『ユーモア』の意味とは?使い方や『ジョーク』との違いも解説!
みなさんはユーモアの意味をご存知でしょうか?改めて説明しようとしてもなかなか難しいかもしれません。こちらではユーモアはそもそもどういう意味なのか、定義や由来について見ていきます。また語源やジョークとの違いについてもご紹介しましょう。
目次
『ユーモア』の意味を徹底解説!
ユーモアという言葉を聞くと、人を笑わせたり楽しませたりするイメージがあります。しかし、ユーモアにはそれだけではなく、頭の働きが良い、センスがあるなど、別の意味も含まれているような感覚があります。ユーモアの意味を説明してと言われると、実際にははっきりとは答えられない人が多いのではないでしょうか?ではユーモアにはどんな定義があるのか?その意味とは何か?を解説していきましょう。
そもそも『ユーモア』って?
ユーモアについては、聞いたことがあるのに意味や使い方がよく分からないという人は多いかもしれません。そもそもユーモアは、名詞としては「気質」や「機嫌」などと訳されます。人間関係においては「ユーモアのある人」「ユーモアのセンスが素晴らしい」といった使い方をします。ユーモアとは周囲の人間を和ませたり、場の雰囲気をよくするものとして、周囲の人たちとの潤滑油のような役割を果たしていると言えます。
ユーモアの定義とは?
ユーモアの定義を見ていきましょう。ユーモアは「風刺」のように遠回しに批判を含むものだったり、とっさに頭が働くことを指す「機知」などと少し意味合いが違います。ユーモアの持つ意味は、話す内容を聞いた相手がどう感じるか?までの思いやりがあり、場を和ませる性質のものです。
また、ユーモアがあると言われる人は、豊かな知識や観察力を持っています。柔軟な思考でものごとを少し違った面から捉えることができ、頭の回転が早く、会話も上手でしょう。そして周りの人への気遣いがあるからこそユーモアがあると言われることから、ユーモアの定義には、品格も求められているようです。
ユーモアの言葉の意味は?
ユーモアを日本語にすると「諧謔」がもっとも近い言葉で、「思わずクスッと笑ってしますような、人を傷つけないおかしさ、しゃれ」「上品で寛容さやゆとりを含む」とあります。人間の行動や、現実での出来事に対しての面白さを表現します。
人間には矛盾があり、現実には理不尽なことも多々見られます。そのことを理解しながらも、嘆いたり批判したりするのではなく、人間への愛情や弱さへの憐れみを含んだ目線がユーモアの根底にはあります。ユーモアが持つ言葉の力によって、ネガテイブをポジティブに変えていけるのです。
ユーモアは英語!
ユーモアは英語の名詞で、綴りは「humor」と書きます。英語の文章の中では「a sense of humor」=ユーモアのセンスというふうに使われます。この「humor」の意味にはユーモアの他に「気分」「きまぐれ」といった意味もあります。よく似た言葉でユーモラス「humorous」がありますが、こちらは形容詞で「おかしな」「滑稽な」という意味になります。
『ユーモア』の語源や由来を紹介!
それではユーモアの語源は一体なんでしょうか?なんとユーモアは元々はラテン語の「体液」(フモール)という言葉が由来です。古いギリシャの医学においては、人間の体液は「血液」「粘液」「胆汁」「黒胆汁」の4つに分類され、これらの体液のバランスが人間の気質や体質を決めているとされていました。近代になってから、滑稽さやおどけた気質を指す意味で使われるようになり、その後現在の言葉の意味に至りました。
もう一つの語源として、「Human」つまり「人間」であるという説があります。ユーモアには、ただ滑稽なだけではなく、人間の愚かしさ、弱さの持つおかしみなどが込められているとするものです。こちらの由来の方が、現代においてユーモアの意味に近いのではないでしょうか。
『ユーモア』の類語は?
ユーモアという言葉には、いくつかの意味が含まれています。言葉遊びという意味では「しゃれ」、機転が利くという意味では「ウィット」「機知」、笑いをもたらす話術の巧妙さの意味では「とんち」などが類義語になります。
『ユーモア』の使い方を例文と共に紹介!
実際に「ユーモア」を使った例を英語の文とともに挙げていきます。
合わせて、ユーモアのセンスが光った実際の出来事をご紹介します。言わずと知れた最強女子プロテニスプレイヤーだったシュテフィ・グラフ。グランドスラムの試合中に思わぬことが起こりました。その出来事に彼女はなんと答えたのでしょうか?
使い方の例(英文)
彼女は素晴らしいユーモアのセンスがある。
「She has a great sense of humor」
作家の話はユーモアが溢れていた
「The writer's speech was full of humor」
彼女はユーモアを理解している
「She is devoid of humor」
ユーモアあるエピソードを紹介
1996年ウィンブルドン、グランドスラムの準決勝でシュテフィ・グラフは伊達公子と対戦していました。グラフがサーブに入ろうとしたこの緊迫した場面で、観客の中から信じられない叫び声が響き渡りました。
「シュテフィ!僕と結婚してくれないか?」
グラフは笑って、こう答えました。
「で、あなたはいくらお金を持っているの?」
固唾を飲んで見守っていた観客からは大爆笑が起こります。
この年、グラフはマネージャーである父親の脱税事件が起こり、お金のトラブルを抱えていました。本来なら主審からこの観客に対して厳しい注意があってもおかしくない場面でしたが、自分の状況を逆手に取ったこの切り返しで、見事その場を収めてしまったのです。
シュテフィ・グラフと言えば、ゴールデンスラム(テニスの4大大会全てとオリンピックに優勝すること)を達成したテニス界のレジェンドです。緊張感漂うゲームの最中に思いもよらない声がかかりましたが、さすが女王、このユーモア溢れる一言でまたファンが増えたということでした。
『ユーモアがある』は誉め言葉なの?
あなたがもし「ユーモアがあるね」と言われたらどんな気持ちになりますか?そのまま褒め言葉として受け取っていいのでしょうか?それともその意味を考え、遠回しに何か言われたと感じますか?
人を笑わせるには、柔軟な発想力とともに、ものごとを違う角度から見る余裕が必要です。ユーモアには他の人を不快にさせない気遣いがあります。。ユーモアは「センス」と言われることもあり、ユーモア溢れる言葉で場を和ませることは誰にでも出来ることではありません。ビジネスマンの中には、仕事に役立つユーモアを身に付けたいと思い努力している人もいます。
ユーモアがあるねと言われたら、素直に褒め言葉だと受け取りましょう。
『ユーモア』と『ジョーク』の違いを紹介!
ジョークとは「冗談」と訳され、受け手を笑わせるしゃれや笑ってしまう小噺のことです。ジョークは笑いを取ることが目的で、中には辛辣なものやタブーに触れるようなものもあります。国によって好まれるジョークが違い、アメリカンジョークやエスニックジョークと呼ばれます。
では、ユーモアとはどう違うのでしょうか?ユーモアとの違いは、まず内容に「品」があるかどうか?という点です。ユーモアの基本には他の人への配慮があるので、下品にはなりません。ジョークが全般的に下品かというとそうではありませんが、受け手の気持ちを考慮しているかしていないかという点では全く違うものだと言えます。
また、ユーモアからは何かしら学ぶものがあります。笑った後に、こういう観点があったのかと関心したり、ものごとを悲観的に捉えない考え方からは、自分も取り入れてみたいと思わせる魅力があるでしょう。
しかし、ユーモアもジョークも「笑い」をもたらしてくれるコミュニケーションのツールには間違いありません。笑いは空気を明るくし、居心地をよくする効果もあります。動物の中でも「笑い」が許されているのは人間だけ。現代において、人間ゆえのストレスを軽減するものとして大いに取り入れてみましょう。
意外と知らないユーモアの意味をしっかり理解しよう!
ここまでユーモアについて色々見てきましたが、ユーモアの意味について、案外知らなかったことも多かったのではないでしょうか。ジョークと混同していた人も多いかもしれませんね。ユーモアの意味の根底には人への洞察や思いやりがあることを知れば、人間関係の潤滑油になっている理由も理解出来ます。
例えば、初対面の人との会話、喧嘩の後の気まずい雰囲気、職場で誰かが大きな失敗をしてしまった時、そういう場面でユーモア溢れる言葉で笑いが起これば、一瞬で空気は変わります。あなたの生活にもぜひユーモアを取り入れて、自分だけではなく周りの人も笑顔にしてみてはいかがでしょうか。