2021年10月05日公開
2021年10月05日更新
ガムを飲み込むと…体の中ではどうなっているの?
ガムを噛んでいてつい飲み込んでしまったことないですか? また飲み込む癖のある人は「一体飲み込んだガムは体の中でどうなるのか?」と心配になったことってありますよね。 今回は、ガムを飲み込むことで身体に及ぼす影響や、ガムの成分についてご紹介していきます。
目次
- 1ガムを飲み込むと、体の中ではどうなるんだろう?
- 2ガムは何から作られているの?飲み込んでも大丈夫?
- 3ガムを飲み込むと消化されるの?飲み込んだガムはどこへ行くの?
- 4ガムを飲み込むと腹痛を起こすことがあるって本当?
- 5ガムを飲み込む癖のある人が知りたい「飲み込むと便秘になってしまうの?」
- 6ガムを飲み込んでしまった!
- 7ガムを飲み込んでしまった時の応急処置として
- 8子供がガムを飲み込むと大人より危険。
- 9ガムにはこんな素晴らしい効能があります。
- 10キシリトールガムとリカルデントガムの違いは?
- 11ガムの食べすぎはちょっぴり危険かも?
- 12たくさんのガムを食べたり飲み込むと、病気のリスクが高くなって危険??
- 13アッ!ガムがくっついてしまった。その時どうする?
- 14街ではガムの売れ行き不振がささやかれている
ガムを飲み込むと、体の中ではどうなるんだろう?
ガムは噛んだ後、紙に包んで捨てると言う認識は誰でもあると思います。
しかし何かのはずみでガムを飲み込んだり、またガムを飲み込む習慣の人もいますよね。
イメージとして、ガムを飲み込んだら、どんどんと体の中に溜まってしまうようにも思えるし、胃や腸の壁に張り付いてしまうようにも思えるし、それとも他の食べ物と同様、胃酸などで消化され、なくなってしまうようにも思えますよね。いったいガムを飲み込むとどうなるのでしょうか?
ガムは何から作られているの?飲み込んでも大丈夫?
チューインガム(英:chewing gum)は、噛む(chew)ゴム(gum)の意味でガムベースに味や香りをつけたものです。
ガムベースの主原料としては、南米産のアカテツ科の樹木であるサポジラから取れる樹液を煮て作る天然樹脂のチクルが主に用いられています。
現在はコスト削減や噛み心地の調整などの目的で、マツ樹液を加工して作る“エステルガム”、合成樹脂である酢酸ビニル樹脂(ポリ酢酸ビニル)やポリソブチレンも用いられています。
風船ガムには、よく伸びる酢酸ビニル樹脂がよく使われています。これらに卵の殻などから作られる炭酸カルシウムを加えて堅さを保持させ、味付けの甘味料、香料などが加えら、作られています。
そして砂糖が配合されていないのがキシリトールガムです。これらを知ると飲み込むことにとても抵抗を覚えますよね。ガムは飲むものではありません。
よく添加されている成分
【甘味料】砂糖、ショ糖、キシリトール、アスパルテーム、ステビア
【香料】スペアミント、ペパーミント、シナモン、バラ
【その他】カフェイン
ガムを飲み込むと消化されるの?飲み込んだガムはどこへ行くの?
ガムは他の食べ物と一緒で、基本的には体内を通過します。
胃は胃酸と酵素でガムを分解しようとし、少しは溶けますがガムベースは完全に消化されることはありません。
そして小腸で吸収されることもありません。よってガムは体内に入ると胃や腸を通過して排泄されます。
よって飲み込んでしまっても大丈夫です。だからといってガムは飲み込むものではありません。最後は紙に包んで捨てましょう。
ガムを飲み込むと腹痛を起こすことがあるって本当?
ガムを飲み込んでしまったことと腹痛を起こすこととは関係ないようです。
中でもキシリトール配合のガムやキャンディなど「一度に多量を食べるとお腹がゆるくなる場合があります」と言った内容の注意書きを見たことがあると思います。
キシリトールは糖アルコールという種類の甘味料で、これは大腸へ行くまでに消化、吸収されにくく、たくさんの水分を引き付けていくという特徴があり、大腸で分解される際に水分を一気にときはなすために腸を刺激して下痢を引き起こす場合があるからです。
ガムを飲み込む癖のある人が知りたい「飲み込むと便秘になってしまうの?」
ガムを飲み込んだら、腸に蓄積して便秘になってしまうイメージがありますが、ガムは消化、吸収されずに排出されますので直接には関係ありません。それとは逆に下痢になる可能性の方が高いです。
便秘を解消するためにキシリトールガムを噛む人がいます。これは酸化マグネシウムが使われている下剤と同じ効果で確かに便秘を解消できる効果はあります。しかしこれは一時的なのもので完全に便秘を解消できたとは言い難いです。
あくまでも応急処置であり、便秘を解消するのに大量のキシリトールガムをを噛むのはおすすめできません。なぜなら腸内環境を悪化させる原因になるからです。他の方法で腸内環境を整える方法をおすすめします。
ガムを飲み込んでしまった!
ガムを飲み込む癖のある人が注意しなければならないこと。
ガムを飲み込んでしまった場合に唯一注意をしなければならにことは「詰まらせてしまう」ことです。
一度にたくさんのガムを噛んで飲み込んだ場合や子供による誤飲など喉に詰まらせたり胃の入口を塞いでしまう場合があります。
またガムにくっつきやすい種などと一緒に飲み込んだ場合に腸閉塞になる危険性があります。ガムは消化、吸収されませんので、飲み込む癖のある人は捨てるように改善しましょう。またとても危険なのでガムを噛む場合は適量にしましょう。
ガムを飲み込んでしまった時の応急処置として
ガムを飲み込んでしまっても、詰まったりしなければ何ら問題はありません。しかし飲み込んでしまって心配な人のために、豆知識として紹介します。
ガムはチョコレートやポテトチップスなどと一緒に食べると、少しずつ溶けていきます。これはチクルをはじめとしてガムに使用されている樹脂が油溶性であるためです。
ガムは完全に溶けてなくなってしまうことはないとは思いますが。気になる人は油を飲むといいのですが、油を飲むのは抵抗があると思いますので、チョコレートやポテトチップスのような油ものを食べるといいのです。
子供がガムを飲み込むと大人より危険。
子供は体も小さく内臓が未熟です。よって下痢や腹痛などの症状が出やすいです。また喉に詰まらせても危険です。
もし喉に詰まらせてしまった際に、油を飲むと溶けますので応急処置として覚えておきましょう!
特に小さい子供には食べさせないほうが良いと思います。ガムは消化ないので「飲み込んだらダメ」と言い聞かせましょう。
ガムにはこんな素晴らしい効能があります。
ガムに限らず物を噛み続けることで眠気を防いだり集中力をあげたりできます。
ガムを噛むと顎の筋肉が活発に運動し、感覚器官を刺激し感覚神経が活発になります。また咀嚼運動はセロトニンの分泌を促すとのことで、ガムを噛むことはセロトニン分泌のために一番手ごろな方法であります。
唾液の分泌を促し、胃腸の働きを整える作用もあります。
キシリトールガムとリカルデントガムの違いは?
キシリトールガムもリカルデントガムも、歯の健康を守る特徴があります。キシリトールは、天然の甘味料で、原料は白樺や樫などです。キシリトールからは虫歯菌の原因となる酸が作れないので虫歯が出来にくいと言う特徴があります。よって虫歯菌も栄養になる酸が少なくなり、成長や増殖が阻害され、徐々に少なくなっていきます。
リカルデントは甘味料ではなく、ほぼ無味無臭の添加物です。リカルデントの甘さは他の成分です。リカルデントは歯の再石灰化を促し、ごく初期の虫歯は修復します。
ガムの食べすぎはちょっぴり危険かも?
ガムは糖分を含んでいるため、一日に何個も食べる人は要注意です。
糖やカロリーの摂りすぎや人工甘味料など摂りすぎには健康上で危険が生じる場合があります。
ノンシュガーがガムの1個のカロリーは平均で2~5キロカロリーです。
ノンシュガーガム以外の砂糖入りのガムでは1個につきノンシュガーガムのカロリーのプラス5キロカロリーだそうです。
ちなみにガムを1時間噛み続けると11キロカロリー消費できます。
ノンシュガーガムだと15分から30分、砂糖入りのガムだと30分から1時間噛み続けると、カロリーが消費されプラスマイナスゼロになるそうです。
たくさんのガムを食べたり飲み込むと、病気のリスクが高くなって危険??
厚生労働省や国際機関などでも発がんの恐れがあると言われている物質の中にガムの原料の酢酸ビニルが入ってます。
酢酸ビニル以外にもガムには合成甘味料のマルチトール、キシリトール、アスパルテームなどが使われています。これらの人工甘味料の中でも危険なのがアスパルテームです。アスパルテームは砂糖の約200倍ほどの甘さです。
このアスパルテームを摂った人から頭痛、めまい、不眠、視力や味覚障害の苦情やさらに脳腫瘍や発がん性を複数の研究者に指摘されています。
これらのことからも、大量摂取や特にガムを飲み込むのはやめましょう。
アッ!ガムがくっついてしまった。その時どうする?
ガムがくっついてすぐなら・・・(服)
ガムを氷で冷やし、固まったらはがします。冷蔵庫に入れて固めてもOKです。
ガムがくっついて時間が経ってしまったら・・・(服)
乾いた布を敷き、がむがくっついた面を下にして乗せます。ベンジンなどの溶剤をふくませたガーゼで軽くたたきます。ガムが溶けて下の布につきます。ベンジンがついた部分は洗い落とします。
ガムが髪についてしまったら・・・
ヘアークリームなどを髪に刷り込み乾いた布で取ります。根気よく取ったら、後はシャンプーします。
ガムが靴にくっついてしまったら・・・
ガムは油溶性なので、油で拭くと綺麗に取れます。
街ではガムの売れ行き不振がささやかれている
気分転換したい時や眠気を覚ましたい時やちょっと口寂しい時につい口にしたくなるのがガムですが、国内ではガムの売れ行きが、ここ10年ほどで4割も減少しているそうです。
なぜガムの消費量が落ちているのか。2012年に12歳~64歳までの男女約1600人を対象にアンケート調査を実施しました。ガムの食べる頻度が減っている理由を聞いたところ「健康、歯に関する懸念」「製品へのニーズがない」がそれぞれ14%で最も多く、「ゴミなどの環境的な問題」が13%、「まず思い浮かばない」が11%、「ワクワクしない」が11%という結果でした。
以前はガムが定番でしたが、近年はミントタブレットやグミなど似たような目的で食べられる商品が店頭に並ぶようになったのもひとつの原因です。またコンビニエンスストアーのカウンターコーヒーの人気上昇でコーヒーもまたガムと同じ目的で飲むこともガムの売れ行きに影響を与えているとも言われています。
もう一つはスマートフォンの普及が挙げられています。移動中にガムを噛んでいたのが、バスの中や電車の中でスマートフォンを操作しているというスタイルになったのもガム離れが進んでいるとの見方があります。
まとめ
ガムをついうっかり飲み込んでしまっても何ら問題はありません。
ガムは飲み込んで体内に入ると胃酸や酵素でいくらかは溶けますが消化されません。残りは便とともに排出されます。
しかし飲み込んでしまって心配な人は、油を飲むといいのです。ガムの原料は油溶性であり、油を飲むと溶けます。しかし油を飲むのは抵抗があります。よってチョコレートや油菓子などの油を含む食品を食べたら良いという知識を頭の隅にでも置いておいてください。
ガムは本来噛んだ後は飲み込まずに捨てるものですので、いつも飲み込むという人はやめたほうがいいです。なぜならガムの原料は接着剤や塗料などの工業用原料であり食品ではないからです。また大量に一度に食べるのは詰まらせるという危険も伴ないます。
また人工甘味料や砂糖などが含まれるため、多く食べると健康に危険をきたす場合もあります。ガムのパッケージにも書いてありますが、食べすぎはいけません。これはガムに限らず全ての食品に共通しています。
日々の食べる量を決めて、注意書きを守り、おいしく楽しくガムを噛みましょう。