ヤクザの普段の仕事内容とは？最新の仕事や階級、収入源まで解説！

ヤクザは普段どんな仕事をしているのでしょうか？

イメージも、お金を持って豪快に使っている印象ですね。強面の風貌で、黒塗りの高級車を乗り回し、豪邸に住んで、仕立てのいい和服や高級スーツを着ているのが一般的なイメージかと思います。

このような豪奢な暮らしぶりは大金がなかったら実現できないことですね。では、ヤクザの人達は、どうやってその資金を手に入れているのでしょう？

結論から言うと、ヤクザは多種多様な職業からあらゆる手段を使って資金繰りをしています。金儲けできる仕事なら、違法であろうが関係ないという感覚のようです。

この記事では、ヤクザの仕事を中心に、ヤクザについての疑問にお答えしています。

そもそも、何をもってヤクザと言えるのか？

結論から言えば、暴力団組織に「上納金」を納めている人がヤクザに属している証明になってきます。

「上納金」というのは、ヤクザ社会の税金のようなもので、暴力団員なら親分や関係者に一定の金額を納めるのが決まりとなっています。

金額については、団体や身分によって違いますが、幹部クラスになると月額30万から100万円、最も下っ端で2、3万円になると言われています。

ちなみに、上納金を支払わないとどうなるか？対応はさまざまではあるものの、一門からの破門、またはキツい制裁が待ち受けているらしく、過去には指をなくした人もいたようです。

 

近年、反社（はんしゃ）という言葉が広まっていますが、反社とは「反社会的勢力」の略称です。ヤクザとほとんど同じ意味で使用され、日本政府も公的に使っています。

政府は反社会的勢力を以下のような定義をしています。
「暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人」

要するに「お金を稼ぐためには手段を選ばない人達」といった感じでしょうか。

もっとも、ヤクザ本人たちは「反社」という呼称をよく思っていないようです。

五代目山口組組長の渡辺芳則は
「暴力団という名付けはけっこうである。なぜなら我々は暴力を基本としているから」

と言いながら、一方で、
「社会の役に立ちたいという思いがあるので、反社という呼び方は容認しがたい」
と主張しています。

「極道」とは、ヤクザが自分たちを美称する呼び方です。

ヤクザが極道と自ら称するのは、かつての「侠客」に憧れているためとされています。侠客とは、「強きを挫き、弱きを助け、無職で各地を渡り歩いている人」のことです。

昔は国定忠治や清水次郎長などを主人公とした芝居が人気でしたが、まさに侠客でした。

国定忠治は江戸時代の博奕打ちで、縄張りのために人殺しを繰り返し、いつしか幕府を脅かす存在になりますが、なかなか捕まりません。

というのも逃亡を支えていたのが地域の住民だったからです。国定忠治は飢饉などで困窮極まった民衆に私財をなげうって救済していたため、住民からは幕府以上に尊敬を得ていたといいます。

このような生き様にヤクザは憧れて「極道」と自称しているようです。
 

暴力団という呼び方は警察が名付けた呼び名です。

大正時代から、この呼び名はあったようですが、戦後マスコミが利用して一気に広まったと言われます。法律上では、暴力団を以下のように定義しています。
「その団体の構成員が集団的に又は常習的に暴力的不法行為等を行うことを助長するおそれがある団体をいう」

すなわち、「ヤクザ」の公的な名称は暴力団になります。

ところで、そもそもの「ヤクザ」の語源はというと、諸説ありますが、ひとつ紹介します。
カブという花札の賭け事に出てくる悪い数、八、九、三に由来していると言われます。

この説以外の語源の由来も大概悪い意味から来ていることから、もともと善い意味はないのでしょう。

ヤクザは江戸時代やそれ以前から存在したと言われますが、社会の落伍者、素行不良の者、就労せずにふらふらしている者をヤクザと呼んでいる傾向があります。

半グレとは、反社会的な行動や悪質な経済活動をする不良グループのことです。

ヤクザほどの強固な信頼関係はなく、年齢層は20代から30代と若いのが特徴で、活動拠点は都市部に集中しています。

オレオレ詐欺などの特殊詐欺や、ぼったくりバーの運営など、その場しのぎの稼ぎが主流なため、経済基盤の脆さゆえに、背後にヤクザが控えているケースも多いようです。

そんな背景もあって、ヤクザの支配下で半グレが悪さしていることはよくありますが、半グレの支配下にヤクザが配置されていることはまずあり得ません。

ただ、半グレの連中からすると、ヤクザになっても上納金はきついし、規律もうるさく、そのうえ現行の法律では身動きがとれないのでデメリットしかないと見ています。

一方、ヤクザからすれば、親分への忠誠心や義理人情もないような連中と同じ反社会的勢力で括られたくはないと思っているようです。
 

ヤクザの普段の仕事は隠語で「シノギ」と言われます。大半は違法の仕事を指しますが、このシノギを警察庁では「暴力団の伝統的資金獲得活動」としておもに4つに分類しています。

その4つとは、覚醒剤取締法違反、恐喝、詐欺、賭博のことです。

しかし、暴力団対策法や暴力団排除条例などで着実にこれらヤクザの伝統的な犯罪は減ってきています。

ただその反面、オレオレ詐欺などの特殊詐欺やネットビジネスを介した犯罪などが新たなヤクザの収入源として増加傾向にあるのが現状です。

違法薬物とヤクザは切っても切れない関係です。

とくに覚醒剤は隠語で「シャブ」といいます。覚醒剤取引は今でもヤクザの専売特許になっています。

日本でも一説には覚醒剤の利用者が10万を超えるといいますが、多くは中高年のサラリーマンだということで、ヤクザのお得意さんになっています。

関西のとある暴力団幹部の話です。
「とにかくシャブは儲かる。大麻やコカインとは比べものにならない。シャブがなかったら、ヤクザは半数以下になっとるはずや」

覚醒剤の月の売り上げは500万前後ということです。

なおヤクザが絡んでいるのは中卸から上の方で、末端の売人は半グレやイラン人なので、捜査機関から誰が売っているのか見えにくい構造になっています。
 

警察庁の定義で民事介入暴力とは、
「暴力団又はその周辺にある者が、企業の倒産整理、交通事故の示談、債権取立、地上げ等民事取引を仮装しつつ、一般市民の日常生活や経済取引に介入し、暴力団の威力を利用して、不当な利益を得るものをいう」
とあります。

要するに、交通事故や借金など民事的なトラブルにヤクザが割り込んで、暴力的な威圧をかけることで利益を得るといった手口のことです。

民事介入暴力は俗に「ミンボー（民暴）」と呼ばれます。この言葉は、伊丹十三監督の映画「ミンボーの女」で一般的になりました。公開されたのが1992年で、ちょうど公開2ヶ月前に「暴力団対策法」が施行されていました。

みかじめ料とは、ヤクザの縄張りで経済的な営業をする場合に納めなければならない金品のことです。

名目上は、トラブル発生時の用心棒代として徴収します。

みかじめ料の語源は、毎月3日に徴収するという説や、3日以内に払わなければ店ごと締めあげるという説などありますが正確なところは分かっていません。

みかじめ料の相場は、暴力団や店の規模などにもよりますが、月額1万から100万円とピンキリです。

田舎のスナックなら1万、高級クラブは50万、ゲームセンターは100万など事例はたくさんあります。

では、実際どんな感じでヤクザに言われるのかを紹介します。

埼玉県では住吉会系組員43歳が、飲食店の経営者に対して
「エンソ代（みかじめ料）3万円だけ頼むよ」
と言われ従ったということです。（『平成26年の暴力団情勢』警察庁）

エンソとは、ある説では漢字で塩噌と書き「若い奴らに塩、味噌を舐めさせてあげて」という意味に由来するようです。

また北海道では、
「これからは、何かあったら俺達に連絡して。1店舗2万円だから」
と言われ支払ったといいます。

実際このように持ちかけられた場合には、直接警察に相談すれば問題ありません。逆に支払ってしまうと、場合によっては暴力団への利益供与として罪に問われることもあります。

ヤクザの縄張りで営業する店は一定の金額をヤクザに収めなくてはなりません。昔よりは法的に厳しくなってきてはいるものの、現在でもヤクザの大事な収入源になっている事実があります。

みかじめ料のもともとの意味は店などで客やその他のトラブルに巻き込まれた際、ヤクザを呼べば解決してくれるというもので、いわゆる用心棒代になっています。

ただ、現在は店側はトラブルになっても呼ぶのは警察でヤクザを呼ぶことはなく、ほとんどカツアゲに近い形になっています。

かつては、警察に訴えても取り締まる法律がなく法的にはグレーゾーンだったため、泣き寝入りして支払うしかなかったのですが、現在の法律は警察に相談すればしっかり取り合ってくれるので、まったく心配いりません。

特殊詐欺とは、直接的に対面することなく電話などでコミュニケーションをとりながら、あらゆる方法で被害者を信頼させ、口座などへ振り込ませるなどして金品をだまし取ることをいいます。

近年ヤクザの収入源として増加している仕事ですが、多くは暴力団の端くれや半グレのシノギになっているようです。

警察は特殊詐欺の手口の多様化にともなって、類型を10に分類していますが、その一部を紹介します。
 

犯人から電話があり「オレオレ」などと言って息子や孫になりすまし、偽りのトラブルなどを口実に、お金をだまし取ります。

自治体職員や税務署職員を装い「払戻し金がある」「キャッシュカードを取り替える必要がある」と信じ込ませたうえで、自宅を訪れキャッシュカードを奪い取る詐欺のことです。

犯人が警察になりすまし「口座が悪用されている」「キャッシュカードが不正に利用されている」と電話で連絡があります。

そのうえで預金の保護手続が必要だとして、後日警察官や銀行員になりすました犯人が自宅を訪れて、キャッシュカードを偽のカードとすり替えるという手口です。この詐欺では、被害者は気づかないこともあるようです。

インターネットサイト事業者を名乗り、ネットの未納料金があると犯人がうそぶいて、携帯電話のSMSや法務省や裁判所名義のニセのはがきが自宅に送られ、被害者が指示通りにすることで料金をだまし取る行為のことです。

自治体や税務署、年金事務所の職員などを名乗り、医療費や保険料の過払い金、未払いの年金のお金を残っていると信用させ、さらに払い戻しには期限があると焦らせた上でATMへ行くようにと誘導されます。

犯人の指示通りにATMを操作すると、犯人側の口座にお金が振り込まれるという仕組みです。

これら特殊詐欺は手口が巧妙で、やり方も多種多様になってきているので気づかない人も多いようです。とにかくこのような電話がかかってきたときには、よく注意して警察に連絡しましょう。

偽ブランド販売の正式な犯罪は商標法違反、商標権侵害ということになります。

ビトンやプラダなどのブランド側からすると、商標を勝手に使用されれば自分たちの商品がその分売れなくなります。商標権はそのような事態から保護する法律です。

とはいうものの、ヤクザからすれば有名ブランドという箔を付けただけで、一気に高く売れるので、簡単に大金を手にできるというわけです。

またネット販売などで取引すれば、顔が見えないというのもヤクザにとっては摘発されづらいという点で魅力があります。

なお、昨今メルカリなどで簡単に商品を売れる時代なので、うっかり私たちが偽ブランド品を販売してしまったらどうなるのでしょう？

結論から言えば、法的には1度くらいなら許されるそうです。

というのも、問題になるのは本業や副業で繰り返し販売することで、そのようなケースは取り返しがつかなくなります。

商標権侵害罪で
「10年以下の懲役、もしくは1000万円以下の罰金」
またはその両方が課せられる可能性があるということです。

ヤクザが参入している事業として密漁があります。

メリットとしては、罰則が比較的厳しくないことが挙げられます。
「懲役3年以下または200万円以下の罰金」
はヤクザにとっては痛くも痒くもないようです。

また、船を出すのは北海道に限らず全国各地で出せるのが可能なことや、海産物は高い単価で取引されることもヤクザが参入する理由です。

狙う海産物はナマコ、ウニ、カニ、アワビ、サケなどで、現在も不法に乱獲されてヤクザの収入源になっています。

ノミ行為とは、競馬、競輪、オートレースなどの公営賭博において、規定のスタッフ以外の者が胴元になることをいいます。

当然、他人のふんどしで相撲を取ることになるので、たいして経費も掛からずに大きく儲けることができます。こちらもヤクザの代表的な仕事としてよく挙げられます。

なお、意外なところでノミ行為に当たるケースがあります。仮に「馬券買っておいてくれる?」と知り合いに頼まれたとして、馬券を買わずにその元手を自分のものにしてしまうと、これもノミ行為の犯罪になるということです。つまり、この場合、無意識でも胴元になっているんですね。
 

インテリヤクザとは、経済活動や法律の知識に長けたヤクザのことです。

その見た目はステレオタイプのヤクザのイメージとは異なり、細身で眼鏡をかけ、一見ジャーニーズ事務所に所属していそうなイケメンも存在するようです。

インテリヤクザが出現してきた背景には、暴対法や自治体の暴排条例などによって、経済活動が制限される中、組織が任侠道や義理人情などよりも、経済的基盤の安定を最優先事項に切り替えてきたことがあります。

そのため、現代ヤクザ界が求める人材は、ゴロツキや腕っぷしのいい人間ではなく、単純に「稼げる人間」になってきています。

マネーロンダリングとは、非合法に得た収入をその出所や所有者を分からなくしてしまう行為をいいます。

経済活動と獲得した収益の関係を隠蔽することで、課税をはじめとする法的な決まりごとから逃れて自分たちの資産してしまおうということです。

具体的には、銀行に他人名義で預金したり、ありもしない契約書を作成したり、またペーパーカンパニーをつくったりとやり口は多種多様に存在します。

このような仕事をやりくりするのは、知識を有するインテリヤクザの本領と言えるでしょう。

かつて解体業のバックにはヤクザがいると言われていました。現在では法的に厳しくなっており、以前よりは少なくなっていると言われていますが、根絶したわけではないようです。

ヤクザが解体業に目を付けるのは、解体工事の現場が一ヵ所にとどまらないことから、警察や行政に見つかりにくいというメリットがあります。

また、解体業は産業廃棄物などの処分費用がおおきなネックとなりますが、ヤクザは不法投棄することにより、その費用を自分たちの利益とするため、割のいい仕事ということになります。

さらに不法労働者を雇うことで安い人件費で済ませることもヤクザが選ぶ利点になります。

ただ、現在では、不法投棄に対する行政管理も強化されているため、過去のようにやりたい放題にはできないのが現状です。

フロント企業とは、もともと暴力団が設立した会社で、現在も経営に関与している企業のことです。または暴力団と親交の深い企業のケースもあり、どちらにしてもヤクザに資金提供をする企業のことをいいます。

暴力団がフロント企業を必要とする背景には、暴力団対策法から逃れる意味があります。

指定暴力団と認定された暴力団の組員でいると、それだけで法的制限が厳しくなります。その状況を打開するため、指定暴力団から形式的に脱退し、フロント企業の社員になることで法的制限から解放できるというわけです。

では、どの企業がフロント企業か？気になるところですね。

これは、まったく分からないものかと言えば、そうでもないようで、噂レベルでとどまっている感じがあります。

そこで、警察に検挙されたフロント企業の業種を多い方から並べてみますと、建設業、不動産業、金融業、風俗業、飲食業となります。さらに犯罪の種類を多い方から並べると、やはり恐喝罪と詐欺罪の2つが多くを占め、それから賭博、文書偽造、暴力行為と続いています。

フロント企業は表向き普通の企業ですが、なにかトラブルが起きたときなどヤクザの顔に豹変するということです。

社会運動等標ぼうゴロとは、
｢一定の社会運動もしくは政治活動を仮装し、又は標ぼうして不正な利益を求めて暴力的不法行為等を行うおそれがあり、市民生活に暴力団と同じような脅威を与える者及びその集団｣
と定義されています。

要するに、表向き正当な社会運動に見せて、民間企業や個人を賛同させたり、威圧したりして運動資金を集める活動になります。

具体的には、右翼政治団体で社会活動をする名目で、ゆすり・たかり行為を行います。

政治活動への賛助金、寄付金、または機関紙への広告や購読料などで非合法な資金を得るという仕組みです。

総会屋とは、株主総会に出席することを利用して企業から非合法な形で利益を得ている者を指します。

会社経営への株主の関与は認められるのが原則ですが、巨大な会社になると株主の言い分のすべてを聴くことはできません。

総会屋は少ない席を陣取って議事進行の邪魔をし、会社のスネの傷を突っつきながら、自分たちの行為をやめる対価に金品を要求します。

これは総会屋のやり口の一例で手口はさまざまですが、会社側も金品渡せばトラブルが終息すると考え、ヤクザと取引してしまうようです。会社側にもトラブルに対する覚悟のなさや事なかれ主義的な態度など指摘されるところです。

ヤクザにも会社のように階級や役職が存在します。ヤクザの社会は会社というより家族に例えられるように、疑似家族から来ているようです。ここでは、ヤクザの役職をご紹介します。

組長や会長は、ヤクザ社会のトップに君臨する人です。

いわゆる親分であり、擬似的な血縁関係をとるヤクザの構成員にとっては親父になります。

よって、それ以外は子分になりますが、大規模な暴力団になると、子分の中でも小さな組織をつくって組長が存在することになります。

例えば、日本最大規模の山口組は、その配下に竹中組や弘道会、大同会など、組の中に組が内在しているという構造です。

暴力団のナンバー2は組織によって呼び方が異なります。

山口組系では若頭、稲川会では理事長などと呼んでいます。

現役の組長が死去や引退などでトップの席から退けば、後を継ぐ最有力候補は基本的に若頭、理事長などのナンバー2です。

そもそも、ヤクザの役職の名前は、博徒集団や的屋で使用されていた名前が伝統的に受け継がれたとされています。若頭・若衆などはその流れをくんでいるようで現在でも残されています。

ナンバー2の下の序列もヤクザ独特の名前がついています。

山口組系でいえば、若頭の下に舎弟頭、本部長、若頭補佐となっていて、ここまでが組織の執行部です。若頭補佐は関東ブロック、東海ブロックなど全国の7つ地方に分割され、それぞれ7人のブロック長が所管を担当しています。

若中や若衆というのは、かつては子分と同義で使っていたので、親分以外の成員すべてが含まれていました。

ですが、昨今は役職がない下層の組員に使用されているようです。また上記で大規模な組織では子分の中に小さな組織の組長がいると紹介しましたが、それはこの若中・若衆の中から台頭してきます。

ヤクザの出世は上納金の額によります。以前は、ヤクザ間の抗争による功績や手柄などが出世に関わっていましたが、現在ヤクザで重要なのは「カネ」です。上納金が多ければ階級も上がり組織の中の発言権も強まっていきます。

組織によっても異なるので一概には言えませんが、組長レベルで数億から数十億円のようです。組長の収入は、下から吸い上げた上納金がほとんどです。

大きな組織の中の2次組織の組長なら、構成員の稼ぎやその数にもよりますが、数千万から数億円と言われます。

なお下っ端の暴力団員は個人の稼ぎ次第です。

部屋住みとは、暴力団事務所に寝泊まりして、掃除や電話番などの雑務を担当するヤクザの見習いのことです。

収入も全くの0から10万以下のワーキングレベルといいます。

ただ、現在は当局からの締め付けが厳しくなる中で、部屋住みの若手は時代にそぐわなくなってきているようです。

近年の若手はフロント企業で働いたり、個人的な稼ぎに奔走したり、自分の力で上納金集めに精を出すといった感じです。したがって、若手の間でも稼ぎの差が大きく出てきています。

ヤクザにとって、バブルの時代はヤクザ最盛期です。

世間の風当たりも厳しくなく法律も施行されていませんでした。ヤクザの構成員も10万人に届くほどで、それが、1992年暴力団対策法が策定され同じ時期にバブルが崩壊したことを境に変化を余儀なくされます。

それまでは、ヤクザのバブル期の代表的なシノギであった地上げ屋などで、中堅クラスのヤクザが月に100億と儲けていた時代でした。

この収入は現代の組長でも届かないレベルの額です。これだけ荒稼ぎできたのはバブル期という異常な時代でもあったのですが、それよりもヤクザが一般企業と密接に、ほとんど一緒に営業していたという背景があるからと言われています。

現代では、指定暴力団の組員というだけで実生活に制限がつきまといます。ヤクザは法的に厳しく規制されるため、まっとうな社会生活を送ることができません。

まず、銀行口座が作れない、住居の賃貸契約が結べない、保険に加入できないといったことが挙げられます。だからといって反社会的勢力の身分を隠して契約をすると詐欺罪になってしまいます。

それならといってヤクザから足を洗ったとしても、ついてまわるのが「元暴5年条項」です。これは暴力団から脱退しても5年間は暴力団と見なし銀行口座などを作らせないという条例です。

もう現代はヤクザや元ヤクザにとってはデメリットしかないと言っていいでしょう。2020年の警察のまとめによると、バブル期に10万近くいた構成員が現在では2万5,000人ほどになっているということです。（令和2年における 組織犯罪の情勢 - 警察庁）

ヤクザになるのは難しいのか？「ヤクザのなり方」をご紹介します。

ただ、ヤクザは目指すものではないですし、暴力団員にはなってはいけないので「ヤクザのなり方」を説明するのは、滑稽な感じがします。結論から言えば、不良グループから悪の道に入っていき「だんだんヤクザになっていく」という事例が多いです。

暴力団員は一般公募しているわけではなく、ハローワークに行っても、ヤクザにはなれません。

ヤクザは、おもに不良グループや、知り合いのツテで暴力団員になるのが一般的で、あまり自分から「ヤクザになりたい」という人はいない印象です。

実際ヤクザになった人のアンケートを見ると、ヤクザになったきっかけは「なりゆき」や「友達と一緒に」などで、とくにヤクザになることが重大なことと考えていないようです。

基本的には、ヤクザになる人は元来不良や社会のはみ出し者として生きている人達がほとんどです。

実際のところ、ヤクザになりたいと思ってヤクザになる人はほとんどいません。

任侠映画などに感化されて、ヤクザに憧れる人もなかにはいるのでしょうが、ヤクザの大半はほとんどはなりたくてなっている人ではありません。

その人個人では、どうにもできないような劣悪な家庭環境で育った人が多数です。

社会への適応能力が育たないまま、成人をむかえ、就職も進学もできずに、にっちもさっちもいかず、犯罪に手を染めるといった悪循環の一端にヤクザあるといった感じです。

事実、暴力団員の半数を超える人が少年院や刑務所を経験していると言われています。
 

近年のヤクザが求められる性質はなんといっても稼げることです。

暴対法と暴排条例でヤクザは決定的な打撃を受けて経済的に弱体化しているのが現状です。全体の成員も減少に歯止めがきかず、おのずと上納金の額も減ってきています。

やはり、個人的に稼げる地頭のある人材は今のヤクザ界では重宝されます。学歴があっても、稼げない人はいるので、高学歴であろうが稼げなければ現在の暴力団員としてはやっていけません。

いかがだったでしょうか。

ヤクザの仕事を詳しく見ていくと、結局は犯罪に詳しくなってしまいます。

とにかく、ヤクザは今も昔も金になることなら、社会のルールなど関係ないということです。

とはいうものの、社会的な制裁は着実に成果を挙げ始めています。暴力団対策法や暴排条例により、現在のヤクザは多大な影響を受けています。

結果、暴力団全体の構成員は減少傾向にあり、今後もこのような傾向は継続していくでしょう。

社会にルールがある以上、そこからはみ出す人も一定数現れるのは仕方のないことでしょうが、とにかく言えるのは、現代において、ヤクザに絡まれた際には、すぐに警察に連絡すれば大方の問題は解決に至るということです。