2021年05月20日公開
2021年05月20日更新
日本の"国花"は桜、"国鳥"はキジ…国石や国獣は?日本の「国〇」まとめ
日本を象徴する国花が桜で国鳥がキジなのは有名です。では国石、国菌、国木、国獣、国魚、国虫はご存知ですか? 実は国花や国鳥以外にも日本を象徴する物や生き物が存在します。 今回はそんな日本を象徴する日本の「国〇」についてご紹介します。
目次
国花、国鳥、日本の国〇について
日本には日本を象徴する日本の「国〇」がたくさん存在します。それは国花や国鳥だけでなく国石や国菌など以外にもたくさん存在します。今回はそんな知られざる日本の「国〇」についてご紹介します。
国花、国鳥だけじゃない日本の国〇
日本を象徴する物は桜や雉だけではありません。中には意外なものまで存在します。
ちなみに日本の国〇はたくさんありますがどれも法的な要素が絡んでいるわけではないので、日常生活の中でそこまで意識する必要はありません。ネットで検索すると今回ご紹介する物以外の日本の国〇が出て来ることもありますが、通説以外の別の意見もあるという程度に覚えていてください。
日本の国花「桜」「菊」
桜も菊も様々な場面で見かけますが、両方とも国花として認められています。
日本の国花は桜なのは有名な話です。しかし実は日本の国花は桜だけでなく菊も該当しています。桜は春のお花見などで親しまれていますし、菊は日本のパスポートや皇室の象徴として古くから日本で重宝されています。
日本の国花の理由
桜はとても美しく春の風物詩として日本人だけでなく海外の人々にも愛されています。
桜が日本の国花に選定されている理由は桜の生きざまに日本人らしい美意識を感じ取ることが出来るからです。桜は春に花を咲かせて綺麗な満開になってから散ってしまうまで約一週間ほどしかないので美しさと儚さの両方があると言われています。そのため平安時代から歌の中に桜がよく使用されていて「ぱっと咲いて、ぱっと散る」という生きざまに人としての美しさを見出されていました。
映画「ラストサムライ」の中でも渡辺謙演じる勝元が切腹するシーンで桜の花が綺麗に舞っていて、人の美しさと儚さを演出していました。
国花「菊」は皇室の象徴
菊はパスポートの表面に表記されていることで有名です。桜と並んで日本を象徴する花と言っても過言ではありません。
菊が日本の国花に選定されている理由は古くから皇室に親しまれていたからです。菊は元々中国が原産なのですが奈良時代中期に遣唐使などによって日本に浸透しました。その後鎌倉時代の後鳥羽上皇によって菊の花が愛用されてました。後鳥羽上皇は菊を愛するがあまり刀剣などの身の回りの様々なものに菊の紋章を取り付けました。これが由来となって菊は皇室を象徴する国花となりました。
桜が春、菊が秋の国花
桜と菊はそれぞれ別の季節に花を咲かせますので、別の季節の国花として共存するのが好ましいかもしれません。
桜も菊もどちらも古くから日本人に親しまれていますが咲く時期に合わせて春は桜、秋は菊と区別することが出来ます。また桜は庶民に愛される国花、菊は皇室に愛される国花と見ることも出来ます。
日本の国鳥「雉」
雉は赤と緑と茶色のカラーが色鮮やかで美しい事でも有名です。体に対して尻尾が長いことも雉の特徴の一つです。
日本の国鳥は雉(キジ)です。雉は1世代前の一万円札の裏側に表記されていたことが有名です。雉は野鳥として見かけることが出来ますが都心部には生息していません。雉は北海道以外の地域に生息していますので地方に行けば野生の雉を見かけるかもしれませんん。
国鳥「雉」の意外な事実
雉は一万円札の裏側に描写されていることで有名でした。しかしそれも10年以上前の出来事なので現在の人達からしたら珍しい事なのかもしれません。
雉は鳥なので当然空を飛ぶことが出来ますが、飛ぶことが苦手なので他の鳥の様に空高く飛ぶことは出来ません。
空中を飛ぶ事があったとしてもせいぜい数メートル程度です。むしろ敵から逃げる時は走って逃げることが多いそうです。ちなみに雉が走った時のスピードは最高で時速30キロ程度なのでそれなりに早く走ることが出来ます。
日本の国鳥の理由
国鳥「雉」の由来
雉は日本の国鳥として知られていますが、国鳥を制定する際は別の鳥も候補として挙げられていました。
雉が日本の国鳥に選ばれたのは1947年頃でした。当時は国鳥を選ぶ際に日本の固有種である雉かヤマドリ、平和の象徴の鳩、鳴き声の綺麗なヒバリかウグイスなどが候補に挙げられていました。
国鳥「雉」は家族の象徴
その中で雉が選ばれた理由は母鳥は母性が強く子供を連れて歩く様子が家族らしさを象徴しているからです。他にも雉は狩猟鳥として馴染み深かったり、食べると美味しいという理由もありました。だたしこの決定に法的要素は一切絡んでいません。
日本の国石「翡翠」
ここからはあまり知られていない日本の国〇についてご紹介します。まず日本の国石は翡翠となっています。
しかし日本の国石が翡翠になったのは最近の出来事です。それまでは日本の国石と言えば水晶でした。日本は昔から良質の水晶が産出されたことから水晶が日本の象徴とされていました。
少し前までは水晶だった
しかし水晶はあくまでも日本の国石の最有力候補だっただけで正式に決まっていたわけではありませんでした。そんな中2016年9月24日に金沢大学にて開かれた日本鉱物科学会の総会にて国石の選定が行われました。
その時の国石の候補に挙がっていたのは「花崗岩」「輝安鉱」「自然金」「水晶」「翡翠」の5種類でした。そして投票の結果翡翠が国石に選ばれたのでその日を持って翡翠が正式に日本の国石として認定されました。
ちなみに翡翠が選ばれた理由は縄文時代から宝飾品などに使用されていたからです。
日本の国菌「麹菌」
日本の国菌は麹菌(こうじきん)です。麹菌は「アスペルギルスオリゼ」というカビの1種です。麹菌が国菌に選定された理由は2006年に行われた日本醸造学会にて東北大学名誉教授の一島英治さんによって提唱されたからです。
国菌「麹菌」は和食の必需品
国菌である麹菌は和食の味付けの際に必ずと言っていいほど使用されています。
麹菌は醤油、みりん、味噌、酒などの和食の調味料を作る際に使用されています。
麹菌は8世紀頃の「播磨風土記」の中に登場していて、日本では1300年も前から日本人の食文化に導入され、無くてはならない菌となっています。
麴菌の由来は中国が原産と言われていますが、現在は麹菌を一番多く利用している国は日本と言っても過言ではありません。
日本の国木「桜」
日本の国花は桜と菊で決まっています。では日本の国木は何でしょうか?
国木は無いが一応桜が認知されている
実を言うと日本の国木と言うのははっきりと決まっていません。しかし国花が桜であって桜の木も日本人に親しまれている事から日本の国木は桜の木という見方が強くなっています。誰かが国木を決めたわけでもありませんのであくまでも一般的な通説です。
そのため人によっては日本人の生活に古くから慣れ親しんだという理由で、杉の木が国木であると主張する人もいます。
国木は無いですが、都道府県によって制定された、都道府県を象徴する木は存在します。
例えば東京都はいちょう、埼玉県はケヤキなどがあります。
日本の国獣と国魚「錦鯉」
日本の国魚は「錦鯉」と決まっています。しかし国獣は「雉」あるいは「錦鯉」と曖昧な扱いとなっています。
国魚は錦鯉で決定
国魚「錦鯉」は富裕層のペットとして親しまれています。
錦鯉が日本の国魚に選ばれた理由は日本原産の魚であり美しさと力強さを兼ね備えているからです。加えて国獣ははっきりと決まっていない為国魚と同じく錦鯉で良いのではないかという意見があります。
また同じ様な理由で国獣が決まっていないのであれば国鳥である「雉」でも良いのではないかという意見もあります。
県獣は多数存在します
国獣の他にも、山梨県や栃木県では、県獣として羚羊(カモシカ)を選定しています。
このように都道府県によって象徴する県獣などは違ってきます。
ちなみに国獣を制定している国は日本だけでなく、フィリピンはカラバオ(水牛)、ネパールは牛、インドはインド虎が国獣となっています。
日本の国虫は?
国虫は無し
国菌や国魚があるので国虫もありそうなものです。しかし残念ながら国虫はまだ存在しないようです。国虫の最有力候補も存在しないので現在は空位となっています。
国蝶はオオムラサキ
国虫はありませんが国蝶はいます。それは「オオムラサキ」という蝶々です。オオムラサキは1957年に日本昆虫学会の総会にて国蝶に制定されました。
現在国虫は存在しませんが、カブトムシやオオクワガタやオニヤンマなど日本を象徴する昆虫はたくさんいます。そのため将来的にはそれらの中から国虫が選ばれる日が来るかもしれません。
国花、国鳥、日本の国〇について:まとめ
今回は国花や国鳥など、日本の国〇についてご紹介しました。
しかし今回ご紹介した日本の国〇は、全て法的に制定したという要素は一切含んでいません。
よって将来的には違う物に変えられるかもしれませんし、新たな国〇が出て来るかもしれません。
それだけ日本を象徴する物や生物がたくさん存在しているということでしょう。