【未踏峰】人類が未だに足を踏み入れてない危険な山7選
登頂に成功した登山家がいない山、未踏峰についてまとめる。また、今まで未踏峰と呼ばれていた山に挑戦し見事登頂を果たした登山家についてもまとめる。その後、未だ世界に残る未踏峰の中で選抜した危険な7つの山を画像と共に紹介する。
目次
- 1人類が足を踏み入れてはならない未踏峰の山々
- 2未踏峰とは?
- 3世界の山々に挑戦した登山家たちから分かる登山の危険性
- 4危険性だけじゃない!未踏峰になる理由
- 5登山家たちの夢。未踏峰に挑戦する理由。
- 6歴史に名を刻んだ世界の未踏峰を攻略した登山家たち
- 7日本国内の未踏峰とは?
- 8人類が未だに足を踏み入れてない危険な山 未踏峰7選を紹介
- 9アルプス・ヒマラヤ造山帯ヒマラヤ山脈にある未踏峰 キュンガリ
- 10中国チベット高原西部に位置する未踏峰 カイラス山
- 11ネパールのマッターホルンと呼べれる未踏峰 マチャプチャレ
- 12中国雲南省にある7座からなる未踏峰 梅里雪山
- 13最も高い未踏峰 ガンケルプンスム
- 14火山脈の影に隠れた未踏峰 ザンスカール
- 15南極大陸にある未踏峰 サイプル山
- 16これからも続く世界の未踏峰への挑戦
人類が足を踏み入れてはならない未踏峰の山々
趣味として登山を楽しむ方、自分自身の限界への挑戦として登山をする方など、現代では多くの方が登山をしています。
今まで幾人もの登山家が誰も攻略したことがない山に挑戦し、登頂を成功させて来ました。その一方、登頂を果たせず道半ばで多くの登山家の命が失われています。
本記事では、登山技術が発達してきた現在でも未だ登頂がなされていない山、未踏峰とは何か、今までどれだけの登山家が未踏峰を攻略したかをまとめた後、選抜した7つの危険な未踏峰を紹介します。
マッターホルン
写真はアルプス山脈に属するマッターホルンです。1865年エドワード・ウィンパーらによって初登頂を達成されました。
未踏峰とは?
未踏峰と呼ばれる山について紹介する前に、まずは未踏峰とは何かをまとめます。
未踏峰は「みとうほう」と読み、登頂に成功した人がいない山を指します。世界中の未踏峰の山を攻略しようと挑戦する登山家は多く、いくつもの未踏峰が攻略されてきましたが未だ登頂されていない未踏峰はあります。
世界の山々に挑戦した登山家たちから分かる登山の危険性
登山には危険がつきものであり、登頂に成功した登山家がいない未踏峰であれば尚更危険です。未踏峰でない世界の山々に挑戦した登山家たちのデータから、登山に挑戦することの危険性をまとめます。
エベレスト
アルプス・ヒマラヤ造山帯に属する標高8850mの世界一高い山です。登頂者数は5104人いる一方、死亡者数は219人います。
アンナプルナ
アルプス・ヒマラヤ造山帯に属し、標高は8091mと世界第10位の高さを誇ります。登頂者数は157人に対し、死者数は60人と死者の割合が大きいです。
K2
エベレストに次ぐ世界第2の高さがあり、その標高は8611mです。登頂者数は302人に対し、死者数は80人と多くの死者を出しています。
谷川岳
日本にある山になります。1931年に統計を開始し、2012年までに805名の死者を出しています。この結果は世界の山ワースト記録としてギネス認定されています。
以上のことより、今まで攻略され登山ルートが確立された山でも多くの登山家が命を落としています。
登山ルートが確立されていない未踏峰では当然その危険性はより高くなることが容易に想像できます。
危険性だけじゃない!未踏峰になる理由
山が未踏峰と呼ばれる理由には、主に2つあります。
まず1つ目が、山を攻略しようと挑戦する登山家たちに対する危険性です。先に紹介した通り、登頂されたことがなく登山ルートが確立されていない未踏峰に挑戦するには危険が伴います。また、気候などによる過酷な環境も登山家たちの挑戦を阻みます。
2つ目が宗教上の理由です。山は古くから信仰の対象となっていることが多く、地域によっては信仰上の理由から入山が許可されていないことが世界にはあります。
主に上記2つの理由から、未踏峰と呼ばれるようになります。
登山家たちの夢。未踏峰に挑戦する理由。
未踏峰への挑戦は大きな危険を伴います。多くの登山家はそれでも世界の山々への登頂に挑戦しています。その理由として一番最初に考えれるのがお金ですが、実際登山家としての収入はありません。多くの登山家が講演や執筆、登山ガイドなどの副業で生計を成り立たせています。登山費用はスポンサーを見つけて出してもらうことが多いので、収入の為に危険な未踏峰へ挑戦していると言うのは考えにくいです。
他に調べた結果、登山家が未踏峰の山々攻略に挑戦する理由として最も考えられる理由は「登頂したいから、攻略したいから」と考えられます。
フランスのアルピニストであるガストン・レビュファは山に挑戦する理由として「僕らは山へ登るためにできているんだ」と言う言葉を残しています。また、アメリカの女性フリークライマーであるリン・ヒルは「クライミング無しの人生等考えられない」と言っています。
ここで紹介したのはほんの一例であり、他にも同様なコメントを残している登山家はいます。多くの登山家がお金や地位と言った目的でなく、彼ら自身の本能のままに世界の山々攻略に挑戦しています。
ガストン・レビュファ
フランスのアルピニストであるガストン・レビュファは「僕らは山へ登るためにできているんだ」と言う言葉を残しています。
リン・ヒル
アメリカの女性フリークライマーであるリン・ヒルは「クライミング無しの人生等考えられない」と言っています。
歴史に名を刻んだ世界の未踏峰を攻略した登山家たち
世界には未踏峰と呼ばれた山の攻略に挑戦し、見事登頂を成し遂げた登山家の方々が多くいます。次に見事登頂を果たし、歴史に名を刻んだ偉大な登山家の方々を一部紹介します。
ティム・マッカートニー=スネイプ
アウトドアブランド「Sea to Summit」を立ち上げ実業家としても大成功を収めた登山家です。登山家としてはアマ・ダブラム北稜やアンナプルナⅡ峰南枝稜などの多くの山の登頂に成功しています。
ダグ・スコット
イギリスの登山家です。エベレストの南西壁、カンチェンジュンガ北稜、チャンガ・バン、バインダーブラックやレーニン峰南東稜と言った数々の初登頂を果たした山岳会の重鎮であり生ける伝説とされています。
リオネル・テレイ
1950年代フランスで活躍した登山家です。ジャヌーやマカルー、ハンティントン峰などの山の初登頂を達成しています。 アンナプルナ初登頂時、下山ルートを見失い遭難しそうになっていた親友を救出したことから「アンナプルナの天使」、「無償の征服者」と呼ばれましたが、グルノーブルにて墜落死されました。
”サー” クリス・ボニントン
オールドマン・オブ・ホイやモンブラン・フレネイ中央岩稜、コングールタフなど多くの山の初登頂に成功しています。現在もかなりの高齢ですが、未だなお登山家として現役で活躍されています。
川村晴一
ジャヌー(クンバカルナ)北壁初登頂やいくつもの無酸素登頂を成功させた80年代の日本の登山家です。
木本哲
トランゴ・ネームレスタワーやパチュムハム等の初登頂を達成しています。日本におけるフリークライミング創成期から活躍されている大ベテランとなります。
堺澤 清人
ギャチュン・カンやチベット・キズ峰などの初登頂を達成した大ベテラン日本人登山家です。2006年には68歳と言う年齢で高森不動滝の氷壁初登に成功しています。 現在は日本国内で伊那谷地区のガイドまとめ役として、中央アルプスの環境保全に力を注いでいます。
田部井淳子
日本における山ガールの元祖です。女性で世界初めてアルプス・ヒマラヤ造山帯にあるエベレスト登頂を成功させています。他にもシシャパンマの日本人初登頂、シヴァ峰の初登頂を達成しています。
日本国内の未踏峰とは?
世界の未踏峰については次章以降に書きますが、ここでは日本国内の未踏峰についてまとめます。
日本の山は既に全て攻略されており、未踏峰は存在しません。最後まで未踏峰として残っていたのは北アルプス立山連峰にある標高2999mの剱岳になります。
北アルプス立山連峰にある剱岳は、1907年7月に国土地理院の前身に当たる陸軍参謀本部陸地測量部より派遣された測量隊により初めて登頂されたと記録にあります。この登頂により、日本国内の山は全て攻略されたことになりました。
尚、初登頂時に奈良時代後半から平安時代初期にかけて登頂した修験者のものと考えられる錆び付いた鉄剣と銅製の錫杖が発見されました。山頂近くにある岩屋には、古い焚き火跡も同じく発見されています。このことから、記録には残っていませんがもっと古い時代に初登頂を果たした人がいる可能性も考えられています。
劔岳
北アルプス立山連峰にある標高2999mの山です。日本国内では最後まで未踏峰として残っていた山です。
今では劔岳は登山スポットとして人気です
北アルプス立山連峰にある劔岳は、日本トップクラスの岩峯であることからロッククライミングのスポットとして人気があります。また、一般登山道があり、ツアーもあることから多くの方々が剱岳を登っています。しかし、日本国内では一般登山者が登る山の中で最も危険度が高い山と言われています。そのため、遭難する登山者が多く、登山をする際には十分な注意が必要です。
劔岳の場所
北アルプス立山連峰にあり、富山県中新川郡館山町及び上市町に地籍を置いています。
人類が未だに足を踏み入れてない危険な山 未踏峰7選を紹介
次からいよいよ世界に残る未踏峰の山々を紹介します。本記事ではその中から厳選した7つの未踏峰を紹介します。
アルプス・ヒマラヤ造山帯ヒマラヤ山脈にある未踏峰 キュンガリ
キュンガリ
標高は6599mあり、中国のチベット自治区とネパールの国境付近にあるアルプス・ヒマラヤ造山帯のヒマラヤ山脈にあります。現地の住民も知らない人がいると言う不思議な山です。
中国チベット高原西部に位置する未踏峰 カイラス山
カイラス山
標高は6656mあり、中国のチベット高原西部にあります。チベット仏教やヒンドゥー教等の信仰の対象となっている山であることから、登山の許可がおりないため現在未踏峰とされています。その一方で仏教修行者ミラレパが11世紀に登頂したと言う伝説が残っています。
巡礼路の入り口(標高4600m)
カイラス山への登頂は禁止されていますが、巡礼路を巡ることは許可されています。平均4500mありますが、巡礼者は途絶えることなく訪れています。
ネパールのマッターホルンと呼べれる未踏峰 マチャプチャレ
マチャプチャレ
標高は6993mあり、ネパールのアンナプルナ山系にあります。マッターホルンに似ていることからネパールのマッターホルンと言われており、現地では神聖な山として崇められています。そのためネパール政府から登山許可がおりないため、現在未踏峰とされています。
1957年にイギリスの隊がチャレンジしましたが、山頂を踏まないと言う約束を事前に交わしていたため、山頂50m手前で下山しています。
中国雲南省にある7座からなる未踏峰 梅里雪山
海里雪山(メイリーシュエシャン)
中国の雲南省デチェン蔵族自治州にある連山であり、標高は6740mになります。宗教的に先に紹介したカイラス山と同じチベット仏教の聖地となっています。険しい地形とモンスーン地帯特融の厳しい気候により、過去に世界の登山家たちが攻略に挑戦していますが、全て登頂失敗に終わっています。地元の住民たちは、攻略に挑戦する登山家を神聖な山を汚す存在として嫌う風潮があります。
梅里雪山へのゲートウェイは雲南省最北部の町、徳欽。
徳欽県は「とくきんけん」と読み、雲南省の最北部に位置します。海里雪山へ行くには、まず徳欽県に行く必要があります。
最も高い未踏峰 ガンケルプンスム
ガンケルプンスム
標高は全世界の未踏峰の中で最も高い7570mあり、ブータンと中国のチベット自治区の国境にあります。雪と氷に守られている登山条件の厳しい山です。 ブータン国王が永久の登山禁止を宣言したことにより、チベット側からしか挑戦できません。しかし、国境がはっきりしないことから中国政府も許可を出していません。そのため永久に未踏峰となる可能性があります。
火山脈の影に隠れた未踏峰 ザンスカール
ザンスカール
インドのジャンム・カシミール州のラダックと呼ばれる地域にある未踏峰で、標高は6165mになります。南にはヒマラヤ山脈、北にはカラクルム山脈と火山脈の陰に隠れていることから、登頂されず未踏峰になっています。
2012年には日本山岳会学生部により未踏峰PT6165の登頂は達成されています。しかし、もう一つの目的であるPT6045は5700m付近で断念されています。
南極大陸にある未踏峰 サイプル山
南極大陸サイプル島にある標高3109mになる未踏峰です。サイプル島は南極大陸の沿岸部から離れており、サイプル山に到着するだけでも困難となっています。寒さ等の環境は別として、このアクセスの悪さが未踏峰の原因となっています。
南極大陸
サイプル山は南極大陸の更に果てにあるサイプル島にあります。南極大陸自体が行くことが困難なため、サイプル島は更に困難になります。その挑戦の難しさからサイプル山は未踏峰になっています。
サイプル山については、付近まで到着した登山家が少ないからか、ネット上にも画像はありません。
南極大陸の最高峰ヴィンソン・マシフ登山
南極大陸にあるのはサイプル山だけではありません。他にエルズワーズにあるヴィンソン・マシフがあります。ヴィンソン・マシフは南極大陸最高峰の4892mあります。
南極大陸にある活火山エレバス山
エレバス山は標高3794mあり、ロス島西部にある。地球上最も南にある活火山と言われています。
これからも続く世界の未踏峰への挑戦
本記事では未踏峰とは何かをまとめ、世界に残る未踏峰の中で厳選した7つの山を紹介しました。
本記事では一部の登山家の方しか紹介していませんが、世界には多くの実力ある登山家がおり、今まで未踏峰と呼ばれた山に挑戦し見事登頂を果たしてきました。しかし未だ未踏峰として残る山は本記事で紹介した以外にも世界には存在します。
現在、登山技術の進化はし続けています。これからも勇気ある登山者が未踏峰に挑戦し、見事登頂を果たしていくと思われます。そして、いつかは世界から未踏峰呼ばれる山が存在しなくなるはずです。
未踏峰に対する登山家の挑戦はこれからも続きます
世界にはまだまだ未踏峰が存在します。これからも勇気ある登山家の挑戦は続き、いつかは世界から未踏峰と呼ばれる山がなくなるはずです。