素面(しらふ)の意味や語源・使い方は?類義語や対義語、知ってる?
みなさんは“しらふ”の意味を知っていますか?お酒の席が増える12月は、特に“しらふ”をつかう機会が多くなるでしょう。しかし実は“しらふ”という言葉は奥深く、意外な意味もあるのです。この記事では“しらふ”の意味や語源などを深く掘り下げてご紹介していきます。
目次
素面(しらふ)の意味とは?
ほとんどの人が“しらふ”という言葉を使う時は、お酒の場が多いのではないでしょうか。大抵の人は、“しらふ”は「お酒に酔っていない、ふだんの状態」を指すという単語だとお思いでしょう。一般的にはそちらの意味を使う時が多いのですが、正式には2つの意味があるのです。それでは実際に見ていきましょう。
「しらふ」の2つの意味
早速“しらふ”の2つの意味をご紹介します。まず1つ目は「酒を飲んでいない、普段の状態のこと」です。そして2つ目は「何事もないこと。無事な状態」です。どちらも似ているニュアンスの言葉ですが、お酒の場面以外にも使うことが出来るのは、驚きですね。タイミングや状況の違いに応じて、2つの意味を使い分けてみましょう。なみに漢字は「素面」や「白面」と書きます。それでは早速ご紹介いたします。
「しらふ」の2つの漢字と語源
”しらふ”はカタカナやひらがなで表記することが多いですが、実は2つの漢字があります。1つ目は「素面」です。そしてもう1つが「白面」です。そのまま読めば「素面」は「すめん」、「白面」は「はくめん」になりますが、どちらも“しらふ”という読み方をします。
1つ目の漢字「素面」
それでは“しらふ”の1つ目の漢字「素面」からご紹介します。こちらはもう一つの「白面」よりも使う機会が多いです。実は、「素面」には「酔っていなく、普通の状態」以外にも意味があり、「素面」の語源にも関係しています。「素面」の意味は、一般的に知られている「酔っていなく、普通の状態」以外に、①剣道や能楽の面をつけない顔 ②化粧をしていない素の顔があります。元々の読み方は「すめん」であり漢字は「素の面(顔)」となるので、先ほどの意味が納得できますね。お酒に酔った人も顔色や気分が変わり、まるで面をかぶっているかの様に変わるので、お酒を飲んでいない普通の状態が、“素の面”となります。
2つ目の漢字「白面」
お酒を飲んで酔った人と言えば、ほとんどの人が「顔が赤らんで、フラフラした状態」をイメージしますよね。そしてこの「顔が赤らんだ状態の人」がこの漢字の由来なのです。つまり、酔ってる人が「赤」、酔ってない人を「白」と表現すれば納得です。「素面」よりも「白面」の語源の方が、お酒と近いというのには驚きですね。ちなみに「白面」には、年が若く、経験が浅いという意味もあります。
素面(しらふ)の使い方・例文4選!
“しらふ”の漢字の1つ「素面」。読み方は同じですが、「白面」よりも「素面」の方を使う場面が多く、みなさんもお酒の席や普段の生活では“素面”を使うと思います。例文を交えて、“素面(しらふ)”の使い方をご紹介していきます。
【使い方・例文①】「しらふ」では言いにくい話
恥ずかしい話やなかなか言いにくい話を告白する際にこの文章を使います。普段なら決してできそうにもないことや言えそうにないことでも、お酒の力を借りると、あっさりと出来てしまうこともありますよね。例えば、『「しらふ」では言いにくい話だけどさ、実はあいつのことが好きなんだ…』とか『「しらふ」では言いにくい話だけど、こんな恥ずかしい話があったんだよ』といった場合に使います。お酒の酔いに任せて言いたいときに使ってみてはいかがでしょうか。
【使い方・例文②】酔いがさめて「しらふ」になる
「しらふ」が、酔いがさめて、普段の状態に戻る様子を指すことは先ほど説明した通りです。“酔いがさめて「しらふ」になった”という文章は、お酒を飲んで数時間たった時や飲み会の次の日などによく耳にしますね。例えば『水を飲んだら、やっと酔いがさめて「しらふ」になった』というように使います。
【使い方・例文③】「しらふ」の状態
「しらふ」の状態とは、つまりお酒に酔っていなく普通の状態だということです。お酒の席以外はもちろんですが、飲み会が始まったばかりの時間やまだまだ飲み足りない時にも使います。『こんな大事な話は「しらふ」の状態でないと話せないよ』とか『全然飲み足りないな。まだ「しらふ」の状態だよ』といったところでしょうか。告白するときや大事な話をするときは、ぜひ「しらふ」の状態でいたいものです。
【使い方・例文④】「しらふ」の生酔い
「しらふ」の生酔いの意味は「お酒を飲まないのに、酔っ払った様子になること」です。飲み会で、ウーロン茶やノンアルコールしか飲んでいないのに、酔ったようにテンションの高い人がいますよね。そんな人をさします。使い方は『飲み会の雰囲気に飲まれて「しらふ」の生酔いだったよ』や『お酒を飲めないのに居酒屋行くと「しらふ」の生酔いになる』という感じです。あまり飲みたくないときは「しらふ」の生酔い状態を装うこともありますよね。
素面(しらふ)の類義語や言い換え表現2選!
「しらふ」という言葉は他の言葉で言い換えるとすると、どのような言葉があるのでしょうか。「しらふ」と似た意味を持つ類義語を2つピックアップしてみました。早速しらふの類義語をご紹介していきましょう。
【類義語①】素面は「すめん」とも
先程も説明しましたが、素面の読み方は「すめん」でもあります。そのまま「すめん」という読み方も正解なのです。素面(すめん)は酔っていない「素」の状態を表す表情「面」という語源から付けられました。根本的には「しらふ」の漢字である“素面”は当て字ということになります。
【類義語②】正気
「しらふ」の類義語のもう1つは「正気」です。読み方は「ショウキ」です。正気とは、正常な心の状態を指す言葉ですので、シラフの状態を表すことができます。 お酒を飲むと酔っ払ってしまい、正常な心の状態=「正気」は失われます。例文は「その話、正気で言っているの?」や「はっとして正気に返った」などがあります。
素面(しらふ)の対義語・反対語3選!
「しらふ」という言葉の反対語をご紹介していきます。「しらふ」は酔っ払っていない状態のことを指す言葉なので反対語は酔っている状態を表す言葉になります。お酒を飲む席で使う場合もあるので、しらふと一緒に覚えておきましょう。
【対義語①】酔顔(すいがん)
酔顔の読み方は「スイガン」。意味は漢字のままで、お酒に酔った人の顔をさします。また花の1種、春ボタンの名前でもあります。春ボタンの色がほんのりピンクでまるでお酒に酔った人の顔色に似ているから付けられたと言われています。素面の対義語の1つです。
【対義語②】泥酔(でいすい)
泥酔も素面の対義語です。読み方は「デイスイ」で、泥のようにひどく酔っ払うことを意味した言葉です。立っているのもままならないくらい酔った人に向かって使われ、みなさんもよく耳にしたことがあるのではないでしょうか。「しらふ」と一緒に覚えておきたい言葉ですね。
【対義語③】酩酊(めいてい)
酩酊も「素面」の対義語です。読み方は「メイテイ」で、こちらは比較的聞きなれない言葉ですね。他の2つの対義語と同じく、ひどく酔っ払った人のことを指した言葉です。泥酔の方が日常的に使いますが、酩酊という言葉も知っていて損はないですよ。
素面(しらふ)の英語表現・英語表記4選!
さて、日本語の「しらふ」は英語でなんと言うのでしょうか。しらふに“素面”や”正気”など類義語が存在するように、英語にもしらふを指す単語は1つではありません。早速見ていきましょう。
【英語表現①】sober
[sober]は動詞では「酔いがさめる、(人)の酔いをさまさせる」、形容詞では「酔っていない、シラフの、冷静な」という意味になります。例文はこちらです。「He is sober today.」(今日は彼はしらふです)他の意味では「sober face」(真顔・冷静な表情)という使い方をします。
【英語表現②】sobriety
[sobriety]も「酔っていないこと、しらふ、節酒」、また派生して「真面目」という意味をもつ名詞です。「period of complete sobriety」(完全に酒を断っていた期間)、「model of sobriety」(真面目そのもの)という例文があります。
【英語表現③】not drunk
not drunkは「酔っていない」つまり「しらふ」という意味になります。例文は「he did not even feel drunk.」(彼は酔さえ感じなかった)や「You must not make yourself drunk.」(酔うほど飲むな)です。ぜひ使ってみてくださいね。
【英語表現④】be stone-cold sober
[be stone-cold sober]は「完全にしらふ」という意味です。"stone cold"で「石のように[非常に]冷たい, (料理などが) 冷めきった」という意味になりますので、「酔いが覚める」という意味の形容詞とあわさり、「完全に・まったくのしらふ」という意味になります。例文は「I am stone-cold sober.」(私は全く酔っていない)です。
素面の意味を正しく知って使いこなそう!
みなさん、「素面」の意味は分かりましたか。「素面」の意外な語源や対義語、類義語を知ることができたのではないでしょうか。「素面」の意外な使い方を知るきっかけにもなり、またお酒の場でのちょっとした会話のネタになるかもしれませんね。お酒の席が増えるシーズン、ぜひ「素面」を使ってみてください。