが一番名字の種類が多いかというと、アメリカの人口は日本の2倍以上であることや、移民が集まって成立していていることから、英語圏の名字だけではなくアジア圏の名字など世界の名字が集まっているからです。
アメリカの名字は少なくとも100万種類はあるといわれ、名字のが多いと言われる日本の10倍以上!圧倒的に世界一名字の多い国となっています。
日本人の名字で一番長い名字とは?
日本人の名字で一番長い名字は何文字だと思いますか?
答えは漢字五文字です。漢字五文字の名字は、現在では二つしかありません。一つ目は「勘解由小路(かでのこうじ)」で公家の子孫とされ、作家武者小路実篤の親戚といわれています。
二つ目が埼玉県にある名字で「左衛門三郎(さえもんさぶろう)」といい、左衛門府に仕えていた三郎の子孫という意味であるだろうとされています。
「勘解由小路(かでのこうじ)」も「左衛門三郎(さえもんさぶろう)」も、歴史あるかっこいい響きの名字ですよね。
日本には名字の記念日があるの?
9月19日は『名字の日』
1870年(明治3年)9月19日に明治政府が「平民苗字許可令」を発令し、「これからは庶民でも苗字を使うことを“許可”する」ということが認められたことにちなんだ記念日です。
「平民苗字許可令」により、公家出身の「華族」や、武士出身の「士族」ではない平民でも名字を名乗ってもよいことになりました。しかし庶民にとっては名字を名乗ると、新たに課税がされるのではないかと政府を警戒して、庶民に名字はあまり普及しませんでした。
2月13日は『名字制定記念日』
1875年(明治8年)2月13日「苗字必称義務令」が発令されたことによる記念日です。「平民苗字許可令」では名字の登録が普及しなかったため、1875年に政府は改めて名字の使用を“義務づける”太政官布告を出したのです。これにより、名字がない人やわからない人は新しく名字をつけて、その名字を名乗りなさいというのです。このことから名字を自分たちで決めなくてはならなったために、前述したような名字の由来に行きついたというわけです。そして庶民にも名字が普及しました。
日本人の名前は種類が多くて興味深い!
日本人に多い名前や由来を見てきました。名字の歴史は平安時代にまでさかのぼるほど古く、現在のように定着するまでにかなりの年数を要したことがわかりました。今を生きる私たちからすると、名字がなかった時代は考えられないですが、かなり不便だったかもしれないですね。名字の由来を探ることで自分の名前のルーツを知ることができるかもしれませんよ。名字は記念日があるほど大切なものだということがわかります。今は気になることはすぐに検索できる便利な時代。自分と同姓同名の名前の人を調べて見るのも面白いかもしれませんよ。どこかで繋がっていたなんてことがあるかもしれません!