ビートたけし"フライデー襲撃事件"の知られざる真相!伝説の記者会見の様子
今は「文春砲」、昔は「フライデーされる」が代名詞の有名人の醜聞激写。1986年ビートたけしが「たけし軍団」を11名引き連れて起こした「フライデー襲撃事件」。暴力事件に関わらず、世間は「フライデー襲撃」のビートたけしを支持しました。
目次
ビートたけし「フライデー襲撃事件」とは
出典: https://www.mbok.jp
事件翌日のスポーツ紙
テレビで観ない日の無かった人気絶頂のビートたけし(北野武)が起こした事件だったため、大きな騒ぎとなりました。
「フライデー襲撃」事件の経緯
1986年当時、TVでビートたけし(北野武)の顔を見ない日は無いほど、レギュラー番組を多数抱えるほど人気絶頂だったビートたけし。その北野武のプライバシーを写真週刊誌は追いかけます。
写真週刊誌の取材は家族にまで及び、ビートたけしの子供が私立校を受験する際、フライデーの記者が執拗に追いかけて写真を撮影したため、学校から「子供の写真が週刊誌に掲載されるようでは入学させられない」と言われるなど、家族にまで被害が及んでいました。
そして事件前日の1986年12月8日、北野武が不倫していた女子大生が通う学校の校門付近で、フライデーの記者が、ビートたけしとの交際について執拗に取材。立ち去ろうとする女子大生に対し、テープレコーダーを女子大生の顔に突きつけて、手を掴んだり引っ張ったりして、頸部捻挫、腰部捻傷など、全治2週間の怪我を負わせた事件がありました。
事件を知った北野武は激怒。フライデーの発行元である講談社に電話をかけ、強引な取材に抗議したが、挑発的な応対をされました。通告の上、子分の「たけし軍団」を招集し、翌9日AM3時、その11名を引き連れフライデー編集部に乗り込み、口論の末、どちらかともなく殴り合いの喧嘩となり、ビートたけしら12名は傘や消火器などで編集員を殴打し負傷させる暴行傷害事件に発展し、現行犯逮捕されます。
「フライデー襲撃事件」に参加したたけし軍団構成員
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ビートたけし(北野武)
今は映画監督での活躍が目立ちますが、事件当時の86年頃はお茶の間の顔でした。
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柳ユーレイ(現:柳憂怜)
今は俳優として活躍しています。
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大森うたえもん
とにかく野球が上手かった印象です。
今は元同僚のそのまんま東が知事をしていた宮崎を拠点としているようです。
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サード長嶋
先輩芸人のダンカンのいじめに遭いたけし軍団を辞めました。現在は劇団で活躍しているようです。(画像は大森うたえもんブログより)
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ガナルカナル・タカ
北野ファンクラブでは、ビートたけし、高田文夫らと同じテーブルでトークをしていました。たけしによると「フライデー襲撃事件」の際、真っ先に乗ってきたとのことです。
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グレート義太夫
ダイエットで痩せたことが話題になりました。大人しいイメージがありましたが、ライブで物凄くトークが上手くて驚いた記憶があります。
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ふんころがし(現・ダンカン)
放送作家としても、阪神ファンとしても有名です。嘘か真か後輩芸人いじめに関する事件は語り草になっています。
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キドカラー大道
「スポーツ大将」で大活躍されていました。今はタレントを引退しているそうです。フライデー襲撃事件については、そのまんま東に対し反論しています。
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大阪百万円
スーパージョッキーなどに出ていました。真相は不明ですが、ダンカンのいじめに嫌気さし、その後も不遇が続き、芸能界から足を洗ったそうです。残念ですね。
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松尾伴内
リアクション四天王と言われています。ビートたけしに押しかけ弟子入りしたそうです。
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少年A 水島新太郎
水島新司の息子。(事件当時は19歳のため実名が伏せられました)今は父親のマネジメントをしているそうです。
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そのまんま東(東国原英夫)
元宮崎県知事。フライデー襲撃事件については様々なネタが語られます。そのまんま東も運動神経抜群でした。
参加したくないのに「先陣を切った」そのまんま東
「フライデー襲撃事件の真相」となると、必ず語られるのが、そのまんま東のネタです。
「12月、1月は芸能界の書き入れ時です。師匠もレギュラー番組、10本くらいありましたかね。それに年末年始の特番も組まれている。暴力沙汰なんか起こしたらエライことじゃないですか。もう1点は、12月末に師匠抜きの軍団だけの番組が企画されていて、師匠から巣立つチャンスだったんです。さらにひとつは、僕は推理小説が書きたくて江戸川乱歩賞を狙っていたんですけど、その主催が講談社。殴り込んだりしたら、賞は一生獲れないから、“師匠、『フォーカス』の新潮社になりませんか”って言ったんです。そしたら“なんで『フライデー』に撮られて『フォーカス』行くんだ!”と」
「エレベーターが1機しかなくて、9人乗りで最大積載量600キロって書いてあるから、12人全員は乗れないなと。で、僕はエレベーターもしんがりで行こうとしたら、師匠が“お前、どうすんだ”。“次のエレベーターで行きます”って言ったら、“お前、逃げる気だな”って。“乗ったらブーッと鳴りますよ”と言ったんですが、“乗ってみろよ”と言われて乗るとブザーが鳴らない。で、僕は最後に乗ったから、5階に着いてドアが開いたら一番前なんです。待ち構えたカメラにカシャカシャと撮られて、翌朝の新聞に“東、先頭を切る”と書かれました」
このフライデー襲撃事件は、そのまんま東が知事になった際も「暴力知事」などとマスコミに書かれることがありました。
これは耳垢のついているそのまんま東のトークの鉄板ネタですが、それに対し、引退しているキドカラー大道が反論しています。
当時のtweetは削除されているので、それを紹介しているページから引用します。
――知事になって以降、露出の増えたそのまんま東は、本件に関し質問されるまま得意げに、事件を面白おかしく語る場面は何度も見かけたが、その内容はほぼウソだ。 「嫌々後からエレベータに乗ったら出る時に先頭になった」とそのまんま東は語っているがウソだ。タクシーも同じで「先に降りる者は後から乗る」事など、規律は徹底されており、この時も先頭は常に俺だった。
「おい。お前らわかってんだろうな、お互い殴り合ってケガを増やして調書に書いてもらえ。なあ、あいつ等を不利にさせんだよ。あ?分かってるな」とねじ込んで来た。 皆で顔を見合わせ「いや、仲間同士でそんな事は出来ません」と断る。当然だった。 すると「じゃあ俺が殴ってやるわ!」と間髪入れずに全員殴られた。理不尽もいいところだった。「何だよあいつ」ーー誰ともなくそう言った。 知る者はあの時から彼を見る目が変わった。 「いざとなれば裏切る男」 「殿を見殺しにする男」 政治家になっても肝心な時に「一抜け」する身勝手な癖は直っていないように感じるがどうか。
この真相は藪の中ですが、先輩を「そのまんま東」と呼び捨てにしている辺り、相当根に持っているようです。そのまんま東は軍団構成員からは疎まれていたようです。
「フライデー襲撃事件」不参加のたけし軍団構成員
このフライデー襲撃事件については3名が不参加でした。
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井出ひろし (井出らっきょ)
日本ハム球団のプロテストに合格するなど、驚異的な運動神経の持ち主です。
この夜は、愛人宅に泊まっていたため、連絡がつかなかったようです。
後日談として、帰宅後に妻に「東が二軒目三軒目ってしつこくて」と言い訳をしたら、「東さんなら捕まったわよ」と不倫がばれたというネタが有名です。
出典: http://office-kitano.co.jp
ラッシャー板前
この日は痔の手術で入院していたようです。
そしてもう一名、唯一北野武が呼ぶことを拒んだ男がいます。
ビートたけし「枝豆には連絡するな」
ビートたけしは、軍団にフライデー襲撃の招集をかける際、「つまみ枝豆だけには連絡するな」と指示したそうです。
つまみ枝豆伝説
出典: http://office-kitano.co.jp
つまみ枝豆
怖いイメージのあるたけし軍団の中でも優しいイメージがありますが、実は隠れ武闘派のようです。
焼き鳥のほていのコマーシャルが懐かしいです。
画像を見るだけでも優しそうに見えるつまみ枝豆は実は武闘派としての経歴を持っているようです。
三島高等学校 (私立)を中退。ヤンキー、また暴走族でもあり、一時は右翼団体「防共挺身隊」に所属したこともある(仲間と語らって川口市役所に押しかけたり、木刀を持ってソ連領事館を襲撃した経験があるという)。また右翼時代に逮捕され服役した。”
さらにつまみ枝豆の怖さを主張するエピソードがあります。
“たけしが居酒屋で飲んでてて酔っ払いに絡まれ、表で喧嘩になった時 、自転車で殴ろうと思い必死で自転車を持ち上げようとしてたら タカ&枝豆が折った割り箸持って笑ってたのが怖くて酔いが一気に冷めた。” “昔、格闘技本ばっかり読み漁ってる浅草キッドに対して、武が「おめーらよ、ホントにおっかないのはな、平気で傘の先で相手の目を突ける枝豆みたいな奴なんだぞ」とのたまったそうですよ。” “枝豆が酒の席で絡まれたのでしばらく経って様子を見に行ったら絡んだ方が必死に土下座して謝っていた。”
本当に怖い人は、そうなんですね。
単身「フライデー襲撃」を踏みとどまる
翌朝、「フライデー襲撃事件」を知ったつまみ枝豆は、「呼ばれなかった」とは知らず、行かなかったことに「不義理をしてしまった」と悔やみ、フライデーのある講談社へ乗り込む決意をします。
そんな、喧嘩で何しでかすかわからないつまみ枝豆の心境を読み通していていた北野武は、大塚署からその枝豆に電話します。
さらに枝豆は、たけしが逮捕されたことを受け会見を開いていた講談社に乗り込もうとしたが、その時大塚署からたけしの電話。「みんなの面倒は見るから、勘弁してくれ。今は動かないでくれ」と言われて乗り込みも中止したという。
もし枝豆がフライデーに乗り込んでいたら…もっとおぞましい事件が起きていたかもしれません。
さらにビートたけしの良いエピソードがあります。
この事件を境に、軍団のたけしに対する忠誠心が高まったと言われています。
ガナルカナル・タカの『我が愛と青春のたけし軍団』から引用します。
取り調べ室に行く途中、大塚署の暗い廊下を歩いているとき、たけしさんはちょっと振り返るようにして俺らのほうをチラッと見ると、ボソッと小声で言った。 「悪かったな。お前らには感謝してるぜ…」 後にも先にもたけしさんから感謝してるなんて言われたのは、そのときだけだ。そして、たけしさんは続けて、 「お前らのことは一生、面倒見るからよ」 胸がジーンとなった。その言葉だけで俺らは全員、 「もう、どうなってもいい」 本気でそう思った。
出典: https://s.eximg.jp
『我が愛と青春のたけし軍団』
不世出のコメディアン、ビートたけしを師匠に持つ「たけし軍団」。軍団のリーダー格であるガダルカナル・タカを中心に、つまみ枝豆、ダンカン、松尾伴内、グレート義太夫ら、総勢8名の軍団中核メンバーが明かすたけし軍団、師匠・たけしの素顔。FRIDAY事件、バイク事故の真相も明かされる。(Amazonより)
余談ですが、ビートたけしによると取調室はドラマの通りの部屋作りで、何か食べたいかと聞かれ「当たり前だろかつ丼だろこの野郎」と注文したら、後からかつ丼代が請求されたとネタにしています。
その後、半年以上謹慎となり、ビートたけしとたけし軍団は、「フライデー襲撃事件」不参加のつまみ枝豆ら3名を除きTVから消えます。
その間、軍団を従えゴルフ三昧だったようです。
事件当時のビートたけしのレギュラー番組
『痛快なりゆき番組 風雲!たけし城』TBS系
『スーパーjockey』日本テレビ系
『たけし軍団!ヒット&ビート』テレビ朝日系
『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』日本テレビ系
『オレたちひょうきん族』フジテレビ系
『世界まるごとHOWマッチ』TBS系
『ビートたけしのオールナイトニッポン』ニッポン放送
『ビートたけしのスポーツ大将』テレビ朝日系
どれも40代以上の人なら、一度は観たことがあるであろう高視聴率番組でした。
そのうち『たけし軍団!ヒット&ビート』と『ビートたけしのスポーツ大将』は謹慎中に打ち切られ、『スポーツ大将』は復帰後に再開されました。
1986年当時のフライデーのスクープ
フライデー(講談社)、フォーカス(新潮社)、フラッシュ(光文社)のFFFと言われ、さらにエンマ(文藝春秋)タッチ(小学館)も参入、毎週センセーショナルな見出しと記事で、しのぎを削っていました。
高部知子ニャンニャン写真やおニャン子クラブ喫煙から政治家までターゲットにされました。
FRIDAYのスクープ
長渕剛&志緒美悦子の密会
岡田有希子自殺写真
輪島大士偽装離婚
近藤真彦&中森明菜密会
浩宮さまと「令嬢」写真
岩崎宏美「男」とホテル宿泊
巨人西本、広島山本浩二に親密美女
など
毎週のように、「スクープ」を掲載していました。
出典: https://ameblo.jp
1986年当時のフライデー
今も昔も毎週センセーショナルな見出しでした。画像の表紙のロゴは懐かしいですね。1986年当時の価格は150円だったのですね…
男を上げたビートたけし記者会見
「フライデー襲撃事件」5日後の12月12日に行われた記者会見です。動画は前編後編に分かれています。
今の目線で行くと、恐らく「反省している姿勢が見られない」「不倫しておいて、何が家族だ」という意見で溢れかえり、火に油を注ぐだろうと予想できます。
しかし、この1986年の時代の世論の多くは、ビートたけし擁護派が多数であり、この会見では「男を上げた」と伝説の記者会見になっています。
どんな質問にも逃げずにジョークを混ぜ込むビートたけしと、大物タレントや大手事務所社長を相手に厳しい質問を畳みかける芸能記者の攻防は緊迫感があります。
今の時代、政府記者も芸能記者も、このような質問する度胸も無いように思え、また質問した記者がバッシングされるというのも、時代の変化です。
「暴力以外に対抗する手段があるのなら教えてもらいたい」
「報道や言論の自由があるということで、僕の周りをうろついていたのですが、同じ自由ならプライベートの自由がある」「暴力以外に対抗する手段があるのなら教えてもらいたい」というビートたけしの話でスタートした記者会見。
それに対し「復帰に対して早すぎるのでは」「子供など社会に与えた影響は」「引退は考えているのか」という厳しい質問が矢継ぎ早に浴びせかけられます。
それに対して、逃げることなく、はぐらかすことなく切り返す北野武。
今の時代から見ると、記者会見は戦争ですね。
俺は大塩平八郎では無い
「ビートたけし擁護論」は計算通りなのかという質問に対し、ジョークで返します。
「袋叩きになるのはしようがないと思っていた。擁護論というのは人がやることで、おれの味方がいっぱいいるからやったわけじゃない。あくまでも、やったのはおれ自身の問題。みんなの代表でやったわけじゃない。おれのプライドを守るために個人でやったことで、いろんなタレントのためにやったのではない。おれは大塩平八郎じゃないからね。よくぞやったというぐらいならテメエがいけばいい。だけどそれはできないだろう。おれみたいにちょっとこれがアッパラパーで、しちゃったけどね」
出典: http://r-ijin.com
大塩平八郎
徳川幕府の忠臣でありながら農民のために私財を投げうって立ち上がった「大塩平八郎の乱」は鎮圧されましたが、語り継がれています。
「男として大事なものを守ろうとした」
この会見で一番「男を上げる」ポイントになる言葉でした。
「暴力事件」への反省を述べる一方、女子大生の愛人も実の家族も守ろうとしたとここで公言します。
今の時代なら後者の言葉はバッシングになりますね。
「(子供達にどう説明したらいいか困っている親に対して)さっきもいったように自分は自分で守らなきゃいけないんだけど、守る方法として、こういう守り方はよくないと…、本人も深く反省してるから、親と子の対話の中でたけしも自分の家族をお父さんとして、男として守ろうとしたんだけど、その守り方を失敗したんだなと言えば。それが分かんないガキだったらバカなんだ」
とにかく動画をご覧ください。
今の感覚では「反省していない」と言われるかもしれない。でもビートたけしは一切逃げていないし、記者も鋭い質問をしています。
31年前の1986年です。
今の時代の記者会見と全然違いますね。
フライデー襲撃事件の波紋
記者会見では否定的意見より、「男を上げた」と言われ評価されたビートたけしですが、この「フライデー襲撃事件」は様々なところにインパクトを与えました。
「あんなどうしようもないのは、死刑にでもしてください」
事件後、マスコミは母親である北野さきさんの元につめかけました。
さきさんは、集まった人々を驚かせる発言を残しました。
「あんなどうしようもないのは、死刑にでもしてください」
ビートたけし自身、長年、この「事件」をネタにしていました。
一見突き放したこの一言が逆にビートたけしに対する批判を和らげたのが真相ではないでしょうか。
ビートたけし謹慎中のレギュラー番組
「フライデー襲撃事件」後、8本のレギュラー番組はビートたけしやたけし軍団抜きで撮影されました。
『痛快なりゆき番組 風雲!たけし城』は、ビートたけしの顔に似せたハリボテの面を被った“影武者”「ビートたけしくん人形」が登場、ラッシャー板前が演じていました。
『スーパーjockey』や『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』は山田邦子が司会の代役を努めました。
『オレたちひょうきん族』では、明石家さんまがたけちゃんマンとブラックデビルの2役を演じ、「ラブユー貧乏」という新コーナーがヒットしました。
『世界まるごとHOWマッチ』は取りだめていた映像を「収録字幕」を出して放送しました。
『ビートたけしのオールナイトニッポン』は、代役が交代で務めました。
事件に参加しなかったたけし軍の3名がフル回転しました。
出典: http://keshiheads.wikia.com
“影武者”「ビートたけしくん人形」
貴重な画像を見つけました。懐かしいですね。
写真週刊誌の部数激減
「フライデー襲撃事件」を境に、写真週刊誌の強引な取材方法や盗撮に批判的な声が高まり、部数が激減していきます。
翌年にはエンマ、89年にはタッチが廃刊に追い込まれました。
廃刊の背景には、売り上げ激減の他に、バブル崩壊後の経費削減もありました。
写真週刊誌は貼りつく時間や経費など膨大なため、コストが割に合わなかったからだとも言われています。
「フライデー襲撃事件」の知られざる真相
最近になり、ビートたけしが「FNS27時間テレビ」の中で「フライデー襲撃事件の知られざる真相」について語りました。
出典: http://cdn2.natalie.mu
27時間テレビ
画像は番組の一コマ
「最初、フリー記者を名乗る人が『私はお金がないから取材させてくれ。その記事を売ってお金にする。悪口は書きませんから』と言ってきた。かわいそうだから受けてやって、確かに最初のフライデーは大した記事じゃなかった」と事件の発端を明かした。 次第にたけしと記者は親密になり、たけしの楽屋にいつもいる関係になった。「その頃から芸能界のスキャンダルがやたらフライデーに出るようになって、あいつがスパイをやっていたんじゃないのか、となって。調べたらやっぱりそうだった」。その後、講談社との話し合いになり、当人が出てこなかったため暴力事件に発展したという。
フライデーとビートたけしの和解
執行猶予つき判決の出た88年。
フライデー編集部とたけし軍団が親善草野球大会を開きました。
ピッチャーはビートたけし。
先頭打者に対し、初球はデッドボールだったそうです。
ともあれ、両者は和解しました。
篠山紀信がたけしがフライデー編集部を訪問する場面を撮影し、その画像は写真集「写真は戦争だ」に掲載されました。
ビートたけしの女性関係
会見では女子大生の「愛人」の存在も公に認めましたが、その女子大生との間には90年、女児が誕生しました。
不倫は今でこそ大騒ぎになる話ですが、当時は特に芸人に関しては、イメージダウンや謹慎になるような話ではなかったのです。
その後も、フライデーと和解後も、ビートたけしは写真週刊誌のターゲットでした。
細川ふみえとの密会がフォーカスに
出典: http://ura-geinou-news.com
細川ふみえ
たけしが生死をさまよったバイク事故。一部報道では実はこの時に細川ふみえのマンションに向かう途中だったと噂になっています。愛人宅、飲酒運転と、今の時代なら芸能界を追放されているような話ですね。(出演番組でたけしについて語った際の画像)
細川ふみえとたけしの接点は『スーパーjockey』でした。
その頃から、『噂の真相』など一部メディアから、この二人の不倫関係説がささやかれていました。
フライデーのライバルの写真週刊誌『フォーカス』にも、細川のマンションに入るところを撮られました。
共に画像を見つけることができませんでしたが、その噂が書かれた記事が出されていたのは事実です。
北野武自身、深夜番組の『北野ファンクラブ』の高田文夫とのトークの中で、「この間、細川ふみえと公園歩いていたら週刊誌に見つかっちゃてよ。そのとき手をつないでいたんだけどよ」と音も消されることも無く放送されていました。その記事は知る限りは出ていないようなので、ネタなのか本当の話なのは定かではありません。
以下の説もあります。
たけしは、番組で知り合った細川から、事務所から優遇されていないという相談を受け、彼女の将来について真剣に考えていた。丁度、その頃弟子のガダルカナル・タカの結婚式が迫っていて、その式でボケるつもりで、たけしは細川の衣装を着ることにした。そして、細川が衣装をたけしの別宅に持ってきたところをフォーカスされたのだが、それを取り上げて「やった、やらない」という質問をされ続けたことにうんざりしていたようだ。
また「フライデーされる」
今世紀に入り、2002年に女優の大家由祐子との「不倫」を「フライデー」にスクープされました。
出典: https://news.biglobe.ne.jp
たけしと大家由祐子
北野武監督の映画『キッズ・リターン』など数多く出演しています。
たけしはフライデーの取材に対し「カノジョといわれちゃかなわないよなあ。ほかにもオレの家に遊びに来る女はいるんだから…」と答えたそうです。
あの「女子大生」とヨリを戻した?
出典: http://osero0803.blog.so-net.ne.jp
「文春砲」がさく裂した最新の「愛人」記事
父親が広告代理店など、プロフィールがあの「女子大生」と一致するため、同一人物では無いかと噂が立ちました。
2015年に入り、たけしは今度は「文春砲」の餌食になります。
「スクープ撮 ビートたけし『100億円の愛人』」と題されたその記事によれば、北野武は49歳の女性と半同棲中で、夫人との離婚まで示唆しているという記事が出ました。
たけしは直後のテレビ番組で否定しましたが、この49歳の女性のプロフィールが、あの「フライデー襲撃事件」の発端となった「女子大生」と同じだったため、「ヨリを戻した」という噂が出ました。
これについては、その後の複数のメディアの調査で「別人」ということがわかったようです。
ビートたけし「フライデー襲撃事件」から30年後
奇しくも30年後の12月9日、同じフライデーに成宮寛貴のコカイン吸引疑惑が報じられました。
『成宮寛貴「コカイン要求」生々しい肉声データ』と題した記事では、成宮が「チャーリー」(コカインの隠語)を頼む発言などを紹介しました。同日、成宮寛貴が「今すぐこの芸能界から消えてなくなりたい」という声明と共に引退を発表しました。
出典: https://starlog.cn
「フライデー」の「スクープ」
これで一人の芸能人が引退に追い込まれました。
「文春砲」と「フライデー」・・・パパラッチを考える
「フライデー襲撃事件」から30年以上も「表現の自由」と「プライバシー」の議論の中、有名人が常にカメラに狙われ、バッシングを受け、釈明し、その噂を背負って生きていくという状況が続いています。
その間、ダイアナ妃がパパラッチの車に追い回された挙句事故死し、トイレまで盗撮されて引退した芸能人や、暴行事件など後を絶ちません。
政治家やアナウンサーや芸能人の不倫現場やプライベートの姿が撮られ、それで離党したり、芸能活動を中止したり、番組を降板され左遷されたり、その後の活動に大きな影響を及ぼしています。
見方によっては「それも仕事のうち」と考えることもできるでしょうが、「ビートたけしフライデー襲撃事件」から、現在まで「何も変わっていない」というのが現状でしょう。
それはパパラッチが悪いのでしょうか。法律でパパラッチを縛れば解決することでしょうか。
フライデー事件以来、雑誌の発行部数が減り、5つの写真週刊誌のうち3誌が廃刊になりました。
そうです。
需要さえなければ、パパラッチは蔓延らないのです。
でも、結局、「不倫」やら「裸」やら「密会」やらは、人の欲求に答えてしまっているのではないでしょうか。
そうです。パパラッチは私たち読者なのです。
芸能人らに同情するのであれば、同時に芸能人のプライバシーに無関心になれば良いのです。
皆さんは無関心になれるのでしょうか。