2019年08月07日公開
2019年08月07日更新
中学受験のメリット・デメリットとは?向いている家庭のタイプも!
中学受験には多くのメリットがありますが、同様にデメリットもあります。子供だけでなく、親も経済的・精神的に相当の負担がかかります。中学受験に子供は向いているのか、受験する場合にはどのような点に気を付ければ良いのかを解説していきます。
目次
中学受験、する?しない?
「受験」というと高校受験や大学受験を想像する人も多いかもしれませんが、実は最近は中学受験にも注目が集まっています。遅くても小学校の中学年では検討を始める中学受験にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。中学受験を受けるべきかどうか、子供が受験に向いているかも考えながら決めていきましょう。
中学受験をするメリット8選!
中学受験にはどのようなメリットがあるのでしょうか。まずは中学受験をするメリットを8つ紹介していきます。
高校受験が必要ない
中学受験をすると、高校まで中高一貫で進学することがでいます。そのため、同年代が高校受験に対して忙しい時期を自分の趣味や部など、興味のある事柄に対して時間を割くことか可能になります。大学受験までの六年間、じっくり時間をかけて自分と向き合えるのは大きなメリットでしょう。
部活を思い切り行える
大学受験の準備が始まるまでは、しっかり部活に集中することができます。部活で才能を伸ばしたい子供にとっては中学受験は大きなアドバンテージとなるでしょう。受験による中断がない分、じっくり部活と向き合うことができます。また、強豪校の場合は大人顔負けのトレーニングルームが充実していることも多いのも嬉しいですね。
家庭や子供にあった教育観を選べる
受験をせずにそのまま地元の中学に進学する場合は、学区で進学する先が決まっている場合がほとんどでしょう。そうすると、進学先の中学の教育観が家庭や子供の価値観にそぐわない場合もあります。しかしながら、中学受験をする場合は学区などにとらわれずに自由に学校を選ぶことができます。家庭の考え方や子供の価値観に向いている中学を選ぶことができるでしょう。
効率の良いカリキュラムを受けられる
多くの場合、中高一貫校では大学受験を目標に据えてカリキュラムを組みます。前倒しで中高の6年間で習うべきことを先に教え、できるだけ早くその内容を教えることでより多くの模試などの実践的な経験を子供に積ませることができるでしょう。難関大学への受験を考えている子供に対して中学受験は向いていると言えますね。
能力のバラつきが少ないので授業がスムーズ
地元の中学校の場合、小学校と同じように生徒の学力に大きなバラつきがあります。しかしながら、中学受験は入試時点である程度の学力での足切りがあるので能力のバラつきがそれほどありません。そのため先生の授業の質も上がり、生徒たちはさらに理解しやすい高度な授業を受けることができるでしょう。
実のある英語を6年間かけて学べる
最近では受験のための文法などに重点を置いた英語ではなく実践的な英会話教育に力を入れている私立中学も少なくはありません。受験のためだけに単語や文法を覚えるのではなく、学校によってはホームステイや留学生との交流を通して大人になってからも使える英語を学ぶことができるでしょう。
切磋琢磨しあえる一生の友達ができる
学力が同じくらいの子供たちが集まるので、周りは良き友達であるとともに切磋琢磨し合えるライバルになります。お互いにライバル関係を築きつつ切磋琢磨して支え合うことで、通常の友人とは違う一生の友達になることができるでしょう。
勉強のしつけができる
中学受験をしない場合、小学生の子供に対して勉強の習慣を持つことの大切さを教えるのは至難の業です。しかしながら、中学受験という身近な目標があれば小学生の子供も自主的に勉強をしようとするでしょう。周りの大人としても、闇雲に「勉強しなさい」と言うだけではなく「ここが苦手だから克服しよう」「この長所はもう少し伸ばしていこう」と具体的なアドバイスがしやすくなります。
中学受験をするデメリット8選!
良いことも多い中学受験ですが、実は子供の性格によってはデメリットの方が大きくなってしまうこともあります。メリットだけに目を向けず、子供自身が中学受験に向いているかどうか考えてみましょう。
教育費が高い
義務教育のうちから特別な教育を受けさせることになるので、一般的な小中学生よりも教育費が高くなります。受験のための塾の費用だけではなく、合格した後でも設備が整っている中学に通うための学費も高くなるでしょう。部活をやっていれば、遠征費などの費用もかかってきます。私立中と公立中とは学費に3倍の差があるとも言われているので、経済的な負担は大きくなります。
親のサポートが必要になる
小学生が受験をする場合、どんなに頭が良い小学生でも自己管理はそれほど得意ではない場合がほとんどです。体調管理や受験に向けたメンタルのケアはもちろん、塾の先生とのやり取りや学校を選ぶ段階から親のサポートが大切になります。また、中学に合格した後も遠方の中学の場合は帰りが遅くなった時に迎えに行く必要があるなど、継続的なサポートは欠かせません。
生活のほとんどを勉強に費やすことになる
通っている小学校の勉強と並行して、自分が受験したい中学に合った模試や過去問をする必要があります。塾の宿題などで時間を取られる子もいるでしょう。中学受験の場合、小学校で習った内容とは逸脱している内容が出題されることも多いので勉強時間は膨大になります。かなり多くの量を勉強しなければならないので、なかなか友達と遊ぶ時間を確保できないのもデメリットの1つです。
身体的・精神的なストレスが大きい
毎日塾に行ったり友達と遊ばずに勉強したりするストレスは、大学受験をする高校生なら耐えることができても小学生には身体的にも精神的にも大きなストレスになってしまいがちです。子供だけではなく親にとっても、意見が変わりやすい子供のモチベーションを維持して体調管理をするストレスもあるでしょう。
勉強以外の習い事との両立ができない
中学受験の本番が近づいてくると、週の半分以上は塾に通うことになることも珍しくはありません。塾に通わない時間も復習する必要があるので、基本的には塾以外の習い事に費やす時間は捻出できないでしょう。どんなに好きな習い事であっても、受験期間はお休みしなければならない場合もあります。
多様性に触れることができない
中学受験によって能力のバラつきがない環境に身を置けるのはメリットの1つですが、子供にとっては多様性に触れるチャンスが少なくなってしまうこともあります。生徒の入れ替えもほとんどないので、学校以外の人脈は広がりづらく公立校に進学した友達とも疎遠になってしまうこともあるでしょう。多様性に触れることができないため、子供によっては受験していない他の子を馬鹿にするような上から目線になってしまうリスクもあります。
校風にあわずに退学することもある
入学する前は子供に向いている校風だと思った場合でも、実際に通い始めると校風が合わなかったという場合もあるでしょう。特に私立中学の場合は校風も独特なものが多いので、合わずに退学する人も珍しくはありません。
親子関係や夫婦関係が悪化することも
親子関係や夫婦関係が悪化する可能性があることも覚えておきましょう。子供は「もっと遊びたいのに無理に勉強させられた」という意識を抱いてしまうこともありますし、夫婦間の意見も統一されていないと「子供が嫌がっているのに勉強を押し付けている親」という目線になってしまうこともあります。実際に受験をする場合は、家族全員の意見を一致させる必要がありますね。
中学受験が向いている家庭や子供4選!
中学受験には向き・不向きがあるのが事実です。では、中学受験に向いている家庭や子供はどのような特徴を持っているのでしょうか。4つ紹介していきます。
勉強好きで知的好奇心が盛んな子供
元から勉強が好きで、自分の点数が伸びたり知っていることが増えるのが嬉しいような子供は中学受験に向いているでしょう。自分から自主的に受験勉強に取り組むことができるので、それほどストレスも感じません。逆に知的好奇心があまりない子の場合は「大人から押し付けられている」と感じてしまって親子関係が悪化する恐れもあります。
早熟している子供
論理的な思考力が求められる中学受験では、行間を読み取れるような大人顔負けの思考力を持っている子の方が有利になります。学力だけではなく精神的に早熟している子の方が合格率は上がるでしょう。また「今は辛くても将来のためには中学受験が必須である」と、しっかり自分の人生の目標と向き合える子の方が受験に対して能動的に向き合うことができます。
周囲の影響を受けやすい子供
周囲からの影響を受けて自分を成長させることができる子供は、合格してからどんどん刺激を受けて自分の能力を伸ばすことができるので中学受験に向いているでしょう。ただし、受験期には遊んでいる周囲に流されてしまうこともあるので、しっかり勉強に向き合えるような環境作りなどのサポートが必須になります。
家族全員の覚悟がある家庭
先ほど解説したように、中学受験は家族の中で誰か一人でも「まだ小学生なのに受験なんてかわいそうだ」という意識を持っていては関係が悪化してしまう恐れがあります。高校受験や大学受験とは違って、周りの子供とは違うことをしているので、子供の「遊びたい」という気持ちに対して家族全員で折り合いをつけられる家庭でないと受験期間を乗り越えるのは難しいでしょう。
中学受験をする前に知っておきたい注意点4選!
「中学受験が向いているからなんとなく受けてみる」という気持ちだけでは、なかなか中学受験は乗り越えることができません。実際に受ける前に知っておきたい注意点を4つ紹介していきます。
小学校の勉強だけでは通用しない
中学受験では学校の校風に合わせて、小学校の内容からは逸脱したレベルの問題が出される場合があります。いくら小学校のテストで毎回満点を取れるような子であっても、実際に受験してみると入試では全く点を取れないということもあります。小学校の勉強以外にも違う内容を勉強しなければならないので、覚えておきましょう。
倍率が非常に高い
私立中学の受験倍率は非常に高いことで有名です。ほとんどの学校でも3倍以上で、人気がある学校では10倍を超えることも珍しくはありません。どんなに頑張ってもかなりの競争率なので「絶対に受かる」と安易に考えることはできないでしょう。
勉強嫌いになったり自信をなくしてしまうことも
中学受験の内容は小学校の勉強とは全く違います。「今までテストでは100点しか取ったことがない」という子供も全然点数が取れず、次第に「自分は頭が良いつもりだったけど全然勉強ができないんだ」と自信を喪失してしまう可能性もあります。その状態が長く続くと、知的好奇心も失われて勉強時代に苦手意識を持ってしまう可能性もあります。
落ちることももちろんある
非常に倍率が高い中学受験ですので、もちろん落ちる可能性も高いことを覚えておかなければなりません。模試で安定した点数が取れる子でも、本番では緊張して点数が全く取れないという小学生らしいミスをすることもあるでしょう。また、勉強ができても面接で緊張して落ちてしまうケースも珍しくはありません。
中学受験で注意したいポイント3選!
実際に受験勉強を始めた時、周りはどのような点に注意して子供と向き合えば良いのでしょうか。3つの注意点を紹介します。
両親が一喜一憂しないようにする
模試の結果が良いと嬉しくなり、模試の結果が悪いと親も落ち込んでしまうでしょう。しかしながら、両親があまりにも模試で一喜一憂していると子供のプレッシャーになってしまうことがあります。ただでさえ受験のストレスを抱えている子供が、模試に対してもプレッシャーを抱えると潰れてしまう可能性があります。模試の結果であまり一喜一憂しないようにしましょう。
受験テクニックではなく基礎学力を身につけさせる
中学受験の問題は独特なものが多いですが、そのためだけに小手先の受験テクニックを身に着けるだけでは入学後に学力が伸びずに思い悩んでしまいます。受験テクニックももちろん大切ですが、基礎的な学力を重視した上で受験テクニックを身に着けるようにしましょう。
子供の主体性を尊重する
中学受験では親のサポートは必要とはいえ、親が何でも先回していてはいけません。あくまで親はサポートが仕事だと割り切って、塾の宿題への取り組みなどはある程度子供の自主性に任せて見守るようにしましょう。合格は目標ではありますが、中学受験を通して子供の主体性を育めるように意識しておきましょう。
中学受験に落ちてしまったらどうすればいい?
どんなに勉強しても落ちてしまうこともあるのは中学受験でも大学受験でも変わりません。子供が中学受験に落ちてしまった時、親はどのように子供のケアをすれば良いのでしょうか。
挫折経験を原動力にしよう
中学受験に落ちてしまっても、それで人生が決まるわけではありません。挫折を貴重な体験として今後の人生に活かせるようにしましょう。「ここまで頑張れたから、次はとりあえず部活に打ち込んで違う体験をしよう!」や「この悔しさは3年後の高校受験で活かそう」など、受験の結果だけではなく未来のことに目を向けるように誘導してあげると良いでしょう。
笑顔で子供を励まそう
受験に落ちた場合、子供は周りの友達への対応に思い悩むなどたくさんの気持ちを抱え込んでしまいます。そういった時に親まで暗い顔をしていては、子供はさらに親に対する罪悪感も覚えてしまうでしょう。子供の前では落ち込む気持ちは見せないようにして、笑顔で励ます役割を担いましょう。
メリット・デメリットを知って子供のための教育をしよう!
中学樹幹はメリットだけではなくたくさんのデメリットもあります。中学受験に合格したからといってその後の人生も絶対に上手くいく保障はありませんし、合格できなくても人生が終わるわけではありません。中学受験をする場合も、目先の受験結果だけにとらわれずに長期的に子供のための教育になるようにしていきましょう。