2021年10月05日公開
2021年10月05日更新
『東京オリンピック』ボランティアの募集条件がブラック&制服がダサいは本当?
「東京オリンピック」ボランティア募集要項がブラック企業顔負けの酷さ!?無報酬にして通訳までも。高いスペックの人間を要求しすぎていると物議をかもした募集条件とは? さらに「東京オリンピック」のユニフォームがダサすぎる!?ボランティアブラック問題と合わせてご紹介!
目次
「東京オリンピック」”大会”ボランティアの募集条件とは
募集要項に記載のボランティア(無報酬)スタッフになる条件
「東京オリンピック2020」のボランティアに応募するには募集要項に書かれている数種類の条件をクリアしなくてはなりません。
その条件は下記の通りです。
・2020年4月1日の時点で満18歳以上の年齢の方
・10日以上のボランティア活動ができる方
・日本国籍であり、また日本滞在の資格を持っている方
・東京オリンピック2020のボランティア研修に参加できる方
・同士互いを思いやれる心を持ってチームでの活動をしたい方
・東京オリンピック2020大会の成功に対し情熱を持続させ最後まで与えられた役割をこなせる方
・オリンピック競技、パラリンピック競技に関する基本的な知識を有する方
・スポーツバランティアの経験や、その他のボランティア活動の経験がある方
・英語、その他言語のスキルをボランティアを通して活かしたい方
こうして羅列してみると、ボランティアに求めすぎでは?と想う人がいるのもわかります。
研修は数回あるそうで、募集開始は2018年夏を目処に始めるそうです。
これらの募集要項の条件に無報酬で一体どれだけの人が応募するのか、疑問です。
「ロンドンオリンピック2012」では
オリンピックほどの一大イベントですと、ボランティアを雇うことは珍しくはありません。
2012年に開催された「ロンドンオリンピック」では大会ボランティアに約24万人からの応募がありました。
都市ボランティアの方は約2万4000人の応募です。
あわせて26万4000人の中から選考し、約7万人が「ロンドンオリンピック」の大会ボランティアとして無報酬で活動しました。
ロンドンは英語が公用語なので通訳は必要ないにしても応募総数26万人弱とは、ボランティア活動したい方は意外と多いのかもしれませんね。
「東京オリンピック」”大会”ボランティア活動内容
ボランティア募集要項から察せられる通り、大会ボランティアの活動内容は非常に多く、そして様々な種類があります。
・会場への誘導と案内
・競技選手のドーピング検査
・大会関係者を会場間移動させる車のドライバー
・会場の受付業務スタッフ
・ユニフォームの配布スタッフ
・取材活動をするメディアなどに対するサポート
・外国人の大会関係者にそれぞれの言語でサポートする(通訳)
・選手団が競技に集中できるように選手村の準備サポート
・会場と選手村に運ばれてくる物資の管理と整理
など他にもたくさんあるようです。
これらのボランティア活動は「ロンドンオリンピック」と「リオオリンピック」を参考にしているようです。
通訳もボランティアにさせるの?といった感じですが。
ボランティアをする側の人間に高い能力を望んでいるということですね。
「東京オリンピック」”都市”ボランティアの募集条件とは
都市ボランティア募集要項
「東京オリンピック」のボランティアには「大会ボランティア」と「都市ボランティア」の2種類があります。
研修への参加など、どちらのボランティアも募集要項から求められる条件は似ていますが”都市”ボランティアの方は5日以上の活動と1日5時間以上ボランティアに従事しなくてはなりません。
年齢も「大会ボランティア」と同じように2020年時点で満18歳以上が参加条件です。
また、
・ボランティアで観光や交通案内などの知識と経験を活かしたい方
・防犯、防災、救命の知識をボランティアで活かしたい方
・英語、その多言語のスキルをボランティアを通して活かしたい方
と、こちらも通訳をはじめとしてかなり重めな仕事を任されるようです。
以下は、オリンピック組織委員会作成の『東京 2020 大会に向けたボランティア戦略』の抜粋。
(2)都市ボランティア 年齢については、大会ボランティアと同様、平成 32(2020)年 4 月 1 日時点 で満 18 歳以上(前述の児童・生徒のボランティア体験を除く。)とし、想定され る活動時間については、働く世代・子育て世代でも比較的参加しやすい日数・時 間として 5 日以上(1 日 5 時間以上)とする。 さらに、ボランティアには、最後まで役割を全うできる方、お互いを思いやる 心を持ちチームとして活動したい方などが望ましい
また、”児童、生徒のボランティア体験を除く”と「東京 2020 大会に向けたボランティア戦略」の上記pdfにある通り学生でも「都市ボランティア」に参加することができます。
次世代の子供たち、学生が学校行事や部活動からの参加でボランティア体験をすることができるメリットがあります。
障がい者や働く世代、子育て世代の「都市ボランティア」への参加も合わせて検討をしているようです。
「東京オリンピック」のボランティアは大会、都市ボランティアをあわせて9万人以上の活躍を想定しているようです。
大会ボランティアの募集や研修、運営を組織委員会が行い、都市ボランティアの募集や研修、運営は東京都が行います。
「東京オリンピック」”都市”ボランティア活動内容
「東京オリンピック」都市ボランティアは国内や国外から観光客として訪れる人たちに観光案内と交通案内などを行うボランティアです。
主な大会ボランティアの活動場所は空港、駅、街の観光スポットなど。
もちろんそこでは都市ボランティアでも外国人を相手にするでしょうから通訳スキルは必要ですね。
そして募集要項にもある通り救命救急の際にはその処置をとることもあるでしょう。
また「東京オリンピック」では大会ボランティア、都市ボランティアの他にも全国各地の人たちにボランティア活動をすることを期待しています。
こちらも募集開始が2018年夏の予定です。
「東京オリンピック」のボランティアはハイスペックが求められている
今回調べてわかったことは、ボランティアにそこまでのことをやらせる?ということですね。特に、通訳とか救命だとか。
観光地案内だとか、ユニフォーム配布などの小さいことなら簡単なのでできますが、ドーピング検査だとかID発行業務だとか医療サポートとして怪我人に対応することなど、いやいやそれは本業の人にやらせた方が……、というようなボランティア活動もあります。
「東京オリンピック」2020のボランティアの役割
「東京オリンピック・パラリンピック」のボランティア活動には3つのコンセプトがあります。
・全員が自己ベスト
・多様性と調和
・未来への継承
そしてボランティア活動をする人たち一人ひとりに「おもてなしの心」と「責任感」を持ってもらい、日本人の魅力を全世界に発信することが「東京オリンピック・パラリンピック」を成功させるのに重要であると述べています。
それにしたって無報酬で、複数種類の仕事をやらせ過ぎですよね。
「おもてなし」といえばこのプレゼン。
「東京オリンピック」ボランティアのブラック加減に世間の反応は
無報酬に腹がたつ?
ボランティアの役割などを見るとそれらしく良いことを言っているとは思いますが、いかんせんこれだけのことをさせながら無報酬で働かせる(ボランティアなので無償は当たり前ですが)ということに怒りをあらわにする人たちも多く存在します。
確かに、ボランティアに色々なことをさせすぎだし奴隷を求めているという意見にも頷けます。
みなさん、東京オリンピックのボランティア参加をやめましょう。五輪はただの巨大商業イベント。現在スポンサーから4000億円以上集めており、無償ボランティアは必要ない。あなたがタダでボランティアに参加すれば、それはJOCと電通の儲けになる。テロの危険もあるので警備は警察がすべきです。
— 内閣不信任審議させず (@tu_maranai_) September 22, 2017
大手広告代理店や「東京オリンピック・パラリンピック」のスポンサーはボランティアで活動している訳ではないのでお給金はもらえるのでしょうね。
日本は特に搾取構造が強いですから何かと怪訝に思われても仕方ないです。
最近では電通が若い女性を過労させ自殺に及んでしまうという痛ましいことが起きたのも記憶に新しいですから。
企業をあげて東京オリンピックのボランティアに無料でひとを(≒わたしも)狩り出そうとしてるんですが、誰のどういう差し金ですかね。
— HAiQ🌤️俳功 (@GuntouQ) September 25, 2017
たわけが! 人件費を想定できないなら計画などするな。(`・ω・´)
「東京オリンピック・パラリンピック」は国民全ての一大イベントです。
ですから自国民の中からボランティアで手助けしてくれる人を募るというのは道理にかなってますが、どこかでは必ずお金が発生しますので、得する人がいることでボランティアがタダ働きであることをより一層意識してしまいますよね。
テレビで小池知事が東京オリンピック観光ボランティアのニュースで出てる。なぜボランティアなのか?都職員の報酬さげてでもボランティアに手当を支払ってはどうか?都職員、役人こそ、率先してボランティア活動参加するのか?
— エトピリカ (@0r47sHceYLZD0cT) September 23, 2017
東京都職員、役人が率先してボランティアしろ!という意見には確かに……と思います。
世間では公務員は風当たりが強いですよね。
そう言ったところも「東京オリンピック・パラリンピック」のボランティアに対する国民の反応の冷たさや批判にも繋がっているのかもしれませんね。
ううっ…通訳ボランティア(汗
— あきーら:カジュアル系 (@tsubuyakimasse) September 12, 2017
"大学側では、今回の派遣を通じて通訳ボランティア育成のノウハウを蓄積し、3年後の東京オリンピック・パラリンピックにつなげていきたい考え"
ピョンチャン五輪 学生が通訳ボランティアの研修会 | NHK https://t.co/EEEN1AB6ai
この調子だと通訳ボランティアを学生にやらせる可能性は高そうですね。
グローバル化が進んで学生も英語をより勉強しているだろうとはいえ……。
通訳を学生に任せても大丈夫なのでしょうか。
「東京オリンピック」に向けた観光ボランティアユニフォーム(旧)
画像は前東京都知事である舛添要一氏が若手デザイナーである藤江珠希氏にお願いして作成した「東京オリンピック2020」に向けた観光ボランティアチームが着用するユニフォームです。男性用と、女性用の2種類あります。
しかしこのユニフォームはデザイナーの藤江珠希氏には気の毒な話ですが、世間からは酷評の嵐でした。
デザイナーから案を募り、様々な種類の提案がある中デザインコンペによって選ばれたこのユニフォーム。
実は東京都からの指定でポロシャツ、バッグ、帽子のデザインをしてほしいと頼んだみたいです。
これについてファッションデザイナーのドン小西氏は、東京都の頭の中にはスポーティー=ポロシャツという構図しか浮かばなかったのだろうと発言しています。
つまりデザイナー藤江珠希氏の本来の若いデザイン力が発揮されていないと言いたいのでしょうか。
ユニフォームの背面にある「おもてなし東京」と日の丸の赤い点は藤江珠希氏のデザイン原案にはなかったそうです。
なんだか野暮ったいような垢抜けないような印象を受けるユニフォームというのが正直な感想でしょうか。
青い基調が地味目の色になれば学生服的です。
東京観光ボランティアのユニフォームデザイナー
ファッションデザイナー「藤江珠希」
立教大学を卒業し渡米してアントワープ王立アカデミー、セントマーチンず美術大学ファッションプリント科を卒業された期待の若手ファッションデザイナーです。
「スタジオブラックオペラ」というデザイン事務所を構えているようです。
ユニフォーム公開後、ダサいなどと批判があとを立たなかったため、仕事にかなり被害が及んだようです。
「藤江珠希デザインコンペ」
こちらが原案のユニフォームデザインのイラストです。
東京都からの要望とデザイン性を両立しようと複数種類書いてます。
ネットでは帽子やバックのデザイン、それからネクタイがダサいという意見が多いですね。
「東京オリンピック」に向けた観光ボランティアのユニフォーム(新)
東京都知事が舛添要一氏から小池百合子氏に変わり、ユニフォームのデザインも変更になってしまいました。
画像のユニフォームは2017年9月15日に発表された新デザインのものです。
3種類の衣装が用意されています。
市松模様を大胆にあしらったデザインは世間では割と好評のようです。旧デザインとの落差もあるでしょうが。
背面には大きくQRコードがプリントされているのも特徴ですね。
ちなみにこの新ユニフォームの制作費は8000万円です!
「東京オリンピック2020」開催日時は
「東京オリンピック」は2020年7月24日金曜日に開会式が始まります。
開催期間は8月9日までの16日間です。
東京でオリンピックが開催されるのは2回目です。(日本でのオリンピック開催数は夏季、冬季共に2回ずつ)。
1回目は1964年の10月10日に開催しました。実に56年ぶりに東京にオリンピックが戻ってきたわけですね。
ちなみに1964年の「東京オリンピック」の開催日10月10日は後に国民の休日である体育の日として制定されました。
これから2020年の「東京オリンピック」に向けて地域活性化研修や、外国語能力研修など準備段階が本格的に始まっていきます。
まとめ
2020年にやってくる「東京オリンピック」
何かと黒い噂や、お金の絡んだ嫌なニュースも多いですが……。
ボランティア活動を大前提にしたオリンピック大会の運営そのものも、そこにあぐらをかいてお金を儲けようとしていると邪推したくなるくらい、いろいろ不具合が多そうですね。
募集要項の条件にある人間なんてそんなにいるとも思えませんし、学生はいい思い出になるので軽い手伝いぐらいはさせても良いと思いますが。
個人的な意見ですが、報酬をいただくからこそ仕事には責任が生まれるのだと思います。
無報酬でやらせる仕事に通訳があったりするのは、どうなんでしょうか。
今後はボランティアの研修があるみたいなので、それから具体的な内容がハッキリしてくるはずです。
学生には、主に何をさせる気なんでしょうか……。
一日本国民として「東京オリンピック」はぜひ成功させたいですが。