ジンチョウゲ(沈丁花)の花言葉や由来!種類や香りは?
ジンチョウゲ(沈丁花)という花をご存知ですか。春先になるとどこからともなく漂ってくるあの甘い香りの正体です。沈丁花の花の種類や花言葉、いつが見頃なのかということや、名前の由来、英語での花言葉など、いろいろな視点でご紹介したいと思います。
目次
ジンチョウゲ(沈丁花)ってどんな花?
ジンチョウゲ(沈丁花)という木をご存知でしょうか。ジンチョウゲ(沈丁花)は早春(2月~3月頃)に花を咲かせる常緑の花木です。早春に外を歩いていて、なんとなく甘酸っぱいような何とも言えない良い香りがどこからともなく香ってくると思ったら、それはジンチョウゲ(沈丁花)かもしれません。そんなジンチョウゲ(沈丁花)の名前の由来や英語での呼び名、花の香りや、種類をはじめ、いつが見頃なのか、花言葉や神話なども織り交ぜてご紹介します。
ジンチョウゲ(沈丁花)の特徴は?
ジンチョウゲ(沈丁花)にはどんな特徴があるのでしょうか。まずはあたりに漂う何とも言えない花の香りが一番に特徴として挙がってきますが、花の特徴、木の特徴、増やし方等についてもお伝えしたいと思います。
沈丁花の花の特徴
ジンチョウゲ(沈丁花)は室町時代に中国から渡ってきた花木で、春先に枝の先に小さい花が毬のように固まって咲きます。後に触れますが三大香木の一つで、甘いような少し酸っぱい感じもするとてもよい香りがあたり一面に漂います。この香りが名前の由来にもつながっています。原産は中国中部から雲南省、またはヒマラヤ地域とされています。また春先に咲く花であることから、春の季語にもなっています。
沈丁花の木の特徴
常緑性の低木ですので、1年を通して緑色の葉をつけていて、庭木として楽しむ方も多いでしょう。樹高は1m~1.5mほどで、枝が分岐していくので剪定をしなくてもこんもりと丸く収まりますので、煩わしい手間をかけずに楽しめますね。またジンチョウゲ(沈丁花)は雄株と雌株があり、雌株はかわいらしい赤い実をつけます。ですが、日本で見られるのはほとんどが雄木のようなので、ジンチョウゲ(沈丁花)の実を見ることはあまりないかもしれませんね。
沈丁花の寿命と増やし方
ジンチョウゲ(沈丁花)の寿命は意外と短く、15年程度すると枯死してしまいます。またそれほど年数が経っていなくても突然枯れてしまうことがもあるようです。しかし挿し木で増やすことが簡単なようですので、一株手に入れたら挿し木をして増やしていくと良いでしょう。だからと言って、いつ挿し木をしても良いというわけではありません。前年の枝を利用する場合は4月、その年に伸びた枝を利用する場合は7月から8月に行うのが良いようです。また移植は難しく、特に3年以上経過していると根付かないようです。
夏にした挿し木もどうやら育ってくれている。
— 大森元気(ex残像カフェ/花と路地) (@oomorigenki) December 11, 2018
.#沈丁花 #ジンチョウゲ #挿し木 pic.twitter.com/hK6XkGZH69
ジンチョウゲ(沈丁花)は挿し木で簡単に増やせますが、寿命が短いという悲しい点もあります。ジンチョウゲ(沈丁花)のほとんどが挿し木でできてるので、もし雌株があって実から種を取り実生苗を作ることができればもしかすると挿し木より寿命が長くなるかもしれませんね。
園芸サイトによると「挿し木」で増やせるんですね。生命力強いんだ、と読み進めてたら「移植を嫌う」「寿命が短い」「植え替えたら見事に枯れた」等と書かれていて「HPが異様に高い魔術師」みたいだと思ったゲーム脳ですまない。 #花 #沈丁花 pic.twitter.com/I7rXd2KTgw
— 𓃠鍵尾 黒虎ᗢ (@Nerv_hq_2015) March 18, 2016
ジンチョウゲ(沈丁花)の開花時期や見頃はいつ?
ジンチョウゲ(沈丁花)の開花時期は2月下旬から4月中旬です。3月のはじめころに見ごろを迎え、開花した花は10日から20日程度楽しめます。枝先に毬のように固まって咲いたかわいらしい花をぜひこの期間に見て、ジンチョウゲ(沈丁花)の香りとともに春を感じたいものです。
ジンチョウゲ(沈丁花)の種類を紹介
ジンチョウゲ(沈丁花)と言ったら、薄いピンク色で中央近くは少し濃いピンク色もしくは白と、色が少々違うけれども同じかと思っていたら、実はジンチョウゲ(沈丁花)には種類があって、なかでも日本でよく見かける種類が、「ウスイロジンチョウゲ」「シロハナジンチョウゲ」「フクリンジンチョウゲ」の3種です。
雨上がりました😊
— サチエ(低浮上中) (@sachie_0619) March 16, 2018
香りに誘われて💗✨#イマハナ #沈丁花#ヂンチョウゲ pic.twitter.com/V8c2cBeUWb
「ウスイロジンチョウゲ」は花の内側が白で外側がピンク色をしているもので、一番よく見かけるのではないでしょうか。「シロハナジンチョウゲ」は花が内外両側白色のため、可憐な印象です。「フクリンジンチョウゲ」は葉に白色か、黄色の斑が入っています。
こっちは「覆輪姫沈丁花」
— 泰 (@kskbtit) May 5, 2018
まだあんまりメジャーではないですが
ほのかな香り、花も斑入りの葉も可愛くて観賞価値があり
しかも低木で管理しやすいと凄い優等生な庭木です♪#沈丁花 #写真 #flower #写真好きな人と繋がりたい#ファインダー越しの私の世界 #ふぉと #園芸 #花 pic.twitter.com/ZznQl6OkU0
ジンチョウゲ(沈丁花)の名前の由来
ジンチョウゲはなぜ「沈丁花」と言うのでしょうか。それは香木(樹木から採れる香料、または良い香りを持つ木材で、沈香(じんこう)と白檀(びゃくだん)と伽羅(きゃら)の3種が一般的)の沈香に似た香りを放つことと、花蕾が丁子(ちょうじ・クローブ)に似ていたことから「沈丁花」と呼ばれるようになりました。「チンチョウゲ」と言うこともあり、中国では「瑞香」と言われています。
実はジンチョウゲの花は花じゃない?!
沈丁花の花。「花」と言っているかわいらしい毬のようなもの、あれは実は「花」ではなく厳密にいうと「がく(萼)」で、花弁(花びら)ではないのです。沈丁花以外にも、オシロイバナやクレマチス等も花ではなく「がく」なんです。ちなみに一番身近でわかりやすいのがアジサイ。パッと見て「花」だと思っている部分は実は「がく」で、よーく見ると、真ん中に小さな花があるのがわかります。またハナミズキは花と思っている部分が「苞(ほう)」と言って、花びらを包んでいた葉っぱなんだそうですよ。
ジンチョウゲと月桂樹は似てるの?
沈丁花の葉っぱは、花をかこむようにしてありますが、その葉っぱの形が月桂樹の葉っぱと似ています。ですが、月桂樹は日当たりと風通しが良ければ病害虫の発生も抑えられ、たとえ乾燥して枯れたようになっても、一晩水につけて植え替えてやると新芽が出るという強いものであるのに対し、沈丁花は月桂樹に対して軟弱です。
また沈丁花と月桂樹は葉の形が似ていますが、似ているというだけで、全く別のものです。沈丁花はジンチョウゲ科のジンチョウゲ属で常緑低木、月桂樹はクスノキ科の常緑高木です。
ジンチョウゲの花言葉と由来を紹介
沈丁花にも花言葉があります。甘い香りがする沈丁花は「不滅・不死・永遠」という花言葉や「栄光」「甘い思い出」等の花言葉があります。それぞれの花言葉の由来についてご紹介します。
「不滅・不死・永遠」
沈丁花の花言葉である「不滅・不死・永遠」は沈丁花が常緑性の木であることから、この花言葉がつけられました。15年ほどで枯れてしまう沈丁花ですので、なんだか矛盾している感じがしますが、挿し木で簡単に増やせることを考えるとまんざらでもない気がします。
ギリシャ神話(アポロンとダフネ)から
ギリシャ神話では、アポロンが小さな弓を手にしたエロース(キューピット)を馬鹿にしたところ、エロースが怒って仕返しとしてアポロンに金の矢(恋に落ちる)を放ち、そして近くにいたダフネに鉛の矢(恋を拒絶する)を放ったのです。ダフネがどんなに拒絶してもアポロンは追いかけ続けました。困り果てたダフネは川の神である父に自分の姿を変えてほしいと頼み、ダフネは月桂樹に姿を変えられました。アポロンは愛の記念にその月桂樹の葉で冠を作って、永遠の愛の証として頭にかぶり続けたそうです。
変ですね、沈丁花が出てきません。そうなんです。よく言われている「アポロンとダフネ」の神話は上記のような話なのですが、やや違う説もあって、後半は「逃げて困り果てているダフネを不憫に思ったゼウスがダフネを沈丁花に変えた」とするものもあるのです。いずれにしてもアポロンのダフネに対する愛は永遠に不滅、不死のものだったわけですね。
ギリシャ神話も昔は口承でしたので、文字記録に移るまでは地域によって食い違いや差異があったようですね。昔のことですから、月桂樹と沈丁花の葉が似ていたから神話では混同されたのもわからなくもないですね。ちなみに沈丁花の学名は「Daphne odora(ダフネ オドラ)」と言います。「ダフネ」は月桂樹のことです。
「栄光」
沈丁花の花言葉で「栄光」というのもあります。沈丁花の葉とよく似た葉の月桂樹はローマ神話のユピテル(ギリシャ神話でいうゼウスと同一視できる、古代ローマの最高神で、英語読みでは「ジュピター」という)の木とされていて、戦場で勝利したら将軍がユピテルに月桂樹の冠を奉納する習慣があったそうです。「栄光」を勝ち取った者には特別なもの。それから月桂樹が「栄光」という花言葉をもつようになり、葉が似ている沈丁花にも同じ「栄光」という花言葉が使われるようになったそうです。
「甘い思い出」
沈丁花には「甘い思い出」という花言葉もあります。「不滅・不死・永遠」それから「栄光」ときて「甘い思い出」と少しニュアンスが違いますね。春先のまだ冬の寒さが残る空気が澄んだ時期に、どこからともなく甘く漂ってくる香りは、この花言葉もぴったりです。
ジンチョウゲの英語の花言葉は?
沈丁花は英語で「Daphne(ダフネ)」または「Winter Daphne(ウィンターダフネ)」と言います。西洋でもそれぞれの花に花言葉があります。沈丁花の花言葉は英語では何でしょうか。「glory(栄光)」と「immortality(不死・不滅)」です。英語の花言葉でも「栄光」と「不死・不滅」だなんて、日本での花言葉と大体同じですね。
ジンチョウゲの花言葉を添えて贈ろう!
せっかく花言葉を知ったのですから、ぜひ贈り物に使ってみてください。ジンチョウゲをいつ誰に贈るのが良いか等、今度は花言葉の「栄光」と「不死・不滅」の意味から考えてみましょう。
お祝い事に贈る「栄光」
「栄光」という花言葉だけに、仕事やプロジェクトが成功した記念に旦那さんやお父さんへのプレゼントであったり、試合に勝った記念等に贈るのも良いでしょう。「栄光」という花言葉に加え、「永遠」という花言葉の意味もある沈丁花ですから、きっと喜ばれるでしょう。
お年寄りに贈る「不死・不滅」
「不死・不滅」という花言葉があるジンチョウゲは年配の方に贈るのにも良いですね。「いつまでも元気でいてね」とメッセージを添えて、孫がおじいちゃんおばあちゃんに贈ったら、年齢を感じてきていたおじいちゃんおばあちゃんも、きっと元気で長生きしてくれるでしょう。
ジンチョウゲは三大香木のひとつ!
三大香木とは「沈丁花」をはじめ、「金木犀(キンモクセイ)」「梔子(クチナシ)」の3つを言います。どの樹木もそれぞれの季節で良い香りを漂わせ、私たちを楽しませてくれます。中でもキンモクセイは沈丁花と同じく馴染みのある樹木ではないでしょうか。春先はジンチョウゲ、夏はクチナシ、秋はキンモクセイとそれぞれの季節にそれぞれの香りも楽しみたいですね。
6月頃に見たクチナシの花
— かっちゃん (@ohnok1) October 29, 2016
甘い芳香に引き寄せられた記憶が有る
今は黄色い実をつけて楽しませてくれている#クチナシ pic.twitter.com/2WyRfpHKCZ
沈丁花の香りは気分を落ち着かせる効果も
とても良い香りの沈丁花。その香りの成分はおよそ120種類以上から成るそうです。なかでもリナロールという香りの成分がリラックス効果や鎮静作用、抗菌作用等があるそうです。リナロールはラベンダーやベルガモット等にも含まれるようなので、気分を落ち着かせる効果があるのも頷けます。
沈丁花の香りの香水
気分を落ち着かせる効果がある香りを持つ沈丁花。香水やアロマで使えるとなると魅力的だと思いますが、天然の香料としては香水やアロマにするのが難しいようで、そのものの香りを使った商品はあまりないようです。ただリアルに再現した商品はあるようなので、試してみるのも良いですね。
ジンチョウゲには強い毒がある!
かわいらしい花が咲き、甘い香りを漂わせる沈丁花ですが、実は強い毒を持っています。特に樹皮や樹液、根、果実は強い毒性があり、沈丁花は全体的に有毒です。「不死」や「栄光」等の花言葉とは裏腹に強い毒を持っているとは驚きですね。
沈丁花の毒を誤って口にしてしまうと、下痢や嘔吐をはじめ、心臓障害を起こすこともあるようですし、樹皮に触れるだけでも皮膚炎を起こしたり、水泡ができてしまうようですので、手入れをする際にはゴム手袋等をした方が良さそうです。お家で飾る場合は、特に小さいお子さんやペットには気を付けてあげたいですね。
ジンチョウゲの誕生花はいつ?
沈丁花の誕生花はいつでしょうか。ご紹介する本に書かれている沈丁花が誕生花の誕生日は3月16日となっています。しかし3月16日以外にも、1月16日、2月10日、2月23日、3月1日、3月15日、3月21日、12月15日も該当するようです。また種類によってシロハナジンチョウゲの場合は12月15日、12月24日となっています。
日本にあるジンチョウゲは大半が雄なの?!
日本で見かける沈丁花はそのほとんどが雄木です。ですから花を咲かせても実をつけることはありません。雌木は稀に「実成りジンチョウゲ」として売られていることがあるようです。雌木にできる実は赤くて直径1cmくらいのものですもちろん毒性が強いのでかわいらしいからと安易に触ってはいけません。
ちなみに沈丁花のように雌雄異株の木で、日本ではほとんどというより全てが雄株という樹木にはキンモクセイもあります。キンモクセイの場合は花付きが良い雄株しか中国から移入されなかったため、日本には雌株はなく、キンモクセイの実は中国までいかないと見られないようです。
ジンチョウゲの香りを楽しもう!
英語の学名は「Daphne odora(ダフネ オドラ)」と言いますが、「Daphne」はギリシャ名で月桂樹のこと、「odora」は良い香りがすることを意味します。沈丁花の花の香りはその主な成分が、リナロール、シトロネロール、ゲラニオール等で、約120以上の成分から成っています。リナロールにはリラックス効果や沈静効果等もあるようなので、寝室に沈丁花の香りがあればぐっすり眠れるかもしれませんね。
12月15日の誕生花「沈丁花(じんちょうげ)。アロマテラピーでは「沈香」として有名ですが、生薬としても使います。
— 漢方の健伸堂@宇治と京都四条の漢方薬局 (@kenshindo) December 15, 2018
気が滞ることで起こる疼痛や月経不順、下腹部痛に効果があるとされ、いろんなお薬につかわれていたりするんですよ。#誕生花 #12月16日 #沈丁花 #沈香 pic.twitter.com/iJ5x6a8kuP