2021年10月21日公開
2021年10月21日更新
大麻を吸っている人の特徴がヤバイ!わかりやすい見た目や行動とは?
大麻を吸ってる人は共通の特徴がある?バレてしまうのはなぜ?日本では厳しく規制されている大麻ですが、医療や建材にも利用されることもあるようです。今回はそんな謎が多い大麻を吸ってる人の見た目や行動の変化についてご紹介します。
目次
大麻を吸っている人には特徴がある!
大麻を吸っている人には、共通した特徴があるといわれています。見る人が見れば、大麻を吸っている人がわかるそうです。
日本国内では大麻取締法により大麻の所持や栽培が規制されているため、大麻になじみのない人も多くいることでしょう。「大麻吸ってる人ってこわい……」と漠然と思っている人も珍しくはないのではないでしょうか。
アメリカの一部の州やウルグアイをはじめとした海外においては合法とされることもあり、大麻は安全であると主張する人たちは国内外にも多くいます。
大麻合法化を検討する国も増えており、危険なものというイメージが薄れてきているのかもしれません。一方で、世界的に見ても依然として厳しく取り締まる国のほうが多い現状にあります。
大麻は人体にとって本当に有害なのでしょうか?大麻を吸っている人にはどんな症状や見た目の特徴があらわれるのかを紹介していきたいと思います。
大麻ってどんなものなの?
大麻については、学生時代の「薬物乱用防止教室」などで危険な薬物として知っている人は多いのではないでしょうか?
大麻はそもそもどのようなものなのかを見ていきましょう。
アサ科アサ属の植物
大麻とは、アサという植物の一種で、マリファナとも呼ばれます。日本でも自生していますが、駆除しきれないほど生命力が強く、3mから4mほどの背丈にまで伸びます。その葉の見た目はよくモミジにたとえられます。
また、食用大麻の実(種子)は「ヘンプシード」と呼ばれ、その栄養価の高さからスーパーフードとしての一面を持ちます。美容や健康に関心のある人であれば聞いたことがあるのではないでしょうか?
これまで原産は中央アジアとされてきましたが中国であるとする説が有力であるという研究もあり、その歴史はまだまだわかっていないことも多いようです。
違法薬物のイメージが強い大麻ですが、その繊維は日本でも古くから衣服に利用されており、断熱材としても使われるなど資源としても活用されています。嗜好品としてだけでなくさまざまな用途があるのですね。
乾燥させて吸引
大麻の使用方法として多くの人がイメージするのは、タバコのように火をつけて吸引する方法ではないでしょうか?タバコは葉を加工して火をつけて吸うため、大麻も同じように葉を使用するものだと考える人が多いかもしれません。
ニュースの中で「乾燥大麻を所持」ということばを聞いたことがある人は多いと思いますが、じつは乾燥させて使用するのは大麻の葉だけではありません。
大麻はオスとメスに株が分かれていて、葉よりもメスの花芽が使われることが多いです。この花芽は「バッズ(バッツ)」と呼ばれ、メスの花芽は特に「ガンジャ」とも呼ばれます。大麻の葉や花芽をしっかりと乾燥させることで、質の高い大麻ができあがります。
大麻樹脂や液体大麻も
大麻というと乾燥大麻をイメージする人が大半だと思いますが、大麻は乾燥させたもの以外にもさまざまな加工方法や使用方法があります。
たとえば大麻樹脂は花や葉を褐色の固形状にしたもので、「チョコ」「ハシシ」「ハッシュ」「チャラス」などと呼ばれています。
大麻樹脂は少量でも強い作用をもたらします。乾燥大麻に比べて火がつきにくいため、削って乾燥大麻と混ぜて使用したり、熱したナイフの上に大麻樹脂を置いてその煙をストローで吸い込んだりといった使い方をします。
最近注目されている液体大麻は、「THC(テトラヒドロカンナビノール)」という大麻の成分の一種を抽出し液体状にして作られたものです。「大麻リキッド」とも呼ばれます。
液体大麻はその精製具合によってにおいに違いが出ます。より大麻そのものに近いものは茶褐色で大麻のにおいも強く残っていますが、しっかり精製されたものになると大麻特有のにおいはしなくなるのです。
液体大麻は傍からみれば電子タバコを吸っているようにしか見えないため見た目にもバレにくく、その手軽さから若者を中心に広がっており、摘発件数も増加しています。
しかし、液体大麻は大麻の成分を濃縮したものなので乾燥大麻などと比べても非常に強く作用します。死亡につながることもあるのです。手に入りやすいため気軽に手を出してしまう人があとを絶たないのですが、今一度危険性を頭に入れておく必要があります。
大麻クッキーもある?
大麻が合法化されている国では、大麻の成分が入った食品が売られていることもあります。エディブル(食べる)タイプはタバコを吸うことに慣れていない人でも抵抗が少ないため人気があります。
大麻の成分は油との相性が良く、スイーツに使われるバターやチョコレートなどとも混ぜやすいため気軽に食べられる大麻チョコレートや大麻クッキーなどが作られているのです。
YouTubeでは大麻クッキーの作り方や大麻ブラウニーの作り方などのレシピも公開されています。
スイーツに変身してしまうと見た目も親しみやすく、グッとハードルが下がりそうですが、日本ではこうした製品も取り締まりの対象となっているので持ち込むことはできません。
大麻グミや大麻キャンディー、大麻はちみつなど、ありとあらゆる大麻製品がありますが、海外に行ったときにうっかり食べてしまわないように気をつけましょう。
医療大麻とは?
「世界保健機関(WHO)はようやく昨年、大麻の医療効果を認め、大麻と関連物質について規制対象リストを見直すよう国連に勧告しました」(世界薬物政策委員会メンバー・ヘレン・クラーク)(アーカイブ記事) https://t.co/vLrJJYjtnk
— The Asahi Shimbun GLOBE+ (@asahi_globe) October 4, 2021
違法薬物として知られている大麻ですが、海外の一部の地域では医療用としても使用されています。
たとえばガンにおける医療用大麻では、抗ガン剤とともに使用することで一定の鎮痛作用をもたらし、食欲不振の緩和にも効果があるといわれています。医療用大麻と抗ガン剤の併用によって患者の体力や精神に良い影響を与えることが見込まれるのです。
ガン以外にも、緑内障、エイズ、てんかんやけいれん、心的外傷後ストレス障害(PTSD)といった精神疾患などさまざまな疾患への効果が期待されています。
日本でも医療用大麻についての議論はありますが、現状では医療用としてであっても規制の対象となっています。
大麻を吸っている人の特徴|見た目
大麻を吸っている人にはさまざまな変化が起こります。大麻を吸っている人の見た目には、どんな特徴があらわれるのでしょうか?もしかしたら、あなたの周りにも当てはまる人がいるかもしれませんよ。
水をよく飲む
大麻を吸うと、特有ののどの渇きを感じるといわれています。大麻の成分を摂取すると唾液腺に対して影響を与えるため、実際には脱水症状に陥っていなくても口の中が乾燥し水分を欲するようになります。
口の中の水分をコットン(木綿)のように吸収してしまうほど乾燥することから、この症状は「コットンマウス」とも呼ばれます。
大麻を吸ったことがある経験者は吸引前に必ず飲み物を用意してから吸うようになるといわれています。
甘い体臭がする
大麻のにおいは甘ったるい香りが特徴で、大麻を吸っている人からもこの独特な香りがするそうです。刺激臭や香ばしい香り、青臭い香りと表現する人もいます。大麻を吸ったことがある人や、においを知っている人にとっては非常にわかりやすいといいます。
ヘンプという車用の芳香剤やガラムというタバコの香りに似ているという人もいます。両方とも確かに甘ったるい変わった香りがしますね。
やたらとお香や香水を使用する
大麻を使用すると衣服や室内にも強いにおいが残るため、においで大麻の所持や使用が発覚することも多いようです。バレないように強いにおいのお香や香水を過剰に使用する人もいますが、大麻を吸っている人の独特な体臭は隠しきれないといいます。
嗅いだことのない変わったにおいがしたり、やたらとお香や香水など香りの強いものを使用していたりしたら要注意かもしれません。
目が充血し虚ろになる
大麻を吸っている人の見た目の特徴の中でもわかりやすいものの一つとしてあげられるのが、目の変化です。大麻は口内だけでなく目の乾燥も引き起こし、ドライアイの原因にもなります。
大麻を吸引することで目が充血して赤くなったり、焦点が合わず虚ろになったりします。特に目が真っ赤になる症状は「レッドアイ」と呼ばれ、見た目にもわかりやすい特徴の一つです。
ニヤついている
笑うようなシーンでもないのにやたらとニヤついてしまうのも、大麻を吸っている人の特徴の一つです。
大麻を吸うと、わけもなく楽しい気分になったり何をしていても笑えてきたりといった変化があらわれます。周囲の人からすると不気味に思うものですが、大麻を吸っている本人は気にも留めないか、自覚があっても止められないほど楽しくなってしまうのといいます。
大麻を吸っている人の特徴|内面
大麻を吸うと、見た目だけでなく内面にも影響を及ぼします。また、もともと大麻に手を出してしまいやすい性格の特徴もあるようです。あなたも当てはまっていませんか?大麻は意外と身近なところにあるかもしれません。
ネガティブ
大麻に手を出してしまう人はもともとネガティブな人が多いといわれています。大麻を吸うことで一時的に気持ちが楽になったり、陽気になったりして、本来の自分とは違う理想的な状態になれると思ってしまうのです。
しかし、依存が進めば進むほど大麻を吸う前よりもネガティブな気持ちが増幅し精神的に不安定になっていきます。安易に大麻に手を出すことは絶対にやめましょう。
人と同じだと安心する
最近では海外での大麻合法化の流れに伴い大麻への警戒心が薄れる若者が増えています。そのため、「友人が吸っていたから」「友人に勧められたから」という理由で気軽に手を出してしまう人も増加しています。
こうした人たちの中には、周りと同じ行動をとることで安心するという人も少なくありません。断れないというよりは、不安な気持ちが強いためより安心感を得られる選択をしてしまうのです。
しかし、不安の強い人は罪悪感に苛まれやすいので新たな不安材料になりかねません。仲の良い友人に誘われてもきっぱり断りましょう。
被害妄想
大麻を吸うと被害妄想に襲われることがあります。「じつは悪口をいわれているのではないか」などと考え始めネガティブな思考から抜け出せない状態が続きます。これは大麻を吸う前の状態も関係しているといわれています。
心配事があったりいやなことがあったりして精神的に落ち着かない状態で大麻を吸うと、絶望感に襲われ、つらい気持ちが増幅してしまうことがあります。
どうしようもなく苦しいときこそ大麻には手を出さず、寝て忘れることがいちばんですね。
イライラしている
大麻を使用すると感情のコントロールがききづらくなります。そのため、ちょっとした一言に一瞬で頭に血が上ったり、常に苛立った状態が続いたりします。また、五感が高まり些細な刺激にも過敏になっているため平常時よりも神経質になりがちです。
理由もなくイライラしていたら、大麻が原因かもしれません。
大麻を吸っている人の特徴|行動
大麻を吸っている人は行動にも特徴があらわれます。大麻を吸った本人は自覚がなくても、行動の変化は周囲から不審に思われやすいようです。大麻を使用している人にはどのような特徴があらわれるのか見ていきましょう。
急にテンションが上がる
周囲が異常を感じやすい特徴の一つとして、大麻を吸っていると「急にテンションが上がる」ということがあります。ニヤニヤと楽しそうにしていたと思ったら突然興奮状態になって奇声をあげるなど、明らかな異常が見られるようになるのです。
もともとの性格でテンションが上がりやすいいわゆる「ナチュラルハイ(※)」の人もいますが、急にそのような症状が見られるようになった場合は大麻の使用を疑ってみるべきかもしれません。
(※違法薬物の使用によるものではない幻覚症状等のことを指すが、俗語として素の状態でテンションが高い人をあらわすこともある。ここでは後者)
挙動不審
大麻を吸うと暗い気持ちや考えが増幅されやすくなりますが、そういった感情は行動にもあらわれることがあります。
疑心暗鬼になって周囲をキョロキョロと見まわしたり、落ち着かない気持ちになってソワソワ動きまわったりと不安定になります。
大麻使用者の行動の中でも特にわかりやすいため警察から目をつけられやすく、発覚につながりやすい特徴だといえます。
話を忘れたり同じ話をしたりする
大麻を使用すると、大麻の成分が脳の神経回路に作用し、一時的に記憶力や注意力の低下を引き起こすといわれています。そのため、直前までの話の内容を忘れてしまったり、同じ話を何度も繰り返したりといった症状があらわれることがあります。
本人は気づかないので、さっき話したばかりの内容をまるで初めてするかのようにループします。
何かに怯えている
大麻を吸うことで、ネガティブな考えが増幅したり疑心暗鬼になったりすることがありますが、それに伴って常に何かに怯えるような仕草を見せることもあります。
「すれ違う人が攻撃してくるのではないか」といった不安に襲われ周囲を強く警戒するようになります。大麻の副作用で不安な気持ちがより強くなってしまうのです。
二日酔いのような状態になる
お酒を飲みすぎた翌日、ひどい頭痛や吐き気に襲われた経験のある人も多いのではないでしょうか?二日酔いになると「二度とお酒なんて飲むものか!」という気持ちになることもあるでしょう。
大麻を吸いすぎたり体調が悪いときに吸引したりすると、アルコールによる二日酔いのように頭痛や吐き気を催すなど二日酔いの症状が出ることがあります。気分が沈んでしまうこともあり、このような状態を「バッドトリップ」「バッド入った」などと表現することもあります。
大麻の二日酔いでは脱水症状のような感覚に襲われますが、アルコールとは異なり実際に脱水症状を起こすことはないといわれています。
大麻を吸うとどうなるの?
厳しく規制されているにもかかわらず大麻を使用する人があとをたたないのはなぜでしょうか?
「本当に危険なの?」「メリットのほうが大きいんじゃないの?」
と思っている人もいるかもしれません。大麻にはどのようなメリットとリスクがあるのか見てみましょう。
多幸感が得られる
大麻を吸う最大のメリットといえるのが多幸感です。多幸感とは非常に強い幸福感のことをいいますが、大麻を使用することで簡単に多幸感を得ることができるのです。この多幸感で満たされている状態が、いわゆる「ハイ」と呼ばれる状態です。
ハイになると何をしていても幸せな気持ちになり、他人に対しても寛容になります。平和な気持ちになると感じる人も多いようです。これを「グッドトリップ」「グッド」などともいいます。
大麻を使用してから約30分で効果がピークを迎え、だいたい2時間から3時間ほど効果が持続するといわれています。この時間は初めて使用する場合や耐性がついている場合などでは異なることもあります。
医療用大麻は鎮痛作用も
鎮痛薬といえばモルヒネを真っ先に思い浮かべる人も多いでしょう。モルヒネはケシという植物から採取されたアヘンからつくられます。
モルヒネは高い鎮痛作用をもつ一方で、麻薬の一種でもありその依存性は非常に強いため、使用や所持などが厳しく規制されています。
このモルヒネに代わる鎮痛薬として注目されるのが大麻です。大麻は日本を含めまだまだ違法薬物として厳しく取り締まる国が多いですが、他方、医療目的で使用することへの期待が高まっています。
その鎮痛作用はモルヒネにも引けをとらないといわれ、モルヒネよりも死亡のリスクが低いというデータもあります。モルヒネに代わる、あるいは選択肢の一つとして医療用大麻の活用が議論されているのです。
統合失調症やうつ病を発症
大麻を使用するリスクの一つとして、統合失調症やうつ病を発症しやすくなるというものがあります。また、母親が大麻常習者の場合に子が統合失調症を発症するリスクが高まるという説もあります。
統合失調症により妄想や幻覚、思考がまとまりにくくなるなどの症状があらわれたり、うつによって意欲が低下したりと日常生活にさまざまな悪影響を及ぼします。
大麻がこのような症状を引き起こす原因になるという説がある一方、統合失調症発症者と大麻との親和性が高いためにそのような誤解が生じているという言及もあります。
大麻を使用すると統合失調症になりやすいのか、統合失調症であると大麻に手を出してしまいやすいのかはまだわからないということですね。
IQが低下する
大麻のリスクの中でもIQの低下については真っ先にイメージする人が多いのではないでしょうか?
大麻を使用することで知能や認知機能の低下をもたらすといわれています。特に脳が発達しきれていない未成年者ではダメージを受けやすく、脳が萎縮したり学習能力の低下をまねいたりといった悪い影響を及ぼすことが指摘されています。
ただし、もともと知能の低い人が大麻に手を出しやすいという説もあり、大麻が人の脳に対してどの程度の影響を与えているのか正確なところはわかっていません。
大麻の残存期間はどれくらい?
大麻はほかのドラッグやアルコールと比べて大麻の成分が体内にとどまる期間が長いといわれています。
アルコールが血中に残存するのは12時間ですが、大麻では336時間にもなります。コカインやMDMAでは48時間となっているので約7倍ですね。
尿中の残存期間もアルコールでは5日間、コカイン、MDMAでは4日間に対して大麻では30日間と、一度吸ったら約1か月の間残存することがわかります。
毛髪検査に関してはアルコール、コカイン、MDMAとともに大麻も90日間残存します。毛髪は特に成分が残りやすいため、薬物の検査では毛髪検査がよく使われています。
残存期間が長ければそれだけ薬物検査で使用が発覚しやすいともいえます。「手元にないからバレない」なんて軽く考えては痛い目をみるかもしれません。
大麻の依存性は低い?
薬物の危険性として最初にあげられるのは依存性についてではないでしょうか?
じつは、大麻の依存性は合法であるアルコールやタバコよりも低いことがわかっています。大麻の使用をやめても、イライラや倦怠感といった身体的依存による離脱症状が出ることはないといわれているのです。
ただし、常習している人が急に使用をやめてしまうことで、気力の低下など精神的依存による症状が出ることはあります。
依存性が低いものであっても、期間や量、体質などによって依存症状を引き起こす可能性は十分にあります。
依存性が低い=安全、ではありません。「一回使ったくらいじゃ依存しないから大丈夫だよ」などといわれても、鵜呑みにしてはいけませんよ。
大麻は本当に危険なの?
「大麻は依存性が低いなら危険じゃないんじゃないの?」
そう思う人もいるかもしれません。でも待ってください、大麻の危険性は依存性だけではありません。
大麻は日本では厳しい取り締まりの下にあります。そのため、入手するには「悪い人」とのつながりが必要です。この「悪い人」というのは暴力団などの犯罪組織のことです。
違法であるため高値で取引しやすく、かといってその品質に対して規制がないため購入したものが本物かどうかの保証もありません。
ただの干し草ならまだいいかもしれません。しかし、もし渡されたものに毒が入っていたら?もっと危険な薬物がまじっていたら?
違法なものに手を出すということは、一般的な常識が通じない人を相手にするということです。大麻に手を出すこと以上に危険な犯罪に巻き込まれるリスクもあるのです。
思いもよらないトラブルに遭わないためにも、大麻に手を出すのはやめておきましょう。
大麻は日本で違法なの?
「大麻の所持は違法だけど使用は違法じゃないってホント?」
日本における大麻の規制はすこしわかりにくいかもしれません。何が違法でどのような罰則があるのか覚えておきましょう。
吸引に罰則はない
日本では、大麻の「所持」については大麻取締法により規制されています。しかし、じつは「吸引(使用)」については罰則が定められていません。
とはいえ、使用するには一時的であっても所持することになります。使用したことがわかれば所持罪で取り締まることができるので、実質的には使用の規制ができるというわけですね。
2021年使用罪が創設?
【少年の大麻乱用急増!】
— 大阪府警察安まち情報 (@OPP_seian) September 30, 2021
10月11月は麻薬・覚醒剤・大麻乱用防止運動期間です。
昨年、府内では少年の大麻取締法違反事件の検挙者数が全国最多となり、今年も増加の一途をたどるなど深刻な事態であり、大きな社会問題となっています。
大麻は違法薬物です。
誘われても、キッパリ断りましょう。 pic.twitter.com/I4qYChSOFj
現状、使用について取り締まる罰則の規定はありませんが、厚生労働省は「使用罪」についても創設する意向を固めました。2021年5月14日に開かれた有識者会議においては、使用罪を創設することについて賛成の声も多く聞かれました。
大麻取締法は昭和23年に定められた法律ですが、なぜ今頃になって使用罪についての議論が持ち上がったのでしょうか?
理由は昨今、若者の大麻乱用者が増えていることにあります。
医療用大麻など大麻の危険性についてのイメージが薄れていることも原因の一つですが、使用罪がないことで使用へのハードルが下がったとされていることも一因だといわれているのです。
使用罪を創設することで、大麻使用のハードルを上げ乱用者を減らすことができると考えられます。
大麻所持の罰則は?
所持の定義はある物を支配下に置くことをいいます。手に持っていたり、ポケットや手荷物に携帯していたりはもちろんですが、家の中や車内に置いている場合も支配下に置いていることになります。
同居する人が大麻を所持していることを知っていた場合も「共同所持」として罪に問われることになりますので気をつけましょう。
昔手に入れて忘れていたという場合でも、所持した時点での状態が基準になるので「所持していることを忘れていた」という言い訳も通用しません。
また、自ら大麻を使用するときには支配下に置いて管理するわけですから所持にあたります。大麻を使用したことが発覚すると、所持罪に問われ5年以下の懲役に処されることになります。
大麻譲り受け・譲り渡し
大麻取締法では、所持のほか譲り受けることや譲り渡すことも規制されています。大麻を売ったり買ったりすることも、譲り受けや譲り渡しにあたります。輸入や輸出についても取り締まりの対象です。
これらの行為も所持罪と同様、5年以下の懲役に処されることになります。また、所持も含め営利目的の場合は7年以下の懲役および200万円以下の罰金が科されることもあります。
では、大麻だと知らずに人から受け取ってしまった場合はどうなるのでしょうか?この場合、受け取った側が違法なものだと認識していたかどうかが問題になります。
「もしかしたら違法なものかもしれない」と思いながら受け取ってしまった場合は、大麻だと知らなかったとしても罪に問われる可能性があります。
もし怪しいものを渡されそうになったときは受け取らないのが正解ですね。
大麻栽培
大麻を所持すると大麻所持罪に問われますが、どのような罰則が定められているのでしょうか?
日本において、大麻の栽培は原則違法とされています。大麻の栽培は自己使用のために行われるほか、密売することを目的に行われることもありますがどちらにせよ違法となります。
ただし、産業用または研究用に利用する場合には、大麻取扱者免許を取得することで合法的に栽培することができます。大麻取扱者免許は各都道府県に申請し交付を受けることで取得することができますが、たいていは申請書ももらえずに追い返されてしまいます。
大麻を栽培する目的や利用方法についてきちんと説明できることはもちろんですが、栽培するための農地の確保や使わない部分の処分方法などさまざまな項目について検討する必要があるのです。
日本では伝統的に大麻を栽培し産業利用してきた経緯があり、戦前では大麻農家も多くありました。しかし、戦後に制定された厳しい規制の中で大麻農家は減少の一途をたどっており、日本の伝統産業としての大麻栽培を危惧する向きもあります。
大麻は海外では合法?
「海外旅行に行った友達が大麻を吸ったっていってたけどアリなの?」
「合法の国もあるの?」
日本では違法の大麻ですが、海外ではどのような対応をとっているのか気になりますよね。日本人が海外で大麻を使用した場合は罪に問われるのでしょうか?
合法化している国もある
大麻の所持や使用について多くの国では非合法としていますが、合法としている国や地域も一部あります。合法とはいっても、合法とはっきり宣言しているものや実質的に合法とするものなど、その線引きや解釈はさまざまです。
医療用大麻の流れもあり合法化を議論する国がある一方、規制を強化しようとする国もあり大麻の合法化については賛否両論あります。
大麻合法の国はどこ?
アメリカのワシントン州とコロラド州では、21歳以上であれば合法で入手することが可能となっています。ただし両州とも1オンスまでで、コロラド州では州民以外については4分の1オンスまでと所持量の制限があります。
また公共の場での大麻の使用は禁止されており、コロラド州では州内の自治体によっても規制のラインが異なるため注意が必要です。
オーストラリアでも、アメリカと同様に州や自治体によって所持や使用が合法化されていたり、アルゼンチン・チリでは非合法となっていますが判例によって成人であれば罰しないこととされていたりなど、実質的に合法とされる国もあります。
「大麻天国オランダ」だけど……?
オランダといえばオランダの国花であるチューリップや風車が有名ですね。ビールの「ハイネケン」もオランダ生まれです。そんなオランダはじつは「大麻天国」とも呼ばれています。
「大麻先進国」とも呼ばれるオランダですが、じつは法律上では所持することも使用することも違法となっています。しかし自治体の判断に委ねる形で個人使用であれば罰しないことになっているため、実質容認しているといえるでしょう。
なぜこのようなややこしい体制をとっているのでしょうか?オランダでは国民の半数以上が大麻を使用しているともいわれていて、急に厳しく取り締まることでの影響が大きいと考えられているからだといいます。
とはいえ使用者が非常に多く、常習者の増加が問題視されていることもありどちらかといえば今後規制を強化する方向に進んでいくとみられています。
大麻栽培が許可されている国も
ウルグアイでは一人につき大麻6本までの栽培が許可されており、大麻合法国の中でももっとも規制が緩い国といえます。大麻の使用者協会や薬局を通して購入することもでき、栽培や販売が合法とされているのです。
専門機関を設立することで、タバコやアルコールと同じように適量を使用することを前提として政府が管理下に置こうとするものです。
そのほかスペインでも大麻を自ら栽培し自己使用することについては合法となっており、種子も簡単に入手することができます。
大麻について正しく理解することが大切
日本において、大麻の所持や使用について厳しく規制されています。大麻合法国で日本人が使用した場合でも日本の法律が適用され罰せられる可能性もあり、非合法とする国のほうが多いこともあって大麻を使用することによる危険性が高いと考えるべきでしょう。
一方で、日本でも伝統的に行われてきた大麻の産業利用については環境にやさしい素材として見直す向きもあります。また、大麻を医療目的で使用することへの関心が高まっている昨今、大麻が本当に危険なだけのものなのかは今後の研究を見守る必要もあるでしょう。
大麻の危険性と有用性について、専門家の意見や信頼のおける情報をもとに知識を正しく理解することが大切です。