ギフテッドの特徴や見極める方法とは?才能を開花させる方法も!
自分の子供と他の子供との違いを感じたら「ギフテッド」に当てはまらないかをチェックしてみませんか?ここではギフテッドとはなんなのかや、見極める方法、見た目など顔立ちの特徴、ギフテッドと遺伝の関係、ギフテッドの苦労、才能を開花させる方法などを詳しくご紹介します。
目次
そもそもギフテッドとは?
「うちの子、興味があることにものすごく没頭していくら呼んでも返事をしないんだよな」「ものすごい記憶力に、大人でもびっくりする」自分の子供に対して、そんなことを考えたことはありませんか?もしかしたら、見た目にはわかりにくくても「ギフテッド」の可能性があるかもしれません。「ギフテッド」という言葉が聞かれるようになったのは最近のことですが、テレビや映画などで耳にする人も増え、この言葉が広まりつつあります。
ギフテッドとはそもそもなんなのかやどういう特徴があるのか、見た目の顔立ちなどでわかるのか、他の人とは何がどう違っているのか、定義はなんなのかをまずはご紹介します。
ギフテッドについて
ギフテッドとは、「同じ世代の子供達と比べて抜き出た才能を生まれ持っている人」のことを指します。記憶力や集中力が抜群に高い、見た目でいうと中性的な顔立ちが多いなどの特徴があります。ギフテッドの特徴としては「優れた才能を発揮できるのは子供のころだけではなく、大人になっても続いている」という部分です。つまり、「子供のころはできがよかったのに、大人になったらダメダメになってしまった」というのはギフテッドではないということになります。
顔立ちは美男美女の見た目である場合が多く、男性ならイケメン・女性なら美人な顔立ちということになります。スッキリした顔立ちであることも多いです。大人になっても若く見られるような顔立ち・見た目をしています。「天才で見た目は美男美女で顔立ちも整っている」と聞けば、うらやましく感じる人も多いかもしれませんが、ギフテッドならではの苦労もあります。
ギフテッドの語源
「ギフテッド」というのは、「ギフト」から作られた言葉です。優れた才能を持っていることから、「神様から授かった才能=贈り物」ということでギフテッドと呼ばれるようになりました。
発達障害との違い
ギフテッドは、まだ浸透していない言葉ですので、ギフテッドと発達障害を同じだと考える人も多いのですが、実際は別物です。たとえば、アスペルガー症候群の人は「興味のあることに没頭できる」「こだわりがつよい」などの特徴がありますが、同時に「人とのコミュニケーションが苦手」という苦労もあります。
一方、ギフテッドの子供の性格としてはコミュニケーション能力が高い場合が多いのが特徴です。しかし、ギフテッドとアスペルガー症候群には「こだわりが強い」という共通する性格の特徴も見られますので、見た目にはわかりづらく病院で誤った診断をされることもあるようです。
ギフテッドが生まれるのは何故か?
ギフテッドが生まれる理由には様々な憶測が飛び交っています。どうしたら「才能がとびぬけた天才」が生まれることになるのでしょうか。遺伝との関係についてもご紹介します。
遺伝など先天的なもの
ギフテッドになる理由の1つとして「遺伝」という考えがあります。遺伝が関係している場合、ギフテッドの親とそうではない親がいた場合、ギフテッドの親から生まれてくる子供は、そうではない親から生まれてくる子供よりもギフテッドの可能性が高くなると言われています。
「両親・兄弟・親族がギフテッド」などのギフテッド家系も存在しますので、子供の天才的な性格は遺伝によるものという可能性はあります。また、父親よりも母親の影響・遺伝を多く受けるとも言われています。
環境など後天的なもの
遺伝とは別に「音や光、匂いなどによる強い刺激を受け続けること」がギフテッドになる理由の1つとしても挙げられています。大きな刺激を受け続けることで次の刺激が生まれ、脳が大きく成長し、とびぬけた能力が育っていくという考え方です。また、目の前の問題に挑み続けたり、オリジナリティがある独特の考え方をしていくことも、その考え方で思考回路が発達し「天才」と呼ばれる考え方・性格が定着していくものだと考えられています。
現時点で原因は明らかではない!
しかし、現段階でギフテッドになる原因ははっきりと解明されているわけではありません。なぜ集中力や記憶力がとびぬけて高いギフテッドが生まれるのでしょうか。遺伝による先天的な要因なのか、環境による後天的な要因なのかという議論は「遺伝も環境も両方影響している」という答えが出ています。しかし、遺伝や後天的な原因のどちらの方がギフテッドへの影響が大きいのかというところまではまだはっきりとわかっていません。
ギフテッドを見極める方法を解説!
ギフテッドなのかそうではないのかを見極めるためには「見た目では顔立ちが中性的である」とも言われていますが、主にIQを使った方法で見極めていきます。その方法は次の通りです。
IQを調べる
ギフテッドの判定には、知能テストでIQを調べる方法があります。ただ、絵を描く能力や音楽の才能などはIQだけでは測ることができないので、この方法には賛否両論があります。
ギフテッドと判定されるIQの値
ギフテッドだと診断されるIQは130(上位2.1%)と言われていますが、さらにギフテッドの中でも細かく分類されています。
- 中程度のギフテッド……IQ130以上
- 高度のギフテッド……IQ145以上
- 並外れたギフテッド……IQ160以上
- 完全なギフテッド……IQ175以上
しかし、先ほどもお伝えしたように「記憶力」などはIQでもわかりますが、「創造性」などに関する才能はIQでは測れないため、本人や家族にヒアリングをしながら特性を見る「QAメゾット」という方法を組み合わせて総合的に判断します。
ギフテッドの割合
ギフテッドの割合は約2%なので50人に1人ということになります。また、ギフテッドのレベル別の割合は次の通りになります。
- 高度のギフテッド……(上位0.1%・1,000人に1人)
- 並外れたギフテッド……(上位0.003%・3万人に1人
- 完全なギフテッド……(上位0.00003%・300万人に1人)
しかし、50人に1人の割合でギフテッドがいるということは、1~2クラスに1人はギフテッドがいると思うと、案外多く感じますね。
ギフテッドの才能の主な6分野
ギフテッドのとびぬけた才能は6つの分野に分けることができます。ギフテッドの場合、次の1~2個の才能・性格を持っていることが多いです。
①知性
ギフテッドの才能の1つ目は「知性」です。複雑な情報を理解したり処理したりする能力がすごく速いです。また、記憶力が高いゆえに語彙力もあり学校での成績が伸びやすいのが「知性」タイプの性格です。
②創造性
色々な考え方ができるというギフテッドの才能の2つ目は「創造性」です。そのため、凡人には考え付かない意見を述べたり、モノを作る才能にたけた性格をしています。
③芸術性
ギフテッドの才能の「芸術性」は、音楽や絵を描くこと、ダンスや歌などで表現することが得意なタイプです。
④運動能力
走るのが速いなど、体育の成績がよく、運動能力が高いのもギフテッドの特徴です。いろんなスポーツをさせてみて、得意なことを見つけてあげるのもいいかもしれませんね。
⑤特定の学問
ギフテッドの才能である「特定の学問」は興味があることに対して、驚くような集中力や記憶力で学ぶことができます。
⑥リーダーシップ
チームの中のリーダーとしてその場面に合った決断をしたり、高い集中力や決断力、記憶力など頼れる性格であることもギフテッドの才能です。このタイプは、仲間からの信頼を得ることもできるタイプです。
ギフテッドの特徴8選!
次に、ギフテッドとはどんな性格や見た目が多いのか、その特徴についてご紹介していきます。
①人並み以上の記憶力
ギフテッドの特徴の1つ目は、人並み以上の記憶力があるということです。普通の人では絶対に覚えられないようなことでも、驚異的な記憶力で記憶しておくことができます。ただし、異常に記憶力がいいと覚えておかなくてもいいことも覚えてしまうので、脳が疲れてしまうなどの苦労もあるようです。
②新しいことの吸収が早い
ギフテッドは、新しいことの吸収が早いということも特徴です。記憶力が高いということとも似ていますが、吸収力があると、学校や会社での順応性が高くなるほか、次々と新しいことを始めて楽しむことができます。
③語彙が多い
記憶力が高いため、多くの語彙を沢山覚えることができます。語彙力が高いと、人間関係が円満になったり仕事に生かしたりということができます。しかし、いい面ばかりではなくギフテッドの子供の場合だと同年代の友達と会話が成り立たず、大人と話す方が楽に感じることがあります。
④探究心や好奇心がとても強い
探求心や好奇心がとても強いという特徴もあります。何かわからないことがあると、「なぜそうなるのか」「どうしてそうなるのか」を自分が納得するまで聞いたりする性格の子が多いです。
⑤集中力が高い
ギフテッドには集中力がとても高いという特徴もあります。集中しすぎて周りが見えなくなってしまうこともありますが、自分の興味があることには没頭して取り組むことができる性格です。
⑥完璧主義で負けず嫌い
ギフテッドの特徴には完璧主義で負けず嫌いというところがあります。ちょっとした間違いや、負けたと感じることがあると大騒ぎをしたりする性格です。
⑦喜怒哀楽が激しい
ギフテッドのは、喜怒哀楽が激しいという特徴もあります。感情の差が激しく、ちょっとしたことで泣いたり怒ったりしてしまう反面、嬉しいことは人よりも嬉しく感じることができます。
⑧チャレンジ精神が旺盛
ギフテッドの特徴の八つめは、チャレンジ精神が旺盛ということです。自分の興味があることであれば、どんどん新しいことにチャレンジすることができます。
ギフテッドの才能を開花させる7つの方法
親にとっては「育てにくい」と感じることもあるギフテッドですが、ギフテッドは素晴らしい才能を持っています。1人1人に合わせた教育をすれば子供の才能を十分に伸ばすことができます。ここでは、ギフテッドの才能を開花させる方法についてご紹介します。
①得意分野を伸ばす
まずは、子供が得意なことを見つけましょう。そして、その性格を伸ばすことを1番に考え、環境を整えたり応援したりすることが大切です。
②苦手なことは無理強いしない
ギフテッドの子供は、得意な分野もあれば苦手な分野もあります。苦手な分野はとことん苦手だという性格の子も多いのですが、その際に「弱い部分に注目しない」「無理強いしない」ということが大切です。できないことに目を向けるのではなく、できることに目をやっていいところを伸ばしてあげる方法をとるようにしましょう。
③本人に自分の強みを自覚させる
親だけではなく、子供も自分の強みや弱みを知ることはとても大切なことです。子供が自分でなにが得意なのか、苦手なのかを知ることで、対処する方法を考えることもできます。
④新しいことに挑戦させる
ギフテッドの子供の性格には色々ありますが、新しいことにチャレンジすることが得意な子供が多いです。しかし、芸術タイプや創造タイプのギフテッドだと「勉強ができない」というところに注目してしまい、本来の「抜き出た才能」を埋もれさせてしまうことになります。読んだことがないジャンルの本を読ませたり、絵を見に行ったり音楽を聴きに行ったり、子供の才能がどこにあるのかを見つけることがとても大切です。
⑤個性に合わせて環境を整える
日本では「みんながみんな同じようなラインになるように」という風潮で、個人に合わせて環境を整える習慣はあまり見かけませんね。しかし、日本よりギフテッドへの理解があるアメリカでは、飛び級のようにその子のレベルに合わせた環境を整えられるようなシステムが構築されています。他の子供と違うと感じることがあっても、人間1人1人性格が違うのは当たり前です。子供が興味のあること、得意なことに関しては歯止めをかけずにとことんやらせてあげましょう。
⑥本人に合わせた学習スタイルを見つける
子供が得意な分野で「ギフテッドだからできて当たり前」と思ってはいけません。子供はしっかりと努力しているはずです。その頑張りをしっかり認め、ほめてあげることで子供の自尊心を育てることができます。また、人間にはそれぞれ
- 「見た情報を処理するのが得意(視覚優位)」
- 「読んだ情報を処理するのが得意(言語優位)」
- 「聞いた情報を処理するのが得意(聴覚優位)」
などの性格・特徴(認知特性)があり、同じ学習方法をしていても誰もが同じように理解できるわけではありません。ですので、その子に合わせた学習スタイルを見つけてあげましょう。
⑦チームに属する経験をさせる
ギフテッドの子供は、コミュニケーション能力にたけていることが多いと言われることもありますが、こだわりのつよさや同年代の友達との会話が上手くいきにくいことから、孤立してしまうこともあります。そんな時は、スポーツなど「チーム」で協力するという体験をさせてあげることで、コミュニケーション能力を伸ばすことができます。
ギフテッドならではの5つの苦労
天才と呼ばれるギフテッドですが、いいことばかりではありません。ここではギフテッドならではの苦労をご紹介します。
①知能と年齢のギャップが激しい
ギフテッドの苦労の1つ目は、「知能と年齢のギャップが激しい」という部分です。知能が高いので、ルールなどを覚えるのはとても早いのですが、その知識に体がついていかないというギャップに苦労することがあります。
②同年代と話が合わない
ギフテッドには「同年代と話が合わない」という苦労もあります。ギフテッドの子供はIQが高く、語彙力の違いなどから同じ年代の子供と話が合わないなどの苦労が予想されます。
③一般的な理解が難しい
「一般的な理解が難しい」という苦労もあり、自分の得意なことにはものすごく高い才能を発揮するのがギフテッドの特徴ですが、反対に興味がないことは全くダメだったりしますので、「できるのにやらない」と思われたりすることもあります。
④変わり者と思われがち
ギフテッドの苦労には「変わり者と思われがち」ということもあります。ギフテッドの特徴として「こだわりが強い」という部分があります。ですので、周りに合わせるのが苦手だと周囲から変わり者と言われてしまう可能性もあります。
⑤感情の起伏が激しく疲れやすい
ギフテッドには「感情の起伏が激しく疲れやすい」という苦労もあります。ちょっとしたことでも感情が抑えきれなくなることがあり、友達と喧嘩してしまうといったトラブルも考えられます。
ギフテッドについてよくわかるおすすめの本3選!
「子供のギフテッドは遺伝なのか。」「他のギフテッドの子供達はどんな悩みを抱えているんだろう。」「そしてどうやって対処しているんだろう。」そんな風に、ギフテッドの子供をどう育てるのがいいのか迷ってしまった時は、次の3つの本がおすすめです。
①「ギフテッド」 天才の育て方
アメリカと日本のギフテッドに対する考え方が違うということがわかる1冊です。自分の子供が「どうしてできないんだろう」と悩んでいる親御さんにおすすめです。また、学校の先生たちにも読んでほしいと思う本です。
②ザ・ギフティッド 14歳でカナダのトップ大学に合格した天才児の勉強法
ギフテッドのお子さんを持つ親御さんだけではなく、子育て中の方にはぜひとも読んでほしい1冊です。 こういう「親に向けた子供の育て方」的な本は、子供を育てた「母親」「父親」が書いている本が多いのですが、この本はなんと表紙にのっている「大川翔」さんが書いたものなのでとても素直に読み進められる1冊です。彼と同世代である中学生の方にもおすすめです。
③才能の見つけ方 天才の育て方
ギフテッドの簡易診断ができるのがこの本です。巻末にのっている26個の質問のうち、20個「YES」があればギフテッドの可能性があるそうです。 子供の才能をつぶしてしまわないためにはどうしたらいいのかが気になる方はぜひ読んでみてください。
ギフテッドを見極めて並外れた才能を開花させよう!
ギフテッドは、育てにくいと感じることもあるかもしれませんが、子供の才能を見つけて伸ばしてあげればものすごい力を発揮できます。子供が幸せになれるような、その子に合った育て方をぜひ見つけてあげてくださいね。