コロンバイン高校銃乱射事件の真実~"いじめ"が起こした大量殺人~
1999年コロラド州のコロンバイン高校で当時学生だった2名がおこした銃乱射事件。コロンバイン高校銃乱射事件は稀にみる凶悪事件であり、その後アメリカ社会においても大きな影響を与えた。犯人は校内で銃を乱射したのち自殺している。
目次
- 1コロンバイン高校の銃乱射事件を覚えているだろうか?
- 2犯行の動機・スクールカーストという言葉といじめの実態
- 3エリック・ハリスとディラン・クレボルトの日常
- 4銃乱射事件が起きたコロンバイン高校の特徴
- 5本当にいじめられっ子だったのか?
- 6コロンバイン高校銃乱射事件の原因はいじめだったのか、真実は?
- 7一人目の犯人エリック・ハリスについての真実
- 8二人目の犯人ディラン・クレボルトについての真実
- 9コロンバイン銃乱射事件の犯人はどのようにして出会ったのか?
- 10いじめから犯行に至るまで
- 11映画化もされたコロンバイン銃乱射事件・犯行の兆候
- 12コロンバイン銃乱射事件当日・映画の様な悪夢の始まり
- 131999年4月20日11時10分
- 1411時19分・レイチェル・スコット殺害から乱射事件は始まる
- 15その後犯人は次々と銃を乱射
- 16犯人は図書館に移動し銃を乱射し続ける
- 17映画にもなったコロンバイン高校銃乱射事件は犯人の自殺で終焉を迎えた
- 18抗うつ薬服用による影響への疑い
- 19コロンバイン高校銃乱射事件・その後の社会への影響
コロンバイン高校の銃乱射事件を覚えているだろうか?
歴史上稀に見る犯罪として、その後何本も映画が製作されているコロンバイン高校銃乱射事件
コロンバイン高校で一体何が起きたのか?真実の追求
いじめ・スクールカースト・サイコパス・その真実とは
1999年、日本では新年度が始まり少し落ち着いた春の頃、アメリカ合衆国コロラド州のジェファーソン郡立コロンバイン高等学校で、二名の生徒が銃を乱射。十二名の生徒と一名の教師を殺害し、十二名もの重軽傷者を出した後、犯人の男子生徒二名は自殺した。
日常生活に銃が横行するアメリカ社会においても、その当時高校生による校内での銃乱射事件は他に類を見ず、その凶悪性と若年性、被害規模の大きさから国中を震撼させた。テレビの前でこの事件を聞いた多くの日本人にも強い襲撃を与えた。後にこの事件を題材に、ボーリング・フォー・コロンバインやエレファントといった映画が製作されている。
犯行の動機・スクールカーストという言葉といじめの実態
スクールカーストとは?いじめにつながる真実
出典: http://daikore.com
いじめ・その実態と真実
近年、日本でも聞かれることの多くなったスクールカーストという言葉。しばし映画やドラマの題材にもされてきた。しかし、アメリカ社会においてのそれは根深くより深い闇を抱えている。
アメリカの学校におけるヒエラルキーとしてのスクールカーストとは、ジョック(Jock)やクイーン・ビー(Queen Bee)と呼ばれる物たちがそのトップに立つ。彼らは必ずしも勉強ができる必要はなく、体育会系の活動で成果を上げる男子学生と、主にチアリーダーの最上位に位置する女子学生が所属する。彼らを取り巻く物たちや文科系のトップが中間層、使いっ走りやマイナーな運動部の生徒がその下につき、彼らまでが学校生活を楽しむことができる。下層のスラッカー(Slacker)フリーク(Freak)ギーク(Geek)ゴス(Goth)ブレイン(Brain)は、ナード(nerd):スポーツを不得手とする種類の者、スポーツ以外の趣味に打ち込む者:と呼ばれ、ジョッグやその取り巻きから見下されたり軽んじられて学校生活を送ることになる。
そのスクールカーストの最下層が被虐者(Target)と呼ばれ、いじめの対象者である。
アメリカでは教師や大人ですら、スクールカースト上位の生徒を特別扱いする傾向がある。その為スクールカースト下位に置かれるということは、アメリカ社会において「最初からつまはじきに合う」ということに他ならない。
映画やドラマにも登場するいじめの原因・スクールカーストその後の真実
しかし、アメリカにおける大衆文化を語る上で、ほぼ全ての文化人がナードを出自としており、社会に出た後、学力で勝るナードよりもジョッグが下になることは多い。特に映画監督などはナードの出自の者も多く、ナードが特殊能力を手に入れてヒーローになる、といったストーリーはアメリカの映画でよく見られる。その場合、ジョックは犠牲者、あるいは脅威に対する噛ませ犬として描かれることになる。
エリック・ハリスとディラン・クレボルトの日常
コロンバイン高校の学生
映画にもなっているコロンバイン高校銃乱射事件の犯人
犯人の二人の性格からコロンバイン高校銃乱射事件の真実を紐解いてみよう
犯人である男子生徒、エリック・ハリスとディラン・クレボルトが、犯行直後に自殺しているため、犯行動機について囁かれている多くのことは憶測や推測だ。本人たちが語れない限り、真実はわからない。
彼らはスクールカーストにおける最下層にいて、ターゲットとして日常的に重篤ないじめを受けており、そのことで日頃から恨みや憎しみを鬱積させていたとれている。いじめが彼らを凶悪犯罪の犯人にしてしまった、原因の一端を担っていた、というのが通説だ。しかし原因はそれだけなのだろうか?
銃乱射事件が起きたコロンバイン高校の特徴
事件の舞台となったコロンバイン高校は、スポーツ強豪校として体育会系を尊ぶ気風が色濃く、そのため体育会系で力を持つ生徒が学校生活においても絶対的な権力を待っており、スクールカーストというヒエラルキーが一段と色濃く横行していた。ナード階級に属していたといわれるエリック・ハリスとディラン・クレボルトは、この高校に入学して間もなく、当然のようにいじめの対象となったとされている。
スクールカーストの底辺である彼らが、スクールカーストの頂点に立つ生徒たちから忌み嫌われ、いじめの対象者となっていたのだ。
本当にいじめられっ子だったのか?
二人は、すれ違いざまにわざとぶつかって因縁をつけられる、「オカマ野郎」「ホモ野郎」などの暴言を吐かれる、二人と交流を持つ女生徒に仲間の女生徒を通して嫌がらせをさせる、ロッカーに押し込められたり車から物を投げつけられるなど、日常的に多くの、差別的、非人道的行為を受けていた。そのため鬱積した気持ちを爆発させ犯行に及んだとされている。
コロンバイン高校銃乱射事件の原因はいじめだったのか、真実は?
これから、当時の社会背景や人物像、取り巻く人間関係などを通して、彼らがなぜ犯人になってしまったのかを少しづつ紐解いてみよう。
一人目の犯人エリック・ハリスについての真実
犯人エリック・ハリスは一見優等生だった
エリック・ハリスは身長175センチほどで、整髪料をたっぷり使って髪を逆立て、ファッションに気を使うような性格であり、タバコやマリファナを吸ったり酒を飲むような行為を行ったり、愛車に乗って、ハードコアを聞きながらロケット花火を飛ばしたり、遠くまでマリファナを仕入れにいったりするような素行の悪い一面があった。
しかしそれとは対照的に、宿題はきちんとやり、成績もAがいくつも並んでいた。彼にはそれなりの魅力があり、仲の良い女性もいた。アルバイト先のピザ屋では機転の利く仕事ぶりで、店長はエリックのことをかっていた。彼はふざけていいときとまじめになるべきときの区別がつく青年だった。
エリックの父は軍人で、家庭では厳しく育てられた。
幼少期にはマイノリティーの友人が多く、子どもの頃は内気な少年だったが、成長するにつれ自己顕示欲が強く、授業中によく手をあげ常に正解を答えるような人間になっていった。
二人目の犯人ディラン・クレボルトについての真実
犯人ディラン・クレボルトは内向的な性格だった
一方で、ディラン・クレボルドは、エリック・ハリスと較べるとクールでなかったし、そのことは本人も自覚していた。成績はエリックよりも優秀だったが、内気で女の子と話すのは苦手だった。
身長は190センチと長身だったが、猫背だったためさえない印象を与えた。
ディラン・クレボルトには感情を抑えられないところがあり、下級生のロッカーにいたずらをしたとして疑いをかけられたときも、取り乱して激高し騒ぎを起こした。しかし、事件の直前に行われたプロムを前にして、なかなか相手を見つけられないエリックを尻目に、ディランはパートナーを見つけることができた。
ディランの両親はともに学歴が高く、家庭は金銭的にも恵まれていた。頭がよく、飛び級で1年早く学校に通いはじめ、「高い潜在能力を持つ子どもの才能を伸ばすためのプログラム」に参加した。頭脳明晰で身長も高かったが、ひどく内気で、周りに溶け込めないところがあった。母親は潔癖で、泥んこ遊びが好きなディランをよくしかった。子どもの頃から一度火がつくと手がつけられないようなところがあった。
コロンバイン銃乱射事件の犯人はどのようにして出会ったのか?
二人がどのようにして出会ったのかは、正確にはわかっていない。しかし野球をはじめとするスポーツ観戦や、ゲーム、パソコンなどが大好きだった二人はいずれ親友となる。二人とも理数系の能力が高く、様々な新しいことに興味があった。友人の数は多いほうだった。
エリックは文学作品を読み漁り、ディランも文章を書く才能に恵まれていた。
エリック・ハリスは、数多くの本を読み進める過程で、ニーチェの思想を通り、ナチズムと出会い、またそれに惹かれた。そして自分より劣った者を徹底的に見下し、強い暴力的妄想を抱いた。
ディラン・クレボルトは、創作の課題に暴力的な作品を提出して教師を驚かせたこともあったが、当初はむしろその刃の矛先は自分に向けられていた。内気で、女の子とまともに話すこともできない自分を責め、周囲に恨みをつのらせつつも、厭世観と自殺願望とを日記に綴り続けていた。
いじめの被害者だった二人は出会いそしてコロンバイン銃乱射事件の犯人となる
この二人が出会い、事件に向かってカウントダウンが始まる。
エリック・ハリスにとってディラン・クレボルトは、自分のエゴを肯定してくれる、なくてはならない存在になった。ディラン・クレボルトにとってエリック・ハリスは、自分ができないことを大胆に実行してくれる頼れる存在だった。
事件後ディランの母や一部の人間は、ディランはエリックに洗脳されたのだと考えたが、たとえエリックに優位性があったとしても、それは相互依存的関係にあったと推測される。
エリックは他者への暴力的妄想を次第に現実として考え、ディランもそれに感化された。二人の存在が互いのブレーキを壊し、むしろアクセルを踏み込む形で進んだ。
いじめから犯行に至るまで
動画:黒のトレンチコートを着て、不満や鬱積を吐き出すエリック・ハリスとディラン・クレボルト
エリック・ハリスとディラン・クレボルトは他のいじめを受けていたコロンバイン高校の生徒と結束し、自らを自警する為に「トレンチコート・マフィア」と自称するようになったといわれている。
彼らはアドルフ・ヒトラーを信奉し、ナチス式の敬礼を自ら義務づけていた。黒いトレンチコートはその象徴とされ、爆弾や手榴弾の製造を試みていたという。
しかし、いじめられた者たちが集まって出来た自警団に参加して、集団でいじめた対象者にへの報復を考えていたとすると、その方法や人物像に少し違和感を覚えてくる。実際、コロンバイン高校銃乱射事件の真実を追ったジャーナリストの中には、通説は間違えだと唱えるものもいる。彼らはトレンチコート・マフィアには参加せず、いじめを苦に犯行を計画したのでも無く、もっと主観的な理由によるものだ。と結論付けた文献も発表されている。
エリック・ハリスとデュラン・クレボルトは、トレンチコートマフィアのボスと友人であったが、この事件が発生するより前にその全員がコロンバイン高校を卒業或いは退学している。
事件発生時、彼らは二人きりだった。
映画化もされたコロンバイン銃乱射事件・犯行の兆候
出典: https://www.pinterest.jp
いじめの被害者でもありいじめの加害者でもあった
いじめを受ける側、とされているエリック・ハリスとディラン・クレボルトだが、下級生などに対してはむしろいじめの加害者だった。そのいじめは悪質で、警察沙汰になって矯正プログラムを受けてさえいる。
いじめの加害者・脅迫・爆弾製からコロンバイン銃乱射事件に至るまで
またエリックがパイプ爆弾を作ろうとしていると警察に通報されたこともあったし、ディラン・クレボルトと交流のあったコロンバイン高校の生徒ブルックス・ブラウンの両親が、ハリスが彼らの息子を狙おうと脅しているのをウェブサイトで発見し、警察に通報した。しかし、家宅捜査できるだけの証言を得ていたのにもかかわらず、それはうやむやのままに終わってしまった。(そして警察は後にこの事を隠蔽しようとする)
エリック・ハリスの父親もパイプ爆弾を発見したが、何もしなかった。ディラン・クレイボルト家は経済的にも精神的にも恵まれた家庭であり、ディラン・クレボルトも両親にとって優等生だったために、息子が徐々に歪んで壊れていくことを認められなかった。
このように、以前から十分に危険な兆候が見受けられたにもかかわらず、それらは見過ごされ、事件は強行されてしまった。周囲の大人たちが彼らを注意深く観察し、真実と向き合うことをしていたら、コロンバイン高校銃乱射事件は未然に防ぐことができただろう。
コロンバイン銃乱射事件当日・映画の様な悪夢の始まり
1999年4月20日11時10分
1999年4月20日11時10分、エリック・ハリスおよびディラン・クレボルドは、それぞれ別の車でコロンバイン高校に同時に到着した。エリック・ハリスは学生用駐車場に車を止め、ディラン・クレボルドは教職員及や来客が止めるための駐車場に車を置いた。その場所は一階カフェテリアが完全に把握できる位置だった。学校の主な出口は、逃げられないように塞いだ。
2人はランチが始まる数分前にカフェテアに中に入りダッフルバッグを二つ置いた。バッグには11時17分に爆発するようセットされたプロパン爆弾が入っていた。
当初の計画では、爆弾をカフェテリアで爆破させ、そこから逃げ伸びた人々を銃撃する予定であった。爆弾は、カフェテリアは勿論、二階の図書館を崩壊させるのにも十分な量だった。2人は爆破を待つためにそれぞれの自動車に戻ったが、爆弾は不発に終わった。計画では少なくとも500名のコロンバイン高校の生徒を殺害する予定だった。
11時19分・レイチェル・スコット殺害から乱射事件は始まる
最初の被害者レイチェル・スコット
その生き方からレイチェル・スコットを主人公にした映画も作られた
事件当時17歳だったレイチェル・スコットは、クラスメートと一緒に校庭の芝生に座りランチを食べていた時、住を持ったクラスメートの男子生徒が2人が、学校内に乱入して突然銃を乱射し始め、乱射された玉の一発がレイチェル・スコットに当たった。背中を撃たれて這って逃げようとするレイチェル・スコットの前に廻った一人が、レイチェル・スコットの髪を掴み、「お前は神を信じているのか」と尋ねた。「yes.you know」と答えたレイチェル・スコットに、「それなら神のもとへ行け」と言って、犯人はレイチェル・スコットの頭部目掛けて発砲した。レイチェル・スコットは、彼らの最初の被害者となった。
レイチェル・スコットは以前からいじめられた生徒に進んで声をかけるなど他者のために尽力したいと願って生きていた。
(レイチェル・スコットは熱心なクリスチャンだったが、事件後発見された日記の内容から、その信仰の深さと他者への慈愛に満ちた生き方が全米で注文され、I'm Not Ashamedという映画にもなっている)
その後犯人は次々と銃を乱射
その後エリック・ハリスとディラン・クレボルトはカフェテリアと図書館のある建物に向かいながら銃を乱射しつづけ、次々と負傷者を出した。
足を打たれたにもかかわらずカフェテリアに残った他の生徒が逃げやすいように出入り口のドアを固定しようとしていたダニエル・ロアボーは、ディラン・クレボルトによって至近距離から射殺された。
コロンバイン高校の教師ウィリアム・デイヴ・サンダーズは銃の音を聞いて生徒たちに逃げるように伝えるためにカフェテリアに向かった。彼のおかげで百人近い生徒の命が助かった。しかし彼自身は胸部を打たれて死亡した。
エリック・ハリスとディラン・クレボルドは図書館へ行き、ダニエル・モーゼルの顔面を目の前で撃った。他の生徒たちが隠れている方角に向け銃を連射。コーレイ・デポーターが致命的な傷を負いその後死亡した。
犯人は図書館に移動し銃を乱射し続ける
わずか14歳の被害者もいた
犯人の二人は、図書館に移動する時に階段からパイプ爆弾二つ、カフェテリアに投げ込み爆発させた。そしてもう一つの爆弾を図書館通路に投げ込みロッカーを爆破し、図書館に入った。そこには学生が五十二人、教師が二人図書館のスタッフが二人逃げ遅れて隠れていた。
コロンバイン高校の運動部の生徒は伝統的に白い帽子を着用していたため、彼らは「 俺たちは白い帽子の奴を捕まえる!ジョッグは立て」などと叫んだ。
反応はなかったが、エリック・ハリスは「答えなくても撃つぞ」などと言うと反対側へ進み立ち止まった。カイル・ベラスケスは、机の下で体を屈めて隠れていたが、ディラン・クレボルドは一番最初に彼の頭部を後ろから撃って殺した。
その後エリック・ハリスが別の机の下に隠れていたスティーブン・カーナウを射殺。カーナウは14歳と若く、この銃撃で死亡した被害者の中で最年少だった。
コロンバイン高校銃乱射事件・さらに惨劇は続く
エリック・ハリスはキャシー・バーナルが隠れていたテーブルの前で止まり、彼女を脅して土下座させた状態で頭部を撃ち殺した。
ディラン・クレボルドがアイゼア・ショールズとマシュー・ケッター、レイチェル・スコットの弟であるクレイグ・スコットがテーブルの影に隠れているのを見つけ出し、アイゼア・ショールズをエリック・ハリスが狙い、マシュー・ケッターをディラン・クレボルトが狙って互いに発砲し両人を射殺した。クレイグ・スコットはその場で死体の真似をして助かった。三人はコロンバイン高校の有名スポーツ選手であった。
犯人はさらに銃を乱射し続けた
ディラン・クレボルドは、リサ・クローツとローレン・タウンゼンド、ヴァレーン・シェナーの三名を撃ち、ローゼン・タウンゼンドを撃ち殺した後、エリック・ハリスに罵られていたジョン・トムリンにも連続で発砲し、射殺した。
一方、エリック・ハリスはケリー・フレミングを見つけ銃を連射した。
そして近くにいたダニエル・モーゼルの顔面を撃ち殺害した。その後さらに移動し、生徒たちが隠れていそうな場所を探し、そこに銃を向け乱射。コーレイ・デポーターが致命的な傷を負って、その後死亡した。
そして11時42分頃に犯人の二人は図書館を出た。
そのすぐ後、無傷だった三十四人の生徒と十人の負傷した生徒は建物北の出入口から全て避難した。
コロンバイン高校銃乱射事件の被害者
最終的に12名の生徒と1名の教師が射殺せれ、その尊い命が奪われた。重軽傷者は24名。
被害者の何人かはその短いながらも尊い人生が映画化された
映画にもなったコロンバイン高校銃乱射事件は犯人の自殺で終焉を迎えた
12時2分、二人は図書館に戻り、マシュー・ケッターとアイゼア・ショールズの遺体が横たわる傍まで行き、自分たちが持ってきた銃で自分を打ち、自殺した。
図書館には負傷して意識を失っていたパトリック・アイルランドと動けず死んだふりをしていたリサ・クローツ以外の生存者は全員建物の外へ避難していた。
抗うつ薬服用による影響への疑い
エリック・ハリスの遺体を検死した結果、体内からフルボキサミンという抗うつ剤の成分が多量に検出された。フルボキサミンは抗うつ剤であり、24 歳以下の若者が服用した場合に、攻撃性や衝動性が増長するという副作用が報告されている。そのため精神科医からフルボキサミンを処方されていたエリック・ハリスは、事件と薬を服用していたこととの関連性を疑われた。
日本でも附属池田小事件の犯人が 抗うつ剤を服用していたことが報道されたが、因果関係はわかっていない。
コロンバイン高校銃乱射事件・その後の社会への影響
その真実をめぐり数多く書籍化や映画化されている
コロンバイン高校銃乱射事件を題材に作られたマイケル・ムーア監督のドキュメンタリー映画、ボーリングフォーコロンバインでは、犯人たちがマリリン・マンソンの影響を受けたのでは?としてメディアからマンソンが批判されたにもかかわらず、犯行の直前までプレイしていたボウリングの悪影響が論じられないのはおかしいという、ムーア監督の皮肉が込められている。
また、映画エレファントの意味の一つは“Elephant in the room”という慣用句に基づいたもので、これは誰の目にも明らかな大きな問題があるにもかかわらず、それについて誰も語ろうとせずに避けて日常を過ごすとの表現からの引用である。
コロンバイン高校銃乱射事件は、映画のテーマとしても興味深い事件である
18歳の高校生が犯人で被害者の多くも高校生という悲しい銃乱射事件は、そのショッキングさから大きく報道され、映画化もされた。
しかしなぜ彼らがこの事件を起こしたのか、真実が本当の意味で究明されることは決してない。
事件後、エリック・ハリスとディラン・クレボルトは、銃乱射事件の犯人でありながら、同時にいじめの被害者として報道された。しかし、この銃乱射事件がいじめへの報復と考えるのは余りに薄っぺらい解釈だろう。
アメリカのスクールカーストという深い闇、コロンバイン高校、銃がたやすく手に入る環境、思春期の鬱憤、エリック・ハリスとディラン・クレボルトが出会ってしまったこと、誰も彼らをきちんと見なかったという事実、それらすべての不幸な偶然が、エリック・ハリスとディラン・クレボルトを、このような凶悪事件に向かわせたのかもしれない。
コロンバイン高校銃乱射事件のドキュメンタリー映画「ボーリングフォーコロンバイン」
こrんバイン事件銃乱射事件をモチーフにした映画「エレファント」
コロンバイン銃乱射事件の真実
アメリカ探偵作家クラブ賞受賞のノンフィクション。エリック・ハリスとディラン・クレボルトと彼らを取り巻く様々な事柄が丁寧に取材されている。