レッサーパンダの生態や性格とは?見た目と違って狂暴なの?
レッサーパンダについて、生態や性格などは知らないという人は多いです。レッサーパンダの性格や見た目がかわいい威嚇についてなど、意外と知らないレッサーパンダの生態について解説します。アライグマとの違いについてもご紹介しますので、動物好きな人は必見です。
目次
かわいいレッサーパンダってどんな動物なの?
かわいい見た目が人気のレッサーパンダですが、生態や性格についてなど知らないことは多いですよね。生態や性格を知ることで、動物園などでレッサーパンダを見た際により楽しむことができます。かわいいレッサーパンダの生態や性格、見た目がとてもかわいい威嚇についてなどを詳しくご紹介しますので是非ご覧ください。
レッサーパンダの生態を知ろう!
レッサーパンダの性格や威嚇についてなどをご紹介する前に、まずは生態や特徴などについてご紹介します。
レッサーパンダの生息地
レッサーパンダは中国(四川省南部)に多く生息しています。他にも、インド北東部・ネパール・ミャンマーの竹林に生息しており、種類によってはブータンの標高1,500~4,800mの熱帯や亜熱帯の森林に生息しているレッサーパンダもいます。
レッサーパンダの種類
レッサーパンダは生息地によって、2つの種類に分類されます。それぞれ特徴が異なりますので、レッサーパンダの種類についてご紹介します。
シセンレッサーパンダ:中国南部からミャンマー北部に生息しており、日本で見ることができるレッサーパンダのほとんどがこの種類です。体毛の色が濃く、体が大きいことが特徴です。また、比較的大人しい性格であることが多いです。
ネパールレッサーパンダ:ニシレッサーパンダとも呼ばれており、「インド北東部・ネパール・ブータン」に生息しています。日本では熱川バナナワニ園で見ることができます。シセンレッサーパンダに比べて、気性が荒い性格です。
レッサーパンダの特徴
レッサーパンダには大きさや体毛など様々な特徴があります。それぞれの特徴についてご紹介しますのでご覧ください。
大きさ | 体長は50~64cmです。 体長に対し尻尾の長さは28~50cmと体と同じくらいの長さがあります。 |
見た目 | 赤みがかった茶色の体毛をしています。 その見た目から「アカパンダ」という別名があります。 |
体毛 | 全身だけでなく四肢の裏にも長くて柔らかい体毛が生えています。 この体毛により樹上でも滑りにくくなり、枝などから肌を守っています。 |
手指 | 手首の骨の一部が変形し指のような形になっている六指突起があります。 六指突起を第6の指として使うことで竹などを掴みやすくなっています。 |
鳴き声 | 甲高い小鳥のような「ピーピピピ」「キュルルッ」といった鳴き声です。 遊んでいる時や求愛時に鳴き声を聞くことができます。 |
レッサーパンダは何を食べるの?
レッサーパンダは食肉目に分類されるため本来であれば肉食です。しかしレッサーパンダは竹やタケノコを主食とした限りなく草食に近い雑食性で、稀に昆虫や鳥の卵を食べることもあります。食肉目であるレッサーパンダが雑食性になった理由として、レッサーパンダの生息地には限られた食べ物しかなかったことから食性が変化したのではないかと言われています。
レッサーパンダは単独で行動する?
動物園ではレッサーパンダは複数飼育されていることから、群れで行動すると思われる人が多いです。しかし実際には、レッサーパンダのオスは縄張り意識が強いため群れは作らず繁殖期以外は基本的に単独で行動します。レッサーパンダのオスは頻繁にお尻周辺にある臭腺(強い臭いを持つ液を分泌する腺)を岩や木に押し付けマーキングを行います。
レッサーパンダの繁殖は?
レッサーパンダの繁殖期は6~8月です。普段は単独で行動するレッサーパンダですが、この時期になるとオスとメスのペアで行動することが多くなります。レッサーパンダの妊娠期間は90~150日間と幅があり、平均して1度の出産で2頭の赤ちゃんを産みます。オスは子育てには参加せず、メスが生後1年程まで子育てを行います。
レッサーパンダは実は絶滅危惧種!
レッサーパンダは「絶滅危惧種IB類」に指定されている絶滅危惧種です。1994年の調査では、ネパールでは300頭・中国では2,500頭まで数が減ってしまったという調査結果が出ています。レッサーパンダの生息する森林や竹林が伐採され、人間の生活拠点として開拓されたことが大きな要因だと言われています。森林などの伐採以外にも、レッサーパンダのかわいい見た目からペット目的として乱獲されたことも生息数の減少に繋がっています。
レッサーパンダの性格とは?見た目と違って狂暴なの?
レッサーパンダは竹などを食べていますが食肉目なので性格は草食動物のような大人しい性格ではなく、凶暴な性格をしています。しかしレッサーパンダや他の動物に対して頻繁に威嚇や攻撃をしますが、人間に対して牙を向けることはありません。元々は肉食性で凶暴な性格だったレッサーパンダが徐々に食生活を変え、草食よりの雑食性に変化したことで落ち着いた性格になったのではないかと言われています。
レッサーパンダの寿命はどのくらい?
レッサーパンダは、野生と飼育化で寿命が大きく異なります。野生のレッサーパンダの場合は寿命は8~10年です。しかし動物園などでの飼育下の場合は寿命がかなり延び、福岡県にある「到津の森公園」では24歳まで生きたご長寿レッサーパンダがいました。動物園などの飼育下では、レッサーパンダの天敵である動物がいないため長寿になる傾向があるようです。
レッサーパンダのかわいい立ち姿は実は威嚇のポーズ?
レッサーパンダが後ろ足で立ち上がり、バンザイをするように前足を上げる姿はとてもかわいいと人気が高いです。実はこのかわいい立ち姿は、縄張り意識が強い性格のレッサーパンダのオスがライバルに対して威嚇をしている状態なのです。レッサーパンダがお互い威嚇をすることもありますが、どちらも立ち姿がかわいいのであまり怖くはありませんね。
【レッサーパンダの威嚇】
— 珍しい動物達 (@mezurasii_) May 20, 2019
レッサーパンダは相手を警戒して威嚇する際に少しでも体を大きく見せるために手を広げたポーズを取ります。
ただし、可愛すぎて威嚇と気づかれない事も多い。 pic.twitter.com/ptoSzOlu01
レッサーパンダは元々パンダだった?
パンダと聞くとジャイアントパンダを想像する人が多いですが、最初にパンダと呼ばれていたのはレッサーパンダです。1825年にヨーロッパ人がヒマラヤでレッサーパンダを見つけ、現地民の言葉で「竹を食べるもの」という意味のある「ネガリャポンヤ」の「ポンヤ」を変換して「パンダ」と呼ぶようになりました。
その後レッサーパンダと同じ食性を持つジャイアントパンダが発見され区別しやすくなるように、小さいという意味のある"lesser"が付け加えられ私たちの知るレッサーパンダという名前になったのです。
レッサーパンダはペットとして飼える?
レッサーパンダはワシントン条約によって、飼育販売などの取引が国際的に規制されています。そのため、ペットとして飼育することはできません。レッサーパンダを日本で飼育することができるのは、飼育許可がある動物園だけなのです。
日本に野生のレッサーパンダはいるの?
日本では野生のレッサーパンダは生息していません。そのため、レッサーパンダを見る場合は飼育されている動物園に行く必要があります。野生のレッサーパンダの数はかなり減少しているため、日本の動物園での繁殖がレッサーパンダの絶滅を防ぐためにとても重要な役割を果たしています。
【番外編】レッサーパンダとアライグマの違いとは?
レッサーパンダに似た動物であるアライグマについて、特徴と性格についてレッサーパンダとの違いをご紹介します。
アライグマの特徴とは
アライグマはレッサーパンダ同様雑食で、非常に生命力が強いことが特徴として挙げられます。また、レッサーパンダよりも繁殖力が強いため、アライグマを飼育している動物園ではオスは去勢手術をされていたりオスだけは単独で飼育するといった工夫がされています。
アライグマの性格とは
アライグマの見た目はかわいいですが、性格は非常に獰猛です。レッサーパンダも凶暴な性格をしていますが、アライグマはレッサーパンダよりも凶暴な性格をしていると言われています。アライグマは狩りをして食べ物を獲得することがあるため獰猛な性格なのではないかと考えられています。
かわいいレッサーパンダに会いに行こう!
見た目がとてもかわいいレッサーパンダについて、生態や性格といった特徴をご紹介しました。レッサーパンダの立ち姿が威嚇だったということに驚いた人は多いのではないでしょうか。かわいいレッサーパンダに会いに、是非動物園へ足を運んでみてください。