2018年05月13日公開
2018年05月13日更新
3歳児の反抗期との上手な接し方とは?男の子と女の子で違うの?
3歳になるとなんでもイヤイヤする「イヤイヤ期」から親へと反抗する「反抗期」へと変化していきます。この反抗期は悪魔の3歳なんて呼ばれるほど、ママにとっては難しくイライラとしてしまう時期。そんな子供たちにはどのような接し方をしてあげれば良いのでしょう。
まずは反抗期を前向きに捉えよう
2歳のあらゆることを否定する「イヤイヤ期」はさながら世界への反抗期ですが、3歳から始まる反抗期は「ボクはイヤなんだ」とハッキリと否定の意思を示す、まさに親への反抗期です。
イヤだとは主張しても何がイヤなのか具体的には言ってくれないのがこの時期の反抗期の特徴。
ママは何を言っても「イヤ」としか言わない子供にイライラしてしまいがちです。
ですが、反抗期は悪い事ではありません。
むしろ、反抗期があるからこそ健やかな成長をしているという証でもあるのです。
成長している証拠
3歳くらいになると徐々に自我が芽生え始めます。
自我が芽生え自意識を持つのは心が健全に成長している証拠です。
自我が芽生え自分の意志が強くなると、いつまでも親に従って行動してはいけない、と本能で感じるようになり反抗期を迎えます。
また、3歳児は好奇心旺盛。
やりたいことや欲しいものが増えてきて、その欲求を抑えられないのもこの時期の特徴の一つ。
自意識が芽生えても欲求や感情を抑制できるようになるのはもうしばらく先です。
今までは親の言葉を素直に受け入れていましたが、3歳になって体力もついてきて、自分がやりたいと思ったことはなんでもしようとして反抗したり、それがどうしてもできないとわかると感情を抑えられずに泣きわめいてしまうのです。
反抗期は自我の芽生えであり、成長している証。喜ばしいことです。
反抗期そのものはしつけが必要な問題ではありません。
愛情を感じているからこその反抗期
反抗期があるのはたっぷりと愛情を感じていたからでもあります。
何かと親に反抗し、時には「嫌い」「いらない」なんて言葉も言ってくる3歳児。
しかし、本当にママを嫌っていたりパパがいらないなんて思っているわけではありません。
子供は自分が愛されていると知っていて、どんなに反抗しても嫌われることはないと確信しているからこそ安心して反抗できるのです。
どれほど愛情をこめた接し方をしていても、反抗期は誰もが経験するものです。
反抗するのを無理に厳しくしつけて何とかしようとするのではなく、愛情たっぷりに成長している証と反抗期を迎えたことを前向きに考えましょう。
3歳児の特徴とは
2歳と3歳の反抗期では反抗の特徴が違います。
反抗の特徴は3歳児の特徴でもありますが、3歳の特徴とはどのようなものなのでしょう。
言葉も豊富になってくる
3歳にもなると使える言葉が豊富になってくるころです。
パパやママから聞いて覚えてきた言葉を自分の言葉として使えるようになるのですが、言いたいことを何でもストレートに言ってしまうもの3歳児の特徴と言えるでしょう。
3歳の子供だと油断していたら思わぬ鋭い言葉にたじろいでしまう、なんて経験をするパパママも。
子供とはいえ油断はできません。
子供の勘は大人が思っているよりもずっと良いのです。
しかし、語彙が豊富になったからと言ってもまだまだ赤ちゃんに近い子供です。
言葉選びが出来るようになったり、言ってはいけない言葉だと自分で気付けるようになるのはまだまだ先。
この時期は乱暴な言葉も覚えて使ってしまいます。
吸収したことを何でも使ってしまうのもこの時期の特徴です。
男の子は口調が乱暴になることが多いですが、そこで「やっぱり男の子ね」なんて容認してしまうと後々まで粗野な口調になってしまいます。
女の子は「バカ」「嫌い」「あっち行って!」など乱暴な言葉を使うようになります。
特に、3歳の頃の女の子はとにかく強気で勝気で時には男の子を言い負かせて泣かせてしまうことも。
女の子が一番強いというのも3歳の子供たちの特徴です。
微笑ましいこともありますが、容赦を知らない女の子はどんどん口調が粗野で男勝りになってしまうことも。
言葉のしつけは言葉が豊富になってきた3歳の時期にこそしっかりとしつけましょう。
言葉が乱暴になるのは誰もが同じですので厳しくしつける必要はありませんが、「その言葉は使っていはいけない」ということはハッキリと伝える必要があります。
ママに向かって「バカ」と言われたとしたら、「その言葉にママは傷ついたんだよ」ということをしっかりと伝えましょう。
生意気盛りな男の子や口が達者な女の子は「なんで~?」なんて小憎らしいことを言うものですが、繰り返し言い聞かせることで徐々に覚えていきます。
反抗期が終わる頃には使わなくなるようになりますので、一度に厳しくしつけるのではなく根気よく何度も言い聞かせましょう。
はっきりと自己主張を始める
3歳の反抗期は2歳のころのとりあえず全てのことに「イヤ」というイヤイヤ期とは違い、「お着替えイヤ」「これがやりたい」「わたしがやりたかったのに」とはっきり自己主張を始めるのが最大の特徴です。
3歳児は「やりたい」という欲求を抑えられません。
おもしろそうと思ったことは何でもやりたがり、やりたいことしかしたくありません。
そして、それが叶えれらないと知ると感情を爆発させてしまい、火がついたように泣きわめきます。
しかし、「あれが欲しい」「これがやりたい」「アレはイヤ」という欲求全てを叶えてしまうわけにはいきません。
一度は叱り「ママのお手伝いをいっぱいするね?」「うん!」と約束を取りつけてから叶えてあげる、というしつけをする人もいます。
数回ならばとても効果的ですが、何度も繰り返してしまうと「駄々をこねればいずれは折れる」と覚えてしまうことも。
心を無にし、泣きわめく子供の手を引っ張ってその場を離れることも大切です。
3歳児の反抗期の特徴は?いつまで続く?
2歳児と3歳児の反抗期の違いはどのようなものなのでしょう。
3歳児の反抗期の特徴をまとめてみました。
全てのことに「イヤイヤ」と言う
2歳の頃もとにかく「イヤイヤ」と言いましたが、3歳になっても全てに「イヤイヤ」と言うのは変わりません。
2歳の時のような無秩序な「イヤイヤ」ではなく、「お着替えイヤ」「ご飯食べたくない」と否定するのが3歳の反抗期の特徴です。
何をさせようとしても一先ず「これはイヤ」と否定する子供にイライラさせられてしまいますが、ただ反抗したいのではなく「アレがしたこらコレはいや」「あっちがいいからこっちはイヤ」という意思表示をしていることもあります。
3歳になり言葉が豊富になったとはいえ、まだまだ上手く説明することなどできません。
したいことがあるのに具体的な説明ができず、やりたいことが上手く伝えられないのです。
「この服じゃなくてお友達が着ていた可愛いスカートがいいから、これはイヤ」と思っていたとしても、それを言葉に表せず「この服はイヤ」と言ってしまうのです。
また、自分の欲求を抑えられないで「イヤ」と反抗することも。
「そろそろ帰るわよ」と声をかけても、遊びに夢中な子供の返事は「やだーーー!」です。
こちらはもっと遊びたいという純粋なわがままです。
ものを投げたり叩いたり
3歳児の脳は未発達であり、感情を抑制することはできません。
思うように伝えられなかったり、わがままが通じずに「ダメ」と言われたりしてイライラするとその感情を発散するために床を叩いたりものを投げたりしてしまいます。
叱られたからと言い訳をする3歳児は少ないです。まして、感情のまま勢い良く反論を捲し上げてくる3歳児はいません。
自己表現が上手くできない子供は、癇癪を起こすことでしか感情を爆発させることができないのです。
また、ママの気を引こうとしてものを投げることもあります。
これは弟妹が生まれてお兄ちゃんお姉ちゃんになった子供に多く、赤ちゃん返りをしていることも多いです。
床に叩きつけるように投げるのではなく、ぽーい、と放物線を描くように放り投げ、ママがそれを拾ったり片付けたりするのを眺めています。
ぽんぽんと飛んでいくおもちゃにイライラしながら片づけをし、それを見て子供が楽しそうにはしゃいでいるのにさらにイライラ……。
「ママを困らせて楽しんでるなんて!」と腹立たしく思ってしまいます。
けれど、子供がはしゃいでいるのはママの気を引くことに成功したからであって、ママが困っているのを見て喜んでいるわけではありません。
ママが変わらず自分を愛していることを確かめられて喜んでいるのです。
とはいえ、この行為を放っておくとどんどんエスカレートしてしまい手当たり次第にものを投げてしまうようになることも。
物を投げるのはいけないことだ、としつけなければなりません。
片付けを始める前に「投げちゃダメ」としっかり言い聞かせましょう。
赤ちゃん返りする
反抗期になると赤ちゃん返りをする子供もいます。
赤ちゃん返りするとおねしょをしなくなった子供が毎日おねしょをするようになったり、指をしゃぶったりとまるで赤ちゃんに戻ったかのように振る舞います。
赤ちゃん返りはママが自分に構ってくれなくなったと感じ、なんとか気を引こうとして起こすと言われています。
子供を保育園や幼稚園に預けて職場復帰するママもいるでしょう。
弟妹が生まれることもあります。
今まで付きっきりだったママと離れて過ごす時間が長くなると、子供は不安や寂しさを覚え赤ちゃん返りします。
また、弟妹からママを取り戻そうと赤ちゃん返りをすることも。
大声で泣きわめく
どうしても自分の希望が通らないとわかると、子供は感情を爆発させて泣きわめきます。
家の外であろうと仲であろうと関係なく大声で泣きわめく子供にママは困り果ててしまいます。
こうなってしまった子供をなだめるには、落ち着くまで時間をおくか、子供の希望を叶えてあげるしかありません。
とはいえ、このころの子供の接し方には気を付けなければいけません。
いつまでも泣きわめいているのは大変だからと甘やかしてばかりでは、泣いたら言う通りになると思ってしまいがち。
泣きわめいている子供の手を引き、さっさとその場をはなれるのがしつけとしては一番でしょう。
男の子と女の子での違い
男の子と女の子では反抗期の特徴は違います。
叱る時を含め、男の子か女の子かで接し方を変えてあげましょう。
男の子は3歳児であろうとプライドがあり、人前で強く叱られたり恥ずかしい思いをすることを嫌がります。
男のプライドはママにはよくわからないものでもありますし、ましてや3歳児のプライドなんて、と思ってしまいがち。
ですが、男にとってプライドとは何よりも大切なものです。
プライドを傷つけてしまうと反抗期がさらに長引いてしまうことも。
3歳であろうと男は男。
女の子の前で恥をかくのは耐えられません。
3歳児のくせにと言わず、尊重してあげましょう。
男の子を叱る時は「ダメですよ~」という軽い口調ではなく「ダメです」とハッキリと断言するほうが効果的です。
また、「○○するのは恥ずかしいことなんだよ」というよりは「○○しない男の子ってかっこいい!」と肯定的な男の子のプライドをくすぐるような言い方をしてあげると頷いてくれやすいです。
「イヤだイヤだ」と泣いていたのに「かっこいい」という言葉を聞いた途端「やる!」と途端に笑顔になってくれることも。
女の子は男の子よりもママのことを良く見ていますし、自分が反抗しているんだということを良く自覚しているものです。
自覚していながら反抗するのが女の子の特徴と言えるでしょう。
3歳の女の子は男の子よりも勝気なことが多いです。
大人しい子もいる反面、男の子よりも生意気な女の子もいます。
姉妹で対称的なことが多いというのも女の子の特徴です。
姉が勝気だと妹は大人しく、姉が大人しいと妹は勝気になりやすいのです。
勝気な女の子は男の子を言い負かせて大泣きさせてしまい、「だって生意気なんだもん!」なんてガキ大将ですら恐れることも。
そんな女の子の反抗期は厄介なことが多いです。
ママに反抗していると知りながら反抗しますので、悪魔のように見えてしまうことも。
生意気盛りな反抗期の女の子には「そろそろお着替えしてほしいな~早く出掛けられたらいっぱい遊べるんだけどな~」とやる気を誘うような接し方が効果的です。
自分自身で「早くやろう」と思えるような言い方をして、女の子が自発的に行動してくれるように促しましょう。
男の子にも女の子には共通する接し方として、感情的に叱ることは避けましょう。
怒鳴るような叱り方は子供に「ママ怖い」という恐怖心を与えてしまうだけです。
鬼のようなママに「怖い」と思しか思えず、どうして叱られているのか、何が悪いのかもわかりません。
しつけは悪いことをした時に「悪いこと」と教えるためのものです。
苛立ちをグッ、と抑え「これは○○だからいけないことです」と言い聞かせるように心がけましょう。
間違っても苛立ちに任せて暴言をぶつけるような叱り方をしてはいけません。
いつまで続くの?
3歳の反抗期がいつまで続くかはもちろん個人差はありますが、多くは4歳になるころには徐々に落ち着いていきます。
4歳になると感情や欲求を制御する脳の部分が発達を始めます。
今までは欲求を抑えることを知らず、「これがやりたい」「あれはイヤ」と感情のままに反抗していた子供ですが、欲求を抑えられるようになれば次第に反抗することもなくなっていきます。
4歳になれば必ず収まるというわけではありませんが、反抗期はいつまでも続くものではありません。
長い子育ての間のほんの一瞬、と終わってみたら懐かしめることが多いようです。
3歳児の反抗期との接し方
反抗期を迎えた3歳児にはどのような接し方をしてあげれば良いのでしょう。
何を言ってもイライラとさせられてしまう3歳児ですが、ここで間違えた接し方をしてしまうと子供に大きなストレスを与えてしまいます。
まず感情的にイライラしないこと
反抗期の子供を相手にするのにイライラしないママはいません。
どんなに大らかなママでも思わずイライラしてしまう、それが反抗期です。
ですが、イライラにまかせて感情的に怒鳴り続けるしつけは子供の成長に大きな悪影響を与えます。
ママが恐ろしい顔で怒鳴り続けるというのは子供にとって大きなストレスです。
赤ちゃん返りや夜泣きを引き起こしてしまうことも少なくありません。
では、感情的にイライラしないためには何が必要でしょう。
3歳児の「イヤイヤ」に一番イライラするのは時間に余裕がないときでしょう。
もう出掛けなければならないのに「お着替えいやーーーー!」と駄々をこねられてイライラ。
早く食べ終わってほしいのに「これは食べたくない」とそっぽを向かれてイライラ。
とどめのように「ほら、行くよ」「いやーーーーー!」と玄関先の押し問答でイライライライラ。
遂に爆発してしまい、「いい加減にしなさい!」と怒鳴りつけてしまうことに。
そんな事にならないように、常に時間に余裕を持てるよう、あらかじめ早めの時間に準備が終わるようにしましょう。
ママは出発に15分前を目安とし、子供にはさらに5分前に「そろそろお着替えしよっか」と声をかけるように心がけるだけで驚くほど時間に余裕が生まれます。
時間に余裕があれば、心にもゆとりが生まれます。
子供の「イヤイヤ」にも余裕を持って挑めます。
また、反抗期の子供は「嫌い」なんて言葉をよく言ってくるものです。
そんな「嫌い」攻撃を受けるのは普段あまり家にいないパパであることが多いです。
可愛い我が子に「嫌い」なんて言われてしまうと傷ついてしまいますが、そんな時に感情的になって「パパだって嫌いだ!」なんて言ってしまうと子供は大きく傷ついてしまいます。
子供は「嫌い」ということでパパやママの愛情を確かめようとします。
子供の「嫌い」を真に受けず、「そっか~悲しいな~。パパはこんなに大好きなのになあ」と抱きしめてあげましょう。
家族で過ごす時間を増やそう
3歳の反抗期はパパへの反抗が強くなりがち、という特徴があります。
朝早くに出掛け、夜遅くに帰ってくるパパは子供にとっていつも一緒にいるママより馴染みのない存在だからです。
言ってしまえば、子供の中で存在感が薄いのです。
3歳の子供にはパパが外でお仕事をしているなんてわかりません。
いつも家にいない人、なんて悲しい認識をいつの間にか持たれてしまうことも。
子供に聞かれなくても、「パパはママたちのためにお外で頑張っているのよ」と教えてあげるようにしましょう。
パパを含めた家族で過ごす時間を増やすことも大切です。
休日には家族全員で過ごす時間を積極的に作りましょう。
仕事で疲れてがちなパパですが、家でのんびりと絵本を読み聞かせてあげたり、子供が好きなテレビを一緒に見たり、女の子なら一緒にお散歩を、男の子ならば軽く身体を動かしたりと、ちょっとした時間を増やすだけでも子供たちはパパが大好きになります。
毎週どこかに出掛けようとすると、パパはもちろん子供も疲れてしまうこともあるので、外出は月に1~2回くらいにして、毎週子供と遊べる時間を作りましょう。
自分だけで抱え込まないで
子供の反抗期はママの悩みはいくらでもわいて尽きない時期です。
接し方がわからない、泣きわめくから外に連れていきたくない、どうしつけていいかわからない、などたくさんの悩みを一人で抱え込んでしまいがちに。
そんな時は自分一人で抱え込まず、周囲の人に相談してみましょう。
一番身近で頼れる人は自分の母親です。
自分を育ててくれた母親ならば気持ちを良く理解してくれますし、「アンタの時もそうだったのよ」と悩みを笑い飛ばしてくれるでしょう。
子育て経験者であるおばあちゃんに子供を預かってもらい、夫婦二人でのんびりとリフレッシュする時間をとることも大切です。
たった半日ゆっくりとするだけで、子供を迎えに行く時には心にゆとりが戻っているでしょう。
いつまでも反抗期が続くわけではないからといっても、長ければ1年以上も反抗期が続くことも。
そんな時は適度に育児休憩を挟みましょう。
ママに余裕がなければ、子供も怯えてしまうばかりです。
子供の気持ちを受け止めてあげよう
子供が反抗するからとこちらまで感情的になってしまうとますます反抗させてしまうだけ。
まずは子供が何を思っているのか、その気持ちを受け止めてあげましょう。
例えば、赤ちゃん返りをする子供はママからの愛情を求めています。
何がしたいのか、何をしてほしいのかをはっきりと言えないのが3歳児の特徴です。
そんな時に高圧的な接し方をしてしまうと子供は怯えてしまうだけです。
「帰るのイヤ!」「食べたくない!」と言われても、ただ反抗していると捉えてしまわないようにしましょう。
「どうして帰りたくないの」「まだ遊びたいの?」
「そっか、これは食べたくないのか~」「じゃあ、何が食べたい?」
と子供の言いたいことを汲み取ってあげるような接し方を心掛けることも大切です。
「あなたの気持ちをわかっている」と態度で示してあげることで、子供は満足します。
そのうえで、「でも、いつまでもは遊べないの。そろそろ帰らないとご飯が食べられなくなっちゃうから」、「わかった、明日作ってあげる!今日はこれ、食べちゃおっか」と促してあげましょう。
きつく叱りつけるだけではしつけの効果は薄いものです。
時に優しく宥め、時に厳しくしつけをしましょう。
相手の感情を考えるように教える
3歳の子供は感情をストレートに言葉に表します。
これは言葉を使えるようになったあとに感情を抑制できるようになるという子供の特徴のためで、感情を抑えられずに思ったことをそのまま言ってしまうのです。
また、乱暴な言葉をたくさん使うという特徴の赤ちゃん返りもあります。
赤ちゃん返りは子供たちによって違います。
指しゃぶりなどの行動ではなく、ダメと言われた言葉を繰り返し使うようなどの反抗的な行動を多く取る赤ちゃん返りもあるのです。
乱暴な言葉を使うようになってしまった時は、「嫌い」と言われた時どう思うか、相手の感情を考えることを教えてあげましょう。
「○○ちゃんがお友達にバカって言われたらどう思う?」「嫌いって言われたらママ、とっても悲しいな」と相手がどんなことを思ってしまうか考えるよう諭しましょう。
根気よくしつけることで、子供は相手の感情を考えられるようになり、その事が脳の発育にも繋がります。
子供が選択できる環境を整える
反抗期の子供への接し方は戸惑ったり間違えたりすることが多いものです。
「いつまで遊んでいるの!」「いつまでもー!」なんて返事に思わずため息をついてしまったり。
そんな反抗期の子供への接し方として良いと言われているのが、子供に選ばせてあげることです。
「いつまで遊んでいるの!早く着替えなさい!」と怒鳴っても子供はそっぽを向くだけです。
そんな時は「さあ!お着替えしよっか。こっちとこっち、どっちがいいかな?」と二着の服から選ばせてあげましょう。
子供は自分が選べるということに満足して、「こっち!」と言いながら楽しそうに着替え始めます。
また、育児疲れから他の家事が億劫になりいつまでも片付ける気が起きないことも。
そんな時でも、危険なものに子供が手を伸ばしてしまわないよう、触れても大丈夫なものだけを出し、後は子供の手の届かない場所にしまうように心がけましょう。
「こら!」と怒る頻度が減れば、ママの疲れも少なくてすみます。
放っておくのも手
子供は何かに夢中になるといつまでもやりたがります。
そんな時は無理矢理やめさせるのではなく、一度満足するまで放っておいてみるのも一つの手です。
子供の集中力や興味はいつまでも続くものではありません。
好奇心が満たされれば満足してあっさりとやめることも多いです。
危険なことではない限り、一度思う存分遊ばせてあげるのも時には効果的です。
夢中になりすぎて放っておいたらいつまでも遊んでいるようならば、「ママ、お腹空いちゃったな~」なんて呼びかけてみましょう。
抱きしめてあげる
3歳の反抗期はママの愛情を確かめたい時期でもあります。
赤ちゃん返りがもっともわかりやすい愛情の求め方でもあります。
そんな時は一日数回、子供を抱きしめてあげましょう。
赤ちゃん返りはママから感じる愛情が不足しているために起こります。
気を引きたい、寂しい、不安だと思ってしまうのです。
赤ちゃん返りをしていなくても、毎日愛情を伝えてあげることで子供は安心できます。
義務的におざなりに抱きしめてあげるのではなく、「あなたが大切なのよ」と伝わるようにぎゅっと抱きしめてあげましょう。
片手間な接し方は子供に「自分は大切にされていない」と思わせてしまいます。
中途半端な接し方は遊ぶ時であれ叱る時であれ、子供に不安を与えてしまうだけです。
ママが全力で向き合ってくれると感じれば、子供も満足し反抗も収まってきます。
絵本を通して伝える
言葉からは上手に理解できない子供には、絵本を通じたしつけが効果的です。
「この絵本の○○ちゃん、友達と喧嘩をしてバカと言ってしまったけれどその後とっても後悔していたよね。どうしてだと思う?」と絵本のキャラクターと子供を重ね合わせて諭してみましょう。
絵本を読み聞かせてあげることも、赤ちゃん返りを防ぐことにも繋がります。
絵本の読み聞かせは子供の感受性を豊かにするとも言われています。
3歳児の反抗期に関する体験談
先輩ママの体験談をいくつかご紹介します。
3歳の男の子のママの体験談です。
そのお子さんはもともと生真面目で、ママが本気で怒ると「すごくごめんなさい……」としょんぼりするのですが、調子に乗り過ぎると本当に酷いことを言ってしまうことも。
そんな時はママもブチ切れてしまい、「もういや!○○と一緒にいたくない!お母さんは出て行きます」とお子さんを置いて家を出て歩き出すそうです。
お子さんが追いかけてくる前提で、見失われないように・かつ道路などに行かないようにルートに気を付けてすごくゆっくりと家出(笑)をするのだとか。
そして、追いかけてきてくれたところで何故こんなに怒っているのかを話し合って、仲直りして帰宅しているそうです。
時には激しく怒ってみせることも大切なのですね。
こちらは深刻な「赤ちゃん返り」の問題を経験したママの体験談です。
生後二か月の妹とお兄ちゃんのママの体験です。
お兄ちゃんはお父さんにべったりで、どこに行くにも「パパがいい!」。
「妹にママを取られたからパパがいいのね」と遊び相手や寝かしつけることまでパパに任せるようになって半年後。
朝起きた時、昼寝から目覚めた時、起きると激しく号泣&絶叫し、30分以上も「痛い!痛い!」と叫ぶようになってしまったのです。
小児科のカウンセラーの先生から聞いたのは、お兄ちゃんの言う通りにパパに任せるという「赤ちゃん返り」対策がまるで逆効果だったということ。
お兄ちゃんは妹が生まれ「自分を守ってくれるママがいた世界」から放り出されたと感じてしまっていたのです。
寝起きに絶叫や号泣をするのは「守ってくれるママがいない世界」に戻ってきたしまったと感じるからで、「痛い」と叫ぶのは心が痛いから。
「パパがいい!」は愛情の裏返しで、本当はママがいいのに「パパがいい!」と主張することでママの愛情を試していたのです。
お兄ちゃんの本心に気付かないばかりに、お兄ちゃんは大きなストレスを抱えてしまっていたのですね。
カウンセラーの先生にいただいたアドバイスを実践したところ、お兄ちゃんの寝起きの絶叫と号泣はピタリと収まったそうです。
安心すると同時にもっと早く気付いてあげればよかったととても後悔しているそうです。
大変な反抗期だからこそ前向きに乗り切ろう!
反抗期は子育ての中でも大変な時期です。
けれど、反抗期はいつまでも続くわけではありません。
長い長い子育ての中の、ほんの一瞬のこと。
子供は反抗することでママの愛情を確かめています。
それだけたくさん愛情を受けて育った証拠、成長している証拠、と前向きに明るく乗り切りましょう。