2021年09月24日公開
2021年09月24日更新
『DJ KRUSH』とは?名盤と成功までの軌跡まとめ
日本で初めてターンテーブルを楽器として操るDJとして脚光を浴びた「DJ KRUSH」。昨年、55歳、DJ歴25年となった「ターンテーブルの魔術師」と呼ばれる彼の作品、そして成功の軌跡を、DJ KRUSHの名盤と共に見ていこう。
目次
- 1『DJ KRUSH』 25年の軌跡
- 2DJ KRUSH とは?
- 3元ヤミ金!?DJ KRUSHの噂
- 4DJ KRUSH、DJを楽器に
- 5DJ KRUSHの名盤、1st「krush」
- 6DJ KRUSHの名盤、3rd「MEISO」
- 7DJ KRUSHの名盤、4th「MiLight-未来-」
- 8DJ KRUSHの名盤、5th「覚醒」
- 9DJ KRUSHの名盤、流-Ryu-1st「我」
- 10DJ KRUSHの名盤、6th「漸-ZEN-」
- 11DJ KRUSHの名盤、7th「深層 -The Message At The Depth-」
- 12DJ KRUSHの名盤、11年ぶり9th「Butterfly Effect」
- 13新垣隆、とのコラボレーション
- 14DJ KRUSHの「軌跡」
- 15まとめ~これからの未来へ、軌跡の途中の今~
『DJ KRUSH』 25年の軌跡
DJ KRUSH。
日本で初めて、ターンテーブルを楽器として操るDJとして注目された人物である。
2017年で55歳、DJ歴は30年、ソロデビューして25年になる。
レコードを回し続け、国内外問わずワールドワイドに活躍。
多数のグラミーアーティストからリミックスを依頼され、また世界各国で200以上の様々なフェスに出演。
数々の名盤を残し、もはや生ける伝説となっているクラッシュ。
彼のここまでの軌跡について、名盤と共に紹介していこう、と思う。
DJ KRUSH とは?
DJ KRUSH(ディージェイ・クラッシュ)
本名 石 英明(いし ひであき)
生年月日 1962年7月29日
東京出身
サウンドクリエーター・DJ
KRUSH POSSE
映画『ワイルド・スタイル』に影響を受け、DJ KRUSHとしてヒップホップの世界に足を踏み入れる。
1980年代、原宿のホコ天で仲間達とストリートで活動。
そこで、MUROやDJ GOと知り合い、KRUSH POSSEを結成し数々のコンテストやライブに参加。
実力派チームとして、DJ KRUSHは様々なメディアで活躍する。
ターンテーブルを楽器として操るDJ KRUSH、の誕生
92年にKRUSH POSSEは解散、その後DJ KRUSHはソロ活動を精力的に展開。
DJ KRUSHは日本初の「ターンテーブルを楽器として操るDJ」として注目を浴びるようになる。
この頃からDJ KRUSHの音楽性に、様々な変化が起きる。
より自分らしいDJを表現したいと思うようになり、ヒップホップの新しい形を模索する。
クラッシュの作る多くのトラックが、やがてイギリスが拠点のレーベル「Mo'Wax」(モ・ワックス)のジェームス・ラベルの耳に止まることになる。
それらはトリック・ホップと呼ばれるムーブメントの始まりであった。
数々の作品をリリース。
1994年に、1stアルバム『KRUSH』をリリースする。
それから日本、ヨーロッパ、アメリカを中心に世界中で数々の作品を発表。
ソロ作品は国内外を問わず、様々なチャートで上位にランクイン。
2000年にリリースされた、6thアルバム『漸-ZEN-』は、インディーズ界のグラミー賞であるAFIMアワード(アメリカ)にて「ベスト・エレクトロニカ・アルバム 2001」の最優秀賞となる
2004年にリリースされた、8thアルバム『寂』は、カレッジラジオCMJ(アメリカ)のRPMチャートにて、DJ作品としては、異例の3週連続1位を獲得となる。
数々のアーティストの作品に参加
ハービー・ハンコック
ハービー・ハンコックなど、名立たるグラミーアーティストから、リミックスを依頼され、高い評価を受けている。
また、マイルス・デイビス等数多くの世界アーティストの作品に参加し、トラック提供やリミックスを担当している。
また、世界各国で200以上の音楽フェスに出演。
クラブツアーは52カ国350都市を越え、現在も年に30箇所以上のワールドツアーを行っている。
元ヤミ金!?DJ KRUSHの噂
ヤミ金
数々の賞を取り、様々なアーティストと共演しているDJ KRUSH、そんな彼には噂がある。
元ヤミ金という噂だ。
DJ KRUSHは元ヤミ金!?彼の魅力のはヤミ金にあり!?
DJをする前は、DJ KRUSHはヤミ金をしていたと言う噂がある。
ヤミ金として仕事している中、取立てに行った時の顧客が自殺をしていた。
その現場を見てしまったクラッシュは、それを切っ掛けにヤミ金を止め、DJに専念したという。
ヤミ金という職業柄、公にはできないのかクラッシュがヤミ金であったという情報はネット上でも少ない。
しかし、ヤミ金であったということが事実であったどうかは置いておいても、DJ KRUSHという人物の波乱万丈な人生というのが、彼の魅力の一つになっているのかも知れない。
元ヤミ金という噂そのものが、クラッシュの魅力の一つのエッセンスになっている。
DJ KRUSH、DJを楽器に
日本のDJ界に革命を起こしたDJ KRUSH。
ターンテーブルを楽器として扱った、日本初めての男、DJ KRUSH。
そもそもDJというのは、ディスコやクラブ、ダンスホールなどで、レコードで楽曲を選曲し絶え間なく流し続けるものことであった。
しかし、そんな常識をぶち破り、ターンテーブルをただレコードを回し音楽を流す機械としてではなく、楽器として操った日本で最初の人物が、DJ KRUSHである。
続いては、DJ KRUSHの名盤の数々を見ていこう。
DJ KRUSHの名盤、1st「krush」
DJによるアルバムが日本では珍しかった時代にリリースされたファースト。生楽器がジャジーな肌触りを与えているが、グールーやこだま和文との息を呑むようなやり取りには〈勝負師〉の姿がくっきりと。アシッド・ジャズの潮流のなかでも語られたが、それだけじゃない傑作だ。
やはり名盤として外せないのがファーストアルバムである。
「KRUSH」1994年にリリースされたアルバム。
収録曲:
AM3:00TYO
B-BOY MASTAMIND
MIXED NUTS
ROLL & TUMBLE
MURDER OF SOUL
E.A.R.T.H./SOS
ON THE DUB-BLE
ANOTHER DAY
UNDERNEATH THE SYSTEM
EDGE OF BLUE
BIG CITY LOVER
DOWN THE DRAIN
INTO THE WATER
RUFF-NECK JAM
KEEPING THE MOTION
DJ KRUSHの名盤、3rd「MEISO」
モ・ワックスとの出会いによって生まれた2作目『Strictly Turntablized』(現在廃盤)に続くサード。〈トリップホップの代名詞〉とも呼ばれた当時のKRUSHだが、今作で初のNY録音を決行し、CLスムースらUSのラッパーとの本格的なコラボも実現させる。尺八もすでにここで登場。
ソニーより1995年に発売されたレコード、名盤3rd「MEISO」。
イギリスの独創的レーベル、モ・ワックスのジェームス・ラベルとの出会いによって生まれ、ワールドワイドに展開。
全英チャート64位にランクイン。
収録曲:
ONLY THE STRONG SURVIVE
ANTICIPATION
WHAT′S BEHIND DARKNESS
MEISO
BYPATH 1
BLAN
GROUND
BYPATH 2
MOST WANTED MAN
BYPATH 3
3RD EYE
OCE 9504
DUALITY
BYPATH-WOULD YOU TAKE IT
DJ KRUSHの名盤、4th「MiLight-未来-」
『迷走』のリミックス盤で共演済みだったRINOや大ブレイク前のモス・デフなど参加ラッパーのしなやかな選択が印象的だが、どこか鎧が外れて自由になった感のある一枚だ。ショーンJ・ピリオドとの生音セッション“LISTEN”もアイデアの宝庫。第二次快進撃がここに宣言される。
ソニーより、1996年に発売のレコード、名盤4thアルバム「MiLight-未来-」。
様々なアーティストをfeatしている。
それぞれ色々な形はあるものの、平等に訪れるのが「未来」そんなメッセージを訴えかけているのではないだろうか。
収録曲:
INTRO.
TO-U-京
From RINO
新世界
時間の橋 1
From STASH
REAL
From TRAGEDY
十五夜
LISTEN
From SHAWN J. PERIOD
SUPANOVA
From FINSTA BUNDY
時間の橋 2
From DJ CAM
ル・タン
From KEMURI PRODUCTION
ひとつの未来
From FUTURA 2000
From DJ KRUSH
時間の橋 3
From LEE Q
From MOS DEF
SHINJIRO
From KEN "DURO" IFILL
LIGHT(CAN YOU SEE IT?)
MIND GAMES
From ERI OHNO
DJ KRUSHの名盤、5th「覚醒」
モ・ワックスから離れての5作目は、2作目以来のインスト作品。KEMURI PRODUCTIONやDJ SAKなど〈KRUSH一派〉のほか、asaやHideo Sasakiなど若手も参加。音楽的手法も完璧な完成度を見せており、安定と実験がありえないバランスで結実した驚異の仕上がりだ。
ソニーより1998年に発売されたレコード、名盤5thアルバム「覚醒」。
オリコンにて95位を獲得。
インスト作品であるが故に、音の一つ一つの拘りが感じられる整った音の集まり、そんな印象があり、ヘッドホンでじっくり聴きたいアルバムである。
収録曲:
INTRO
ESCAPEE
PARALLEL DISTORTION
INORGANIZM
DELTAFOREST
CRIMSON
THE DAWN
INTERLUDE
85 LOOP
RUST
1200
KRUSHED WALL
THE KINETICS
FINAL HOME
NO MORE
OUTRO
DJ KRUSHの名盤、流-Ryu-1st「我」
完璧だった前作/前々作をリセットするかのように、KRUSHはDJ HIDE、DJ YASとのユニットで今作をリリースする。ツンディ・アヤンィエミと禅問答のように絡む“リズムあそび”、BOSS THE MCを招いた“ILL-BEATNIK”など、より自由に音と戯れるKRUSHの姿がここに。
ホリドールより1999年に発売されたレコード。
流-Ryu-としての1stアルバム「我」。
流-Ryu-は、DJ KRUSHが、日本の若手DJ12人と共に結成したプロデューサー集団である。
DJ KRUSHとしては初の試みである、女性ボーカルの曲も収録されている。
収録曲:
リズムあそび
REMINISCE
流〜RYU〜
YELLOW BAMBOO 4898
NEVER TOO SOON
SONG FROM THE FAR EAST
LOST TO SEE
ILL〜BEATNIK
ile[']ktrik
BEATAHOLIC REFORMATORY
DJ KRUSHの名盤、6th「漸-ZEN-」
ブラックソート、クエストラヴ、こだま和文などゆかりある面々が総動員された、21世紀一発目の傑作。カンパニー・フロウとの念願の合流も重要トピックだが、やはり、BOSS THE MCとの“Candle Chant(A Tribute)”だろう。この名曲を軸にして、全体の構成もスキなし。
2001年にソニーより発売されたレコード、6thアルバム「漸-ZEN-」。
DJ KRUSH自身が、車の中で家族と聴ける音を目指して作られた作品。
暖かい雰囲気に包まれながらも、DJ KRUSH独特の鋭い緊張感は健在。
ブラックを感じさせる強靭なグルーヴも感じられる、深いアルバム。
オリコン66位を獲得。
収録曲:
Song 1
Zen Approach
Danger Of Love
Sonic Traveler
Duck Chase
Vision Of Art
Day’s End
With Grace
Candle Chant (A Tribute)
Endless Railway
Whut’z Da Solution
ゴクラクチョウ論 (Paradise Bird Theory)
DJ KRUSHの名盤、7th「深層 -The Message At The Depth-」
〈9.11〉からの影響を色濃く反映させながら、時代の重い空気を力強く押し返そうとするKRUSHの姿勢が現れた7作目。アンチポップ・コンソーティアム、アンチコンからスライ&ロビーにまでおよぶゲストの多彩さは毎度のことながら、いつも以上に太いトラックが耳に残る。
ソニーより2002年に発売されたレコード、名盤7thアルバム「深層 -The Message At The Depth-」。
世界のヒップホップシーンのみならず、レゲエ界の大物や、沖縄の新人歌手など、様々なアーティストをフィーチャーした今作。
DJ KRUSHのレベルの違いを感じる一枚。
収録曲:
Trihedron featuring OPUS
時の旅路 featuring INDEN
Sanity Requiem
Supreme Team featuring Anti-Pop Consortium
Blackhole,The
Song For John Walker featuring Anticon
D'you Hear That?
Aletheuo(truthspeaking)featuring Angelina Esparza
Lost Voices featuring Sly & Robbie,The
But The World Moves On featuring D-MADNESS & Masat
What About Tomorrow featuring Abijah
DJ KRUSHの名盤、11年ぶり9th「Butterfly Effect」
実に11年ぶりのオリジナル作。新垣隆やフリー・ザ・ロボッツ、ディヴァイン・スタイラーら多彩なゲストを迎え、〈ビート・ミュージック〉が確立された世にオリジネイターとしての回答を届ける。互いのアルバムに入る格好となったtha BOSSとの“Living in the Future”は『軌跡』に繋がる内容でもあった。
すべてのことは未来へとつながっている---11年ぶりのクラッシュの9thアルバム「Butterfly Effect」。
11年ぶりということで、様々なメディアよりインタビューを受けたクラッシュ。
有名無名を問わず、クラッシュより選ばれたゲスト達が、クラッシュの回すレコードと共にそれぞれの"Butterfly Effect"を巻き起こす、インタビューでそう語る。
なぜ11年も掛かったのだろうか?変わり続ける音楽のリリース形態に、悩みが常にあり中々アルバムには繋がらなかったとインタビューでは語っている。
クラッシュには「未来」というキーワードが常に付いて回っているような気がする。
インタビューでも子供達の未来について考えながら今作を作ったと話す。
東日本大震災を経て、死ぬまで続けたいDJ、人生を掛けて背中を子供達に見せたい、とインタビューで語っていた。
収録曲:
Nostalgia feat.新垣隆
Strange Light feat.Free the Robots
Probability
Everything and Nothing feat.Divine Styler
Song of the Haze
Sbayi One feat.Crosby Bolani
Missing Link
Coruscation
My Light feat.Yasmine Hamdan
Living in the Future feat.tha BOSS(THA BLUE HERB)
Future Correction
Everything and Nothing feat. Divine Styler (Inst.) (Bonus Track)
Sbayi One feat. Crosby Bolani (Inst.) (Bonus Track)
My Light feat. Yasmine Hamdan (Inst.) (Bonus Track)
Living in the Future feat. tha BOSS (Inst.) (Bonus Track)
新垣隆、とのコラボレーション
2015年12月25日、クリスマスにfacebook上で、DJ KRUSHと新垣隆のライブ映像が公開された。
日本を代表とする作曲家「新垣隆」とのコラボレーション
新垣 隆(にいがき たかし)
1970年東京生まれ、4歳よりピアノを始め、千葉県立幕張西高校音楽科入学、1989年桐朋学園大学音楽学部作曲科に入学。
新垣氏は母校の非常勤講師を務めながら、数々のCM音楽や映画音楽の作曲を手がける。
2014年には、佐村河内守のゴーストライターをしていたことを告白し、話題となる。
最近では、様々なメディアに出演、新垣氏の親しみやすいキャラクターが人気を博している。
Butterfly Effect で、共演
DJ KRUSHの9thアルバムの「Butterfly Effect」で、Nostalgia feat.新垣隆 にて共演をしている。
新垣氏の参加により、壮大で映画音楽なような雰囲気に仕上がっている。
DJ KRUSHはインタビューで、新垣氏の得意とするフリーな感じよりも、メロウなタイプのトラックを出し、新垣氏のアプローチに期待した、と語っている。
新垣隆とのライブ
2015年、TOKYO VISIONで行われた「Butterfly Effect」のリリースパーティにて、新垣氏とのライブが実現されている。
ステージ上には、DJキットにレコードとDJ KRUSH、キーボードに新垣隆、この2人の姿のみ、そこから紡ぎ出される幻想的な音楽に観客達は酔いしれ、そして熱狂した。
Butterfly Effect インタビュー
Butterfly Effectについてのインタビュー。
新垣隆についても語っている。
DJ KRUSHの「軌跡」
2017年6月、DJ KRUSHの最新アルバム「軌跡」がリリースされた。
人は...地球は...宇宙は...どこから来てどこに行くのだろう。 過去...現在...未来...そこには一体何があるのだろう。 生の喜び...生の苦しみ...生の悲しみ...その先にあるものは? アナログの時代...テクノロジーの進化...遺伝子の組み換え... その先の未来は? DJ KRUSHの年代を超越した、ピュアで重厚で、独自の音楽世界を築いたビートの上で国内屈指のラッパーが言葉巧みにそれぞれの"軌跡"を繰り広げる最上のコラボレーション作品!!
ソロ活動25周年を迎え、初の日本語ラップアルバム「軌跡」がリリースされた。
8人のMC達との強力なコラボレーションで作られたレコード。
MCごとに軌跡の切り口はそれぞれ、様々な"軌跡"の表現を感じることができる。
こちらもButtarfly Effect同様様々なメディアでインタビューを受けている。
様々なインタビューの中でも、共通して昔から日本語ラップが作りたかったと語っている。
DJを始めてから30年も掛かってしまった、「遅かったな」とインタビューでDJ KRUSHは言う。
25年、四半世紀にも渡るDJ人生をも、まだまだ"軌跡"の途上であると、未来の途中を歩いているとインタビューでは語っている。
収録曲:
Intro
ロムロムの滝 feat. OMSB
バック to ザ フューチャー feat. チプルソ
若輩 feat. R-指定 (Creepy Nuts)
裕福ナ國 feat. Meiso
夢境
MONOLITH feat. 呂布カルマ
Dust Stream feat. RINO LATINA ll
誰も知らない feat. 5lack
結 ―YUI― feat. 志人
まとめ~これからの未来へ、軌跡の途中の今~
以上、名盤を中心にDJ KRUSHの軌跡を見てきましたが、いかがだっただろうか?
DJとして世界中を飛び回り、活躍を続けるクラッシュ。
小学5年生の孫を持つ、爺とは思えないパワー溢れる今後の活動にも要注目だ!