【カクテル言葉】ギムレットに込められた意味や名前の由来・作り方は?
ギムレットが持つ切ないカクテル言葉の意味や、名前の由来、さらにコーディアルライムを使った古典的なレシピと、ライム果汁を使った現代版のレシピを紹介します。ギムレット以外にも、ジンベースの美味しいカクテルのレシピ情報をチェックしましょう。
目次
ロマンチック!ギムレットのカクテル言葉は?
花言葉や石言葉のように、カクテルにもカクテル言葉というものがあるのをご存知ですか?初恋や愛の告白を意味するカクテル言葉もあれば、失恋など切ない意味を含むカクテル言葉も存在します。
ギムレットはジンベースのショートドリンクのカクテルで、クールでシャープなイメージがあります。さらに、ロマンチックなカクテルと言われる由来をギムレットのカクテル言葉から読み解きましょう。
『遠い人を想う』と有名なエピソード
ギムレットのカクテル言葉は『遠い人を想う』『長いお別れ』。愛する人と離れ離れになってしまったことを匂わせるような、とても切ない意味を持っています。
さらに、ギムレットには有名なエピソードがあります。ハードボイルド探偵小説で知られる有名なアメリカ人作家、レイモンド・チャンドラーの名作『長いお別れ(ロング・グッバイ)』には、「ギムレットには早すぎる」という名セリフが登場します。ギムレットの意味を知っている人にとっては、深みのあるセリフ。
同書はあの村上春樹の翻訳版が出版されているため、文学好き、お酒好きで気になる人は調べてみるといいでしょう。
『切ない愛情や友情』を表す
『遠い人を想う』『長いお別れ』のカクテル言葉のとおり、ギムレットは切ない愛情や友情を表します。恋人や友人と最後の晩酌をするとき、ギムレットで心に秘めた切ない気持ちを伝えるのもいいかもしれません。
例え、相手がギムレットの意味に気づかなかったとしても、何か感じるものがあるはず。なかなか言葉にできない想いをギムレットのカクテル言葉に乗せ、相手に贈りましょう。
ギムレットの名前の由来は?2つの有名な説を紹介!
ギムレットの名前の由来には、2つの有名な説が存在します。まず1つ目は、1890年ごろ、イギリス海軍の軍医を務めていたギムレット卿が将校たちのジンの飲み過ぎを心配し、ライムジュースを混ぜて飲むように提唱したことが由来とされる説。健康面を考えての策だったと言われています。
もう1つの由来の説は、ギムレットの突き刺すような鋭い味わいから、錐を意味する言葉のギムレット(gimlet)と命名されたというもの。
ギムレット卿の名前が由来だとされる説、錐のイメージが由来だとされる説…今のところ、どちらが正しいのかは定かではありません。
ギムレットってどんなお酒?味や度数は?
ギムレットはジンとライムを組み合わせたカクテルで、マルガリータやホワイト・レディ、マティーニなどのカクテル同様、ショートドリンクタイプに分類されます。アルコール度数は25度以上で強め。中甘辛口、あるいは辛口の味とされます。
ライムを使ったジンベースのカクテルにはジン・ライムがありますが、ジン・ライムはシェイクをせず、ロックスタイルで飲みます。ジン・ライムと材料は変わらないものの、シェイクすることでカクテル名がギムレットに変わります。
ギムレットの作り方は2種類!割り材で違うの?
ギムレットにはコーディアルライムを使ったレシピと、ライム果汁を使ったレシピの2種類があります。昔は果物のライムが貴重だったためにコーディアルライムが使われていましたが、現代ではフレッシュなライム果汁を使ったレシピが一般的になりました。2つのレシピについて、詳しく紹介します。
『コーディアルライム』を使った小説と同様のギムレットレシピ
コーディアルライムとはライムジュースにシロップを加えたもので、ジントニックやマルガリータなどのカクテルにもよく使われます。
ギムレットを一躍有名にした小説『長いお別れ(ロング・グッバイ)』には、主人公のマーロウに友人のレノックスが「本当のギムレットを知らないんだね」と語るシーンが出てきます。作中で、レノックスは、ジンとローズのライムジュースを半分ずつ入れ、他に何も入れないのが本当のギムレットのレシピだと説明しています。
現代ではギムレットにライム果汁が使われる場合が多く、カクテルの色は無色透明。ローズのライムジュースを使ったギムレットのレシピでは、やや薄緑色をしているのが特徴です。
小説で紹介されているイギリスのローズ社のライムジュースは、日本国内ではめったに手に入りません。ですが、レノックスの言う『本当のギムレット』を飲んだマーロウの感想は「柔らかい甘さと鋭い強さを感じた」とのこと。お酒好きなら、一度は試してみたいレシピです。
『ライム果汁』を使った爽やかさが特徴の現代版ギムレットレシピ
現代では、ライムジュースの代わりにフレッシュなライム果汁を使うレシピが基本。日本のバーで提供されているのも、ほとんどがこちらのレシピです。
現代版ギムレットの標準的なレシピはドライ・ジンを全量の3/4、ライム果汁を全量の1/4シェイカーに入れて、シェイク。カクテルグラスに注ぎ、お好みでスライスしたライムを添えます。ギムレットは爽やかな味わいが魅力ですが、飲みにくい場合はシロップを入れて甘みを足してもかまいません。
ジンベース好き必見!おすすめのジンベースカクテルレシピ5選!
ジン・トニックはジンベースのカクテルの中でも最もポピュラーと言えるカクテル。熱帯植民地にいたイギリス人が健康飲料として飲んでいたトニックウォーターにジンを混ぜたのが始まりと言われています。
ジン・トニックのレシピはドライ・ジンとトニックウォーターを1:3くらいの割合でタンブラー入れ、かき混ぜるだけ。お好みでライムやレモンを飾ってもいいでしょう。
ブルー・ムーンはその名からイメージされるように、青い月のような美しい色のカクテルです。カクテル言葉が『完全なる愛』あるいは『叶わぬ恋』という正反対の意味を持つのも特徴。
ブルー・ムーンの材料はドライ・ジン、バイオレット、レモンの3つ。それぞれ2:1:1くらいの割合で入れてシェイクし、ショートグラスに注いで飲みます。
マティーニはジンベースのカクテルの中でも『カクテルの王様』と呼ばれて親しまれています。アルコール度数が約35度と高いため、お酒が強くない人は要注意。
マティーニはバーテンダーによってレシピや分量が異なりますが、ドライ・ジン45ml、ドライ・ベルモット15ml、オリーブ1個をステアし、ショートグラスに注いで飲むのが標準的です。
ホワイト・レディは『純愛』というカクテル言葉を持った、女性にぴったりのカクテル。可愛らしい名前によらず、アルコール度数は25度以上と意外に高めです。
標準的なレシピはドライ・ジン2/4、ホワイト・キュラソー1/4、レモンジュース1/4をシェイク。ジン特有の味わいと柑橘系の爽やかな風味が相性バッチリのカクテルです。
トム・コリンズは19世紀末、イギリスでジョン・コリンズという人物によって作られたと言われています。もともとはジョン・コリンズと呼ばれていましたが、オールド・トム・ジンをベースに使うようになったことから、トム・コリンズと呼ばれるようになりました。
標準的なレシピはオールド・トム・ジン3/4、レモンジュース1/4、砂糖小さじ2、炭酸水を適量、シェイクしてコリンズ・グラスに注ぎます。スライスしたレモンとマラスキーノ・チェリーを飾るのも一般的です。
ちなみに、トム・コリンズの原名であるジョン・コリンズというカクテルも存在します。材料はほとんど同じですが、ジンベースではなく、ウイスキーベースなのが特徴。同じく派生したもので、バーボンベースのカーネル・コリンズ、ブランデーベースのピエール・コリンズといったカクテルもあります。
ジンベースのカクテルに合うおつまみは?
ジンベースのカクテルにはスライスしたレモンやライムといった柑橘系の果物やマラスキーノ・チェリーがよく飾られます。また、酸味と甘味が絶妙なドライフルーツも相性がいいでしょう。
もともと、ジンの香りのもとになっているジュニパーベリーは胡椒のようなスパイシーな香りが特徴で、肉料理などによく使われます。そのため、ジンベースのカクテルには肉料理がぴったり。食事とは別に飲むなら、ハムをおつまみにするといいでしょう。
切なさが込められたギムレットと共に遠い地に想いを馳せよう
『遠い人を想う』『長いお別れ』という切ない意味を持つ、ギムレット。そのカクテル言葉を知って飲むギムレットの味は、また少し違っているかもしれません。恋人や友人と離れ離れになってしまった人や、家族から離れて遠い地で暮らしている人は、ギムレットと共に愛する人たちへの想いを馳せてみてはいかがですか?
ギムレット以外にも、ジンベースのカクテルには美味しいものがたくさんあります。バーや居酒屋で飲むのもいいですが、自宅でしっとりと一人飲みするのもいいでしょう。ジン・トニックやマティーニなどはシェイクする必要がなく、レシピさえ分かればチャレンジしやすいので、材料を揃えて作ってみましょう。