金賢姫の現在とは？大韓航空機爆破事件の真相まとめ

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金賢姫（キム・ヒョンヒ）は、１９６２年１月２７日北朝鮮生まれの女性（元工作員）で、１９８７年に発生し大勢の死者犠牲者が出た「大韓航空機爆破事件」を実行した二人の犯人のうちの一人です。

ちなみに、もう一人の実行犯である、同じく北朝鮮の工作員の「金勝一」は、事件後服毒自殺で死亡しました。

しかし、金賢姫は一命を取りとめ、バーレーン警察から大韓民国（国家安全企画部）に身柄を移され、厳しい取り調べを受ける中で、結局隠しきれず犯行を自白します。

１９８９年に死刑判決が確定しましたが、１９９０年に韓国政府によって特赦を受け極刑を免れ現在も生きています。

そんな金賢姫ですが、彼女の生い立ちから事件まで、さらに事件後や現在のようす等を時系列的に見て行くことで１１５人もの死者犠牲者を出した「大韓航空機爆破事件」の真相理解を深めたいと思います。

・１９６２年１月２７日、北朝鮮の官僚（外交官）の娘として生まれる。
　４歳まで海外（キューバ）で過ごす等、北朝鮮では支配階級に属する家庭の中で幼少期を過ごしています。
　ちなみに、母親は元韓国領土出身なので、金賢姫は北朝鮮人と韓国人のハーフになります。

・１９６８年９月、平壌西城区域下新洞の下新人民学校（小学校）に入学。

・１９７２年９月、平壌の中新中学校に入学。在学中に映画「娘の心（娘の心情）」に出演。

・１９７７年年９月、金日成総合大学生物学部に入学。

・１９７８年９月、平壌外国語大学日本語科に入学。

・１９８０年４月、金正日政治軍事大学工作員速成情報クラスに入学。

・１９８１年～１９８３年、招待所で李恩恵から日本語の教育を受ける。

・１９８２年４月、朝鮮労働党に入党。
　※朝鮮労働党への入党は簡単ではなく（ワイロ要求など）この事実だけ見ても、金賢姫はかなりのエリートだったと思われます。
　
・１９８７年１１月２９日、平壌～モスクワ～オーストリア～ベオグラードを経てバグダッドに到着。　バグダッドで問題の大韓航空機（KAL858号便）に共犯の金勝一と乗り込み、アブダビで飛行機を降りた後、バーレーンに向かう。　このとき時限爆弾を棚に置いたままにし、大韓航空機（KAL858号便）はその後消息を絶ち１１５名もの死者犠牲者を出す。

・１９８７年１２月１日、バーレーン空港での出国手続きにおいて日本国パスポートを偽造した容疑で逮捕される。

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金勝一（キム・スンイル）は、北朝鮮の元工作員で、１９８７年に発生し大勢の死者犠牲者が出た「大韓航空機爆破事件」を実行した二人の犯人のうちの一人です。

金勝一は、金賢姫とともに日本人になりすまして大韓航空KAL８５８号便に搭乗し、時限爆弾を仕掛けて「大韓航空機爆破事件」を引き起こします。

事件当日、金勝一は「蜂谷真一」という日本人の偽造パスポートを所持していました。

二人はバーレーンで拘束されかけますが、このとき金勝一は、突然、持っていた青酸系アンプルで服毒自殺して死亡します。

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李恩恵（リ・ウネ）は、金賢姫の"日本人化"教育係であったとされる女性で、彼女自身も北朝鮮による日本人拉致事件の被害者で、日本人の「田口八重子」さんとみられています。

北朝鮮の説明によれば、田口さんは北朝鮮で結婚し、その後自動車事故で死亡したとしています。（遺体は洪水で流失し確認はされていない。）

一方で、金賢姫は「恩恵先生は現在も生きていますよ。」と田口さんの長男に述べていますが真相は不明のままです。

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金正日（キム・ジョンイル）は、北朝鮮を建国した金日成の長男で、金日成の死亡後に北朝鮮最高指導者の地位を継承した人物です。

大勢の死者犠牲者が出た大韓航空機爆破事件の指導と総指揮は、事件当時、金日成の後継者に指名されていた金正日（朝鮮労働党書記）が命令していたと言われていますが真相は不明です。

実行犯の二人が「大韓航空機爆破」の指令を受ける際に、金勝一が「中東ではイ・イ戦争が進行中だから空港の検問・捜査が厳しい」と異議を唱えると、担当の李対外情報調査部長から「金正日の自筆承認計画で変更できない」と告げられ、金勝一の異議は却下されたとされています。

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大韓航空機爆破事件は、１９８７年に日本人を名乗る北朝鮮の二人の工作員が引き起こした航空機テロで、時限爆弾が仕掛けられた大韓航空機は、ビルマ上空で爆破され消息を絶ち１１５名もの死者犠牲者が出ました。　

（犠牲になった死者のほとんどは中近東への出稼ぎから帰る韓国人でした。）

大韓航空機爆破事件は、金正日（事件当時：朝鮮労働党書記）が命令していたと言われていますが真相は分からず、現在も北朝鮮は、韓国による自作自演を主張し、大韓航空機爆破事件への関与を否定しています。

一方で、大韓航空機爆破事件の目的は、翌年に予定されていた「ソウルオリンピック（五輪）」の妨害であったと言われています。

凡人から見たら、大韓航空機を爆破墜落させることで何故、ソウルオリンピックの妨害になるのか？その効果が疑問に感じますが、大韓航空機の空中分解が韓国自体の信頼低下を招き、また東側諸国（社会主義諸国）にソウル五輪をボイコットさせる契機にしよう、というものであったらしいです。

ちなみに、ソウル五輪のエントリー期日が１９８８年１月１７日で、このタイミングが妨害する最後のチャンスだったと見做されてます。

大韓航空機爆破事件って、こんなわけの分からない論理で仕組まれたのか…と思うと、金正日をトップに１１５名もの死者犠牲者を出した事件関係者は罪が重いと思います。　

「ソウルオリンピック（五輪）」の妨害目的で仕組まれたとされる「大韓航空機爆破事件」ですが、北朝鮮の目論見は上手くいったのでしょうか？

結果的には、ソウルオリンピックは成功し、北朝鮮の目論見は失敗だったと思います。

事件後、まず同じ東側に属す国であった「ハンガリー」が北朝鮮の謀略だと真相を見抜いて、東側陣営の盟主であったソ連へ報告します。

ハンガリーは、金賢姫が北朝鮮パスポートで自国に入国したにも拘らず、出国時には日本の偽造パスポートを使用したことで北朝鮮の悪巧みと事件の真相に気づいたようです。

ハンガリーからの情報提供で、ソ連をはじめ東側の国全体からも「北朝鮮は卑劣なテロ国家」との烙印を押され、ソ連も中国もソウル五輪へ参加表明を出します。

結局、ソウル五輪に参加しなかったのは北朝鮮ぐらいで、金正日の目論見は無残な失敗に終わってしまいました。

北朝鮮は、大韓航空機爆破事件の後は、世界中からの非難を浴びて国際的に孤立することになってしまい、現在もその状況は続いています。

金賢姫は、事件後どうなったのでしょうか？時系列で整理してみました。

・韓国で１年間もの取調べの後、国家保安法、航空法、航空機運航安全法違反で起訴される。

・１９８９年、死刑判決が確定。

・１９９０年、韓国政府によって特赦される。

・１９９７年、自身のボディーガードを担当した元国家安全企画部員の男性と結婚。

・２００９年年３月、日本人拉致被害者の田口八重子さんの長男である飯塚耕一郎さんと韓国釜山で面会。

・２０１０年７月、大韓航空機爆破事件以来、初めて韓国を出国して日本を訪問。

金賢姫は、現在まで大韓航空機爆破事件の１１５名の死者の遺族とは会っていません。

また元国家安全企画部員の男性と結婚し、子供（一男一女）を産んだという情報がありますが、金賢姫の息子や娘に関する詳しい情報は分かっていません。

２００４年現在、いまだに北朝鮮から命を狙われているとされる金賢姫は、韓国の"安家"と呼ばれている、脱北者や重要人物を保護するための施設にいると考えられています。

北朝鮮は、現在でも事件に関して、韓国や米国、日本などの陰謀である、として犯行を全面否認しています。

一方で当事件は、韓国側による陰謀ないし捏造であるとする説も唱えられています。

すなわち、韓国大統領選挙で与党候補を当選させる目的で韓国国家安全企画部が仕組んだ自作自演の謀略なのでは？とする説です。

この説に対しては、２００９年に金賢姫が田口八重子さんの家族と釜山で面会した際に

「私がやったことだ。北朝鮮によるテロに間違いない」と述べ、韓国謀略説を一蹴しました

また、盧武鉉政権時代に、国家情報院から韓国謀略説を認めるよう強いられていた、との発言をしています。

金賢姫の関連動画１

改めて見ると金賢姫は、結構美人ですね。

金賢姫の関連動画２

金賢姫の関連動画３

金賢姫の関連動画４

金賢姫の関連動画５

金賢姫の関連動画６

金賢姫の関連動画７

金賢姫の関連動画８

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向田邦子

向田邦子さんは、1981年8月22日、台湾旅行中に飛行機事故で死去。

人気女流作家「向田邦子」さんは、台湾への取材旅行中に遠東航空機墜落事故で死亡しています。

この遠東航空機墜落事故と大韓航空機爆破事件を混同してしまい、「向田邦子は金賢姫によって殺された。」と勘違いしている人がいるようですが間違いです。

向田邦子さんが犠牲になった「遠東航空103便墜落事故」は、1981年8月22日に発生した航空事故で、向田邦子さんを含め日本人乗客１８名が乗っていました。

向田邦子さんの死は当時の日本社会に大きな衝撃を与えました。

自衛隊と大韓航空機爆破事件の関係についても混同されることがあるかも知れません。

日本の自衛隊と「大韓航空機爆破事件」の間にはとくに接点はありませんでした。

一方で、自衛隊と大韓航空機撃墜事件（１９８３年）については接点が認められています。

大韓航空（KAL007便）がソ連の戦闘機ミサイルに撃墜されたという証拠を第一に確保したのは、米国でも韓国でもなく日本の自衛隊でした。

ソ連が「領空侵犯機は日本海へ飛び去った」と事件への関与を否定する中で、アメリカ政府は、同日「ソ連軍機が007便を撃墜した」と発表しました。

その裏には日本の自衛隊が傍受したソ連軍機の通信テープの存在がありました。

（この自衛隊が傍受したテープの公開については、当時の中曽根総理を始めとする政府首脳には全く相談がなかった。また自衛隊から米国に渡った事実も報告されていなかった。後に、このテープは防衛庁（自衛隊）の承認の下で米国国家安全保障局に渡されたことが判明している。）

大韓航空機爆破事件の真相については、北朝鮮による「ソウルオリンピック（五輪）」の妨害工作であったとする説明がされています。

この説明で間違いないのでしょうが、大韓航空機の空中分解が韓国の信頼低下を招き、引いては世界各国にソウル五輪をボイコットさせる契機にする、という計画があまりにも幼稚な感じがしてしまうのは筆者だけでしょうか？

この事件の犠牲者や遺族は堪らないと思いますし、２０２０年の東京五輪が心配になってきました。